川本ちょっとメモ

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福田財務次官「セクハラ」問題 テレビ朝日「セクハラ被害」緊急記者会見・全文字起こし / 財務省宛セクハラ抗議文掲載 

2018-04-22 21:04:53 | Weblog

2018-04-17
<福田事務次官セクハラ問題> 財務省は「名乗り出よ」と記者クラブを威圧 報道の奮起を願います 4月16日財務省発表3文書掲載
2018-04-18
<福田事務次官セクハラ問題> 4月18日 16:14 産経新聞「記者クラブが財務省に抗議文提出」 18:20 麻生財務大臣が福田事務次官辞任を発表



福田財務省事務次官は4月18日夕刻、「セクハラ」辞任表明をしました(ただし本人は否定)。

これを受けて、その数時間後の4月19日午前0時に、テレビ朝日が緊急記者会見をしました。

政官界全体にかなりえげつないパワハラ込みセクハラがまん延しています。手を握られた、キスをされた等々、先輩女性たちの経験談が次々、明るみに出ています。日本の中枢にいる政官のエリートたちの世界で、これほどひどいセクハラが当たり前にあるとは想像したこともなかった。驚くばかりです。

見て見ぬふりしてきた報道界全体の罪も大きい。報道各社にとって、大きな転機です。今公開中の「ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書」という映画を見られてはいかがでしょうか。報道界の経営者や幹部社員の方々が、この実話映画に出てくるワシントンポストの勇気を奮ってくださるよう願っています。


テレビ朝日緊急記者会見
(日時)  2018(H30).4.19.00:00
(場所)  テレビ朝日本社
(会見応答)篠塚浩取締役報道局長
(陪席)  長田広報局長


<テレビ朝日の篠塚浩取締役報道局長 冒頭コメント>

 私の方から当社のコメントを読み上げさせていただきます。(※このコメントは会見場でプリント配布されている)

 『週刊新潮』で報じられている福田次官のセクハラ問題について、セクハラを受けたとされる記者の中に、当社の女性社員がいることが判明いたしました。

 当該社員は当社の聞き取りに際しまして、福田氏によるセクハラ被害を申し出、当社として、録音内容の吟味及び、関係者からの事情聴取を含めた調査を行った結果、セクハラ被害があったと判断しました。

 みなさま、ご承知のように福田氏は先ほど、財務次官を辞任する旨を発表致しまして、その記者会見の場で『週刊新潮』が指摘したセクハラ行為を否定しておられます。

 しかし、当社社員に対するセクハラ行為があったことは事実であると考えております。

 女性社員は精神的に大きなショックを受け、セクハラ行為について、事実を曖昧にしてはならないという思いを持っております。

 当社は女性社員の意向も確認の上、今現在、こうして会見を行っております。

 当社は、福田氏による当社社員を傷つける数々の行為と、その後の対応について、財務省に対して、正式に抗議をする予定です。

 この社員ですが、1年半ほど前から数回、取材目的で福田氏と1対1で会食をしました。

 が、そのたびにセクハラ発言があったことから、自らの身を守るために会話の録音をはじめました。

 今月4日に福田氏から連絡を受け、取材のために1対1での飲食の機会がありましたが、その際にも、セクハラ発言が多数あったことから、途中から録音をいたしました。

 そして、後日、上司に『セクハラの事実を報じるべきではないか』と相談しました。しかし、上司は放送すると、本人が特定され、いわゆる2次被害が心配されることなどを理由に、『報道は難しい』と、伝えました。

 そのため、この社員は財務次官という社会的に責任の重い立場にある人物による不適切な行為が表に出なければ、今後、セクハラ被害が黙認され続けてしまうのではないかという強い思いから、『週刊新潮』に連絡をし、取材を受けたということです。

 この社員はその後、『週刊新潮』からの要請を受けて、録音の一部を提供しています。

 当社といたしましては、先ほど申し上げましたように、当社社員がセクハラ被害を受けたことを財務省に抗議するとともに、今後、セクハラの被害者である当社社員の人権を徹底的に守っていく考えです。

 一方で、当社社員からセクハラの情報があったにも関わらず、適切な対応ができなかったことに関しては、深く反省しております。

 また、当社社員が取材活動で得た情報を第三者に渡したことは、報道機関として不適切な行動であり、当社として、遺憾に思っております。

 なお、セクシャルハラスメントという事案の性格から、当社としては被害者保護を第一に考え、当該社員の指名を始め、個人の特定につながる情報は開示をしない方針であります。

 報道各社の皆様においても、ご配慮を頂きますようお願いいたします。コメントは以上でございます。



<各社質問 / 応答:篠塚報道局長> ※〇〇は聞き取りできなかった部分

Q.朝日新聞社の港です。まず、被害者の中にセクハラを受けたとされる記者の中に当社の女性社員がいたということですが、女性社員の数は何人でしょうか?

A.ええ、申し上げません。詳細は申し上げません。

Q.(朝日)ええと、女性社員という言い方をされていますが、記者か、番組付きのディレクターなのか、明らかにできますでしょうか?

A.それに対しましても個人の、ええ、特定が進んでしまうということから、申し上げることは」できません。

Q.(朝日)新潮の報道では、4月上旬のものとして、文言の、あるいは録音の内容も報道されていますが、その同じ内容のものについて当該の社員さんがその録音を持っていて、それを確認したということでいいですか? 同じものですか?

A.あのう、週刊新潮が先週と今週に報じている中のうちに、やりとりとして、福田記者、福田記者、という部分があると思いますが、その者に関しましては、当該社員のやりとりであるということを確認いたしました。

Q.(朝日)1年半前から担当されていたということですが、1年半前、そのぐらい昔の、前の録音に関しても、新潮に出しているということはありますか?

