二百十日の候、毎年宮沢賢治の「風の又三郎」を読み返したくなる。東北の内陸で育ったものの心に響く、風と季節の循環の物語と子供の交流と惜別への淡いかなしみ。
台風は、東北にやってくる頃には、木々の果実を吹き飛ばす程度だったので、たぶん又三郎のように異質で不安な存在ではあるが、子供心には、友にもなれるような何かしらワクワク感があったな。あの頃の台風。
しかし、今回はそう生易しいものではなかった。台風10号は賢治のふるさとに、直接上陸して、甚大な被害をもたらした。今も、あちこちの道路をずたずたに割いて、山間の集落を途絶させている。地下水脈がパンパンに水をはらんだのだろう。
今年の台風は、東北や北海道方面ばっかりいじめて、こちら先島には直接にやってきてはくれない。そのお陰で、わが石西礁湖は、台風が海をかき混ぜて海水温を調整してくれないもんだから、サンゴの白化が進み、死滅の危機に至っている。
そして台風12号も、先島に見向きもしないように九州方面を北上して、熊本地震の被災地をいじめようとしている。
ガラスのマントの又三郎さんやーい。青い胡桃やすっぱい花梨を吹き飛ばす程度にしておいて、しずかに北極圏に消えてくださいね。
こちらのグループも来週末は、富士山登拝に向かうのだから。お願い。こないでね。
ひさびさ、宮良海岸を散歩して、シロチドリ君のメス?に遭遇。子育て終わったかな。
図鑑を調べたら、どうやらクロサギの「白い種」らしい。