「カド」という言葉をグーグル検索に問い合わせると「東北の新庄地方でニシンのことを言う」とある。新庄では、毎年GW頃に「カド焼まつり」が開催され、炭火で焼いた丸々としたニシンの塩焼きがふるまわれるという。(2025年はお茶付きで1500円)
また、別の検索で「カド」をひくと「北海道の方言でニシンを言う」とでる。ソーラン節では「ニシン来たかとカモメに問えばぁ~わたしゃ立つ鳥波に聞け チョイ~♪」と歌われるが、民謡に「カド」という言葉はない。
まあ、北海道のヒトは明治期に東北やら全国から来たヒトビトであり、東北と北海道が言葉を共有されていてもおかしくない。
「カド」は「春告魚」として、産卵目的で春先に東北=北海道の日本海側を回遊してくる魚で、新庄や他東北の内陸にも貴重なたんぱく源として行商されていたと思われ、オイラが生まれた宮城の山形寄りの内陸地でもニシンを「カド」と言って、たぶん庶民用に廉価で出回っていたものと思われる。その証拠に、オイラのガキの時代の焼き魚の煙の匂いと焼き魚の味は、おおかた「カド」であった。
そのDNAのためか、いつも行くスーパーの総菜コーナーに「ニシン焼き」が並んでいると有無を言わず買ってきて、銀紙に包んでフライパンであっためていただくことにしている。丸々太っているが定価300円以下で売られていたが、ホッケやサンマよりも安く、質量も倍近く大きいので、いまも庶民の魚である。
これもグーグル検索だが、今や日本海産のニシンは激減し、大半がカナダやロシアからの輸入ものだという。少し寂しいが、魚に国境はないので、匂いと味をかみしめて遠い時代をなつかしみながら夕餉にいただく。
それでも気になるから、来春は、その山形新庄の「カド焼まつり」に出かけ、北海道産だというカドの炭火焼きを食べてみて「実はこんなにもうまかった」という経験をしてみようかな。