A.ええと、1年半前はないですね。

Q.(朝日)わかりました。

A.1年半前…、1年半まではいってないですね。

Q.(朝日)今回、社内調査はいつから行っていたんでしょうか?

A.あのう、本人から申し出があったのは、今週月曜日の遅くになります。

Q.(朝日)それは、社内でなんらかの方法で特定された形で本人がしゃべらざるを得ない形になったのか、或いは本人からこう進んで述べてきたのか、どちらなんでしょうか?

A.あのう、いろんな噂が飛び交っているのはわかっていましたので、聞き取りを始めました。その段階で、月曜日の遅くになって当該社員の方から、ええ、申し出があったということです。

Q.(朝日)聞き取りは何人に行ったんでしょうか?

A.詳細は申し上げられません。

Q.(朝日)なぜ、今日このタイミングの会見になったのか、教えてください。

A.あのう、先ほど申し上げましたように、月曜日の遅くに当該社員から申し出がございました。ええ、その後、調査を継続してまいりました。で、正直申し上げますと、近いうちに、まあ、週内にでもですね、なんらかの形で社としては公表をしようという考えを持っておりました。

 そのタイミングで、今日の19時前ですか、福田次官の方からあのような会見があったものですから、これはテレビ社としてもですね、当社の見解を早めにお伝えしなければならないという風に考えまして、まあこのようなタイミングでというようになりました。

Q.(朝日)録音内容の吟味および関係者からの事情聴取されたということですが、録音内容の吟味というのは何回分の録音があったのでしょうか。

A.詳細は申し上げられません。

Q.(朝日)念のため確認ですが、録音に関しては、ええと、先方には録音している旨は伝えないで録音していたということになりますか?

A.そういうことです。はい、そういうことです。

Q.(朝日)あと、ご本人は事前に上司にご相談されていたということですが、「報道は難しい」という風に、ここにカギ括弧になっていますが…。ま、ここにいろんな含みが考えられると思うんですけども、も少しあの、どういう形で報道しないということを判断したのか、どういう言葉で本人に…。というのは、このタイミングで被害者が傷ついた可能性が十分に考えられますので、どういう風に報道は難しいと説明したのか、ご説明してください。

A.はい。これは先ほど申し上げた通りです。放送すると本人が特定され、いわゆる二次被害が心配されることなどを理由に難しいということを伝えた、ということだと思います。

Q.(朝日)何回分の録音データを新潮に提供していたか言えますか?

A,詳細に申し上げることはできません。

Q.(朝日)わかりました。ありがとうございます。

〇長田広報局長 そのほか、ご質問お有りでしょうか。

Q.産経新聞の兼松と申します。録音を提供した女性の社員の方なんですけども、こちらに御社のコメントとして、情報を第三者に渡したことを不適切とありますが、ご本人は、なぜこのようなことをしたか。或いはこれについてどのようなことをおっしゃっているか。教えていただけますでしょうか?

A.あのう、先ほど申し上げた通りですが、なぜこのようなことをしたかというのは、もともとのレジメにもありますように、財務次官という社会的に重い立場の人物による不適切な行為が表に出なければ、今後とも、セクハラ被害が黙認され続けてしまうのではないかという強い思いを持って、公開しようと思ったということでございます。

Q.(産経)やってしまったことについてのなんか、本人のまあ、反省とは言わないですけども、その辺のコメントありますでしょうか?

A.今現在、不適切な行為だったという私どもの考えを聞いてですね、反省をしております。

Q.(産経)ありがとうございました。

〇長田広報局長 そのほか、ご質問有ればお受けします。

Q.日本テレビの森です。先ほどもちょっとありましたあの、上司のですねえ、先ほどは「難しい」と。これはあのう、二次被害を恐れてということだったんですけれども、この上司っていうのはどういう役職の方で、これはこの上司の方の判断だけでこういう判断をしたのか。それとも更にその上のですね、例えば局長を含む幹部と話をしたうえで放送を見送ったのか。このあたりはいかがですか?

A.上司の役職に関しましては本人が特定されますので、申し上げることができません。

Q.(日本テレビ)ええ、本当は難しいという判断はこれ、この上司お一人の判断ですか? それとも報道局全体で何か共有したりっていうのはありましたでしょうか?

A.上司の判断です。上司一人の判断ということであります。

Q.(日本テレビ)わかりました。それから3パラグラフめにですね、福田氏(※財務省事務次官)とそれから財務省に対しても正式に抗議をするとありましたけれども、ここでフラッシュの方はですね、訴訟も視野に入れているということもありますけれども、訴訟等々はテレビ朝日さんとしては考えていらっしゃいますか?

A.そのあたり、まだこれから検討することだと思います。現在特に何も決まっておりません。

Q.(日本テレビ)わかりました。あともう1点。取材活動がですね、第三者に渡ったということが不適切だったとおっしゃっていますけれども、これ御社であのう、きちっとですね、この方の相談を真摯に受け止めて行動するなりしていれば、こういうことにはならなかったという風に考えられるんですが、この点についての受け止めとですね、今後どういう形で改善していくのか。局長のご見解をお願いします。

A.これも先ほどレジメで言う、あの、適切な対応ができなかった等に関しましては、私ども深く反省しております。今後きちんと、組織としてですね、情報共有に努めて、適切な判断ができるようにしたいと思っています。

Q.(日本テレビ)ありがとうございました。

Q.すみません。読売新聞の栗原と言います。次官(※福田財務省事務次官)の今日(2018.4.18.)の夕方の会見ですと、デイリー新潮で公開されているインターネットの音声というのは前後関係がおかしいというような話をしていますが、この女性の方はそのことについてどういう風に言っているんでしょうか? こんなことは無かったと次官は言っているんですけど。

A.すみません、もう一度…。

Q.(読売)今日の囲みの(福田次官)会見で、インターネットに出ている音声は前後の関係が継ぎはぎされているように成っているので、事実関係としては記憶が無いというような発言をしているんですが、それに対してその女性は何か言っているんでしょうか?

