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松竹座七月大歌舞伎 夜の部 ~俊寛という人物像、泣いて笑って~

2023-07-12 07:55:12 | 歌舞伎
7月はお楽しみ月間である。

まずは、松竹座の七月大歌舞伎 夜の部




仁左衛門の俊寛 20年振りだそうだ。
45年ほど前に観た南座の歌舞伎鑑賞教室 先代片岡仁左衛門の俊寛が素晴らしかった。ここから写真は全てHPよりお借りしました。

配役は一緒に流されて島の娘千鳥 千之助といいなずけになる丹波少将成経 幸四郎 
迎えに来る船に乗って来る役人で後に俊寛に殺される瀬尾太郎兼康 彌十郎 
俊寛の御赦免状を持ってくる役人丹左衛門尉基康 菊之助
と豪華な布陣だ。
やはり丹座衛尉基康などを菊之助がやるとぐっと舞台に奥行が出る。
坂東彌十郎の瀬尾もお手の物
千之助の千鳥も可憐でいい。

最後に花道七三のスッポンに入り、海の中に腰までつかり船を追いかけたという関西型の演出。
歌舞伎の「俊寛」は一番の老人でどうも持病がありそうで時折胸を押さえ、余命が長くないのを自分でも悟り、千鳥に乗船を譲ると言う脚色になっているようにも思えた。
素晴らしい歌舞伎の回り舞台で離れていく船を崖の上から見送る姿は悲しくて滂沱の涙だった。
俊寛の本当は帰りたいのだけれど妻も処刑されて帰京しても仕方がないという思い。

実際の俊寛はと調べてみたら、亡くなったのは36歳。若!
当然老人とは言えないが、首謀者説、源平盛衰記によると無理やり陰謀に巻き込まれた説、平家物語によると俊寛以外の2人は千枚の卒塔婆を書いて流すが俊寛は加わらなかったとか。諸説ある。鬼界ヶ島じたいも鹿児島硫黄島、喜界島とか、俊寛はロビンソンクルーソーのように生き延びたという説もある。
何分、平清盛の描き方と相対的に描かれた謎の人物である。
でも仁左衛門はまたまたひとかど以上の人物に演じ上げてしまうのは歌舞伎の芸の力だ。

最後の幕は村上元三 作の「吉原狐」


 

私は初めてこの戯曲を観たが、中村米吉が素晴らしい。

彼の芝居の上手さとセリフの生きの良さで最後まで楽しめた。
そこへ幸四郎の三五郎、お杉の中村虎之助がちゃんと支える。若さのテンポと江戸情緒がミックスされて見ごたえがあった。
市川染五郎があかんお侍の典型、貝塚采女を演じる。

さすがに芝居は上手いが18~9歳でこの役はちょっと大変だった。

7時過ぎの終演。泣いて、笑っての2時間半だった。

外に出ると夕暮れの道頓堀

観光客だらけでした。

お昼に旦那と久しぶりにでんでんタウンに出かけ隔世の感あり。
なんばウォークのドトールでミルフィーユとアイスコーヒーを飲んだので帰宅してクリームチーズ、トマト、煮物などでジントニックとワイン。









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