川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

<加計学園人脈> 萩生田官房副長官の経歴から邪推する 2017.6.16.参院予算委答弁に 安倍・萩生田コンビの嘘を見た聞いた

2017-06-27 08:29:03 | Weblog
  2013.5.5.河口湖畔安倍総理別荘にて(はぎうだ光一の永田町見聞録2013.5.10付から)
  加計孝太郎氏は現在、世間から逃亡中。姿を隠している。



★2017-02-05
2006年12月、原発冷却用電源喪失に関する衆議院「質問主意書」、安倍晋三内閣総理大臣名「答弁書」、2011年3月福島第一原発メルトダウン

2017-05-21
<安倍親友 加計学園> あなたは安倍首相がクリーンであると信用できますか? 「総理のご意向」文書 リーク全文文字起こし
2017-05-24
<安倍親友 加計学園> 「総理の意向」文書が裏付ける「加計」の流れ 「広域的に」「限り」の語句追加で京産大離脱
2017-06-19
<加計学園> NHK新入手文書 「10/21 萩生田副長官ご発言概要」画像テキスト化(NHKクロ現 6.19.夜放送)



「2017.6.16.参議院予算委員会集中審議」における福島瑞穂議員の質疑と安倍・萩生田答弁を文字化しました。そして私なりの注記を書き加えました。少し面倒をおかけしますが、終わりまで読んでいただければありがたく思います。

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2017.6.16.参議院予算委員会集中審議


〇山本一太委員長 次に福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。

〇福島瑞穂委員 はい。希望の会、自由・社民の福島瑞穂です。加計問題について質問をいたします。

藤原審議官は11月1日、自分の手書きのこれをつけ加えた (配布資料の該当箇所を指し示しながら) 、そして交渉した、という風に話をしていらっしゃいます。で、これはですね、(他の野党議員の方を紹介するような仕草で) 先ほどからも出ておりますが、ほんとに重大問題だと思います。

このう、指示がありました、指示は藤原審議官いわく「官邸の萩生田副長官からあったようであります」という風にあります。萩生田さん、これ、手書きでこの日に付け加えているんですが、(藤原審議官は) 萩生田さんに、11月1日、口頭で指示を受けたんじゃないですか? どうですか?

〇山本一太委員長 萩生田副長官。

〇萩生田官房副長官 ええ、特区とりまとめ法案にわたくしが指示ををしたことはございません。

「10/21萩生田副長官ご発言概要」をクリックしてご覧ください。萩生田官房副長官が常盤高等教育局長を呼んで、これだけのことを面談しています。「指示口調」があったかどうかは別にしても、事実上は「指示と同じ効果」があります。安倍政権中枢はいつもこういうやり方です。自分に責任がかからぬよう注意を払って、危なくなれば、「私は知らない」として、より下位の政治家や職責の国家公務員に責任を負わせます。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂委員 藤原審議官、どうですか?

〇山本一太委員長 藤原審議官。

〇藤原審議官 お答え申し上げます。先ほどもご答弁申し上げましたが、少し経緯を申し上げますと、10月28日に原案を文科省に提出させていただきました。11月1日にワーキンググループと文科省の折衝でございます。ええ、先ほども申し上げましたが、山本大臣から、獣医師会等の理解を得られやすくする観点から、この「広域的に限り」を追句するようにとご指示を受けて、わたくしが手書きで文案に修正を加えたものでございます。 ここでの「先ほど」は別の質疑委員に対するもの

〇福島瑞穂委員 (手を挙げて) 委員長。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂委員 じゃ、なんで萩生田副官房長官の名前が出てくるんですか? 出てくるんですか? 萩生田副官房長官、あなたがこの獣医学部の、ええ、国家戦略特区獣医学部の件で果たした役割、調整や横串的な役割を果たしてきたと、〇〇委員会などで発言されてきていますが、どういう役割を果たしてきたか、言ってください。 〇〇は聞き取りできなかったカ所

〇山本一太委員長 萩生田官房副長官。

〇萩生田官房副長官 あのう、わたくしですね、能動的にこの件について関わったことはございません。各省からいろんな報告があった中で、たとえば獣医師の過不足についての説明は文部科学省でなくて農林水産省でやってもらいたいなどの要請があれば、農林水産省の方にそういった問い合わせをしたと、そういう役割をしました。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君

〇福島瑞穂 このことで、調整機能を果たしていたんじゃないですか?

〇山本一太委員長 萩生田官房副長官。

〇萩生田官房副長官 あの、各省からのですね、さまざまな問題があれば調整をするのが官邸のわたくしの仕事でありますから、このことに限らず調整を行っております。

安倍総理大臣の意を戴して、総理の意向がスムーズに実現していくよう調整するのが官房副長官の本務です。だからこの答弁は外形的にはその通りです。しかし、総理の意向のうち、国の制度と国費を総理の私的欲望、えこひいきを達成するために利用しようとしたという疑惑が問題なのであり、経緯を「隠す」から「疑惑」がさらに大きくふくらむ。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 萩生田副官房長官、ええ、加計孝太郎さんと安倍総理とは腹心の友であるというのは知っていましたね。

〇山本一太委員長 萩生田副長官。

〇萩生田官房副長官 あの、最近盛んに報道されますので、承知をしております。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 この当時、去年ですね。国家戦略特区でこう、議論になってるとき…、ちょっとすみません。今わたしは加計孝太郎さんと安倍総理が腹心の友であることを知っていましたか?と聞いたら、「最近知った」ていう答えでしたよね。

でもあなたが客員教授をしていた千葉科学大学で、まさに10周年のときに「腹心の友」って安倍総理言ってるじゃないですか。総理動向を見てくださいよ。1年間の間に6回以上食事をし、別荘に行き、ゴルフをし。それだったら…、副官房長官は最側近じゃないですか。親しいかどうか、知らなかったんですか?

〇山本一太委員長 萩生田副長官。

〇萩生田官房副長官 千葉科学大学で客員教授をしていたときはですねえ、別に安倍総理とまったく関係ないルートで要請を受けてわたしは就任いたしました。ええ、報酬は確かにいただいておりましたけれども、きちんと授業を持って、さまざまな業務にたずさわっておりました。

萩生田氏は2003年衆院選で初当選、2009年8月衆院選で落選している。下記の鈴木哲夫氏が話しているように、安倍―萩生田の人間関係は第一次安倍政権崩壊後に密接度を強めている。安倍晋三―加計孝太郎の親密さから、萩生田落選で千葉科学大学客員教授に就任したのは、安倍晋三氏の仲介と見るのが常識的、というものだ。

あのう、側近というご指摘をいただきましたけれど、総理のプライベートも含めてですね、どなたとどなたがどういう関係で食事をするとか、どんな話をするとか、すべてわたしが承知しているわけではございませんので、あのう、そういったことをですね、いまこの場で指摘をされても、わたしとしてはお答えのしようもございません。

2006.9.26.第一次安倍内閣成立 2007.7.29.参院選で民主党圧勝・自民党大敗 2007.8.27.安倍内閣総辞職 安倍内閣総辞職の表向き理由は安倍総理の潰瘍性大腸炎である。「安倍晋三は有力政治家としての再起はないと党内で取りざたされたが、萩生田氏は毎日のように安倍氏のもとに通い続けた側近です。「再起しよう」と励ましつづけた。そのころ安倍事務所によく取材に行きましたが、萩生田さんもいましたよ。稲田氏、下村氏もそうです」。と、6月22日名古屋CBCテレビ「ゴゴスマ」で政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が話している。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 
この件が明らかになるまで、加計孝太郎さんと安倍総理が腹心の友だと知らなかったんですか?

〇山本一太委員長 萩生田副長官。

〇萩生田官房副長官 その「報道で」と申し上げたのは、「10周年の腹心の友」というコメントがよく出てたんで、そういう形容をされたんだな、ということを最近承知をしたということでありまして、もともと腹心の友かどうか、確認したこともございませんし、承知もしておりません。

クリック「はぎうだ光一の永田町見聞録」 2013.5.10付けのブログです。これをクリックしてご覧のうえで上の萩生田答弁を吟味してください。

これをクリックして、そこに横に2枚並んでいる写真をそれぞれクリックして写真を大きくして見てください。左写真はサイン入りユニフォーム着用の安倍氏・萩生田氏とその奥さまの記念写真です。右写真には左から安倍・加計・萩生田の各氏が写っています。これは4年前の写真です。ブログには次のように書いてあります。

 ――GW最終日 (※5月6日) は青空のもと安倍総理とゴルフをご一緒させていただきました。きっと外遊の疲れがあったので、一年ぶりにクラブを握った私に・・・(笑)スコアは国家機密です。前日 (※5月5日) は夕方から河口湖の別荘にてBBQ。国民栄誉賞授与式から戻ったばかりの総理から長嶋・松井のサイン入りユニフォームと、審判としての現場のホットな話を聞き、盛り上がりました。背番号96は96条ではなく第96代内閣総理大臣の意味です。寒い中取材待ちで外にいた番記者さん達もインタビュー無しを条件に中に招き、〆は総理自慢のスパイスやきそばを自ら振る舞っていただきました。


【 参考 首相動静2013年5月 (時事通信) 】
(現地時間3日)
 ▽3日夜、政府専用機でトルコ・アンカラの空港発。
(日本時間4日)
 ▽13:46 ロシア・中東歴訪を終え、トルコから昭恵夫人とともに政府専用機で羽田空港着。
 ▽14:05 同空港発。
 ▽14:29 東京・富ケ谷の私邸着。
 ▽17:05 私邸発。
 ▽18:19 山梨県富士河口湖町の焼肉店「鉄庵」着。昭恵夫人らと食事。
 ▽19:59 同所発。
 ▽20:00 富士河口湖町の「ドラッグセイムス河口湖店」着。買い物。
 ▽20:08 同所発。
 ▽20:17 山梨県鳴沢村の別荘着。
 ▽00:00 別荘。来客なし。(了)

(日本時間5日)
 ▽10:00 山梨県鳴沢村の別荘。朝の来客なし。
 ▽10:25 別荘発。
 ▽10:53 JR大月駅着。
 ▽11:10 あずさ10号で同駅発。
 ▽12:11 JR新宿駅着。
 ▽12:14 同駅発。
 ▽12:31 東京・後楽の中国料理店「後楽園飯店」着。秘書官らと食事。
 ▽13:04 同所発。
 ▽13:09 東京・後楽の東京ドーム着。
 ▽13:36 プロ野球の長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞表彰式。
      始球式・記念撮影。報道各社インタビュー。
 ▽14:20 長嶋、松井両氏、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長、大久保好男日本テレビ社長
      ら面会。菅官房長官同席。
 ▽15:00 巨人―広島戦を観戦。
 ▽15:44 内閣記者会加盟スポーツ紙のインタビュー。
 ▽15:55 東京ドーム発。
 ▽17:21 別荘着。
 ▽17:22 自民党の萩生田光一衆院議員が入った。
 ▽17:30 本田悦朗内閣官房参与が加わった。
 ▽20:53 本田氏が出た。
 ▽00:00 別荘。新たな来客なし。萩生田氏は別荘に宿泊。(了)

(日本時間6日)
 ▽07:07 昭恵夫人、自民党の萩生田光一衆院議員とともに山梨県鳴沢村の別荘発。
 ▽07:11 同県富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」着。本田悦朗内閣官房
      参与、自民党の萩生田氏、昭恵夫人らとゴルフ。

 ▽13:13 同所発。
 ▽15:49 JR大月駅着。
 ▽16:07 あずさ76号で同駅発。
 ▽17:16 JR新宿駅着。
 ▽17:19 同駅発。
 ▽17:34 東京・桜丘町のセルリアンタワー東急ホテル着。同ホテル内の中国料理店
      「スーツァンレストラン陳」で昭恵夫人、親族らと会食。
 ▽20:12 同ホテル発。
 ▽20:20 東京・富ケ谷の私邸着。
 ▽21:02 麻生太郎副総理兼財務相が入った。
 ▽22:46 麻生氏が出た。
 ▽00:00 私邸。来客なし。(了)


〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 おかしいですよ。総理の動向を見たらですねえ、それは明らかじゃないですか。安倍総理、ええ、萩生田官房副長官とこの獣医学部、加計学園のことについて話し合いをしたことはありますか?

