川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

口語短歌の試み(歌人・香川ヒサ選)

2005-06-29 13:45:56 | Weblog

6月29日聖教新聞記事「口語短歌の試み」から抜き書きです。小見出しは川本がつけました。

〇わたしたち全速力で遊ばなきゃ 微かに鳴ってゐる砂時計(石川美南)
〇この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトル(佐藤りえ)
〇真夏昼影は真下に落ちてゐてあとは残らず日なたであった(佐藤理江)
〇ふるさとは山のあなたの空遠く 今も生家に住んでいるのに(松木 秀)
〇俺がいつか俺でなくなる日を思う 竹林を抜く一群の風(田中拓也)

◇香川評
以上のように、これらの歌にはいずれも現代を生きる若者達の生存感覚が歌われている。「表現」しがたい思いが、話し言葉を取り入れた口語と韻律の力でここまで伝達可能になった。

自分の思いを顕わすということは、実は自分自身を了解することである。それはまた、他者への了解ともなる。短歌をつくることで、身分自身とも他者とも結びつくのだ。



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憲法と利己主義-山崎正和氏の見方

2005-06-29 11:18:49 | Weblog

5月5日朝日新聞記事「憲法総点検インタビュー/山崎正和(劇作家)に聞く」から転載です。

◇記者 Q
現行憲法のせいで利己主義がはびこった。だから家庭を守れ、国を愛せ、国民の義務を増やせといった議論も多いようです。

◇山崎 A
憲法のせいで日本人が利己主義になったという議論は、まったく馬鹿げている。

人権思想というのは、ある意味で利己主義と背中合わせです。資本主義というものも、私利私欲の追求がすなわち公益につながるような仕掛けをつくることでしょう。

例えば累進性のある所得税はそういう仕掛けです。お金を稼いでもいいが、稼いだ分に応じて税金を取るよと。法律が考えるべきなのはそういう制度です。



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憲法9条を変えると平和志向が変わるか-山崎正和氏の見方

2005-06-29 10:59:49 | Weblog

5月5日朝日新聞記事「憲法総点検インタビュー/山崎正和(劇作家)に聞く」から転載です。

◇記者 Q
9条を変えることで戦後日本の平和志向に変化が起こりませんか。

◇山崎 A
法は文明の一部であって、理性的で普遍的なものだが、それが施行され、実践される家庭で文化になる。文化とは文明がすっかり人々の身についた状態をいいます。

私たちは、現行憲法のもとで基本的人権を享受し、平和で豊かな生活に慣れてしまった。いま、他国に攻め込んで人殺しをするなどということには感覚的に耐えられない。日本政府が侵略戦争を起こそうとしても、今の若者を招集することはできない。鉄砲持って戦場に行って略奪してこいと命令しても無理です。

◇川本はこう思います
戦後日本は西欧・米英加豪などの生活水準を模範としてきました。それら諸国民は基本的人権を享受し、平和で豊かな生活に慣れています。でも、第2次世界大戦後も、米英仏は何度か戦争をしてきました。私たちが油断をすれば、日本だってどうなるかわかりません。



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タイトルを変えました、「川本ちょっとメモ」です

2005-06-29 03:36:51 | Weblog

タイトルを変えました。「無名人IMPRESSIONS」という旧タイトルはちょっとキザでした。自分で自分のことをうさんくさく思いました。このタイトルですと、立派なことを書こうとして、自分を飾ってしまうような気がします。

私の所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけるようにします。素朴な感覚や視点で、できるだけ事実に即して、ものごとを見ることが大切だと思っています。これは、貧しい知見をひけらかして自分を飾ってはいけないという自戒も含んでいます。

このブログでは、ちょっとした感想や印象をまとめておいたり、私のアンテナに引っかかったことを記録しておいたりしようと思っています。


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小説家・目取真俊氏が靖国神社に思うこと

2005-06-29 02:20:40 | Weblog


4月22日朝日新聞「戦没者追悼と靖国問題」というタイトルで、評論家・宮崎哲弥氏、小説家・目取真俊氏、大阪大名誉教授・子安宣邦氏の見方が掲載されました。この中で、私は目取真俊氏の見方に共感を覚えました。私の信条である「手ざわり生活実感的」に見ておられるからです。

以下、目取真俊氏の文。小見出しは川本がつけました。

◇軍服で行進するお年寄り
昨年の8月15日、初めて靖国神社に行った。鳥居をくぐってさざれ石を見学し、参道を歩いていくと軍服を着たお年寄りのグループが隊列を組んで行進してきた。参道横の休憩室では別のお年寄りのグループが「海ゆかば」を歌って涙している。

◇沖縄戦の真実を隠す
そういう様子に面食らいながら人込みの中を歩き、本殿から遊就館へと足を運んだ。説明文を逐一読んで展示物を見、外に出て改めて参道を埋める人込みを眺めたとき、沖縄では目にできない空間のかもし出す雰囲気に、違和感が募ってならなかった。

遊就館では日本の近代以降の戦争についてさまざまな遺品や写真などが展示され、沖縄戦についても触れられている。しかしそこでは、皇軍兵士たちが沖縄で行った住民虐殺や食料強奪、壕追い出しなどについては記されていない。傷ついて歩けない兵士たちに青酸カリ入りのミルクを渡し、置き去りにして敗走していった日本軍の姿も伝えられず、また敗残兵となった日本兵に住民が抱いた恐怖も記されない。

◇「英霊」のイメージ作り
そういう事実からは目をそむけることによって、死んだ皇軍兵士たちは「英霊」とたたえられる。逆に言えば、「英霊」のイメージを壊す沖縄戦の実相は、靖国神社では触れていけないタブーなのだろう。

それは沖縄戦だけではない。日本が植民地とし、戦場としたアジア諸地域の戦争の実相もそうだ。私には靖国神社や遊就館が、皇軍兵士による住民虐殺や略奪や暴行など、侵略と加害の歴史を忘却させ、侵略者としての皇軍兵士の死を殉国美談の物語に仕立て上げる巨大な装置としか思えなかった。

略。

◇戦争被害の体験と戦争加害の歴史
その(注:沖縄戦)体験は親から子へ、祖父母から孫へと語り伝えられてきた。私の祖父や父は日本兵に殺されかけた体験を話していたが、その記憶を私も忘れはしない。

韓国や中国の「反日」デモについて、日本のメディアは「愛国主義教育」の影響を喧伝するが、私には「口伝え」に伝えられる「記憶」や「歴史」の力について認識が弱いように思える。

日本人がいくら目をそむけても、日本が行った侵略と虐殺、略奪の歴史を消せはしない。-略-。歴史の過ちを反省する姿勢が日本人の中にない限り、アジア諸国の民衆から理解を得られまい。



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