A.あの先ほど申し上げたように、提供しているのは音声の一部なのですから、次官の方はそのように思ったのかもしれませんが、全体を見ればそうじゃないということがわかると思います。

Q.(読売)あともう1点。財務省は調査への協力要請をしていると思うんですが、それに応じる考えというのはあるんでしょうか?

A.基本的にはですね、皆さま方の報道もそうですし、当初の報道でもですね、その機関の第三者性についてはですね、さまざまな疑問とか疑念というものが出ているというのはご承知の通りで、わたし共の番組情報でもそのような伝え方をしております。ということもありまして、このあたりはこれから先慎重に検討していきたいと思っています。

Q.すみません。読売新聞の石原と申します。先ほどから報道局長がおっしゃっている女性記者から相談があれば適切な対応をすべきだったとおっしゃっていますけど、「適切な対応」というのは具体的にどういうことが適切だと、今お考えなんでしょうか?

A.なかなか仮定の質問なんで、そのとき私たちどう対応できたかは、正直言って今の段階で思い返すのは非常に難しいのですが、さまざまな理由があった可能性もあると思います。例えば一つは報道するとか、報道を実際にするとか、或いは抗議をするとか…。いずれにしろ、いろんなケースが考えられ、その時ちゃんと検討する必要があったという風に思っています。

Q.(読売)あの、ちゃんと報道する対応するというのは、一人の判断だけではなくて複数の判断でできた、対応できたのではないかと、そういう趣旨でよろしいでしょうか?

A.はい、その通りです。

Q.共同通信の萩原と申します。何点かお願いします。先ほど音声データの提供があのう、詳細は差し控えるということでしたけれども、少なくとも複数回という風にお伺いしてもよろしいんでしょうか?

A.複数回というのはどういう意味ですか?

Q.(共同)先ほど一部とおっしゃっていたんですけども、1回の会食等で録音されたものの一部を、何回かの会食の別日のものを複数回で、一部ずつ提供されていた――というような理解でよろしいんでしょうか?

A.複数回ということです、はい。

Q.(共同)複数回。で、すいません。今回あくまで放送…、取材上で得た情報を第三者に渡されたということですけれども、これに関しての御社の女性社員の方の対応というのは、どういうことをご検討していらっしゃいますでしょうか?

A.あのう今日ですね、次官の会見があったことから、こうして急遽集まっていただきましたが、詳細な調査は現在も継続しておりますので、これから考えていきたいと思います。いろいろ決まったことはございません。

Q.(共同)最後に1件。今回、夕方(2018.4.18.)の福田事務次官の対応を見て、今回の会見を決定されたということだったんですけれども、その会見内容についてはどのようにご覧になっていらっしゃったのでしょうか?

A.ちょっと、もういっぺんよろしいでしょうか。

Q.(共同)本日夕方の福田事務次官の取材対応を見て会見を決められたということだったんですけれども、その会見内容についてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか?

A.当社としてですか?

Q.(共同)はい。

A.先ほど申し上げた通りです。要するに私どもとしては、セクハラの行為を次官は否定していらっしゃったんですけども、私どもとしてはセクハラの行為があったという風に、ええ、事実であるという風に考えておりますということでございます。

Q.(共同)つまりその、否定されたという行為についてどのように思ってらっしゃいますか? つまりその、事実をうやむやにしているとかですね、事務次官のご対応についてはどのようなお受け止めをされましたか?

A.くり返しになりますが、私どもとしてはセクハラ行為があったのは事実であると思っております。

Q.(共同)ありがとうございます。

〇長田広報局長 ええとちょっと、すみません。先ほど質疑の中で…あらためて確認ですけれども、1年半前の音声について出しているかというご質問で、ええと出していないという趣旨の回答あったかと思いますけれども、実際2016年のものについてこの録音は出しているということでありますので、そのようにご理解をいただければと思います。

Q.(質問者不詳)申し訳ありません。1年半を基準…(聞き取りできず)…と思うわけですか?

A.はい…、はい。

Q.ええ、すみません。TBSテレビ「サンデー・ジャポン」ですけれども、今回の福田事務次官の辞任を受けて、女性社員の方は何ておっしゃってますか?

A.当該社員ですけども、福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことについては、とても残念に思っています。ええ、それから財務省に対しては、今後調査を続けて事実を明らかにすることを望んでます。ええ、そしてすべての女性が働きやすい社会になってほしいと心から思っています、と話しています。

Q.(TBSテレビ「サンデー・ジャポン」)因みに麻生大臣の対応についてはどうおっしゃっていますか?

A.聞いておりません。

Q.(TBSテレビ「サンデー・ジャポン」)ありがとうございます。

Q.TBSラジオの〇〇です。1年半前からのセクハラ行為があったということ、ああ、セクハラ発言があったということなんですけれども、その間相談したのがいつ頃で、それが複数回だったかどうか、まず教えてください。

A.申しわけありません。調査の詳細については今日は冒頭のあのコメント以上の事は〇〇だけという風に思います。

Q.(TBSラジオ)ええ、続いてなんですけれども、本人がその、報道した方がいいということで相談したということなんですけれども、まあその時は二次被害を理由に断ったという…ええ、ことをしないということになったと思うんですけれども、そのことに納得してないから新潮に行ったというようにお考えにならないでしょうか?

