川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

<コロナ> 大阪府発表、きょうのコロナ死亡は20人 / 回想・吉村大阪府知事 2020.8.4.「ポピドンヨード」記者会見

2021-04-21 18:05:41 | Weblog

大阪府ではすでに1週間前から、3次救急一般患者の受け入れ制限が始まっています。3次救急とは、重症~危篤の救命救急のことで、事故や心不全・脳卒中などの救急患者の搬送受け入れができず、大阪府はすぐに搬送先が見つからない救急車に酸素供給をする一時待機所を1カ所設けると発表しました。



(関西テレビ ニュース速報 2021.4.21. 17:36)
大阪で新たに1242人の感染確認 過去最多 20人死亡

 大阪府で4月21日、新たに1242人の新型コロナウイルス感染が確認された。
4月18日に確認された1219人を上回り、過去最多を更新した。
また、感染者20人の死亡が確認された。
 奈良県では新たに112人の新型コロナの感染が確認された。
1日に確認される感染者数としては初めて100人を上回り、過去最多。


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このブログに掲載するつもりで昨年8月5日にポピドンヨード記者会見の部分を抜いて文字化し、掲載していなかった2020.8.4.吉村大阪府知事の「ポピドンヨード」記者会見(ユーチューブhttps://www.youtube.com/watch?v=uzghfgnA6Cw)を掲載します。下の会見記録で(〇〇分△△秒)というのはユーチューブビデオ開始からの場所を表示しています。吉村知事がこの会見から後にポピドンヨードを推奨したことはありません。医療関係者、ポピドンヨード処方患者などから批判が集中しました。



  吉村知事 ポピドンヨード記者会見 2020.8.4.
        (陪席)羽曳野医療センター 山口誓司・松山晃文


 あのう、まず私からです。昨日発表いたしましたポビドンヨードのうがい液と使った研究の成果について、もう一度、また昨日も松山先生とともに発表して質問等説明いたしましたが、改めて、一部誤解があるようなところも見受けられますので、説明をいたします。

 まず、今回の研究成果で明らかになったことです。これはあの、コロナの治療薬というものではありません。明らかになったのはどういうことかって言うと、これまで唾液の中に多くコロナウイルスが存在するというのがわかっていた。で、その唾液が飛び交う環境で人にうつるということもわかっていた。

 その中でですねえ、このポビドンヨードを使った、あああうがいです、使っておってですね、うがいをする分と、そしてそれは何もしない分とに分けて、この4日間のこの観察の研究を行った結果ですね、口の中にあるコロナウイルスをポビドンヨードのうがい薬、これによって殺菌されて減少し、そして周りに陰性になっていくと。その速度が加速するということが研究の成果発表の内容です。

 で、これを受けてどうするかということですけど、何があるか、何が導かれるかと言うことですけども、一つは、大きな目標としまして、これは当然うがいですが、軽症の陽性者、軽症も症状の陽性者にするわけですけれども、そこから重症化することを防ぐ。その効果があるかないかを検証するという次の段階に入ると。重症化を防ぐ、その効果があるかどうか。これを次の大規模研究で一つ、やります。

 つまり口の中にたくさんあるウイルスが、こののどを伝って肺に入る。それによって実は肺が重症化していくんじゃないか。これは一つの、そこは推論ですけれども、それを防ぐことによって重症化を防ぐんじゃないか。重症化を防げば命を防げるんじゃないか。

 また医療従事者、医療の負担を防げるんじゃないか。軽減できるんじゃないか。これが一つの大きな、あのう次の研究目標です。

 で、もう一つ、今回の研究成果から言えることは、まあぼくも常に、唾液を注意してくださいと言ってきました。唾液を介してこのウイルスというのがどんどん広がっていくというのもこれは事実です。

 であるならば、その陽性になったりと、あるいはそのリスクが高い人がですね、このポビドンヨードを使ったうがい薬を使うことで、口の中のウイルスが当然減っていくわけですから、人に移すことを防ぐ。つまり感染拡大を防止する。それに寄与するんじゃないかと。それで府民の皆様に呼びかけをしたということがあります。

 ですので、大きくはその二つです。で、もう一つ誤解されてはいけないことなんですが、このポビドンヨードを使ったうがい薬でうがいすることで、コロナを予防できるわけではありません。

 ここは、あのう、まず先日の記者会見でも、あ、あのう、先日の記者発表のときでも、そうですけれども、予防効果があるということ、これは当然、あのう一切ない‥‥そういうわけですし、まあ、そういうことも言ってませんし‥‥。予防効果があるわけでもない。それから、治療薬でもないということを申してますが、ここでも改めて申します。あの、予防薬ではありませんし、あの、感染することを防ぐ効果が認められたわけではありません。

 そういう実験じゃない。つまり、先ほど申し上げた通り、実験の中身として、ただ今までは単にうがいをするだけでですね、このウイルスが取れない、なかなか取れない、というのが定説てした。

 しかし今回、このポビドンヨードのうがい薬を使うことで、ウイルス、コロナウイルスそのものが殺菌され、どんどん減少していくということがわかった。まさにここの一点に尽きるということです。