〇山本一太委員長 安倍内閣総理大臣。

〇安倍内閣総理大臣 あのう、何回もお話をさせていただいているようにですね、わたくしはこの問題について、個別の事案について指示をしたことは一切無いわけであります。岩盤規制を突破するうえにおいてですね、岩盤規制を突破するうえにおいて、ええ、スピード感をもって取り組んでいくようにという指示を、節目節目に出しているところであります。そしてわたくしの指示に則ってですね、しっかりと進めてまいりたいと、これがわたしの思いでございます。
「安倍総理は加計学園獣医学部のことについて、萩生田官房副長官と話し合いをしたことがあるか?」という質問には全く答えません。質問を無視して。「岩盤規制を突破する」という自分の決意を話しただけ。これは安倍総理が常用している答弁スタイルです。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 質問に答えてないですよ。萩生田官房副長官と、まさにこの獣医学部の件で話をしたことがありますか? 加計学園の。

〇山本一太委員長 安倍内閣総理大臣。

〇安倍内閣総理大臣 ま、ですから、ええ、今お答えをさしていただいたようにですね、わたくしは一切この問題について、個別の件について指示をしていない、ということがすべてでございまして。ええ、わたくしはこの萩生田副長官とですね、ええ、さまざまな指示をいたしますが、ええ、この問題についてもですね…。いわば雑談でよもやま話ということでございましょうか、そんなことはいちいち記憶にございませんが、基本的にですね、この問題について話したことは無い。こういう風にかんがえております。

青字と赤字の上述注記を読んでいただければ、新聞・テレビで既報のことをまとめているだけですが、総理発言を信じることは「基本的に」無理です。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 はい。ええ、今治の課長と課長補佐が2015年4月2日、官邸に行っております。総理はその時点で官邸にいますね。なんで今治の2人が行っているのか。官邸、ま、国家戦略特区と言えば、まさに、総理しかないわけですよね。そこで、総理はそのとき会ったということはありますか?

〇山本一太委員長 安倍内閣総理大臣。

〇安倍内閣総理大臣 これはあの、福島議員、考えていただきたいと思いますが、総理として相当の、わたくしも激務をこなしているわけでございまして、一つの市の職員とですね、わたくしが会うということは基本的に無いと。こう申し上げても過言ではないと申し上げてもよろしいのではないかと、このように思います。

〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 ではですね総理、加計学園の加計孝太郎さんは、今治市に獣医学部を作りたいっていうのは、いつから知っていましたか?

〇山本一太委員長 安倍内閣総理大臣。

〇安倍内閣総理大臣 ええこれはですね、安倍政権においてですね、この申請について受け付けてはおりません。ええ、安倍政権においてはですね。で、安倍政権のあと、福田政権において申請を受け付け、しかし対応不可となったという風に承知をしておりますが、第一次安倍政権においては受け付けも受けていないわけでございまして、そのことも明確にしておきたいと思いますが、その後にですね、こうした形で、ま、当時も自民党政権でおりましたから、この特区については安倍政権としても取り組んでまいりましたので、当時は国家戦略特区ではなくて構造改革特区だったわけでありますが、ま、そこで申請されたということについてはですね、わたくしは承知をしていたところでございますが、その後にですね、当然わたくしは議長を務めてございますから、国家戦略特区に申請をすれば私の知り得ることになる、ということでございます。

これもいつものように、ぺらぺらと長話をします。書き起こしてみると、文章の区切りのなり羅列で意味を読み取るのにたいへん手間取ります。委員会の現場で一回聞いただけでは、意味のないことを長々ぺらぺらしゃべっていた、としかわからないでしょう。

この答弁を書き起こして文字化して、それから2回3回読み返して、やっとわかった安倍総理の答弁は、「国家戦略特区に加計学園が申請したから知っています。なぜなら国家戦略特区を決める諮問会議の議長がわたくしなんですから」ということでした。そんなことなら、アルバイト事務員の立場でもわかるだろう。質問に対する答弁になっていない。

安倍総理は低能か。当ブログ「<共謀罪> 笑う安倍晋三『そもそも」説教』、国語を曲げる」の(1)(2終)で書いたように、辞書の引き方さえ知らない。そのうえ、言葉のまちがった定義を閣議決定させるという、信じられないことをやった。子どものときから、まともに勉強をしていないのだろう。


〇山本一太委員長 福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 ひんぱんに食事をしたりゴルフをしたり、いっしょに旅行に行ったり別荘に行ったり、あるいは政府専用機に乗せたりしてらっしゃいますが、そのときにこのことが議論になったことはありますか? ええ、去年のクリスマスイブ、その前のクリスマスイブもいっしょに乾杯をされていますね?

〇山本一太委員長 安倍内閣総理大臣。

〇安倍内閣総理大臣 あのう、政府専用機に乗ったのは、同行した経団連および、ええ、他の学校関係者すべてがですね、ネピドーに移動する際には、民間機においてはですね、この、時間通りに運航されるかどうかという問題点があったので、これは政府として同行の、これは経団連、経済関係者、地方から参加した企業家、あるいは地方から参加したさまざまな関係者およびこの学校関係者、すべてにお乗りいただいているわけでございまして、わたくしが、友人として乗せたというわけでは全く無いということは申し上げておきたい。とこう思うしだいでございます。また、さまざまな機会にですね、わたくしがいろいろなことをお話しするわけでありますが、ほかにも人が何人も会食等ではいるわけでありますから、そういう仕事の陳情のようなことは一回も無かったということでございます。

「地方から参加した学校関係者」というのは、加計孝太郎氏オンリーではないかと、私は邪推しております。「経団連」と「地方学校関係」を並列して正当化しているのではないか。「陳情のようなことはない」は、こんなの信じられるわけないじゃないですか。自民党の後援会の中核は「利益共同体」でしょう。

〇山本一太委員長
福島瑞穂君。

〇福島瑞穂 3月13日には、「15年間、この特区で申請されつづけてきたんですよ」という風に話してらっしゃいますし、腹心の友と、ずっとおっしゃってるわけですから、この件について話していた可能性は非常にあると思います。非常に親しい関係で。

そしてきょう今回ですね、(机上のパネル=文科省流出メール文を示して)確証はこれです。確証がこれで、まさに文部科学省に対して萩生田官房副長官の指示であるという、これ本当に大事じゃないですか。

副官房長官の指示なわけですから、まさにその段階で安倍総理、そして副官房長官、その中でこのメールが出ているわけで、極めて問題であると。安倍総理の腹心の友のための国家戦略特区ではないかという風に思います。

ええ、このために前川前事務次官の証人喚問と加計孝太郎さんの参考人招致を理事会に求めます。委員長よろしいですね。はい、終わります。






コメント (2)

古賀義明氏講演(4終) ◎森友学園 役人は文書で仕事をする種族 安倍昭恵夫人の力が財務省に及んだ / ◎加計学園  外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)

2017-06-25 01:03:18 | Weblog

2017.06.16.
古賀義明氏講演(1)I am not Abe と 官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017.06.17.
古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-24
古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)



◎ドイツのフリーランス ドイツのフリーランスの者ですけど、安倍夫人の大阪における籠池氏の関係で安倍さんについて何か存じ上げていますか? またどういうように加計学園の愛媛における同様の大学関連のことに関する安倍総理のことについて何かご存知でしょうか?

役人は文書で仕事をする種族

◎古賀 ええとこのう、特に森友学園ですね、安倍昭恵夫人が塚本幼稚園の名誉校長 (※これは「瑞穂の国小学院名誉校長」が正しい) というか、務めていたということが報道されたときにですね、私いちばん最初に書いたんですけれども、まず関連の文書というのは全部あるはずだと。これはですね、いま在るということを証明するためにはモノを見せないといけないということだと思いますけれども、役人の感覚でいくとですね、もう無いということがあり得ないことなんですね。

なぜかというと、役人というのはですね、文書で仕事をするという、民族というか種族でありまして、たとえば1本法律を作るとですね、その間の検討の経緯とか、それから各省との協議だとか、あるいは上司への説明だとか、そういうものについては、単にそのときに使った資料だけではなくて、そのやりとりの細かい経緯まですべて文書で残します。

で、残してですね、それは本当に段ボール何十箱になるくらいの、1本の法律でですよ、それを作るんですね。作ることが一つの仕事です。ですけど、基本的に文書は外に出さない、という前提で作っています。

だから、都合悪くなれば「そもそも無かった」というウソつくんですけれども、今回の場合はですね、廃棄しましたと。これはあのう、廃棄しましたというのはですね、正確に言うというか正確…、法律的には正しいかもしれないですけれども、物理的に無くなっているかというと、そうではないと、という事象ですね。

あのよくやることはですね、文書というときに、公開すべき文書とは行政文書ということになっているんですね。で、行政文書というのは組織として用いる文書、組織として用いるというのは、二人以上の人が使う文書、という風に考えられています。

ですから、一度行政文書として存在したんだけれども廃棄されたという、法律的にですね、廃棄されたという意味は、存在したんだけれども、それは、役所のサーバーから消えて、しかもその文書というものが、これからは二人以上で共有されることはない、という意味です。

で、現実的に起きていることは何かというと、それぞれの職員が自分の勝手な判断で、それを個人のUSBメモリーに落としているとか、あるいはハードコピーを自分の引き出しあるいは自分の家に持っている。ということが普通は起きています。

ですからもしいま、財務省の財務局でですね、上司が森友学園の関係の資料を「誰か持っているか?」と聞くと、全員が「持っていません」と答えます。

ですけどたとえば、何かの、将来ですね、どうしてもやっぱり、何があったのか知りたいという場合が出てきますね。特に今のトップが変わって新しい人が来るとですね、何があったのか知りたいと思うのですが、その人が「いやあ、まさかあのときの資料は誰も持ってないよなあ?」と聞くとですね、「持ってます」という人が必ず出てくるんです。(場内から笑い声)

安倍昭恵夫人の影響力は財務省に及んでいる

で、あとですね、もう一つ、私が安倍昭恵夫人の影響力というのが財務省に及んでいなかったという財務省側の主張に、非常に違和感を覚えたことがあります。

あのとき問題になった籠池氏とのですね、安倍昭恵夫人の秘書との間のファックスとかメールのやり取りというものがありますけれども、そのときに明らかになったのは、昭恵夫人の秘書がですね、財務省の担当の管理職と話をしているということなんですね。それは財務省のキャリアの職員なんですけれども、秘書の方は経産省から出向しているいわゆるノンキャリアの女性職員だったということです。この一事をもって、このタイトルが違う二人が交渉していたという事実がですね、もう明らかに、昭恵夫人の力が及んでいるということの証拠になる、という風に私は思っています。

あの、官僚は一般にそうなんですけれども、財務省というのは非常に rank coonscious (職位階級に敏感な) なんですね。

同じキャリア官僚の間でも、財務省の官僚はワンランク上だと彼らは信じていますし、その証拠、証拠って言ったらおかしいんですけれども、たとえばいろんな慣例がありまして、予算要求で最後にですね、ま、最後は大臣に上げていくんですけども、大臣同士の折衝は大人対大臣でやるんですけれども、たとえば経産省の局長が財務省と最後の交渉に行く場合は、相手は主計局長ではなくて次長です。つまり、財務省の次長がほかの省の局長に相当するという意識が財務省にあるんですね。

もう一つですね、キャリアとノンキャリアという関係で言えば、キャリア同士でも財務省の人の方がワンランク上にカウントされる。ましてや相手がノンキャリアであれば話もしない。ま、話もしないというのは別に人間関係という意味ではない。仕事の上で話をするときに、管理職がほかの役所のノンキャリアでしかも管理職未満、管理職でないスタッフと交渉をするということは、もう、およそ考えられないことですね。


◎週刊金曜日 週刊金曜日の赤岩と申します。本日はありがとうございます。あの、さきほどの方の質問の続きなのですが、加計学園における獣医学部新設についてなんですけれども、最近、内閣府側からは逆にですね、どうして獣医学部を新設をうちは本当は何校もしたかったんだと、政権側としてはですね。

 だけれども文科省や獣医学会の圧力があって1校しかできませんでした。2校、3校、本当はやってもよかったんですよというロジックをおく使っているんですが、その点について古賀さんの意見を伺えればと思っています。

加計学園

◎古賀 で、仮にそれが正しいという前提をしてね、その場合に安倍政権が取るべきであった手続というのは、まず、こういう理由で獣医学部を増やすというのが適切な場合がありますということを明確にし、その場合に適用されるべき、ま、選択される条件ですね、ええ、その獣医学部というのを免許を与える条件というのを新しく設定をし、そのうえで広く全国のいろいろな地域から手を挙げるということを、時間的な余裕も含めてですね、そういう機会を提供して、その結果出てきた案件について国民の前でオープンに議論をしてですね、1校がいいのか、2校がいいのか、3校がいいのか、わかりませんけれども、それをちゃんとした形で説明をして免許を認めるという手続きを踏むべきだったと思います。