A.あのう、先ほど申し上げた通りです。社会的責任の重い立場にある人物による不適切な行為が表に出ていかなければ、今後もこうしたセクハラ行為が黙認されてしまうと…。ええ、され続けてしまうのではないかという強い思いを持って、そういう行為に及んだと思っています。

Q.(TBSラジオ)それに関連してなんですけれども、もうこの時点で既にネットなどでは特定するような二次被害が起こるかなあと思っているのですが、今回あらためて公表するに至った理由について伺いたいんですが。

A.これも先ほど申し上げた通りですね、まあ、当社の〇〇状況であるというのが一つ。それから何よりもですね、当該社員本人のですね、ええ、意向をくり返し確認いたしましてですね、当該社員の強い希望からこのような話になりました。

Q.(TBSラジオ)わかりました。あと、上司の処分とかですね、今回のことを受けての社内研修を行っていくなどの考え方とかありますでしょうか?

A.ええ、先ほど申し上げましたように、詳細な調査が現在も続いておりますので、まだ何も決まっていることはございません。

Q.(TBSラジオ)最後に一つなんですけれども、あのうこれ、今回報じられているのは御社の記者というか、女性の方以外のものも含まれているということはありますでしょうか?

A.そのあたりは週刊新潮の方に聞いていただければと思います。

Q.ジャパンタイムズの記者の吉田と申します。あのう、セクハラの認定をされたということですが、雑誌には一部しか出てないんですが、内容はだいたいあのていどのものなのか? もっと何かいろいろなことがあったのか? どれだけ深刻なものだったのか? もし、わかることがあれば知っている…。ほかに、言葉遊びだという…(事務)次官が一般論をおっしゃっていますが、その範疇をを越えていたのかどうか?

A.あの、それについては、詳細については、ここで申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

Q.(ジャパンタイムズ)それから、女性が(※録音を)第三者に出したのは不適切だということだということですけれども、これに対して何か処分はあり得るのか? これは社の方の最初の対応が、この方の相談に応じなかったということですけれども、このバランスですね。どちらの責任が重いというようにかんがえていらっしゃるのか、そのバランスはどうなんでしょうか?

A.これも、先ほど申し上げましたように、現在詳細な調査は続けておりますので、何も対応については決まっておりません。

Q.(ジャパンタイムズ)わかりました。

Q.読売新聞の吉田と申します。確認したいんですけれども、その女性から相談があったときに、御社としては配置を変えるとかですね、ただ報じることが難しいだけではなくて、女性の心的な負担を考えて、何か手を取った(※講じた)ということはあったんでしょうか?

A.先ほど申し上げまして言うように、配置についているんでですね、個人の特定につながりますので、今回、あの、詳細についてはお知らせすることはできません。

Q.(読売新聞)配置を変えたか、変えてないか…。

A.はい、それについても同じことです。

Q.すいません。TBSテレビのカワイと申します。財務省に対して正式に抗議する予定というということなんですけれこも、具体的に今後の抗議する日程とか、今後について何か決まっていることがあれば、教えていただきたいんですが。

A.できるだけ速やかに、という風に考えております。

Q.(TBS)今週中にもっていうことですか?

A.いや、詳細には申し上げることができませんが、できるだけ速やかに、ということです。

Q.〇〇センターの読売新聞のイチバです。最初に女性から相談を受けたときなんですけれども、その際に、そのう、ボイスレコーダーというか記録というのも、音源は上司に渡していた、いや聞かせていたのでしょうか?

A.聞かせていません。

Q.(読売新聞)あの、今回、セクハラしたという風に特定したということなんですけど、それはもう音源を報道局長の方でも聞いて特定されたと、そういうことでよろしいでしょうか?

A.基本的にはですね、私は聞いております。それから、その録音をまず精査した結果、それからその声とかですね、それから財務次官の職務に関する発言内容等から、ああ、福田氏(※財務事務次官)の発言を記録したものというように判断いたしました。

Q.(読売新聞)コピー文ですが(※週刊誌その他の音源文字化セリフのことと思われる)、財務次官には直接に、「この音源通りに話しましたよね」という風なことは、テレ朝からは確認されていないということでよろしいでしょうか?

A.確認していません。

Q.たびたびすみません。TBSラジオの〇〇です。上司の方。男性か、女性か、教えていただけますか?

A.これも個人の特定につながりますので、申し上げることができません。

Q.(TBSラジオ)上司の方なんですけれども、被害者の方への二次被害を心配して報道しなかったということなんですけれども、たとえば財務省への取材活動に支障をきたすことへの懸念とか、そういうことは理由になってないんでしょうか?

A.先ほど申し上げた通りでございます。二次被害を防ぐというところが重点でございます。

Q.(TBSラジオ)わかりました。ありがとうございます。

Q.朝日新聞の〇〇です。御社の中でセクハラに対する意識が低かったから、こう、最初のそういう対応になったんじゃないか、という考え方はないんでしょうか?

A.あのう、その批判はまじめに受け取らなければならない、という風に思います。つまり、その情報が多くの場で共有されていなかったということだと思いますので、これに関してはきちんと改めるべき意味かもしれない、という風に思っております。

Q.(朝日新聞)で、発表に、前にですね、本人の意向も確認の上でということですが、この時点のご本人はどういう理由で、公開して会見をしてくれていいと言っているんでしょうか?

