かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

四半世紀ぶりに訪れた愛すべき山頂

2022-10-15 15:12:32 | 日記

蔵王温泉泊りの翌日、例のクーポンを1枚の補助を受けロープウェイに乗って地蔵岳山頂駅(1700m)まで一気に登った。たしか山頂駅までの片道料金は6月には1500円だったが、いつの間にか1800円と20%も大幅値上げとなっていた。クーポン1000円分は助かったが、この旅行支援策も、電気やガス料金への一部補助策と同様に、大幅値上げラッシュの波に飲み込まれようとするいたいけな庶民への懐柔策(バラマキ選挙対策ともいう)なのではあるまいか。

若かりし頃(50代まで)はロープウェイの「ロの字」も興味を抱かなかつた御仁が、いまやすぐに「アルトクイツク派」と成り下がっている。

今年の6月に熊野岳(1841m)~刈田岳(1758m)~蔵王古道(宮城)を下って遠刈田温泉に下っているので、今回は、ゆっくり紅葉を楽しみながら名号峰(みょうごうほう・1,490.7m)~峩々温泉を経由し遠刈田に下る計画を立てたが、熊野岳山頂から宮城側は雲海の中に隠され、ついぞ山襞の色づき具合を確認することさえ叶わなかった。

それでも、かつて白砂と花崗岩がゴロゴロ配置された庭園の一角のように美しい名号峰の山頂を愛して何度も通っていたので、山頂の標と三角点に再会できただけで十分満足したし、猫鼻経由で峩々温泉に下るダケカンバとブナの見事なゆるやかでやさしい尾根も辿れてよかった。

この山頂、「みょうごう」という名がついているので、昔の行者も熊野岳を眺めながら念仏を唱えて癒しをもとめたパワースポットなのだろう。晴れていたら、岩に腰を下ろし、お茶を飲みながら本でも開いてくつろぎたい場所なのだ。

 

   

   

   

   (上部はダケカンバの森)

   

   (ガスの映るブナの大木)

   

   (猫鼻の道しるべ、かつては紅葉台から青根温泉にも下った。)

 

名号峰を踏んだのは5月の北蔵王縦走の時以来だから22年ぶりか。その時は熊野岳に向かったから、猫鼻経由で峩々温泉に下る道を歩いたのはもっと前か。じつに四半世紀も経っているようだ。そのころは、マイカー日帰りで蔵王を訪れていたころで、峩々温泉に車を止めて猫鼻や濁川を経由して何度も名号峰に登ったし、熊野・刈田岳方面のロバの耳コースや賽の河原コースも何度か歩いた。

もうマイカーも乗らないし、濁川上流は火山危険ということで通行止めで廃道化しているみたいだ。そして、起点としていたあの鄙びた秘湯の峩々温泉(ががおんせん)も、増築したのだろうか大きな屋根がいくつもある大きな宿となっていた。調べたら2007年にリニューアルして一泊2万円以上するような高級宿と様変わりしたようで、登山者が山小屋感覚で気軽に利用するような宿ではなくなっているみたいだ。

 

  

 

加えて、その峩々温泉に猫鼻35分下ってからエコーラインに登り返す30分ほどの舗装の登りも堪えた。遠刈田温泉に着いたのは16時30分を回っていた。こんなこともあったので、下り基調とはいえ、同じコースを歩いて「愛すべき」とはいえ名号峰山頂を訪れるという選択肢はないのだろう。

山頂の愛すべき「名号峰」と前日仰いだ山容の見事な「雁戸山」。愛すべき北蔵王の山たちを再訪してそれそれの山頂でお茶を飲みたいな。もう、登る機会がないなんてさみしいぜ。

地図とにらめっこで、再訪の青写真を描きたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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