 ですので、予防薬でもなければ、治療薬でもない。ただ、感染拡大防止、これについてはかなり寄与する可能性がある。そして、今感染が広がっている状況のなかで呼びかけをしたというのが一つで、もう一つは、次の大規模実験において、重症化を防ぐ可能性があるんじゃないか、これを効果検証するという研究を、こんど、大阪のホテル利用者のみなさんに‥‥、同意をいただける方に実施を臨床研究であるということが大きなポイントです。(※13分21秒)

で、もう一つ、「皆さんに注意」ということでお願いしておきたいことです。ええ、まずもう一度重ねてということになりますけれども、このコビドンヨードのうがい薬には、コロナの予防薬としての効果、それが立証されているわけではありません。これが一つです。

で、二つ目です。これはうがい薬ですから、ほかの、いくら薬局で買えるとしても当然、あのう医師の指示であったり、製品の注意事項、これは守ってください。これは薬局で買う薬も、どの薬も、まあ別に、あのポピドンヨードのうがい薬に限らず、どれdも一緒ですけれども、使用上の用法などは守ってください。当たり前のことですが、再度、お願いをしておきます。

それからうがい薬以外のポビドンヨードの消毒剤というのがあるんですけども、このポビドンヨードの消毒剤をうがいに使うことは絶対にやめてください。まあこんなん用法以外の使い方ですけども。

ポビドンヨードだから、なんか薄めてうがい薬にできるんですか、とか。それはできませんから。それはやめてください。

それからもう一つ。必要な方に行き渡るように、買占め、これは先日もお願いしましたが、買占めを、あのう控えてください。現在、メーカーに順次出荷等、メーカーに置いて順次出荷を行っているところです。買占めとは、ただ、みんな‥‥ひとりがたくさん買い占めると、これは当然すぐなくなりますから。メーカーからどんどんどんどん卸していってもらってますけれども、買占めは控えていただきたいと思います。

 ※記者会見中に買いに走る人が出て、店頭売り切れが出始め、翌日午前には大阪市中からポピドンヨードが消えました。

それから転売については法律で禁止をされていますので、これ犯罪行為に当たります。高値で転売、あるいはその、まがい物の転売みたいなものが、これはあり得ますけれども、それは犯罪行為ですから、やめていただきたいと言う風に思います。

ええ、このポビドンヨードのうがい薬の予防、この研究結果については、今後もこの松山先生とともにですね、研究は大阪府として、また大阪府の医療機構、松山先生所属ですので、進めていきたいと思います。

ま、これまで、このコロナウイルスというのは、治療薬も当然ないし、まだウイルスのワクチンもできてないと、なかなか、この対応策というのが見当たらない中でですね、ええ、まあ社会全体を抑えるということをやりながら、今もやってきて、これからもやっていかなければなりません。

もちろんポビドンヨードのうがい薬っていうのも万能薬でもなんでもありませんし、治療薬でもありませんが、ただウイルスを非常に媒介する口の中の第1期のコロナウイルスをまあ、殺菌し、陰性化をどんどん早めていく。そういった効果があるということは、これはどうも研究結果上、明らかになっているというふうに思いますから、新たな選択肢として重症化を防ぐ、これは今後の研究として引き続きやっていきます。(16:34)

それから、あのう、今感染がどんどん拡大している状況ですけれども、特にリスクの高い型に移さない、広げないためにも、そしてまたリスクの高い場面とそういったあのう、接客を伴う飲食業とか、いろいろ広がっている業種もある程度見えてきていますから、そういった意味では移さない、そういった新たな選択肢として、ぼくは可能性があるんじゃないかという風に思っていますので、感染を防ぐといった意味での、ぼくとしてはきちんとした注意お願いはやりながら進めていきたいという風に思います。(17;10)


<質疑応答>
※質問者の声はほとんど聞こえないので、質問そのものは記録することができませんでした。


(知事) これはあのう、あくまでうがい薬ですから、うがい薬をして体にある、またウイルスが広がってきている。それを消滅させると言う効果が当然、あるわけではない、という風に思っていますし、今回の研究結果、研究内容、そういったものを研究したものではない、ということです。(25;54)


(知事) まず、あの、先ほど申し上げた通り、感染拡大防止というのを、一つ大きな、あの、目的として公表しているというのもあります。きょうも今おそらくどっかで感染が拡大、広がっていますから。それが、大阪の状況だと思っています。

ですので、これは予防効果じゃありませんので、きのう発表した通りですけども、やはり、あのう、また風邪等の、風邪みたいな症状がある方、ま、もちろんコロナと判明している方は、コロナとして治療を受けていただきますけれども、みんながみんな風邪の症状があるとか、コロナとか、判明してるわけじゃないので、風邪等の症状がある方、それからその同居の家族の方。まあぜひご利用いただきたいと、もしそれがコロナだった場合、広がりを防ぐ可能性が、ぼくはあるんじゃないかと思っています。