A.基本的にはですね、先ほど申し上げたように、そのう、週刊新潮に取材を受けたという理由と同じです。つまり、このままセクハラ被害を黙認され続けるって言ってるってことに関しては看過できないということです。

Q.(朝日新聞)あと〇〇と、音源に関していくつか説明があったので、もう一度整理したいんですけれども、まず今月4日(※2018.4.4.)の録音の分は確認されているということですよね。で、その日の分を新潮にまずだしていることは確認していますか?

A.4日の分に関してですね。

Q.(朝日新聞)はい。

A.あのう、一部ですけどね。

Q.(朝日新聞)先ほど、「複数」と「一部」って言葉があるのは、同日の…。すみません。もう一度ちょっと確認なんですが、同じ日のものを何回かに分けて出したという意味なのか、別の日の分を出したという…。

A.4回に分けたというのは、どういう意味なんですか?

Q.(朝日新聞)同じ日に何回、こう録音しているものを編集して、何個かの録音のものとして分けて出したとか、そういうこともあり得ると思うんですが。

A.ん? ちょっとよくわかんないんですが。

Q.(朝日新聞)たとえば同じ日に、録音して止めて、録音して止めてってことを、何度かくり返していたとしますよね。それを複数と数えているのか、「別の日」という意味で複数と数えているのか…?

A.先ほどの複数回というのは、「別の日」という意味です。先ほど申し上げた、まあ1年半の分はちょっとわかりませんが(今詳細な日付を持っていないが)、それと4月の分ということだと思います。

Q.(朝日新聞)で、あのう、新潮に出ているものというのは、今月4日(※2018.4.4.)のものと一致しているということで大丈夫ですか?

A.新潮に出ている…

Q.(朝日新聞)やりとりです、はい。

A.記者とのやりとりに関しては、私どもの聞いている範囲と一致しております。

Q.(朝日新聞)今月(※4月)4日のやりとりのあとに、後日ジョーシンで、とありますが、この後日というのは何日後なのでしょうか?

A.詳細については、申し訳ありませんが、控えさせていただきます。

Q.(朝日新聞)あと、当該社員への内容の吟味と、関係者からの事情聴取とあったんですが、この関係者というのは当該社員と上司以外に、例えばこれまで関係していた方とか、そういう方も含むんでしょうか?

A.調査の詳細については、申し訳ありませんが、控えさせていただきます。

Q.(朝日新聞)さっき…、ごめんなさい、1年半の追加のご説明ありましたが、1年半前から担当されていて、1年半前から録音をご本人はされていたということですか?

A.「担当」と言うところに関しましては、申し上げられません。

Q.(朝日新聞)1年半前から1対1で会っていたとありますが、1年半前からご本人は録音されていたということですか?

A.あの、ここにある通りです。1対1で会食したときに、そのたびにセクシャルハラスメントにに会ったことから録音を始めたということです。

Q.(朝日新聞)録音を始めたのは、いつからなんでしょうか?

A.あのう、1年半前…。1年半というのは、約、約なんで。

Q.(朝日新聞)ええと、先ほど篠塚さん(※報道局長)のご説明の中で、その録音を本人の許可を取らずにしていたことについて、篠塚さんが説明をしたうえで本人は反省してというお話がありましたが、録音をした時点では、記者倫理なり、放送倫理として、これは問題ある行為だっていうことは、わかっていたんでしょうか?

A.申しわけありません。本人の許可を得ずに録音したことを反省しているという風に、私は申し上げておりません。

Q.(朝日新聞)もう一度お願いしていいですか?

A.私が申し上げたのは、第三者に渡したことに対して不適切な行為であると私どもは思うし、それに関して反省しているとちうことを申し上げたんです。

Q.(朝日新聞)許諾を取らずに録音していたことについては、何かおっしゃっていますでしょうか?

A.申しわけありません。ええと、本人の考えは確認しておりません。

Q.(朝日新聞)わかりました。ありがとうございます。

Q.読売新聞の柳沼です。事実関係で何点かお伺いしたいんですが、週刊新潮側にこの音声データを提供されたのは、このご本人が直接ってことでよろしいですか?

A.そうです。

Q.(読売新聞)この紙(記者会見の篠塚報道局長冒頭コメント)を見ますと、1年半ほど前から、自らの身を守るため会話の録音を始めましたとあるんですが、この録音というのは財務事務次官への取材目的ではなくて、自らの身を守るための録音だったところで、当初から取材ではなくて。

A.おっしゃる通りです。

Q.(読売新聞)これ何か、いずれそのう、例えば告発というか、そういう形も想定して録音されていたということでしょうか?

A.というよりも、自らがこのような行為を受けているということを、例えば、ま、今回はそのようなことをしなかったわけですけども、会社なり上司に説明する際に、当然必要になるだろうということで録音したということです。

Q.(読売新聞)最後に、先ほど別の方からの質問で、当該社員さんのお話を、「とても残念に思っている」「すべての女性が働き易い環境を」っていう言葉があって、これはご本人のこれを受けてのコメントということでよろしいですか?

A.おっしゃる通りです。

Q.(読売新聞)それをもう一度、言っていただいてもよろしいでしょうか?

A.ええ、当該社員ですけれども、「福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことについて、とても残念に思っています」。ええそれから「財務省に対しては今後調査を続けて事実を明らかにすることを望んでいます」。さらに、「すべての女性が働きやすい社会になってほしいと心から思っています」。――と話しております。

Q.(読売新聞)ありがとうございます。

Q.日本テレビの森です。すいません。追加で2点なんですけれども、週刊新潮に対してですね、本人が直接連絡をして取材を受けたと。これが今月(※4月)の4日以降ということですね。で、この時点では、あくまでも週刊新潮と普通に取材を受けたということですか? 最初は。

A.普通に取材を受けたということは?

