十三夜の清らかな月である。沖縄では、旧暦7月13日がウンケイ(お迎え)。月よりの使者たちが降り立つ日。そして、明後日の十五夜にはウークイ(お送り)、こぞって還る日。
もう、使者たちを身内呼ばわりするのはやめよう。懐かしき、畏敬の人々は、それぞれ違っていいし、その時々でも使者たちが交代してもいいと思う。
オイラは、昨秋、兵庫県の美坂に「孤高の人」の加藤文太郎さんの墓を詣でた。氷ノ山トレランのついでといっては失礼に当たるが、そうでもしないと遠隔の地にはなかなかたどり着けない。その後、今春には、文太郎さんゆかりの六甲も歩いた。そして、長年のしこりが取れた。
そして、来月富士山のあと1週間ばかり休暇が取れるので、そのついでといっては、これまた失礼だが青春期の心の師、百名山の深田久弥さんの終焉の地をたずねることにしている。福井、大聖寺の記念館にもまだ訪ねていないが、まずは、71年3.21に茅が岳山頂まもなく地点で休憩中「紙の袋」から取り出した大好きなアンパンをほうばる最中に落命したとされるその場所に立って、しゃがんで、手を合わせてこよう。「紙の袋」は無理だろうが「コンビニ袋」にアンパンとワンカップを持参してお参りしよう。
そして今宵ウンケイの夜は深田関係本を紐解きながら眠ることにしよう。オリンピックには疲れてきたからね。十三夜の月に抱かれて。