それから夜の接待を伴う飲食店の従業員の方、これはここで感染の広がりがある程度見えてますし、陽性者も非常に多く出てるっていうのはもう周知のことですので、そっからなかなか、さらに広がったときに囲い込みが難しい、そういったジャンルでもありますので、まあそういった方にはそういった、なんと言うのかな、これは当然仕事、お仕事をするわけなんで、そういった方にご利用いただきたいということです。ま、これもだから感染拡大防止の観点からです。(27:30)


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日米首脳共同声明 全文 「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」 2021年4月16日 (外務省 英文仮訳 2021.4.17.発表)

2021-04-17 18:29:24 | Weblog


(日米首脳共同声明 全文 外務省 英文仮訳 2021.4.17.発表)



          日米首脳共同声明

 「新たな時代における
  日米グローバル・パートナーシップ」

          2021年4月16日



 ジョセフ・バイデン大統領は、同大統領の政権下で初めて米国を訪問する外国首脳となる菅義偉総理大臣を歓迎でき、光栄に思う。

 今日、日本と米国は、インド太平洋地域、そして世界全体の平和と安全の礎となった日米同盟を新たにする。海が日米両国を隔てているが、自由、民主主義、人権、法の支配、国際法、多国間主義、自由で公正な経済秩序を含む普遍的価値及び共通の原則に対するコミットメントが両国を結び付けている。

 我々は共に、自由民主主義国家が協働すれば、自由で開かれたルールに基づく国際秩序への挑戦に対抗しつつ、新型コロナウイルス感染症及び気候変動によるグローバルな脅威に対処できることを証明することを誓う。この日米両国の友情の新たな時代を通じて、両国の民主主義はそれぞれより強く成長するだろう。

 日米両国の歴史的なパートナーシップは、両国の国民の安全と繁栄にとって不可欠である。争いの後に結ばれた日米同盟は、日米両国にとっての基盤となった。世界は幾度も変化したが、我々の絆はより固く結ばれた。日米両国の民主主義は花開き、経済は繁栄し、そして両国はイノベーションを先導するようになった。日米両国の文化的あるいは人的つながりはかつてなく深まり、多国間機関において、あるいは、グローバルな通商及び投資の拡大において、さらにはインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の推進において、両国は共に先頭に立ってきた。

 日米両国の長年にわたる緊密な絆を祝福し、菅総理とバイデン大統領は、消え去ることのない日米同盟、普遍的価値及び共通の原則に基づく地域及びグローバルな秩序に対するルールに基づくアプローチ、さらには、これらの目標を共有する全ての人々との協力に改めてコミットする。日米両国は、新たな時代のためのこれらのコミットメントを誓う。


自由で開かれたインド太平洋を形作る日米同盟

 日米同盟は揺るぎないものであり、日米両国は、地域の課題に対処する備えがかつてなくできている。日米同盟は、普遍的価値及び共通の原則に対するコミットメントに基づく自由で開かれたインド太平洋、そして包摂的な経済的繁栄の推進という共通のビジョンを推進する。日米両国は、主権及び領土一体性を尊重するとともに、平和的な紛争解決及び威圧への反対にコミットしている。日米両国は、国連海洋法条約に記されている航行及び上空飛行の自由を含む、海洋における共通の規範を推進する。

 菅総理とバイデン大統領は、このビジョンを更に発展させるために日米同盟を一層強化することにコミットするとともに、2021年3月の日米安全保障協議委員会の共同発表を全面的に支持した。

 日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した。米国は、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎない支持を改めて表明した。

 米国はまた、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認した。日米両国は共に、尖閣諸島に対する日本の施政を損おうとするいかなる一方的な行動にも反対する。

 日米両国は、困難を増す安全保障環境に即して、抑止力及び対処力を強化すること、サイバー及び宇宙を含む全ての領域を横断する防衛協力を深化させること、そして、拡大抑止を強化することにコミットした。

 日米両国はまた、より緊密な防衛協力の基礎的な要素である、両国間のサイバーセキュリティ及び情報保全強化並びに両国の技術的優位を守ることの重要性を強調した。

 日米両国は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設、馬毛島における空母艦載機着陸訓練施設、米海兵隊部隊の沖縄からグアムへの移転を含む、在日米軍再編に関する現行の取決めを実施することに引き続きコミットしている。

 日米両国は、在日米軍の安定的及び持続可能な駐留を確保するため、時宜を得た形で、在日米軍駐留経費負担に関する有意義な多年度の合意を妥結することを決意した。

 菅総理とバイデン大統領は、インド太平洋地域及び世界の平和と繁栄に対する中国の行動の影響について意見交換するとともに、経済的なもの及び他の方法による威圧の行使を含む、ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した。

 日米両国は、普遍的価値及び共通の原則に基づき、引き続き連携していく。日米両国はまた、地域の平和及び安定を維持するための抑止の重要性も認識する。

 日米両国は、東シナ海におけるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対する。日米両国は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明するとともに、国際法により律せられ、国連海洋法条約に合致した形で航行及び上空飛行の自由が保証される、自由で開かれた南シナ海における強固な共通の利益を再確認した。