これに対して、実際に行われたことはですね、なぜかよくわからないけれどもとにかく獣医学部を増やすという決断が成されて、そしてこれもよくわかりませんけれども、1校だけに限るということが決まり、しかも募集の期間は非常に短い、8日かそこらだったかですね、そういう非常に短い募集期間を終え、その条件にですね、地域の中にほかに獣医学部が無い、地域というのはですね、日本では関西エリアとか、四国エリアとか、そういう単位で見るときに使うことばですけども、その地域、広域的に見て、ほかに獣医学部が無いことというですね、これは加計学園しか当てはまらないんですけども、もう一方の、実は手を挙げていた京都産業大学というのは非常に有力な大学なんですけれども、関西エリアではほかにあるということで最初からはじかれて条件にあてはまらないと、なんかそういう枠があって、結局加計学園しかないと、そういう決め方をしたわけですね。

そして官邸側の主張はですね、なんで1校に絞ったのかというと、それは文科省と獣医師会が「ぎりぎり1校だったらみとめてやってもいい」という風に言ったからであると。それがたまたま加計学園になったのだという説明をしていますけれども、1校にしぼる理由が「獣医師会がそう言ったからだ」と。

これは獣医師会の重要な族議員が麻生財務大臣だというのが有名なんですけども、そこを意識したのかなと思いますが、1本にした理由も余りはっきりしてませんし、なによりも加計学園以外の候補について、まったく参入の機会を与えなかったというのは、これはもう明らかに規制緩和なのではなくて、目的は加計学園で、加計学園に目的ありきで、そこに落としていくために、規制緩和という錦の御旗を掲げられたんだという風に思います。

まあ、こういうケースも含めてですね、実際に規制緩和という意味では小さなアイテムばかりでですね、実績がない。たとえて言えば、ティッシュペーパーに爪楊枝で穴をあけるていどのですね、実際に規制緩和はおこなわれているんですけれども、大きなものは行われていないけれども、こういう自分の非常に近いところの学校とか関係者に対しては、かなりがんばってですね、岩盤とは言わないけれど難しい規制緩和にチャレンジするということが起きていると。その対比でも非常に違和感を覚えるということです。


以上のことはそれだけなんですけど、あのうさっき話に出た朝日新聞の吉田社長の関係でお話したところで、そこのところは私がテレビ朝日の社内の人から聞いた伝聞情報に基づいて情報提供させていただきました。それが正確に正しい情報かどうかというのは、私自身ちゃんとした取材とかできていないので、この本にもあんまりはっきり書いていなかったと思いますけれども、そういう情報に過ぎないということを、一応お知らせしておきますので、もしご関心があればご自分で取材をしていただければありがたいなと思います。

(以上、終わり)


コメント

古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)

2017-06-24 03:39:57 | Weblog

2017-06-16
古賀義明氏講演(1)I am not Abe と 官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-17
古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-24
古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-25
古賀義明氏講演(4終) ◎森友学園 役人は文書で仕事をする種族 安倍昭恵夫人の力が財務省に及んだ / ◎加計学園  外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)



 ■大手メディアの記者はジャーナリストである前にサラリーマンである

なぜこんなに日本のメディアっていうのは権力に弱いんだろうということをですね、そういうことを少し整理しました。

時間がないので簡単に説明します。まずいちばん大きいのは、なかなか海外の方に理解してもらえないのは、日本の場合は個々の記者がですね、ジャーナリストというよりも、まずは企業に雇用された employee(被雇用者、勤め人)という立場が優先するということですね。

そしてこの記者たちが、記者クラブというところに所属しています。多くの皆さんは、外国の記者の皆さんは記者クラブに入れてもらえなくてですね、政府の会見に出られないというような経験をされていると思いますけれども、逆にこの記者クラブにいるとですね、何もしなくても毎日、政府或いは企業のような団体からですね、その組織に都合のいい広報用の情報というのが大量に送られるというか、渡されるわけですね。

ですからこの記者クラブに所属できるのも…、私は今、大手メディアについて話していますけれども、大手メディアに所属していれば記者クラブに入れて、そこでは自動的に情報をもらえて、かつ非常に自由に情報源にアクセスできると。こういう特権を与えられているということです。

で、結局ですね、その結果どうなっていくかというと、その記者クラブがある組織から与えられた情報に基づく報道になっていると。これはあの、PR情報をそのまま流すということになってるということですね。で、これがジャーナリズムとまったく違うというのは、皆さんよくわかると思います。

その結果として、全体としては、大きなメディアに入って、そしてそこの、ジャーナリストではなくて company employee (会社員) になって記者クラブに所属するとですね、自動的に仕事ができて、そして問題を起こさない限り、非常に高い給料をもらえるという生活が保障されます。あの、決してほかの会社が報じていないことを書かないと remotion(解任される) というようなこともなくですね、そしてうまくやっていけば今度は、日本の会社の場合は記者がですね、社長にまで上りつめられると。そこの階段をめざしていく人が多くなってしまう、という問題があります。

 ■新聞社の弱み――軽減税屡、再販価格

それは、それぞれ記者個人の立場に光を当てた今までの説明なんですけど、もう少し組織的には、幾つか政府側がですね、持っている飴というのがあります。

ま、釣りの餌みたいなもんですけども、一つは、新聞について言うとですね、新聞の価格を維持する、resale price (再販価格) を維持するという制度があるんですけれども、これを認めてあげますよ、と。これはもちろん独禁法の例外になっているんですけども、これを政府が認めるか認めないかという、そこの裁量があるということですね。

それからもう一つは、消費税の税率、今度10%に上げるときには軽減税率の対象にしましょうという、これを取引に使うということがあります。

 ■テレビ局には放送法4条の脅し

それからもちろん、テレビ局について言えば放送法と、これは飴ではなく鞭になるわけですけれども、いちばん有名な放送法4条というのがあってですね、政府が直接テレビ局を規制すると。独立した機関による規制ということではなくてですね。そういう直接、もっとも厳しい場合は放送を止めさせる、免許を取り上げるという、そいういうことまでできる放送法というのがあります。

(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
 一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
 二 政治的に公平であること。
 三 報道は事実をまげないですること。
 四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする
   こと。  
  2 放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。

 ■大手メディアは権威権力が好きだと見える

それから大手メディアの組織の問題といえばですね、というのが適切なのかどうかというのがわからないんですけれども、非常に経営陣がですね、権威に弱い。というよりも権威権力が好きだと言うように見える現象が、いちばん有名なのはゴルフやったりご飯食べたりと、お酒飲んだりというのがあります。

典型的な例では、加計学園では前川前次官が非常に重要な証言をして直後にですね、たとえばテレビ朝日で言えば、早川会長と篠塚報道局長、この二人しか首相動静には出てませんけど、実はあの、政治部長も官邸の記者もいっしょにですね、安倍さんと非常に長時間の会食をしているというようなことに見られる通り、その、非常に権力を持っている人と仲良くすることが好きであるということが言えると思います。

ま、海外のメディアの場合は、仮に社長がトランプ大統領と仲が良かったとしてもですね、記者がそれに影響を受けると言うことは余りないと思うんですけども、日本の場合は、経営が報道の現場に介入するというのが非常に、なんというか頻繁に起きているというか普通に起きる、あるいは現場の方が忖度をするということも起きていますけれも、そういう、間に fire ball (火球) がないという関係が見られます。

 ■スポンサーに弱いテレビ局、スポンサーを仕切る電通の影響力

それから、もう一つはですね、もちろんスポンサーとの関係というのもあります。日本の、特にテレビ局がそうなんですけれども、スポンサーに非常に強く影響されると。これはあの、原発の事故のときに非常に顕著にみられたことですけれども、今もそういう傾向はありまして、原発の報道が非常に少ないというのがお気づきだと思いますけれども、これはその影響だろうなと。

それからもう一つは、やっぱりその、スポンサーを仕切っている電通という会社の影響力が非常に大きいということがあります。ですから、たとえば、オリンピックの電通が絡んだスキャンダルとかもなかなか報じられないということになってますし、報道ステーションなんかは電通1社が全部仕切ってますので、実はその影響も出てきているということも聞いております。

最後にですね、これはお金の話なんですけれども、政党に対して政府から政党交付金が出ています。ところがこれは今、自民党が議員の数が非常に多いために、100億オーダーで非常に大きな金額が渡っているんですけどれども、ここに広告代理店がですね、非常に儲かるということで、さまざまな提案を行って、新しいメディアコントロールの開発をしていくという現実があります。これは非常に大きな影響を与えていると思います。

話したいことはたくさんあるんですけれども、ちょっとあの、質問を受ける時間がなくなってしまうので、私の話はこの辺にして後は皆さんからの質問にお答えしたいと思います。ありがとうございました。

 ■報道ステーション降板 テレビ朝日と朝日新聞の関係

◎司会 それでは質問を受けたいと思いますけれども、もし質問があれば挙手をお願いします。はい、前の方へきてください。

◎朝日 朝日新聞の大鹿です。古賀さん、2点お尋ねしたいんですけども。テレビ朝日の降板騒動がございましたけれども、テレビ朝日には朝日新聞からOBで吉田慎一さんという新聞協会賞2回受賞された、非常にまあ、朝日社内では大記者、非常に優秀な方。テレビ朝日、当時まだ確か社長で転任されていたと思うんです。吉田さんはあのとき、古賀さんの問題についてはどのような反応を示されたのか、つまり日本の組織ジャーナリズムの中で最も優秀とされる、まあベスト・アンド・ブライテスト (超一流の人材) の一人だと思うんですけれども、彼があの騒動、古賀問題に対してどういう風なふるまいをされたのか。朝日の社員として非常に興味深く思うので、それをまず1点聞きたいと…。

◎古賀 はい、ありがとうございます。ええとですね、私は吉田さんとはほとんど関係がないので、吉田さんがどういう方かということも存じ上げないんですけれども、今大鹿さん言われた通り、大変すばらしい方なのかもしれません。

ただし、私の件が起きたときにですね、吉田さんの存在感というのは、ほぼゼロだったという風に聞いております。それはですね、おそらく大きな文脈があったと思うんですけれども、もともとテレビ朝日と朝日新聞とは非常に深い関係が、ま、資本関係だけではなくてですね、ある意味、朝日新聞がジャーナリズムの先輩格で、テレビ朝日はそれを頼るという面があったと思うんですね。

で、実際、私はそのう、確かやめる2年くらい前だったと思いますけれども、報道ステーションのコメンテーターが事実上朝日新聞の枠みたいになって、月曜から木曜は朝日新聞、という慣行があったんですけれども、それはおもしろくないから撤廃したらいいんじゃないかと話したことがあるんですね。

そしたら、そのときに返ってきた言葉は、いやいや朝日新聞との関係は非常に大事だと。なぜなら朝日新聞といっしょにやっているということによって、何かあったときにテレビ朝日を守るという効果があるんだという、まあ守護神というかね、そういうお札みたいな関係があるんだということを言われたことがあるんです。

 ですけど、私が、この問題が起きたときはそれとはまったく逆の状況になっていたと。そういう状況を説明します。
 
それはですね、朝日新聞では、吉田証言と吉田調書という二つの吉田問題というのが、その前の年に起きていまして、それで、安倍政権と朝日新聞の関係がもともと悪いんですけれども、決定的に悪くなったと。

そのタイミングでですね。おそらく前から狙っていたのかなと思うんですけれども、朝日新聞の影響下から独立すると、テレビ朝日が。という動きを出したときなんですね。

 それは何かって言うと、早川会長というのは、生え抜きの初めてのテレビ朝日の社長なんです。それまでは基本的に朝日新聞の人がトップに座るという慣行があったんですけども、初めて早川さんがテレビ朝日のトップになった。

そしてその早川さんが、それは temporary (一時的な) なものなのではなくて、早川さんがずうっとそこに居続けるというような動きを始めたときだったと私は理解してるんですが。

 たとえばその、自分の定年を無くすというか、持株会社制にしたときに定年を会長には入れなかったとかですね、そういう動きを見せていたときで、それは朝日新聞から独立というのを狙っていた時期、そこでそういうときに朝日新聞が大変な大打撃を受けたというタイミングで独立しようとした。

従って吉田さんという朝日新聞から来た社長と言えば、これはもうほとんど機能させないというような動きが見られるというようなことを、テレビ朝日の中の人たちからいつも聞かされていました。

それであのう、朝日新聞の代わりに何を頼ればいいのか。じゃあ安倍政権を頼ればいいという仕組みができたということだと思います。

 ■民主党政権のときにも圧力はあった

シンガポール アンソニー・ローリーと申します。シンガポール・ビジネス・タイムズの者なんですけれども、ちょっと私、遅れて参加したものですから、その点、聞き逃してるかもしれませんけれども、日本の新聞およびテレビの企業文化でありますけれども、そのような企業文化は長年続いてきたものであるわけです。しかし、そういうような企業文化につきましては、安倍政権以来、もっと抑圧的になってきたというような印象をお持ちでしょうか? 同様にそういった自己検閲するというような、自主検閲の機構というものも、安倍政権以来、より強くなってきたという風な印象をお持ちでしょうか?

