民主党政権の目玉施策の事業仕分けについては、主観的に過ぎると思えることが多かった。それにパフォーマンス、政治ショーの意図が見えすぎていました。そのうえ仕分け結果について、誰にも実行責任がないらしい。有権者をばかにしています。
しかし、民主党政権下の施策で初めて無条件に賛成できる方針が出ました。「年収1500万超所得の給与所得控除制限」という増税案のことです。
高所得者への増税案としては軽微なものです。それに、給与所得限定の高所得増税という限界があります。それでも私は賛成です。たとえば給与所得という枠を取り払って、年収3000万とか5000万超に対してはもっと増税していいと私は思っています。相続税についてはさらに抜本的に増税するべきと、私の格差是正志向は上を向いています。
このごろのテレビでは「時局」番組や「時局コーナー」が毎日いくつも放送されていて、大阪ローカルでも日々放送されています。中央もローカルもテレビ番組の一般的論調としては、年収1500万超増税案について批判しています。私はニュース番組ファンでいろんなのをよく見ていますが、見た限りでは「賛成皆無」でした。
「個人所得狙い撃ち」とか、「消費税増税抜きの小手先対策」とか、批判的論調で少し触れるだけ。大きく取り上げられることはありませんでした。「消費税10%案」については、いつの場合でも大声で感想を語っているのに。そして国の財政改善のために必要だといつも話しているのに……。国の財政改善に資するはずの、高額所得者増税案には冷淡です。
テレビでお話するコメンテーターがどう応じるか、私は興味を持って見ておりました。及び腰の反応は推測通りの結果でした。その人たちはほとんどが、年収1500万超以上、あるいはそれを近い将来に見込めるものと想像できます。給与所得でない所得年収が1500万以上の人であっても、高所得増税案には人ごとと思えず抵抗があるのでしょう。
私の過去の業界経験によれば、商売が順調で高所得と思われる人はみんな、税金の話になると声高に強い姿勢で、「税金が重すぎる」と話していました。地方の町の小企業の社長さんたちですから、高所得といっても大したものではないと思いますが。