 日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。

 日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。

 日米両国は、中国との率直な対話の重要性を認識するとともに、直接懸念を伝達していく意図を改めて表明し、共通の利益を有する分野に関し、中国と協働する必要性を認識した。

 日米両国は、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを求めつつ、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認するとともに、国際社会による同決議の完全な履行を求めた。日米両国は、地域の平和と安定を維持するために抑止を強化する意図を有し、拡散のリスクを含め、北朝鮮の核及びミサイル計画に関連する危険に対処するため、互いに、そして、他のパートナーとも協働する。バイデン大統領は、拉致問題の即時解決への米国のコミットメントを再確認した。

 日米両国は、皆が希求する、自由で、開かれ、アクセス可能で、多様で、繁栄するインド太平洋を構築するため、かつてなく強固な日米豪印(クアッド)を通じた豪州及びインドを含め、同盟国やパートナーと引き続き協働していく。

 日米両国はインド太平洋における ASEAN の一体性及び中心性並びに「インド太平洋に関する ASEAN アウトルック」を支持する。

 日米両国はまた、韓国との三か国協力が我々共通の安全及び繁栄にとり不可欠であることにつき一致した。

 日米両国は、ミャンマー国軍及び警察による市民への暴力を断固として非難し、暴力の即時停止、被拘束者の解放及び民主主義への早期回復を強く求めるための行動を継続することにコミットする。


新たな時代における同盟

 日米両国が共有する安全及び繁栄のためには 21 世紀に相応しい新たな形の協力が必要であることを認識し、菅総理とバイデン大統領は「日米競争力・強靱性(コア)パートナーシップ」を立ち上げた。日米両国のパートナーシップは、持続可能な、包摂的で、健康で、グリーンな世界経済の復興を日米両国が主導していくことを確実にする。それはまた、開かれた民主的な原則にのっとり、透明な貿易ルール及び規則並びに高い労働・環境基準によって支えられ、低炭素の未来と整合的な経済成長を生み出すだろう。

 これらの目標を達成するため、このパートナーシップは、①競争力及びイノベーション、②新型コロナウイルス感染症対策、国際保健、健康安全保障(ヘルス・セキュリティ)、③気候変動、クリーンエネルギー、グリーン成長・復興に焦点を当てる。

 日米両国は、デジタル経済及び新興技術が社会を変革し、とてつもない経済的機会をもたらす可能性を有していることを認識する。日米両国は、生命科学及びバイオテクノロジー、人工知能(AI)、量子科学、民生宇宙分野の研究及び技術開発における協力を深化することによって、両国が個別に、あるいは共同で競争力を強化するため連携する。菅総理とバイデン大統領は、第 5 世代無線ネットワーク(5G)の安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性につき一致した。

 日米両国は、活発なデジタル経済を促進するために、投資を促進し、訓練及び能力構築を行うため、両国の強化されたグローバル・デジタル連結性パートナーシップを通じて、他のパートナーとも連携する。日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成・保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する。

 日米両国は、デジタル貿易協力、気候変動に関する目標に資する通商政策の策定、世界貿易機関(WTO)改革、インド太平洋における包摂的な成長の促進を含む、共通の利益を推進し、両国の強固な二国間通商関係を維持し、更に強化することにコミットしている。

 日米両国は、二国間、あるいは G7や WTO において、知的財産権の侵害、強制技術移転、過剰生産能力問題、貿易歪曲的な産業補助金の利用を含む、非市場的及びその他の不公正な貿易慣行に対処するため引き続き協力していく。

 日米両国は志を同じくするパートナーと連携しつつ、インド太平洋地域における繁栄を達成し、経済秩序を維持することに対するコミットメントを再確認する。

 気候危機は、世界にとって生存に関わる脅威であることを認識し、日米両国は、この危機と闘うための世界の取組を主導していく上で、両国が極めて重要な役割を果たさなければならないことを認識する。

 日米両国は、双方が世界の気温上昇を摂氏1.5度までに制限する努力及び2050年温室効果ガス排出実質ゼロ目標と整合的な形で、2030年までに確固たる気候行動を取ることにコミットした。この責任を認識し、菅総理とバイデン大統領は、「日米気候パートナーシップ」を立ち上げた。

 このパートナーシップは、①パリ協定の実施と 2030 年目標/国が決定する貢献(NDC)の達成、②クリーンエネルギー技術の開発、普及及びイノベーション、③各国、特にインド太平洋におけるその他の国における脱炭素化を支援する取組、の三本柱からなる。

 新型コロナウイルス感染症は、日米両国及び世界に対して、我々が生物学的な大惨事への備えができていないことを示した。この目的のため、日米両国はまた、健康安全保障(ヘルスセキュリティ)の推進、将来の公衆衛生危機への対応及びグローバルヘルスの構築のための協力を強化する。

 2021年3月12日の史上初の日米豪印(クアッド)首脳会議において、日米両国は、多国間の取組を補完するため、インド太平洋地域への安全で有効な新型コロナウイルス・ワクチンの製造、調達及び配送を拡大することを目的とした、日米豪印(クアッド)ワクチン専門家作業部会を立ち上げた。新型コロナウイルス感染症に対処する中で、日米両国は、次のパンデミックに備え、グローバルな健康安全保障(ヘルスセキュリティ)やグローバルヘルスに関する二国間の官民協力も強化しなければならない。