◎古賀 ええと、いま受けた質問は、実は私話したいなと思っていたんですけど、話したいと思っていたことだったんで、ちょうど良かったと思います。

なぜ安倍政権になって、「報道の自由」という問題がこんなに言われるようになったのか? いま私がいろいろ挙げた項目というのは、ある意味、たとえば民主党政権のときもそうだったじゃないかという風に言えると思うんですね。現に民主党政権のときも、もちろん、いろんな圧力というものはありました。

私自身、民主党政権の最後のころにですね、民主党政権の批判をして、この本の前の「日本中枢の崩壊」という本を出しましたけれども、そのときにもテレビに出ると、官房長官から直接電話が「報道ステーション」にかかってきたりとかいうこともあったんですね。ですから、それぞれの話っていうのは、安倍政権になって突然変わった話じゃないんです。

 ■安倍政権の特徴――現場に日々圧力をかけ続ける、メディアのトップを押さえる

で、それはですね、安倍政権、ある意味、非常に優秀だと思うんですけども、ここに挙げたような日本のプレス (報道機関) をめぐるさまざまな要件というものをようく理解したうえで、それらのすべてを organize (組織する) された形で活用すると。それを徹底的に行うということを組織的にやっているということだと思います。

安倍政権のもう一つの特徴は、現場への圧力日々かけ続けるんですけれども、それとは別に、トップを押さえるということを非常に力を入れてやってます。

 毎日のように菅官房長官がメディアの幹部だったり、あるいはコメンテーターと食事をすると。安倍さんが社長たちと会食をしたりゴルフをするというようなことでですね。それをしかも見せちゃうんですね、仲良しですよというのを。

これは現場にいる記者に対して非常に、なんて言うんでしょう、「あ、うちの社長は
すごい仲良しなんだ」というのを見せるというのは非常に大きな影響力があると思います。

その一つの操作として、ええなんだっけ、日本放送労働…組合だっけ。あのう、テレビ局で働いている人の組合があるんですけど、そこがやはり声明を出したことがあって、その中にわざわざ、トップが会食したりゴルフしたりするのを困りますよね、みたいなのを書いてあるんですけど、それを書かれるということは意識されてるということなんですね。

だから、トップが安倍総理と親しいんですよというのを見せながら、現場に圧力をかけていくと。これが非常に効果的です。

 ■社内事情――現場の自主規制は、こうして始まる

そしてあの、記者の立場から見るとですね、安倍政権と問題を起こした場合に、ものすごく仕事が邪魔されるということになるわけですね。なぜなら、仮に自分が抵抗していってもですね、最後、上から来たら負けるというのが想像されるので、自分がやってることは正しいと思っても、仮に何かクレームが来たら、「うるせえ、ほっとけ」という対応ができなくて、一応、真面目に応えなきゃいけない。

ところが毎日毎日、日々のニュースを書かなきゃいけないのに、そんなことのために時間をかけるというのはとんでもなく煩わしいことだということになってですね、だったらここのところをちょっと表現をこのようにしておいた方がいいな、というように、少しづつ自主規制されていくということが現実に起きていると思います。

 ■社内事情――上はこうして現場を叩く

そして時々大きな問題が起きるんですね。たとえば報道ステーションで、原子力委員会のことを批判するビデオを流したときに、ちょっとしたまちがいを起こしたというようなときにですね、ええ、その、日ごろ政府批判をしているようなディレクターとかプロデューサーにたいして、ここぞとばかり、そういうときにですね、ものすごいプレッシャーをかけてきます。

何か小さなミスをしたときにですね。それに対してトップが、まちがいをしたんだから処分をしなきゃいけないというような対応をすることがあって、それはまあ、一種の見せしめになるというようなことも同時に行われてます。

 ■テレビ局が政権に飼いならされている

そういうことが重なっていって、メディアを支配していくと、で結果ですね、たとえば私がやめる前に起きたことですけれども、選挙の前に自民党が圧力をかける文書を東京のキー局に送った件でもですね、すべてのテレビ局がそれを隠したということがありました。

それから報道ステーションでは局宛ての圧力ではなくて、報道ステーションのプロデューサーに対して、しかも特定の日付の特定のビデオについてですね、内容が不適切だというような圧力をかける文書が、これはこの本にも出てますけども、なんていうか、そういう圧力文書が来ているんですけども、これもテレビ局が隠したんですね。

 隠しただけじゃなく、局内に周知すると。こういうのが来てますから気をつけてくださいね、というような行為にまで及ぶというですね、あの、そこまでテレビ局が組織として、政権に従順というか、飼いならされてきたと。それはもう2015年ぐらいまでにだいたいできているということだと思います。

 ――次回(4終)につづく



 
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6月23日は「沖縄慰霊の日」 学童疎開船「対馬丸」、沖縄戦前に持ち場から逃走した人たち、住民保護に殉じた行政官・島田叡知事

2017-06-23 05:16:22 | Weblog

6月23日は「沖縄慰霊の日」です。

1945年 (昭和20年) 6月23日は、当時の沖縄守備軍の牛島司令官と長参謀長が自決した日で、この日が沖縄戦が終わったという区切りの日になっています。

沖縄の最初の戦争犠牲者は疎開学童でした。

1944年 (昭和19年) 7月7日、七夕。サイパン島が陥落しました。これを受けて、同夜の緊急閣議で、沖縄から本土に8万人、台湾に2万人の疎開方針が決定されました。

疎開はすぐに実施に移され、沖縄から引率教員を含む6000人の集団学童疎開が同年8月、9月の2ヶ月で完了します。その1944年 (昭和19年) 8月21日午前2時、疎開船3隻、護衛艦2隻の船団のうち対馬丸が米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没しました。沈没海域は、奄美大島と屋久島の中間、トカラ列島悪島付近です。

沖縄戦の犠牲者第1号が、集団学童疎開船「対馬丸」でした。対馬丸記念館の最新データによると、犠牲者総数1788名。うち学童784名、訓導・世話人30名です。

つづいて1944年 (昭和19年) 10月10日、朝6時30分に那覇が大空襲に見舞われました。その日は午後6時まで計5回にわたって大空襲がつづき、那覇市は完全に焼け野原になりました。

1945年 (昭和20年) 1月31日、新任の島田叡知事が沖縄県に着任しました。すでに沖縄は米軍上陸に備える対戦準備で騒然としていました。沖縄人事を辞退せず、承知の上で覚悟をもって県知事に着任し、沖縄県民のために命を捧げた人として、島田知事は歴史に刻まれています。

しかしきょうは、米軍上陸(4月1日)が目前にせまった沖縄で、持ち場を放棄して沖縄から逃亡した人たちがいたことを下に紹介します。出典は「沖縄戦記 鉄の暴風」沖縄タイムス社刊、初版は1950年8月15日です。

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「沖縄戦記 鉄の暴風」27ページ

 三月二十二日、最後の疎開船が決死行を冒して出発の予定であったが、その日の空襲に見舞われて撃沈され、ついに島外疎開も終幕を告げた。こうして疎開した住民ほ、三月上旬までに、約六万を数えた。住民の本格的疎開と相まって、役人、指導者の中には、出張の名目でこっそり死の島を脱出する者が増えた。
 
 伊場内政部長は、住民に配給する乳幼児用ミルクを携げて島を抜け出たまま、再び帰任しなかった。それを皮切りに、西郷衛生課長が、疎開船で無断に脱走を企て、沖縄聯隊区司令官、吉田大佐が、「沖縄などに敵が上陸するものか」と、云い残して、飛行機で本土へ飛ぶなど、県庁員、医師、学校長が、ぞくぞく島を後にした。

 
 二月上旬、島田知事は、本土にいる伊場内政部長から「病気で静養中につき、すぐは帰任できぬ」の、電報に添え、「海軍々令部を始め、沖縄出身の親泊大佐(大本営参謀)、渡名喜大佐の話では、敵は沖縄上陸の企図はいささかもなく、国頭疎開は、即時中止しても良い」という情報を受けた。
 
 明らかに、自らの逃亡を糊塗する、伊場内政部長の心底を見抜いた島田知事は、逃避者の非を鳴らす部下達の怒りをなだめ、伊場の情報を握り潰して、住民の国頭疎開を急がせた。「沖縄に敵は上陸せぬ」……それほ、危機一髪のところで、死地を脱していく役人や、軍人が、島内に踏み止どまる人々に対する、最後の、苦しい、云いのがれであり、あいさつの常套語でさえあった。

 「去る者を追わず」島田知事は、ひそかに、居残る部下を励ました。その頃二月二十三日、二十四日の二日間に亙り、米艦載機群が、久し振りに、本格的空襲を、沖縄に加えた。それに相ついで海岸偵察機が頻々と飛び、この情勢から推しても上陸は必至である。「米艦隊は補給を終え、続々、ウルシー島に、次期攻撃のために、集結中」との情報もそれを裏書きした。
 
 軍司令部では、住民の処置に、頭を悩ました揚句、島内疎開を強硬に主張し、県当局は、これに応えて一段と拍車をかけた。軍に直接協力できぬ、十七歳以下、四十五歳以上の、老幼婦女子は、即時国頭へ立退けの、命令が下された。

 県庁の、疎開呼掛けは、畑で耕作中の、農夫を掴まえて、「何故国頭へ行かぬか」と怒鳴るほど、強圧的となり、うろたえ騒ぐ人々は、唯厳しい当局の命に追いたてられるようにして、北部国頭への移動を開始した。

 住み馴れた家や、畑を捨てて、屈強な男の庇護もなく、子を負った可弱い女たちが、手車に、足腰立たぬ、老人を乗せ、飢えに泣く子を叱りつけながら、両手に幼児の手を引いた人々の群が、鍋釜類や、わずかな食糧を抱えて、国頭目指して、移動していった。
 
 米軍上陸直前までに、約八万五千の住民が北部へ移り、約二万五千人は義勇隊となって南部に止どまり、軍関係の各部署へ配置されたが、約十余万の住民は依然として中、南部に止どまった。

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(沖縄タイムス 2015年2月8日 05:30)

【 地に刻む沖縄戦 島田知事着任 住民に心寄せ「生きろ」】

 それまでも決して良好とはいえなかった軍・官・民の関係が、10・10空襲のあと、いっそうとげとげしくなった。

 第32軍司令部の軍首脳は、幹部宿舎の提供や慰安所設置などの要求に非協力的だった泉守紀知事に不信感を抱いていた。泉知事は、軍政が敷かれているかのような、軍の行政への介入を快く思っていなかった。

 県行政は、知事の現場指揮のまずさもあって空襲被害から立ち直れずマヒ状態に陥っていた。沖縄での仕事に嫌気がさしたのか、泉知事は1944年12月に上京すると、知人に転勤を働き掛け、年が明けても帰ってこなかった。

 内務省は、不協和音の絶えない沖縄の現状を打開するため、泉知事を香川県知事に転出させ、大阪府内政部長の島田叡(あきら)を泉知事の後任に発令した。

 米軍上陸必至の沖縄に赴任するということは、死地に赴くようなものである。戦時下とはいえ、あまりにも残酷な人事であった。断ろうと思えば断れたはずだが、島田は断らなかった。

 「俺が行かなんだら、誰かが行かなならんやないか」

 留守宅に妻と2人の女の子を残し、身一つで沖縄に着任したのは45年1月31日のことである。


    ◇    ◇

 軍隊の目的はあくまでも戦闘であって、「百事皆戦闘をもって基準とすべし」(作戦要務令)というのが日本軍の考え方だった。

 だとすれば戦場において非戦闘員を守るのは誰なのか。

 軍民混在の戦場で、目を覆いたくなるような悲劇が続発したのは、日本側に住民保護の視点が決定的に欠けていたからではないのか。

 なぜ沖縄戦はこれほど多くの非戦闘員の犠牲をだしたのだろうか。確かなことは、沖縄が本土決戦の時間を稼ぐための「捨て石」と位置付けられていたこと、捕虜になることを禁じられ、「悠久の大義」に生きるよう玉砕を求められていたこと、である。