Q.(日本テレビ)つまり、その後要請を受けて、音声を、録音を提供したとあるんですが、いちばん最初は、普通にそういうことがあるんだという話をしただけ、という…。

A.録音提供が、取材と同時提供だったかということですか?

Q.(日本テレビ)そうです。

A.後です。時間的なタイムラグというか、日数の間があります。

Q.(日本テレビ)わかりました。それとですね、その後要請を受けてということがあったんですけども、その後週刊新潮の方から録音をくれという話があったということですか?

A.おっしゃる通りです。

Q.(日本テレビ)で、それについて要請を受けた時点で、本人はすぐに渡したのか、それとも逡巡したり、あるいは上司に相談したりとか、そのあたりはいかがでしょうか?

A.本人から、迷ったけれども、渡したと言っております。上司に相談はありません。

Q.(日本テレビ)迷ったけれども渡したということですね。それとあのう、この音声の提供に際して、いわゆる謝礼金みたいなものは発生しているのかどうか?

A.まったくありません。

Q.(日本テレビ)謝礼はないと。わかりました。

〇長田広報局長 それでは最後、お一方ということでお願いします。

Q.NHKの大西と申します。あのう、上司の方が相談を受けたときの確認なんですけれども、セクハラを止めさせるためにですね、そのう、事務次官であるとか財務省に直ちに抗議するという措置は取ったのか、取ってないのか? 取ってないとするとその理由は何か? ということをまずお伺いします。

A.そういう措置は取っておりません。基本的には報道に関してのみ判断をしたということでございます。

Q.(NHK)それは本人を守るためには、そういう措置を取るということもあったと思うんですけれども、それはなぜ、なっていないんですか?

A.あのう、基本的にはですね、ええ、組織全体として対応を考えねばならなかったところに、そういうことができなかったということが一番の反省点だと思っております。

Q.(NHK)で、あと、その上司の方が相談を受けたときに、相手に無断で録音しているということは、その上司は報告を受けているのでしょうか?

A.録音をしていたことについては、無断でかどうか、ちょっと確認をしておりませんが、録音があるということは聞いています。しかしその中身については確認しておりません。

Q.(NHK)それに対して、録音に対して、上司はどういう対応をしたのかわかりますか?

A.確認しておりません。

〇長田広報局長 申しわけありませんが、質問の方はこれで終わりという風にさせていただければと思います。先ほど冒頭のコメントでも読み上げさせていただきましたけれども、今回の事案、セクシャルハラスメントという事案の性格から、当社としましては被害者保護を第一に考えまして、当該社員の氏名をはじめ、個人の特定につながるような情報は開示しない方針です。皆さま方におかれましても、こうした趣意を踏まえていただきまして、ご配慮をいただければ幸いでございます。よろしくお願いをいたします。

それでは本日は夜遅くお集まりいただきまして本当にありがとうございました。会見を終了させていただきます。

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テレビ朝日セクハラ抗議文(財務省宛て)

                        2018年4月19日
財務省
大臣官房長 矢野康治殿
                      株式会社 テレビ朝日
                      取締役報道局長 篠塚浩

  貴省事務次官による当社社員へのセクハラ行為に対する抗議

 今般、当社の女性社員から、貴省福田淳一事務次官への複数回の取材において福田氏からセクシャル・ハラスメントを受けたとの申し出がありました。当社として調査をしてまいりましたが、取材の過程で福田氏からわいせつな言葉などセクハラ行為が相当数あったと判断いたしました。女性社員は精神的に大きなショックを受けております。

 財務事務次官という社会的に責任の重い立場にある福田氏が、優越的な立場に乗じて行ったセクハラ行為は、当社として到底看過できるものではありません。またこのようなセクハラ行為は正常な取材活動による国民への的確な情報提供を目的とする報道機関全体にとっても由々しきことと考えております。

 ここに厳重に抗議するとともに、貴省として徹底的な調査を行い、早急にその結果を公表するよう求めます。
                                以上


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<福田事務次官セクハラ問題> 4月18日 16:14 産経新聞「記者クラブが財務省に抗議文提出」 18:20 麻生財務大臣が福田事務次官辞任を発表

2018-04-18 21:42:50 | Weblog
2018-04-17
<福田事務次官セクハラ問題> 財務省は「名乗り出よ」と記者クラブを威圧 報道の奮起を願います 4月16日財務省発表3文書掲載

昨日の当ブログで4月16日発表「財務省3文書」は、財務省記者クラブ(財政研究会)を威圧し、被害者女性記者の政治部追放を財務省記者クラブに迫るものだ、と書きました。

本省詰め政治記者は政治家や高級官僚の内懐に入りこんで取材力を競い合います。記者クラブ所属記者相互間や各社間で足並みをそろえて財務省の威圧に抵抗できるだろうか。そういうわたしの思いはさいわいに杞憂に終わりました。

財務省記者クラブは、当たり前のことかもしれませんが、健全な反応を示しました。


4月18日16:14、産経ニュースが次のように伝えました。

 週刊新潮が報じた財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ疑惑をめぐり、財務省が報道各社の担当女性記者に異例の調査協力を求めている問題で、同省を担当する新聞社やテレビ局などの記者が所属する記者クラブ「財政研究会」(略称・財研)は18日、調査協力について「受け入れられない」とする抗議文を同省に提出した。抗議文の全文は以下の通り。