 日米両国は、潜在的な衛生上の緊急事態の早期かつ効果的な予防、探知及び対処を通じてパンデミックを防ぐ能力を強化するとともに、透明性を高め、不当な影響を受けないことを確保することによって世界保健機関(WHO)を改革するために協働する。

 日米両国はまた、新型コロナウイルスの起源、あるいは将来の起源不明の感染症の検証に関する、干渉や不当な影響を受けない、透明で独立した評価及び分析を支持する。

 日米両国は、インド太平洋がより良い地域的なパンデミックへの備えを構築することを支援するために決定的な行動を取ることを決意するとともに、世界健康安全保障アジェンダといった既存のイニシアティブを通じたものや健康安全保障のためのファイナンシングのメカニズム、地域的なサージ・キャパシティ及び迅速な対応のためのトリガーについて連携する新たなパートナーシップを通じたものを含め、感染症の発生を予防・探知・対処するための全ての国の能力を構築するために両国及び多国間で協働する。

 さらに、より健康でより強靱な未来を見据え、日米両国は COVAX への支援を強化する。日米両国はまた、パンデミックを終わらせるため、グローバルな新型コロナウイルス・ワクチンの供給及び製造のニーズに関して協力する。

 これらの新たなパートナーシップは、驚くべき地政学的変化の時代において、科学、イノベーション、技術及び保健に関する日米両国のリーダーシップを活用する。これらのパートナーシップにより、インド太平洋地域をより強靱で活気に満ちた未来に導くべく、この地域のより良い回復が可能となるだろう。


今後に向けて

 今日、日米両国が担う責任は重大なものだが、両国は決意と結束をもってそれらに向き合う。日米両国は、両国が有する地域のビジョンに対する挑戦にもかかわらず、両国の安全保障関係が確固たるものであること、世界的な悲しみと困難の1年を経て、両国のパートナーシップが持続可能なグローバル経済の回復を支えるものであること、そして、ルールに基づく国際秩序の自由及び開放性に対する挑戦にもかかわらず、そのような国際秩序を主導するため、日米両国が世界中の志を同じくするパートナーと協力することを確実にする。

 人的つながりが日米両国の友情の基盤となっており、マンスフィールド研修計画といったイニシアティブを通じ、日米両国は、将来にわたって日米同盟を支える二つの社会の間の架け橋を築き続ける。

 バイデン大統領は、今夏、安全・安心なオリンピック・パラリンピック競技大会を開催するための菅総理の努力を支持する。両首脳は、東京大会に向けて練習に励み、オリンピック精神を最も良く受け継ぐ形で競技に参加する日米両国の選手達を誇りに思う旨表明した。

 日米両政府は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた我々の政策を調整・実施するためのものを含め、あらゆるレベルで意思疎通することを継続する。何よりも、日米両国は、両国のパートナーシップが今後何十年にもわたり、両国の国民の安全と繁栄を可能にすることを認識し、確固たる同盟という考え方そのものへの投資を新たにする。 

〈以上、共同声明全文仮訳 外務省2021.4.17.発表〉


 (※注1)読みやすくするために、外務省発表文の改行、行空けに限って、川本の判断で
     行いました。


(※注2)日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
第五条 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。 


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 オリンピック中止をにおわせる二階発言、大阪は医療崩壊近し、DMATによる災害医療体制強化を

2021-04-15 21:08:19 | Weblog




コロナ関連できょうもいろいろなニュースがありました。

京都の祇園祭巡行は昨年につづいて今年も行わないと、今日(4/15)決まりました。

大阪府南部で人気の高い岸和田市のたんじり祭り。祭り人気の中心であるだんじり曳行は去年は中止になりましたが、このコロナ情勢にもかかわらず、今年は実施する構えです。さすが岸和田だんじりは無鉄砲ですね。



■東京オリンピック中止をにおわせる二階発言
自民党の二階幹事長が、コロナの次第では五輪中止もあり得ると言ったニュースが駆け巡りました。

これは、菅首相と気脈を通じている可能性があります。アメリカ政府は東京オリンピックに選手団を送るのかどうか明言していません。日本のコロナ流行で選手団の安全にかかわると見れば、参加を見送ると言われています。

アメリカは福島原発事故の折に、自国民に福島から80km圏外へ退避勧告を出したという前例があります。おまけに英米の有力紙が最近、日本の感染状況とオリンピック実施を批判的に伝えています。

ですから、菅首相訪米時にアメリカのオリンピック参加について意思表示があるかもしれません。

菅首相訪米前の二階幹事長がオリンピック中止にかかわる発言をするのは、もしもの場合に備えて、菅政権への風当たりを和らげるための露払いと見ることもできます。どちらにしても、「オリンピック中止は近いかも」と思わせる二階発言でした。