 島田は着任早々、平常の行政事務を停止し、戦時行政に乗り出す。住民を疎開させ、疎開先で飢えさせないように保護することが戦時行政の重要な課題だった。

 島田の下で疎開業務を進めた浦崎純は、戦火を避け昼となく夜となく北へ北へと移動する老人、子ども、婦女の長い列を見たときの印象を戦後、こうつづっている。

 「もの悲しい情景だった。沖縄一千年史のどの頁にも、これほどもの悲しい情景はみあたらなかっただろう」(「消えた沖縄県」)。

 疎開先の北部でマラリアや飢えのため亡くなった人は少なくない。本島南部に追い詰められた避難民だけでなく、北部に疎開した人々にも苛烈な現実が待ち構えていたのである。

 本島北部への疎開者の数は、およそ15万人と推計されている。島田と荒井退造警察部長が音頭をとって疎開業務を進めた結果、多くの人々が救われたこともまた、疑う余地がない。

    ◇    ◇

 首里の壕に陣地を構えていた第32軍司令部が南部への撤退を準備していたころ、島田は、軍首脳部に対し、「南部に撤退すれば住民が巻き込まれる」との考えを述べ、首里での抗戦継続を申し入れたといわれる。

 その話が事実かどうかはっきりしないが、さもありなん、と思わせるものを島田知事は持っていた。南部の壕を転々としながら島田が見せた人間味あふれる行動と言葉は、今も多くの人たちによって敬慕の情を込めて語り継がれている。

 県警察部職員だった山里和枝さんは、糸満市の轟の壕で「敵は何もしないから手を挙げて出るんだぞ」と知事に声を掛けられた。自分の死の近いことを意識しながら、職場の部下に、生きるんだよ、と軽く肩に手を添えて呼び掛けたのだという。

 6月14日、県庁の解散を宣言して轟の壕を出た島田と荒井のその後の消息ははっきりしない。



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<加計学園> NHK新入手文書 「10/21 萩生田副長官ご発言概要」文書画像テキスト化(NHKクロ現 6.19.夜放送)

2017-06-19 23:48:09 | Weblog
  2013.5.5.河口湖畔安倍総理別荘にて(はぎうだ光一の永田町見聞録2013.5.10付から)
  加計孝太郎氏は現在、世間から逃亡中。姿を見せない。



2017-05-21
<安倍親友 加計学園> あなたは安倍首相がクリーンであると信用できますか? 「総理の意向」 文科省内部メモ文書リーク全文文字起こし ← 「10/7萩生田副長官ご発言概要」あり
2017-05-24
<安倍親友 加計学園> 「総理の意向」文書が裏付ける「加計」の流れ 「広域的に」「限り」の語句追加で京産大離脱
2017-06-27
<加計学園人脈> 萩生田官房副長官の経歴から邪推する 2017.6.16.参院予算委答弁に 安倍・萩生田コンビの嘘を見た聞いた



6月19日夜、NHKクローズアップ現代で加計学園問題を取り上げ、その中で「10/21 萩生田副長官ご発言概要」という新入手文書のことが放送されました。この文書画像を下に書き起こしました。  ※色文字はこちらで付したもので、原文は黒文字です。

<追記: 2017.6.23.00:29 時事通信 記事から> 6月22日文部科学省発表によれば、この文書は常盤高等教育局長と2016年10月萩生田官房副長官との面談内容を、その後に「専門教育課長補佐」に記録させたもの。課長補佐自身は面談に参加していない。


文書に出てくる人名、組織にご注目ください。
 ① 安倍総理 ※加計学園理事長と親友を公言、その親交ぶりは誰もが認める
 ② 萩生田副官房長官
   ※落選中に加計学園系列千葉科学大で有給客員教授、現在は無給名誉客員教授
 ③ 和泉総理補佐官
 ④ 文科省 浅野課長
 ⑤ 渡邊加計学園事務局長
 ⑥ 内閣府
 ⑦ 官邸
 

   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


(NHK新入手文書) 萩生田副官房長官と常盤文科省高等教育局長の面談記録
           文科省側が作成



10/21 萩生田副長官ご発言概要

○(11月にも国家戦略特区諮問会議で獣医学部新設を含む規制改革事項の決
 定がなされる可能性をお伝えし、)そう聞いている。

内閣府や和泉総理補佐官と話した。(和泉補佐官が)農水省とも話し、以下
 3点で、畜産やペットの獣医師養成とは差別化できると判断した。


 ① ライフサイエンスの観点で、ハイレベルな伝染病実験ができる研究施設を
  備えること。また国際機関(国際獣疫事務局(OIE)?)が四国に設置す
  ることを評価している、と聞いたので、その評価していることを示すもの
  を出してもらおうと思っている。

 ② 既存大学を上回る教授数(72名)とカリキュラムの中身を増やすこと。
  また、愛媛大学の応用生物化学と連携するとのこと。

 ③ 四国は水産業が盛んであるので、魚病に特化した研究を行うとのこと。

○ 一方で、愛媛県は、ハイレベルな獣医師を要請されてもうれしくない、既存
 の獣医師も育成してほしい、と言っているので、2層構造にする。

和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに、文科省だけが怖じ気づ
 いている、何が問題なのか整理してよく話を聞いてほしい、と言われた。
 官邸は絶対やると言っている。

総理は「平成30年4月開学」とおしりをきっていた。工期は24ケ月でや
 る。今年11月には方針を決めたいとのことだった。

そうなると平成29年3月に設置申請をする必要がある。「ハイレベルな教
 授陣」とはどういう人がいるのか、普通の獣医師しか育成できませんでし
 た、となると問題。特区でやるべきと納得されるような光るものでないと。
 できなかったではすまない。ただ、そこは自信ありそうだった。

何が問題なのか、書き出してほしい。その上で、渡邊加計学園事務局長
 浅野課長のところにいかせる。

○ 農水省が獣医師会押さえないとね。



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古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)

2017-06-17 18:17:42 | Weblog

2017-06-16
古賀義明氏講演(1)I am not Abe と 官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-17
古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-24
古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-25
古賀義明氏講演(4終) ◎森友学園 役人は文書で仕事をする種族 安倍昭恵夫人の力が財務省に及んだ / ◎加計学園  外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)



<前回(1)のつづきです>

I am not Abe、報ステに圧力をかけた中村格・官房長官秘書官 (当時)
山口敬之逮捕状を握り潰した中村格・警視庁刑事部長 (当時)

(※報道ステーションに圧力をかけてきた官房長官秘書官)実はその秘書官のうちの一人は中村格(いたる)さんという人なんですけれども、この人が今話題になっている中村格さんだと。そのことをちょっとまた説明します。

で、これは今、非常に大きな問題になっているんですが、その止めた (※容疑者を目前にした高輪署の逮捕状執行中止を命じ、高輪署を担当から外した) 警視庁刑事部長がやはり、その中村格(いたる) さんだったということであります。

もちろん、このレイプ事件の真相というのは、なにかあのう、山口さんがやったということで確定しているわけでもなんでもないんですけれども、ま、多くのFCCJのメンバーの方は、あの会見を聞かれたときに、「あ、レイプ事件か」と。そして本人が顔を出してそれを主張したんだ、と。それは日本では非常に珍しいことなので、「勇気ある行動だな」というような受け止め方だったかもしれないんですね。

だけど、彼女がそこまでやった最大の理由は、日本でレイプ事件というのは立証するのがなかなか大変なんですけれども、彼女は最初は警察に「それは無理ですよ」と言われたらしいんですけれども、結局いろいろな、たとえばタクシー運転手の証言とか、それから、ホテルやその近くの監視カメラの映像というようなものを警察署が調べた結果、これは立件できるという判断をして裁判所から令状も、ま、裁判所が令状を1回出したということですね。

ですけれどもこれを止めたというのは、これはですね、今、警察は「よくあることだ」と言っているんですけれども、これはぜひ取材していただきたいんですけれども、警察関係者にですね。

これは極めて稀なことです。ほとんど起きないような話だと思うんですけれども、それをやった人が、同じ安倍政権の中枢と非常に親しい人物であり、一度私の案件で菅官房長官の意を受けてか、あるいは長官に褒められたくてかもしれませんが、そういう圧力をかけるという行動を取った同じ人間だということはですね、非常にぼくは驚いたしだいですし、そこはぜひ取材をしていただきたいな、という風に思いました。

ええ、この話はこのへんにしたいと思うんですけども、実は、この話題がネットでは非常に大きく報道されていますけれども、テレビや新聞でのカバーが非常に小さいんですね。それはもちろん、刑事事件でその証拠をそれぞれの報道機関が持っていなければなかなか報道できない、ということはわかるんですけれども。

一方でですね、前川文科省前次官が出会い系バーに行ってたというようなことがですね、これは証拠が政府の側から提供されたようですけれども、読売新聞などで大きく報道されるというのにくらべるとですね、なぜ、これが報じられないのかということで、やっぱり日本のメディアっていうのがですね、相当偏ってしまっている。あるいは勇気を失ってしまってんじゃないかということで、ここに画像、パワーポイントを用意したんですけれども、なぜこんなに日本のメディアっていうのは権力に弱いんだろうということをですね、そういうことを少し整理しました。

 [山口敬之] 元TBSアメリカ支局長、安倍御用達ジャーナリストと言われている。
       自分の準強姦事件で北村滋・内閣情報官 (警察官僚出身) を頼った可能性が取りざ
       たされている(本人は否定)。中村格・警視庁刑事部長 (当時) が高輪署の山口
       敬之逮捕状執行を中止させたのはこの筋か?


 ――次回につづく


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古賀義明氏講演(1)I am not Abe と官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし))

2017-06-16 17:02:39 | Weblog

2017-06-16
古賀義明氏講演(1)I am not Abe と 官邸圧力の実際 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-17
古賀義明氏講演(2)中村格氏が「報ステ」降板圧力・山口敬之氏逮捕状握り潰し 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-24
古賀義明氏講演(3)日本のメディアはなぜ権力に弱いのか / テレビ朝日と朝日新聞の関係 / 安倍政権下における報道の自由と自主規制 外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)
2017-06-25
古賀義明氏講演(4終) ◎森友学園 役人は文書で仕事をする種族 安倍昭恵夫人の力が財務省に及んだ / ◎加計学園  外国特派員協会2017.6.5. (書き起こし)



みなさん、こんにちは。お招きいただきまして本当にありがとうございます。

私にとってこのFCCJっていうのは、うかがうといつも心が、なんというか、ほっとできる安心できる場所です(微笑する)。

ええ、きょうはこの「日本中枢の共謀」という本を出したということでお呼びいただいたということでありますけれども、この本の内容を紹介する、というよりもですね、私がずうっとこの、何年もテーマに活動しております「報道の自由」ということについて、最近起こっている問題を含めてお話をさせていただきたいと思います。

で、まず最初にですね、この本に出てくるエピソードを一つ、紹介させていただきたいんですけれども、私が2015年3月27日に I am not Abe という紙を報道ステーションで出しまして、番組中にメインキャスター古館一郎さんと口論になったということで、非常に世間を賑わせたことがありました。それに関連するエピソードです。

ええ、実はですね、多くの方が感違いをしたままなんですけども、私があのペーパーを番組中にかかげて、そして、古館さんと口論をしたことが原因になって報道ステーションを降板したという風に思っておられる方が多いと思うんですね。

で、実際はそれはまったく違うということを直接お話させていただきます。実は、 I am not Abe という表現を私が使ったのは、その3月のプログラムの時が最初ではありません。それは、その2カ月前、1月23日に、やはり同じ報道ステーションで、私、I am not Abe という言葉を使いました。ただし、ペーパーは使っていませんが。

その時は、ちょうど後藤健二さんがISIL (イスラム国) につかまっているということが1月20日にビデオが公開された、その直後でした。私、あのう、多くの方と同じでまったくく知らなかったものですから、その事実をですね。非常にそのビデオが出た時に驚いたわけですけれども、その時にですね、同時に非常におかしいなという大きな疑問をいくつか感じました。


安倍首相 わざわざこの時期に中東へ 反ISIL外交をやった

まずですね、その事件についてもちろん官邸は、安倍総理も含めてですね、後藤さんがISILにつかまっていたということをよく知っていたはずなんですね。にもかかわらず、というのは11月ぐらいにISILから後藤さんの奥さまへの連絡があって、それはもちろん総理まですぐに報告されてですね、ええ、それは政府の中枢においてはよく理解されている事実であった。

にもかかわらず、まず第一に、なぜ、わざわざ中東に行ったのかということです。それが最初の疑問です。

そして二つ目にですね、行った国がですね、ヨルダン、それからエジプト、イスラエルというようなアメリカの盟友ばかりで、しかもイスラエルではイスラエルの国旗の前に立って会見を行い、そしてエジプトであの有名なスピーチをしているんですね。そのスピーチの内容はISILと戦う周辺各国に2億ドルの支援をいたします、お約束します、という内容でした。