そして4月18日18:20、麻生財務大臣が福田事務次官の辞任表明を発表し、続いて福田次官が会見を行いました。一昨日16日3文書発表時の権力的で頑なな財務省と福田次官の姿勢が一変急転しました。

記者クラブから財務省への抗議文提出が2時間ばかり早かった。きょう18日は朝8時から自公与党が事態収拾に動いており、国会でも野党の福田次官出席要求に応じないで欠席をするなど、福田次官セクハラ問題を巡る動きが急でありました。午後4時ごろに記者クラブが抗議文を提出する前に、辞任表明がほぼ見えていたのかもしれません。

しかし足並み乱れることなく、辞任表明より早く、記者クラブとしての抗議文を財務省に提出したことで、報道各社の健全度を世間に示すことができたことに安堵しました。

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(出所 2018.4.18.16:14 産経記事)


平成30年4月18日

財務大臣 麻生太郎殿
財務省大臣官房長 矢野康治殿
                            財政研究会


 「福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い」について


 4月16日、財務省大臣官房長名で財政研究会加盟各社に要請された福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関する調査への協力について、財政研究会としては下記の理由により、受け入れられず、財務省に対し抗議する

 一、財務省は、調査を外部の弁護士に委託し、「不利益が生じないよう責任
  を持って対応させて頂く」としているが、弁護士事務所は財務省の顧問を
  務める事務所であり、被害女性のプライバシーや取材記者としての立場が
  どのように守られるのかが明確でない

 一、そうした状況に加え、事実関係を否定して訴訟準備を進める福田次官の
  主張が公表されているなかで、被害女性が名乗り出ることは大きな心理的
  負担となり、さらには、名乗り出た場合、本人に不利益が生じる二次被害
  につながる懸念が消えない

 一、記者は取材過程や取材源の秘匿が職業倫理上求められており、財務省の
  調査協力要請はそうしたことへの配慮に欠けているといわざるを得ない

 一、福田次官はこれまで記者会見を開いていない上、財務省の調査も福田次
  官の部下である官房長による聞き取り結果が公表されているだけで、十分
  な調査を実施したのかどうか明確でない。このような状況で、一方的に求
  められた調査を受け入れれば、被害女性が名乗り出ないことをもって事実
  関係が曖昧になりかねない

 一、説明責任を果たすため、早期に福田次官の記者会見を開くよう要請する




コメント (1)

<福田事務次官セクハラ問題> 財務省は「名乗り出よ」と記者クラブを威圧 報道の奮起を願います 4月16日財務省発表3文書掲載

2018-04-17 23:22:40 | Weblog

音声鑑定は90%福田次官本人 日本政府最高位官僚の卑しい言動
福田財務省事務次官による女性記者セクハラ問題が「週刊新潮」報道で明らかになりました。テレビ局が依頼した録音会話の音声鑑定では、本人である確率は「90%」です。

  2018.4.13.NEWS23(TBS)セクハラ音声データ放送から
 <森友問題について質問する女性記者と福田財務省事務次官とのやりとり>

   福田事務次官 今日ね、今日ね…抱きしめていい?
     女性記者 だめです

   福田事務次官 じゃあ(旦那は)浮気しないタイプなの?
          予算通ったら浮気するか

   福田事務次官 いやいや手を縛って良いから
          手を縛ってあげる 胸触って良い?
     女性記者 だめですよ

   福田事務次官 手縛って良い? 手縛られて良い?
     女性記者 そういうこと本当やめてください

テレビ放送の会話録音を聞けば、あからさまなセクハラ言葉と、相手の拒絶する言葉を無視してくり返す執拗さに、嫌悪感を催します。

日本政府最高位の官僚の卑しい言動。わずか1カ月前の3月7日には、森友/国有地に関する財務省理財局あげての文書改ざん問題で板挟みになった近畿財務局の職員が自殺しています。責任あるトップ官僚が悩める職員たちを顧みずセクハラ遊びをしてなお、居直る。被害者女性記者に名乗り出よと言う。日本の国の中枢が病んでいます。

4月17日夕刻以後のニュースでは――
福田次官自身は、会話録音の音声が自分ではないと否定せず、「自分の声かどうかわからない」としています。麻生財務大臣は感想を問われて、「福田だと思う」と答えています。


財務省がセクハラ被害女性の記者クラブ追放を暗に迫る
財務省は4月16日、①「(別紙)福田事務次官からの聴取結果」、②「福田事務次官に関する報道に係る調査について」、③「福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い」という3つの文書を発表しました。(文末に3文書を掲載しました。)

福田次官当人は、週刊誌報道のセクハラ被害女性記者が誰なのかわかっているでしょう。録音の男性の声が「自分かどうかわからない」と言い、自分ではないと明確に否定できないのは、事態の展開に応じて何か言い抜けできる余地を残しているやり方です。ということは、録音された男性は福田次官であることの傍証です。

週刊誌記事を吟味して調査することで、録音現場の場所特定や立ち回り先推定日時もわかるでしょうし、何よりも録音の声紋鑑定には証拠能力があるでしょう。財務省にそういったことを進める姿勢がまったくありません。

セクハラ加害者官僚は財務省のトップですから、財務省の息のかかった弁護士に名乗り出よと言ったところで、名乗り出る者はいないでしょう。

通常、こういう問題を起こした場合、セクハラ被害女性は職場を追われます。今回の件ならば政治部記者から外されて地方の支局や通信部に配置転換されたり、記者職を追われて営業部等他部門に配置転換される可能性だってあります。さらに職場に居づらくなって自ら希望して退職に至るケースも多々あると、セクハラ問題を手掛けている女性弁護士がテレビ報道で話していました。