■DMATによる災害医療体制強化を 
■大阪は医療崩壊目前 
きょう夕方(4/15)のニュースで、兵庫医科大学のコロナ重症病棟はすでに満床状態が続いていて、まったく増床余力がない、これ以上増床すれば救急医療ができなくなる、と紹介していました。

奈良県民である私の住まいから数十メートル離れたところのご一家が先週、感染発症しました。家族4人。2人は幸いにもすぐに入院できました。今どき、ラッキーなことです。昨年12月には、羽田孜元首相の子息で立憲民主党の羽田雄一郎参議院議員でさえ、PCR検査を申し込んで検査日待機中の自宅で発熱し急死しているのですから。

  1. 残る2人のうち1人は、無症状で自宅にて外出自粛。残るもう1人は初回PCR陰性。3日後再検査で陽性。4日目、9度発熱で朝から県立病院で経過観察。夕方、熱が下がって自宅待機指示。県の調整待ちです。あらためてソーシャルディスタンス、外出時のマスク着用、こまめな手洗い、除菌を心がけています。

きょう夕方(4/15)のニュースで、名古屋大学医学部付属病院の山本尚範救急医局長が熱い口調で、「大阪はもう医療崩壊同然なので、一刻も早く全国ベースで災害医療態勢を強化すべきだ」と話していました。

災害医療態勢とは何かというと、DMATの動員態勢を作るということです。DMATの特徴的なことは、災害時の恵まれない医療体制下でトリアージを行うこと。トリアージとは生命状態の危急度を色分けして、その順番に治療していくということです。

山本医局長によれば、大阪にはDMATメンバーが医師•看護師600名以上いるそうですが、山本先生の口調や顔色には切迫感が漂っていました。彼もDMATのメンバーなのでしょう。

この手法では、危急度の低いもの、ガンなどの手術は後回しになるのが多く、脳卒中や心臓関係の手術などはコロナ重症より優先度が高い。

全国態勢というのは、たとえば大阪の患者を東京に送って治療するなど,空き病床の活用を広域で利用し合うというようなことです。

今、医療従事者はどなたでもご苦労なさっているわけですが、DMATのメンバーは災害地へ即応出向して不十分な環境下で治療を行うわけで、その使命感の強さを頼もしく思っています。

 *参照クリック →  ①「DMATとは」  ②「日本DMAT活動要領」


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<聖火リレー散々> 今度は聖火トーチが燃えた 2021.4.6.愛知県刈谷市 

2021-04-13 04:02:49 | Weblog



   はるばるジェットで日本に渡り
   福島走り始めてみれば
   五輪の金と人にもまれて
   聖火が消えた

   聖火を渡して走り終わって
   今度はトーチが愛知で燃えた
   火の災 五輪聖火はかなし聖ならず



聖火リレー初日の2021.3.25. 、福島県富岡町を聖火ランナーが走っているときに、手に掲げるトーチの聖火が消えるというアクシデントがありました。触れ込みでは、台風並みの風雨でも「絶対に消えない」はずでした。

それが今度は、トーチが燃えた。2021.4.6.愛知県刈谷市。第5区間で第1走者から第2走者に聖火が引き継がれた後に急に炎が上がって、警官が沿道の人々を下がらせるなど騒ぎになりました。

燃えていたのはなんと、その直前に第2走者に引き継がれて役目を終えたばかりの、第1走者が掲げていた聖火トーチでした。

テレビニュースに動画を提供した撮影者によると、役目を終えたトーチが熱を冷ました後に内側布張りのケースに納められ、そのとたんにケースから出火して燃えました。

撮影者は、聖火リレーを見てまだ感動しているうちに聖火トーチが炎を上げて燃えたのでショックでしたと話しました。

ただ、聖火に影響がなかったことは幸いなことでした。

ついでに豆知識です。一つのリレー地から次のリレー地への聖火移動は車載移動になりますが、聖火はランタンに移し替えられて移動します。トーチランナーではなく、ランタンランナーですね。

聖火トーチが燃えたという事実は、前回の当ブログ記事にいただいたコメントで知りまして、燃えたエピソードをブログ記事に残しておこうと思い立ちました。



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<聖火リレー> 初日、聖火が消えた 中止、密飛ばし、拠点間移動――「聖火御料車」が走る

2021-04-02 17:03:20 | Weblog

<2021.4.7.追記>
大阪府は府内全域の公道聖火リレーをすべて中止すると発表しました。代わりに、一般客を入れない閉鎖した万博記念公園内で4/14、4/15の両日、無観客のリレーランを実施します。大阪府4/7の新型コロナ感染者数は878人(前日比+159人)です。



■聖火リレー初日、聖火が消えた…関係者絶句 
■台風並みの風雨でも「消えない」はずだった 
台風並みの風雨でも「絶対に消えない聖火」との触れ込みだった東京オリンピックのトーチ。聖火リレー初日の2021.3.25. 13:30ごろ、福島県富岡町を走っている聖火ランナーが手に掲げるトーチの聖火が消えるというアクシデントがありました。