そして、これは事実上ISIL (イスラム国) に対する宣戦布告になるわけですね。実際は後藤さんの奥さんが身代金の交渉をしていたわけです。その最中に、こういうステートメント発するというのはどういう意味を持つのかということは、政府はよく理解していたはずです。

で、実は、その時にいろんなところから聞こえてきた話としては、政府は、後藤さんの奥さんが身代金交渉をすることに対してまったくサポートしていなかった、ま、サポートするなと厳命されていたという情報が、いろんなところから聞こえていました。

そして、それは、政府が後藤さんをまったく助ける意志がなかったと私は思ったんですけど、もう一つですね、もしも裏取引でなんとか後藤さんを救おうという風に考えていたのだとすればですね、ええ、当時、対策本部がヨルダンのアンマンに置かれたんですけども、普通であればトルコに置くべきだったと思うんですね。トルコは直前に総領事館員40人以上をISILから取り戻したという実績がありますので、やはり普通に考えればトルコに置くんだと思うんです。

アンマン。アンマンはCIAの中東の拠点があるところで、ある意味、アメリカに「見てください」と、むしろ「見せたい」というぐらいの意志だったんだろうなと、私は理解しました。


I am not Abe 報道ステーション降板の内情
官邸から報道ステーションに抗議

そして、結局ですね、後藤さんたちは亡くなってしまうわけですけれども。私が1月23日に I am not Abe と言ったのはですね、安倍批判というよりも、世界に対して安倍さんが中東に発したメッセージっていうのは日本人の考え方と違うんだ、ということを示したいと思ったんですね。

そのために国民一人一人が I am not Abe と、私は安倍さんと違いますよ、というメッセージを世界中に発信しましょうと。それが、中東の人々、あるいは世界中の人々に対する、対してですね、そういうメッセージ、日本人は決してイスラムと戦うつもりはないし、世界中の人々と絶対に戦争なんかしたくないんだというメッセージを伝えましょうということで、I am not Abe というプラカードを掲げて発信しましょうという発言をしました。

そしてその放送がですね、実は官邸にいた菅官房長官の逆鱗に触れるということになったようです。これはですね、なぜかと言うと、1月20日に後藤さんのビデオが公開された直後に、「やはり安倍さんのスピーチがまずかったんじゃないか」という、そういうことを言うコメンテーターがテレビで何人かいたんですね。しかし、これは2日ぐらいの間に、そういう人たちはテレビの画面から一掃されました。

そして、官邸から見れば押さえこんだという風に思っていたところで、私がそれを非常にはっきりした形で持ち出したということに対して官邸は、この問題は一歩まちがえると後藤さんを見殺しにしたという批判を浴びて、安倍政権にとって非常に大きな打撃になるんじゃないかと心配していたようなので、それに対する私のコメントが出たので、非常に怒った、ということです。

そしてその結果として、私がまだ番組に出ている最中に、菅官房長官の秘書官が何人かいるんですが、そのうちの二人からテレビ朝日の幹部に、私の発言に対して抗議するメールが来ました。

これは、あの、海外のメディアだったら無視して終わりだったんじゃないかと思うんですけれども、テレビ朝日の場合は残念なことにですね、そのうちの一人がですね、これは編集長という立場にいる人ですけれども、この人が報道局長に報告をし、大変な騒ぎに、ま、大騒ぎになったということがあります。

で、その後ですね、私、あのう3月まで出演の約束が決まっていたので、それまでは首にならなかったんですけれども、上層部からの指示で、4月以降は出すな、という風に聞いてます。ただ、ええと私が首になったということが重要だということじゃなくて、実はその秘書官のうちの一人は中村格(いたる)さんという人なんですけれども、この人が今話題になっている中村格さんだと。そのことをちょっとまた説明します。

――次回につづく


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<共謀罪> 笑う安倍晋三「そもそも」説教、国語を曲げる(2終)

2017-06-13 21:29:42 | Weblog

2017-06-11
<共謀罪> 笑う安倍晋三「そもそも」説教、国語を曲げる(1) 



 ■見過ごすわけにはいかない「そもそも説教」の悪質さ

 安倍首相の4月19日法務委員会答弁における山尾志桜里議員に対する「そもそも」説教は、首相の性格を如実にあらわしています。言葉使いの応酬として単純に見過ごすわけにはまいりません。それで、そのありさまを前回記事<共謀罪> 笑う安倍晋三「そもそも」説教、国語を曲げる(1)にくわしく書きました。前回記事で参照先を示した国会中継動画を5分ばかりご覧願えば、さらにその雰囲気がわかります。

安倍首相が質問議員を蔑み、笑いつつ、まちがいだとして教えてあげるシーンで、法務委員会室の同席委員が安倍首相に同調して一斉に笑う音声が入っています。

しかしこれは安倍首相のごまかしなのです。自分自身がした答弁のつじつま合わせのために、「そもそも」の語義を勝手に作り変えて、国民が見る中継動画のカメラ前で、相手をやりこめてやったという満足感でいっぱいの安倍首相。いったいこの人の精神を何といえばいいのでしょうか? 何らかの精神障害の症候群があるのではないか、とまで思わされる衆議院法務委員会室の情景でした。


 ■その後の「そもそも説教」追跡――質問主意書と答弁書

その後、民進党議が「質問主意書」で安倍首相の「そもそも説教」を追跡します。「質問主意書」は衆議院議員個人名で衆議院議長宛に提出する公式文書で、衆議院議長を経由して政府に渡り、政府は内閣総理大臣名で内閣の閣議決定という手続きの後、政府から衆議院議長宛に「質問に対する答弁書」という公式文書として提出し、それが衆議院議長から質問議員に回付されるものです。参議院でも同じ制度になっています。

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1ー1.平成29年4月25日提出 質問第264号 提出者・初鹿明博議員

 安倍総理は、本年4月19日の法務委員会で、「そもそもという言葉の意味について、(中略)念のために調べてみたわけでありますが、これは基本的にという意味もある」と答弁している。

一 現在出版されている複数の辞書を調べたが、「そもそも」の意味として
 「基本的に」との記載がある辞書は存在しなかったが、本当に調べたのか。

二 調べている場合、安倍総理が調べた「そもそも」の意味として「基本的
 に」との記載がある辞書の辞書名、出版社名及び出版年を示されたい。

1-2.平成29年5月12日受領 答弁第264号 内閣総理大臣 安倍晋三

一及び二について
 例えば、平成十八年に株式会社三省堂が発行した「大辞林(第三版)」には、「そもそも」について、「(物事の)最初。起こり。どだい。」等と記述され、また、この「どだい」について、「物事の基礎。もとい。基本。」等と記述されていると承知している。

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【 参考 Weblio「三省堂大辞林」 】
そも そも [1] 【抑▽・抑▽ 抑▽】
〔「そも」を重ねた語。古くは漢文訓読に多く用いられた〕
一 ( 名 )
 (物事の)最初。起こり。どだい。副詞的にも用いる。 「 -は僕が始めたものだ」 「 -の始まり」
二 ( 接続 )
改めて説き起こすとき,文頭に用いる語。いったい。だいたい。 「 -,事前調査の不備がこのような事態を招いた」 「 -私の今日あるは彼のおかげだ」 〔一 は二 の転〕

【 参考 Weblio「三省堂大辞林」 】
ど だい [0] 【土台】
一( 名 )

木造建築で,柱の下にあって,柱から伝えられる荷重を基礎に伝える役割を果たす横材。

家や橋などの建造物の底部にあって,上の重みを支えるもの。基礎。 「 -石」

物事の基礎。もとい。基本。 「会社の-をつくった人」
二( 副 )
 〔「土台からして」の意から〕 (多く否定的な表現を伴って)その物事の根本に立ち返って結論づける気持ちを表す。もともと。元来。 「 -目算が立たない」 「 -無理な話だ」


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<かわもと> 「そもそも」の項を引くと、語義の最後に「どだい」がある
          ↓
       「どだい」で大辞林を引くと、「土台」と漢字表記されていて、
       「土台」の項である

        この「土台」の項、名詞の最後に「基本」という意味がある
          ↓
        だから「そもそも」には「基本」という意味がある
          ↓
        だから、「そもそも」は「基本的」と言い換えても良い

       ‥‥と、これが答弁書の論理組み立てなんでしょう。

 しかし、上に引き写した大辞林のどだいは、わざわざ平仮名で「どだい」と表記してあります。大辞林は立派な辞書ですから、これが「土台」の意味ならば、「どだい」と書きません。だから、大辞林「そもそも」の項で「どだい」とあるのは、「どだい、それは無茶だよ」というような用法での意味です。

その平仮名表記の「どだい」を「そもそも」の項から引っ張ってきて、大辞林「どだい」の項を引いて、漢字で「土台」と書いてある。国語辞典は平仮名で引くようになっています。だから「土台」は「どだい」で引きます。

「そもそも」の項の説明で、わざわざ平仮名で「どだい」と記してあるにもかかわらず、「どだい」の項を引いて「土台」で説明に「基本」がある。この論理を考え出した奴らは、余りにも腹立たしいので、「奴ら」と書きます。

  この論理を考え出した奴らは国語辞典の引き方も知らぬ奴らなんです。あるいは知っていて、こじつけごまかす、あくどい奴らなんです。

  本当に無茶苦茶な理屈立てです。一国の総理が国会で、国語の語義を勝手に曲げて、野党議員に語義解釈の説教をしました。しかも今度は、内閣の閣議決定という政治権力の裏付けをもって、国語の語義を力づくで曲げた、ということになります。


 これが、安倍晋三内閣総理大臣なんです。これが安倍内閣なんです。

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2-1.平成29年5月12日提出 質問第307号 提出者・初鹿明博議員

  内閣衆質一九三第二六四号で、「例えば、平成十八年に株式会社三省堂が発行した「大辞林(第三版)」には、「そもそも」について、「(物事の)最初。起こり。どだい。」等と記述され、また、この「どだい」について、「物事の基礎。もとい。基本。」等と記述されていると承知している。」という答弁をいただきましたが、つまり、「そもそも」の意味として、直接「基本的に」との記述がある辞書は存在しないということで良いのか。

2-2.平成29年5月23日受領 答弁第307号 内閣総理大臣 安倍晋三

 お尋ねのような辞書が存在しないかについては承知していない。


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<かわもと> 初鹿議員の質問にある、「そもそも」の意味として、直接「基本的に」との記述がある辞書があるのかどうか、そんなこと知ったこっちゃないよ。――という総理大臣回答です。

しかし、4月19日衆院法務委答弁で安倍首相自身が、「辞書で調べた」と言いました。

「そもそも」の語義の一つに「基本的に」と示した辞書が在るのか無いのか知らないよ‥‥で、通用しますか? 安倍首相本人が国会答弁で「調べた」と言ったことについて、同じ本人「安倍総理大臣」名で発付される公式の質問に対する答弁書では「存在の有無は関知しない」回答なんです。こんな馬鹿な話がありますか? 安倍政権下では堂々と通用しているのです。

自分自身で調べたのなら、辞書名がわからないのは不審である。質問主意書に対する答弁書は文書回答であるから、職員が調べたのなら聞き質す時間は十分にある。

総理大臣自身が国会答弁して知っているはずのことを、同一人物の総理大臣名発付の答弁書で「調べた根拠になる辞書があるのかないのか知りません」と堂々と言う。

この、質問に対する答弁書は、閣議決定という手続きを済ませた後、衆議院議長宛に発付されました。安倍内閣の大臣たちはこんなバカなことに閣議決定の署名をしたのです。

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3-1.平成29年5月16日提出 質問第313号 提出者・初鹿明博議員

改めて伺うが、「大辞林(第三版)」を使って「そもそも」を調べ、その意味として記述があった「どだい」を調べたのは安倍総理自身なのか。

3-2.平成29年5月26日受領 答弁第313号 内閣総理大臣 安倍晋三

安倍内閣総理大臣が自ら御指摘の「大辞林(第三版)」を引いて「そもそも」及び「どだい」の意味を調べたものではない。

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<かわもと> これまでから安倍首相は、言葉の用法や漢字の読み方を間違ってきた実績があります。「云々(うんぬん)」を「でんでん」と読んだのは有名なエピソードです。

国語だけでなく、常識を疑うようなまちがいもありました。2016年5月16日、国会で民進党議員に、「私は立法府の長」と言いました。

総理大臣は行政府の長であり、立法府の長は衆参両院の議長です。これが頭の中でごっちゃになっているほどに、安倍首相にとっては、国会はどうにでもなる軽い存在なんでしょう。首相はまた、自衛隊のことを「国防軍」と言ってしまったこともあります。