従って、セクハラ被害女性記者が誰なのかほぼ特定できている筈の財務省が「名乗り出よ」と言うのは、事実上、セクハラ被害を騒ぎ立てた女性記者を政治部から追放するよう財務省記者クラブ加盟社に迫っていることになります。

報道各社がセクハラ是正防止のために動くことは社会の要請です。仕事関係のセクハラは女性差別の行為であり、泣き寝入りを強要する弱者いじめのパワハラ行為でもあります。福田事務次官から公然と見くびられた記者クラブ報道各社が足下の女性記者の人権を守るためにも、奮起することを期待します。



3文書、記者クラブ加盟社社名
①の文書は、福田次官の部下である矢野官房長が福田次官の言い分をまとめただけのものです。

②と③の文書の主目的は、週刊新潮セクハラ記事の被害者女性記者が財務省へ被害申し立てを名乗り出るよう、事実上それができないことを見込んで催促している文書です。

③の文書は、明確に「財政研究会加盟各社 御中」と宛先が記されています。財政研究会加盟各社というのは、次の財務省記者クラブ加盟各社のことです。

◎財政研究会(財務省記者クラブ)加盟各社
朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞、共同通信、時事通信、NHK、中日新聞、西日本新聞、北海道新聞、日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ、神戸新聞、京都新聞、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、ジャパンタイムズ、ダウジョーンズ、ロイター、ブルームバーグ、河北新報、中部経済新聞、静岡新聞、トムソンファイナンシャル、マーケットニュース

次に、財務省発表文書を下に掲載します。これは財務省ホームページにPDF掲載されています。

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①(別紙)福田事務次官からの聴取結果 財務省


  (別紙)福田事務次官からの聴取結果


〇週刊誌報道・音声データにある女性記者とのやりとりの真偽
 週刊誌報道では、真面目に質問をする「財務省担当の女性記者」に対して私(福田事務次官)が悪ふざけの回答をするやりとりが詳細に記載されているが、私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない。

 音声データ によればかなり賑やかな店のようであるが、そのような店で女性記者と会食をした覚えもない。

 音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない。また、冒頭からの会話の流れがどうだったか、相手の反応がどうだったのかも全く分からない。

〇週刊誌報道・音声データにある女性記者の心当たり
 業務時間終了後、男性・女性を問わず記者と会食に行くことはあるが、そもそも私(福田事務次官)は、女性記者との間で、週刊誌報道で詳細に記載されているようなやりとり(また、音声データ及び女性記者の発言として画面に表示されたテロップで構成されるやりとり)をしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない。

〇普段から 音声データのような発言をしているのか
 お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、 時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。

 しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。

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②福田事務次官に関する報道に係る調査について 財務省


                           平成30年4月16日
                               財 務 省


  福田事務次官に関する報道に係る調査について


1、週刊新潮4月19日号(4月12日発売)の福田事務次官に関する報道(以下
 「週刊誌報道」という。)については、4月11日・12日に、 福田事務次官
 から麻生財務大臣に報告があり、麻生財務大臣から「このような報道が出
 ること自体が問題であり、財務省が現在置かれている状況も踏まえ、緊張
 感を持って行動するように」と厳重に注意した。

2、さらに、4月13日にデイリー新潮のホームページにおいて週刊誌報道に関
 する音声データ(以下「音声データ」という。)が公表された後、麻生財務
 大臣の指示により、矢野大臣官房長等が改めて福田事務次官からの聴取を行
 った。その結果は別紙の通りである。

3、ただし、上記の聴取は福田事務次官の部下である矢野官房長等が行ったも
 のであることを踏まえ、客観性を担保する観点から、 外部の弁護士に委託
 して、引き続き福田事務次官への調査を続ける。

 また、 一方の当事者である 福田事務次官からの聴取だけでは、 事実関係
 の解明は困難であることから、 本日(4月16日)、 財務省の記者クラブ(財政
 研究会) の加盟各社に対して、各社内の女性記者に以下を周知いただくよ
 う要請した。

 【各社内の女性記者への周知を要請した内容】
 ― 福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性
  記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。
 ― 協力いただける方の不利益が生じないよう、責任を持って対応させてい
  ただくこと 。
 ― 外部の弁護士に対応を委託しているので、調査に協力いただける場合は、
   別途お示しする連絡先に直接連絡いただきたいこと 。

4、今後、上記の更なる調査の結果を踏まえ、適切に対応する。

                                以 上


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③福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い 財務省


                           平成30年4月16日
財政研究会加盟各社 御中
                           財務省大臣官房長


  福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い


 財務省は、週刊新潮4月19日号(4月12日発売)の福田事務次官に関する報道(以下「週刊誌報道」といいます。)について、福田事務次官からの聴取等の調査を進めております。

 ただし、一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難であることから、各社内の女性記者の方々に以下を周知いただくよう、お願いいたします。

【女性記者の方々に周知いただきたい内容】

〇 福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。

〇 協力いただける方に不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。

〇 対応は下記弁護士事務所に委託しており、調査に協力いただける場合は、下記事務所に直接連絡いただきたいこと。

(連絡先) 銀座総合法律事務所 加毛  修 弁護士
                小池 達子 弁護士
                近藤菜々子 弁護士
                加毛   誠 弁護士

 東京都中央区銀座6-9-7近畿建物銀座ビル5階
 03-5537-8521(代表)
 受付期間: 4月25日(水)まで(土日を除く。)
 午前10時から午後5時まで


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