並走していた実行委員会スタッフが無線で連絡。追走する車から別のスタッフが降りてきて、ランタンの種火を使って再点火しました。その間、約30秒間。リレーは一時ストップしたものの、その後は順調に続行されました。

ランナーの女性は終了後、「消えちゃって心臓が止まるかと思うほどびっくりしました」と話しました。 以上のエピソードは、毎日新聞 2021/3/26 11:13 から採取しました。


■大阪知事・市長が「大阪市内聖火リレー中止」の意向示す
前日3.31.の感染者数が東京414人を超える599人となった大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会副代表)は2021.4.1.、営業時間短縮の命令に応じない飲食店などに罰則を科せる「まん延防止等重点措置」が大阪市に適用された場合、大阪市内での東京オリンピック聖火リレーは中止すべきだとの考えを示しました。松井一郎大阪市長(日本維新の会代表)も同調しました。

聖火リレー中止は大阪市だけで、大阪府下の他地域では予定通りに聖火リレーを実施するそうです。

今年2021.2.17.、島根県の丸山達也知事が「聖火リレー中止」の意向を示して、全国自治体の先鞭をつけている。吉村大阪府知事はこの先例に倣って、「中止」の着想を得たものとみられます。 

今回のまん延防止等重点措置適用期間は2021.4.5.~5.6.までの31日間。適用対象地域は、仙台市、大阪市、兵庫県下の神戸、西宮、芦屋、尼崎の各市。

まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に新設された措置です。



■聖火リレー「1日の流れ」 オリンピックチャンネル編集部 2020.2.25.

1日あたりの聖火ランナー数は、ルートによって変動することはあるが、80名から90名を目安に調整が進められている。聖火ランナー1名あたりの走行距離は約200m走行時間は約2分間を予定。聖火ランナーは原則1人で走行し、一部ルートにおいてはグループでの走行を行う。

1日の最終市区町村では地域色豊かなプログラムが行われ、聖火リレーを盛り上げる独自のブースが出展され、1日の最終聖火ランナーが会場に到着した時は、聖火を聖火皿に灯すセレモニーが行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染予防のため、無観客で行われるか、表立って行われないことになった。また状況によって走者順や走行距離の短縮などを行うという。

1日のリレーの終了後、聖火はランタンに格納され、次の日のリレー開始地に車両で移動する。東京1964大会で行われた県境での聖火の引継ぎは行わない。



■聖火リレー、私の思いこみとはちがっていました 
聖火リレーに関する報道はこれまでの何年間かに数知れずありました。テレビや新聞でくり返しくり返し聖火リレーを見ているうちに、私なりの聖火リレーのイメージができていました。

そのイメージを奈良県に当てはめてみます。奈良県の聖火リレーは4/12、4/13の2日間で、和歌山県から受け継ぎ、大阪府に渡します。

奈良県の西側は大阪府域がつづいていますから、和歌山県から受け継ぐとなれば、受け継ぎ地点は奈良県南部しかありません。一方、県庁所在地奈良市は奈良県の北端にあって、京都府に接しています。

ですから、県南部で和歌山県から受け継ぎ、リレー路線は北西や北東に揺らぐことはあっても北上一筋になります。そして奈良県庁から東大寺付近に到達すると、西方向に折れて西進一筋、生駒市を通過して大阪府に入ります。

こういう路線ルートをたどると思っておりました。そして聖火は延々と聖火ランナーがトーチを掲げて、駅伝方式で次々と切れ目なく渡し継いでいくものだと思っておりました。そして奈良県ランナーの最終走者は府県境で大阪府聖火ランナーに聖火を渡して終わる。

聖火がリレーランナーから離れるのは、聖火ランが食事、休憩、宿泊などで休止するときだけで、そのときだけは聖火は乗車ランになる。なんとなくこのようにイメージしておりましたが、それは的外れで馬鹿な私の思いこみに過ぎなかった。我ながらの軽慮を悔やんで反省しております。


■実際の聖火リレーは‥‥奈良県の場合
TOKYO2020 ←クリック のホームページを開き、上段の「聖火リレー」をクリックすれば、各々の居住地の聖火リレー予定がわかります。

私は奈良県に住んでいますが、3月30日に奈良県広報と聖火リレーのB4判カラーチラシがポストに入っていました。

これを見ると1日目(4/11)は、①五條市 → ②御所市 → ③葛城市 → ④十津川村 → ⑤桜井市 → ⑥田原本町 → ⑦天理市 → ⑧明日香村 → ⑨橿原市(セレブレーション会場:県立橿原公苑陸上競技場)。

2日目(4/12)①河合町・広陵町・香芝市 → ②大和高田市 → ③吉野町 → ④斑鳩町 → ⑤大和郡山市・奈良市 → ⑥宇陀市 → ⑦生駒市 → ⑧奈良市(セレブレーション会場:東大寺大仏殿)。      

B4チラシには、各地点についてリレー走の区間が明示されています。

たとえば1日目の③葛城市〈屋敷山公園~道の駅かつらぎ〉。2日目の③斑鳩町〈法隆寺~法起寺〉。これで見ると1カ所あたりのリレー距離は2km~4kmくらいだろうと思いますが、仮に1カ所あたり4kmリレー走とします。

