この4月、宮城蔵王の山域でズボンのポケットに入れていたスマホを、山菜の女王といわれるタラの芽採取に夢中になっている間に、どこかの草むらに紛失した。紛失に気付いた直後からヒメギフチョウの観察もそこそこに懸命に捜索したが現れてくれなかった。
幸い家の者が同機種を購入していて使用していないのがあったので、SIMといわれる通信チップをそいつに挿入するだけの被害で、おおむね現状を回復し、しばらくは平穏の日々を送らんと過ごしていたのだが、先週の朝目覚めて、いつものように枕元に置いていたそのスマホ君を開いたら、なんと画面中央に鮮やかなピンクの縦の線条が数本輝いていたではないか!何も悪いことをした覚えはないというのにだ・・・・(〇〇教の信者だったら、お盆に先祖をお参りしていないせいだと咎められたかもしれない)
再起動しても、昭和のテレビのごとく少したたいても回復することがなかったので、たまらずショップに駆け込んだが、(月数百円の代金を惜しんで)故障保証サービスに加入していないことを理由に、修理に1か月、最低でも1万数千円は要するといわれてすごすご退却した。
それで、そのまま使い続けることもなんだから、ネットで調べたら、なんと某社のアンドロイド版エントリー機種が新発売でで20000円ボッチで発売されていたので、それに変更することを決めたら、わずか二日で家に到着した。
もうこの年でゲームも動画もたしなまないのであって、そんなエントリー機種で充分である。
このあらたなスマホで何代目だろうか、記憶をたどるだけで6代目ぐらいにあたるか。初めてスマホといわれる機種に手を出したのはわずか10年前くらいではなかったか。紛失はただの1度で、あとは機能の陳腐化ではなかったか・・何だったのだろう、機種変更の理由。忘れた。それにしても、あまりにも頻繁な機種変更であり、それだけ、スマホの寿命ははかないということだろう。
さあ、この20000円のスマホくん、この先、オイラにどんな貢献をしてくれるのだろう。もう山で落とさないようにしっかりとしたストラップを肩にかけたサコシュに固定して、大事にしていこう。せめて5年も傍らにいてくれたら、「仲間」と呼んで、記憶にもとどめるだろう。
今日でお別れのピンクの線に入ったスマホ君と、汗ばみながら青葉の森を2時間ばかり歩いた。肝心のキノコちゃんには巡り合えなかったけど、坂道を越えたらさわやかな風に吹かれて、わずかばかりの秋を感じた。さよなら、わずか4か月のわが友よ・・・