終わりに、2017.5.1.毎日新聞の校閲記者が書いた記事の一部を転記します。

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<2017.5.1.毎日新聞記事>
 「そもそも」の意味に「基本的に」の記述がないことを毎日新聞が確認した辞書は、以下の通り。

【岩波書店】広辞苑(初版~6版)▽岩波国語辞典(3、4、7新版)【三省堂】大辞林(初版~3版)▽新明解国語辞典(初版、3、5、7版)▽三省堂国語辞典(4~7版)▽三省堂現代新国語辞典(初版、4版)▽電話帳式に引ける国語+漢和辞典▽辞林21(ハイブリッド新辞林も)▽広辞林(6版)【小学館】日本国語大辞典(初版、2版)▽大辞泉(初版、2版)▽国語大辞典・言泉▽国語大辞典▽新選国語辞典(6、8、9版)▽日本語新辞典▽現代国語例解辞典【角川書店】角川必携国語辞典▽角川新国語辞典▽基礎日本語辞典【学習研究社】学研国語大辞典(初版、2版)▽学研現代標準国語辞典(2版)▽新レインボー小学国語辞典【大修館書店】明鏡国語辞典(初版、2版)【講談社】日本語大辞典(2版)【新潮社】新潮国語辞典▽新潮現代国語辞典(2版)【集英社】集英社国語辞典(3版)【旺文社】旺文社国語辞典(8、11版)▽旺文社新総合国語辞典【ベネッセ】ベネッセ表現読解国語辞典【筑摩書房】言海


 
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<共謀罪> 笑う安倍晋三「そもそも」説教、国語を曲げる(1)

2017-06-11 20:09:44 | Weblog

2017-06-13
<共謀罪> 笑う安倍晋三「そもそも」説教、国語を曲げる(2終)



国会では「安倍親友 加計学園」と「共謀罪」をめぐって、安倍政府と野党が奮闘中です。共謀罪というのは組織犯罪処罰法改正案(政府の一般向け呼称は、テロ等準備罪)のことです。

現行刑法の罪の類型を、わかりやすく殺人罪で例示すると
 ① 犯罪(既遂) ‥‥ 殺人既遂
 ② 予備罪  ‥‥ 殺人準備(たとえば大型ナイフ購入)
 ③ 未遂罪  ‥‥ 殺人を試みたが失敗

しかし「共謀罪」法案では、4番目の「共謀罪」という類型が新設されます。これは稀代の悪法で、条文案に捜査当局や治安当局の乱用に歯止めをかける文言が入っていません。条文に文言を入れないで、国会でする政府の口先説明なんか何の役にも立ちません。稀代の悪法と決めつけるわけは別記事で書こうと思います。

さて、「そもそも」のことです。2017.4.19.衆議院法務委員会の「共謀罪」審議で、山尾議員(民進党)の質問と安倍首相の答弁を次にご覧ください。山尾議員は元検事で、その経験が共謀罪審議に生かされています。

山尾議員  ――略――  もう一つ、ぱらぱら発言に続いて、「そもそも発言」というのがございます。平成29年1月26日、私との同じ予算委員会でのやりとりです。

 「かつての共謀罪は、いわば、共謀して何人かが集まって合意に至ったら、共謀罪になるわけであります。今回のものは、そもそも、犯罪を犯すことを目的としている集団でなければなりません。これが全然違うんです。」

 こういうふうにおっしゃっていました。「そもそも、犯罪を犯すことを目的としている集団でなければなりません。」こういうふうに言っていたんですね。

 その三週間後、予算委員会で私と何回もやりとりしていただきましたので、また私とやらせていただきました。そのとき変わりましたね。オウム真理教を例に出して、「当初はこれは宗教法人として認められた団体でありましたが、まさに犯罪集団として一変したわけであります。」「一変したものである以上それは対象となる、」こういうふうにおっしゃいました。

 「そもそも」発言を前提とすれば、オウム真理教はそもそもは宗教法人でありますから対象外ですね。でも、一変したら対象になるとおっしゃっています。どちらが正しいんですか。


組織犯罪の対象は、「そもそも(はじめから)、犯罪を犯すことを目的としている集団でなければいけない」。この定義で言えば、オウム真理教はスタート時は犯罪を目的としていなかった宗教団体であるから、その構成員各個はいろいろな犯罪の対象にはなるけれども共謀罪(組織犯罪処罰法改正案、政府呼称はテロ等準備法)の対象にはならない。‥‥山尾質問を受けて安倍首相答弁がつづきます。

安倍首相 (答弁の立ち上がりから笑顔たっぷりの余裕ある風情で)そもそも、「そもそも」という言葉の意味について、山尾委員は、「初めから」という理解しかない、こう思っておられるかもしれませんが、そもそもという意味には、これは調べてみますと……(山尾委員「調べたんですね」と呼ぶ)辞書で調べてみますと、辞書で念のために調べてみたんですね。(委員会室内で大笑いが起きる、安倍首相は上機嫌の表情で応じて、ふっふっふと笑い声を漏らす)念のために調べてみたわけでありますが、これは基本的にという意味もあるということもぜひ知っておいていただきたい。

 「そもそも」という意味においては、私ももちろん、それは「最初から」という意味もあれば「基本的に」と、これはもう多くの方々はもう既に御承知のとおりだと思いますが、山尾委員はもしかしたらそれを御存じなかったかもしれませんが、(笑い声起こる)これはまさに「基本的に」ということであります。

(ここから真顔になって)つまり、基本的に犯罪を目的とする集団であるかないかがまさに対象となるかならないかの違いであって、これは当たり前のことでありまして、つまりそういう、先ほど宮崎委員からオウム真理教の例が挙げられたわけであります。

 これは当初は宗教法人として東京都から認められたわけであります。その段階においてはまさに宗教法人としてこれは資格を備えている、こう認定をされたわけでございますが、しかし、それが途中から、ある段階において一変をしたのは事実、結果を見ればこれは明らかでございまして、つまり、最初からそうでなければ捜査の対象にならないという考え方そのものが大きな間違いであり、いわば基本的に変わったかどうかということにおいて私はそもそもという表現を使わせていただいた次第でございます。


この答弁でほぼ3分の2の時間を使って、嘲笑といえる風情で山尾議員に「そもそも」の語義の新しい知識を教えました。(クリック)衆院法務委員会 山尾志桜里議員質疑 2017年4月19日の10:45~16:54あたりを見ていただくならば、その雰囲気を理解していただけると思います。

しかしこれは安倍首相がまちがっています。自分の前言を正当化するために、安倍首相だけの、新しい用法、または語義で、「編集・安倍晋三、出版・安倍内閣、流通・安倍内閣時代限定」の国語辞典です。

私の手持ちの詳解古語辞典(明治書院)、現代国語例解辞典(小学館)、新明解国語辞典(三省堂)のどれを見ても、「基本的」という意味はありません。それは安倍首相だけの、新しい用法、あるいは語義と言えるでしょう。

ここで安倍首相は、共謀罪の対象となる組織団体の定義を「そもそも(はじめから)犯罪を犯すことを目的としている集団」から、「基本的に犯罪を犯すことを目的としている集団」に変更しました。

「共謀」という法の新設に臨んで、条文に記される文言、そしてその文言の定義や語義解釈は、精密厳格でなければなりません。定義変更したことをあいまいにしたまま言い張ると、法の適用にあいまいさを残して、実施後に禍根を残します。‥‥

つづいて山尾議員です。

山尾議員 今回も詭弁を弄して必死にごまかすわけですけれども、今まさに総理は笑っちゃいましたね、自分で。馬脚をあらわしたわけです。調べてみましたと。もし本当に最初から、「そもそも」は基本的にという意味である、そして、「そもそも」というのは初めからという意味で使っていない、そういうことをわかっていたなら調べる必要はないんですね。私がこのことを以前にも一回指摘をさせていただいたら、総理、答弁できなかったんですよ。
――略――


つづいて安倍首相です。

安倍首相 先ほど私が笑ったのは、私自身ではなくて、そういうことを聞かれたことについて思わず苦笑してしまったわけでございまして……(発言する者あり)今、失礼というやじがありましたが、まさに今私の笑いについて解説をされましたが、それが違うということを申し上げさせていただいたわけでございます。

 それと、「そもそも」というのは、私は「基本的に」という意味で使ったわけでございますが、一応、「初めに」ということだけでおっしゃっていたので、念のためにこれを調べるということはあるわけでございまして、念のために、これは丁寧なやりとりが必要でございますから、調べさせていただいたら、やはり私が言ったことが正しかったということが証明されたなということで、御紹介をさせていただいたわけでありまして、それが正しいのは事実でありますから、それでどうのこうのというのは、これはちょっとどうかと思うわけでございます。 ――略――


以上、「そもそも」発言に関わる衆議院議事録です。  ――次回(2)につづく







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加計学園問題について語る 前川喜平氏(前文部科学省事務次官)記者会見全録 2017(H29).5.25. 文字化

2017-06-01 22:44:03 | Weblog

2017-05-21
<安倍親友 加計学園> あなたは安倍首相がクリーンであると信用できますか? 「総理のご意向」文書 リーク全文文字起こし
2017-05-24
<安倍親友 加計学園> 「総理の意向」文書が裏付ける「加計」の流れ 「広域的に」「限り」の語句追加で京産大離脱
2017-0525
(全録)加計学園問題 前川前文科次官が会見1
2017-0525
(全録)加計学園問題 前川前文科次官が会見2
2017-05-26
<安倍親友 加計学園> 前川ショック(前文科省事務次官) 官邸側のネガティブキャンペーンは捨て置け
2017-05-27
「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気  ※他サイト 前川氏の真実の姿
2017-05-28
<安倍親友 加計学園>「前川ショック」官房長官 記者会見 5/17~5/26 文字起こし
2017-06-19
<加計学園> NHK新入手文書 「10/21 萩生田副長官ご発言概要」文書画像テキスト化(NHKクロ現 6.19.夜放送)



加計学園をめぐる問題で、渦中の人となっている前川前文科事務次官が5月25日夕方、記者会見を開きました。その記者会見、上記リンク表示のユーチューブ会見動画をもとにして全文書き起こしをしました。



(注)「○○」は聞き取りできなかったところです

前川前事務次官記者会見 2017(H29).5.25.


 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画で、文部科学省が内閣府から「総理のご意向」と早期開学を促されていたとする文書を巡り、文科省の前川喜平前事務次官は5月25日、三竿弁護士を伴って、東京都内で記者会見を開いた。


前川氏 (立ち上がって)文部科学省の前事務次官の前川喜平でございます。きょうはわざわざお越しいただきましてありがとうございます。座ってお話をさせていただきます。

 国家戦略特区における今治市の獣医学部の新設についてですね、私は文部科学省の側の事務方のトップとして関わってきました。その間における行政のあり方においては、私は当事者の立場の中で、疑問を感じながら仕事をしていたと申し上げざるをえません。

 今般、国会において、この間の経緯を示す文書が議論され、野党からこの問題についてくり返し政府に対し問いただすということが行われ、その文書8枚について、それが本物であるかどうか、真正なものであるかどうか、存在するかどうかについて文部科学省の中で調査が行われたと聞いていますが、その結果、これらの文書については確認できなかったという結論になったと聞いています。

 これについてわたくしは、たいへん残念な思いを抱いたわけでありまして、これらの文書につきましては、わたくしが在籍中に実際に共有していた文書でありますから、これは確実に存在をしていたわけであります。そのことについて、まず申し上げたい。

 もちろん、今回の文書を巡っては、ええ、こういう発言をわたくしがすることによって、非常にあの、文部科学省の中にもいろいろと混乱が生じるであろうと思っております。文部科学省としては「調査はしたけれども確認はできなかった」と言っているわけですから、わたくしが出てきて「いや、それはありますよ」と言うことによって、非常にあの、文部科学省としても困った事態になることだろうと思っておりまして、わたくしの後輩たちや、お世話になった大臣、副大臣といった三役の方々にこの件でご迷惑をおかけすることになるかもしれません。その点についてはわたくしは、たいへん申し訳ないと思いますが、

 しかし、あったものをなかったことにすることはできないということでですね、申し上げたいと思っているわけです。

 それから、もう一つ、わたくしは今治市における国家戦略特区の獣医学部の新設の経緯につきまして、この当事者であったわけでありまして、少なくとも昨年から今年1月21日、わたくしが辞職するまでの期間はですね、当事者として業務に携わってきたわけですから、その間に十分に、まっとうな行政に戻すということができなかった、結局押し切られてしまったということにつきましては、わたくし自身が負わなければならない責任は大きいと思っています。これは、わたくしが事務方のトップとして、また大臣を支える事務次官としてですね、十分な仕事ができなかったというわけでありますのでですね、その点については、わたくしの口からこの場を借りてですね、文部科学省に対してもおわびを申し上げたいと思う次第でございます。