そうすると聖火リレーの実際は、奈良県の場合2日間17カ所でリレー区間走をし、1区間4kmと仮定計算するならば、合算リレー走距離は68kmになります。17カ所のリレー会場の間を渡るのは聖火を乗せた自動車ランナーで、聖火搭載自動車が最多出場ランナーで最長距離ランナーになります。


■聖火リレーと言うにはあまりにお粗末 実態は、聖火イベント
県内17カ所に分散した拠点区間各4kmほどのリレーならリレーと呼ぶにはお粗末すぎる。実態見れば、聖火イベントと呼ぶのがふさわしいと私は思います。

聖火リレー初日に、消えてはならない聖火が消えるという過失があって、耳目を集めました。リレーと呼ぶかぎり駅伝スタイルを想像していましたが、実態は、見せ場所を選んだ「聖火イベント」でした。

現実はリレーと呼ぶにふさわしいものではなくて、陸上競技場でトラックを周回しているていどの距離(ほぼ4kmくらいか?)を一人当たり200m分担で走って、1カ所の聖火リレーが終わります。

1カ所が終わると聖火は乗車します。聖火搭載車は、聖火リレーと銘打たれた次のランニング会場へ向けて走り移動します。自動車ランナーです。遠い過去からずっと " 絶やすことなく"  、オリンピックの故地ギリシャから " 絶やすことなく"  守り伝えてきた " 尊い" 聖火を、次のランニング会場へ運ぶこの聖火搭載車のことを、私はブログタイトルに「聖火御料車」と表現しました。

奈良県ではこれを2日間くり返します。会場単位でリレーランニングを完結し、次の会場に移動して、また会場単位でリレーランニングを完結する。会場から会場へは聖火搭載車が走ります。これすなわち「自動車ランナー」です。

ランニング会場を車移動で結びつけたランニングイベントと、駅伝スタイルの本来のリレーでは、少し違ったところがあります。

休憩時と宿泊時を除いて、和歌山県から聖火を受け継ぎ大阪府に手渡すまで人を替えて走りつづけるランナーと、human running+hand to hand に感応して沿道で声援を送る人たちが一体となることで、聖火リレーにこもる暖かさと熱さが空に放たれるのではないでしょうか。 

コロナで中止する地域があったり、感染対策で声援を送らないで静かに見てほしいという要請があったり、沿道の人出が密に過ぎればその周辺は飛ばすということがあったり、そもそも東京五輪を中止もしくはコロナ後まで延期という世論が多数派であったり。

今度のオリンピックはすでにコロナで満身創痍です。コロナ病死者数は、神戸の街が倒壊して圧死した人たちと倒壊建物の下敷きになって生きながらに焼死した神戸の大震災死者数を大きく上回って、未だ止まるところが見えません。そのうえ世界中が未だコロナに苦しんでいます。それでもオリンピックを強行することの本当の理由は何なんでしょうか。


■安倍前首相の嘘で始まったオリンピック・スタート 
だいたいスタートが悪すぎた。2013.9.8.、アルゼンチンのブエノスアイレスで国際オリンピック委員会総会で2020年夏期オリンピックの東京開催が決まりました。東京招致成功の決定打は安倍首相の「アンダーコントロール」演説だと言われています。

このときに問題の焦点になっていたのが、福島原発事故のその後の影響でした。福島原発事故が東京に与える悪影響はない――安倍首相(当時)はこのスピーチで、東京に放射線不安はないと、海外に向けて保証しました。有名なアンダーコントロール演説です。

しかし、アンダーコントロールとは真っ赤な嘘。帰還困難区域の存在、汚染水の膨大なタンク群を見るだけでも十分に嘘の証明になるでしょうし、現在でも核燃料デブリの全体像さえ皆目つかめていない状況なのです。

自民党政治家は、増税や年金医療福祉予算の減額に際して、高齢化時代による若者への不公平な負担を軽減しなければいけないと言います。では、原発の始末はどうなんでしょうか。

原発の核燃料ゴミや原発事故による放射線被害の後始末には何万年という時間を必要とするものもあります。これこそ後世人類に対して現世に生きるわたしたちの責任ではありませんか。とりわけ、原発を推進してきた原発族政治家や経済人には、責任を負って始末にまい進しなければならない義務がありはしませんか。

帰還困難区域とは、人間が住めない場所のことです。帰還困難区域は原発事故領土喪失区域です。原発事故で人が住めなくなった地域・面積は、「原発事故によって喪失した日本国領土」なのです。尖閣・竹島・北方領土で頭に血が上る人たちがいますが、この人たちは「原発事故が引き起こした領土喪失」には無関心であるかのようであり、「放射線占領下の領土喪失」ということへの理解能力が無いかのようでもあります。

安倍前首相をトップにいただいて2013.9.8.ブエノスアイレスにいた人々は嘘つきに加担して喜んだ人々です。オ・モシの小泉環境大臣夫人もその最前列に連なっておりました。  


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