 そういった思いから今回、この文書の真正性ということ、信ぴょう性ということ、それからこの、国家戦略特区において今治市の提案が認められ、規制改革が行われ、獣医学部の新設が行われる運びになった、この経緯についてですね、私が思うところを述べたいと思ったわけでございます。以上です。


 三竿(みさお)弁護士 ま、この前にですね、いろいろと、天下り問題があったりした中で辞職されて、それでその後、何でここに出てきたのかということに対する説明です。 

次に今朝、わたしも買いましたけれど、週刊文春、朝日新聞などの記事、そういったところで引用されている文書が、怪文書のようないいかげんなものなのか、それとも文科省で職務遂行の中で作られたものなのか、本人から説明させてもらいたいと思います。

 前川氏 国会において提示され、それに基づいて、野党からの要求に基づいてですね、文部科学省で調査した対象となっている文書が8種類あったと承知しております。ですから、これはもう真正なものである。文部科学省の中で、専門教育課で作成され、また、幹部の間で、ま、幹部の間でといっても範囲は多少違います、文書によってですね、ま、幹部の間で共有された文書であると。これは間違いない、ということであります。従って、文部科学省においてもですね、改めて調査すれば明らかになる、存在は明らかになるはずのものであると考えております。

 いくつかの資料があるわけですけども、最初の資料としてですね、あのお文春の中でもしょうかいされてますけれども、ええ、「平成30年4月開学を大前提に逆算して、最短のスケジュールを作成し、共有していただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」という、そういうペーパーがございますけども、これは、このペーパーは、わたくしの手元にあるスケジュールとですね、(昨年)9月28日に、わたくしが専門教育課から説明を受けた際にスケジュールと一緒に受け取ったものと同じものである、ということですね。ええ、ま、ここがそのう、内閣府から文科省に強い要請が来た、まあ、最初に強い要請が来た、この要請が文部科学大臣までとにかく上げて、文科学省が対応を求められた、そういったきっかけになった文章だと言えます。

 で、この文章に対して、文科省としてはこの文章にたいへん苦慮していたわけでございますけども、それ含めてですね、大臣からも懸念点が示されたわけですね。「なぜ30年4月開学でなければならないのか」という点とかですね、それからですね「やはりこれは与党の中にもいろいろ意見があるから、与党の中でも議論が必要じゃないか」と、こういった指示も大臣からあった。で、この指示を受け、内閣府でまた再確認するという作業を担当課はしていたわけです。その間、文部科学省としても、農水省でありますとか、厚生労働省でありますとか、関係する省庁に「コミットメント(関与)してほしい」と幾度も繰り返していたと。そういう状況がございます。

 そのう、週刊文春の中ではですね、大臣指示以降の後ですね、あのお10月4日の日付がついている義家(弘介)副大臣レク概要というのがありますけれども、これは、義家副大臣はその当時、その時点でですね、農林水産省にコミットを求め、また、そのために内閣府の萩生田(光一)官房副長官にお願いをして、文部科学省だけではなくて、獣医師の養成、あるいはライフサイエンス等の分野に責任を持つ、農林水産省、厚生労働省の両省に参加を求めると、ま、こういう作業をしてくださっていたのですね。

 ええ、さらに、このう、「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」という文書もございます。この文書は、わたくしの手控えである日程からいきますとですね、あのう、10月の17日に専門教育課からわたくしが説明を受けた際に受け取った資料であります。ええ、この内閣府からの回答というのはですね、いわば、内閣府からの最後通告に近いものでですね。ええ、党での、「与党での議論はいらない」というようなことが書いてございますし、「30年4月開学ということは決まったことだ」と。そこに「総理のご意向」という言葉も出てくるわけですけれども、ええ、30年4月でなく、31年以降になるんであれば、それは文部科学省の設置認可で遅れるならかまわないが、そうでなければ30年4月が、あのう、決まったことである、大前提であるということも言われている。

 また、農林水産省であれ、厚生労働省であれ、参加を求めることはできないと。会議に呼ぶことはできるけれども、内閣府として2省の実質的な参画は求めないと。そういうことが記された資料でございます。いずれもこれは真正なるもの、本物であると、わたくしはここで申し上げることができる、ということでございます。

 三竿弁護士 今の説明が、今ちまたに出回っている書面が、いわれのないものではなくて、確かに文科省の中で作成されて、当時の(事務次官の)前川氏に受け渡されたものであるという発言です。

 前川氏 これらの文書は、私が担当課から説明を受けた時点、つまり昨年の9月から10月にかけてですね、作成され、わたくしが受け取ったということに間違いありません。それが現在もあるかどうか、確認していませんので分かりませんが、少なくとも(文書を)作成した者、共有した者は今でもそこにおります。あるいはパソコンの中、サーバーの中にあるのかもしれません。そこは、わたくしはなんとも申し上げられない。少なくとも、わたくしが在職中に作成され、共有された文書であるということは間違いありません。

 三竿弁護士 それでは次にですね、あのう、今回の一連の、そのう、問題について、当時、内部の事務方の責任者であった前川氏が知っていることであるとか、問題であると考えていることについて、話してもらいたいと思います。


獣医学部設置の四つの条件 「根拠ある説明ない」

 前川氏 はい。あのう、この、今治市、広島県の国家戦略特区において、その今治市における新しい獣医学部の新設に向けてですね、新たな追加規制改革を行うかどうかということについては、これはもう、一昨年、2015年からすでに検討課題にはなっていたわけであります。ただ、そのう、検討するにあたってはですね、閣議決定で「日本再興戦略改訂2015」というものがございます。この2015年6月に閣議決定された、この日本再興戦略の中でですね、新たな獣医学部の新設を認めるかどうかを検討するに当たっては、四つの条件があると、閣議決定で示したわけであります。

 それは、現在の提案主体による獣医師養成でない構想が具体化するということが一つ。二つ目はライフサイエンスなどの、獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること。さらに、それらの需要についてですね、既存の大学・学部では対応が困難であること。これが三つ目ですね。さらに四つ目として、近年の獣医師の需給の動向を考慮しつつ、全国的な見地から検討すると。こういう四つの条件のもとで検討するということが、閣議決定で決まっていたわけであります。

   ➡参照クリック 「日本再興戦略 改訂 2015」(2015.6.)121ページ
    (地方主導による大胆な規制改革の実現)
    ⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
    現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなど
    の獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の
    大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国
    的見地から本年度内に検討を行う。


 ですから、この獣医師養成の大学の新設を、もし追加規制改革で認めるということであれば、この四つの条件に合致しているということが説明されなければならないわけでありますけれども、わたくしはこの四つの条件に合致しているということが、実質的な根拠を持って説明されているとは思えません。

 また、文部科学省は大学の設置認可の権限を法律上持っておりますが、それはきちんと国民に説明できる形で行使しないといけないわけであります。また、いったん設置認可された大学については、国民から預かっている税金から私学助成も行わなければならないということとなります。従ってあのう、大学設置認可はやはり、きちんと根拠のある形で慎重に行わなければならないわけであります。特に医師、獣医師、船舶職員などのですね、特定の分野については、文部科学省の告示である認可基準において、将来の人材需要が見込めないということでですね、原則的に禁止というか、新設をしないという考え方に立っております。ええ、獣医師、獣医学部についてもですよ。そのうえ、新設は行わないという基準が既にあるわけでありまして、それは獣医師の将来需要が見込まれないという前提があるからであります。

 で、獣医師の将来需要はどこが責任をもって見通しを立てるのかといえば、これは農林水産省であります。
農林水産省は獣医師国家試験も所管しておりますし、獣医師という業そのものを所管しているわけでありますから、その獣医師の将来の需要ということについてはですね、農林水産省がどんな分野でどういう獣医師が必要であるかということについて、きちんとした見通しを立ててくれなければいけない。

 あるいは、獣医師ではない別の分野で獣医学部で要請する人材であって、新たな分野、まあ、日本再興戦略で言われているようなライフサイエンスなどの分野でですね、新たな需要があるというのであればですね、その分野における、新しい分野の人材の需要というものが、それぞれ責任ある省庁で明らかにされなければいけないと。たとえば新しい薬を作る新薬の開発ということについて、獣医学部で養成すべき人材がいるというのであればですね、それは厚生労働省で人材需要について見通しをたててくれなければいけない。文部科学省としては、そういう責任ある省庁が将来の人材需要をはっきりと見通してくれない限りはですね、現在、告示で一律新設しないと言っている分野で新たな学部を新設するということに踏み切るということは、できないわけであります。従って、わたくしども文部科学省としては、農林水産省や厚生労働省の実質的な参加がなければこの問題について結論が出せないと、まあ、言い続けてきたわけですね。ところが結局ですね、農林水産省も厚生労働省も、将来の人材需要についての明確な見通しは示してくれませんでした。

 そのままで特区での規制改革が行われてしまったということでありまして、獣医学部の新設についてですね、これまでの特例を認めるべきだという結論が出てしまったわけであります。ですからわたくしどもとしては、文部科学省としては負いかねる責任を負わされたというふうに思っておりましたし、現在でもわたくしはそう思っておりますが、改めて申し上げれば、もともと検討に当たって四つの条件があった。この四つの条件に合致しているかどうかを判断すべき責任がある内閣府は、そこの判断を、十分根拠のある形でしていないと、わたくしは思っております。

 また、将来の獣医学部で養成すべき人材について、その人材需要の見通しを明確に示すべきですね、農林水産省、あるいは厚生労働省は人材需要について見通しを示していない。従って、責任あるそれぞれの主務省庁がですね、その役割を果たしていない中でですね、ええ、文部科学省において設置認可の審査するところまで来てしまっている、ということであります。これは非常に、あのう、行政のあり方として問題がある。極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われたと。また、そのことによって、公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられたと、いう風にわたくしは認識しているわけであります。

 ただ、経緯がそういうことであってもですね、今の状況は、文部科学省がこの3月に加計学園から獣医学部新設の申請を受け取り、それを大学設置・学校法人審議会の審議に付託してですね、そこで、審議会がもう審査を行っているという段階であります。で、少なくとも文部科学省においては、そのう、きちんと基準にのっとってですね、公平公正な審査をして、確かにこの、獣医学部はきちんと審査した結果だという形で結論を出してほしい、という風に願っているわけでありまして、ええ、これ以上、行政のあり方をゆがめることがないようにしてほしいと、ま、そのように願っているわけであります。わたくしはその過程で、責任ある立場にいたのは事実です。努力不足があったというのは認めざるを得ないと思っておりますので、その点は最初に述べたとおりであります。

 しかし、少なくとも文部科学省が、これからは、この先はですね、大学の設置認可という文部科学省の専権事項の部分で、仕事をしなければならないので、その部分においてはきちんとした審査をしてほしいと思っているわけです。

 三竿弁護士 それではですね、今度は皆さまの方から質疑を受けまして、応答したいと思います。

 --フリーランスの田中と申します。30年4月の開学の件についておうかがいたします。内閣府が文科省に30年4月の開学を通告したよりも早くですね、それよりも時系列で早く今治市の担当課は市議会議員に4月30日だよと言ってるんですよ。で、ことほどさように、内閣府と今治市が直接、連絡し合っていたというのを前次官、当時、お感じになられましたでしょうか?

 前川氏 わたくし自身は、内閣府と今治市の交渉の経緯はまったく承知しておりません。内閣府から言われたことだけしか、わたくしは承知していません。

 --頭越しにやられたことを今、どうお思いになられるでしょうか?

 前川氏 いずれにしても、あのう、文部科学省で設置認可の審査をしないかぎりは大学はできませんのでですね、あらかじめいついつに大学を作ると言うことは、本当は言えないはずなんですよ。審査の結果、これは落ちてしまうこともあり得るのですから。これはあのう、許認可なしに勝手にできることであれば、できるのかもしれませんし、国が自らやることであれば言えるのかもしれませんが、民間が行い、国が許認可を行う事業ですから、本来は、いついつまでに必ずやりますということはできない類いの問題だと思っております。

 --赤旗の社会部の○○と申します。大前提としてこのやりとりは加計学園ありき、今治ありきだったということでよろしいんでしょうか?

 前川氏 あのう、関係者の間の暗黙の共通理解としてあったのは確かだと思います。口に出して加計学園という言葉を使ったかどうかと、そこはですね、使っていない場合が多いと思います。しかし、内閣府においても、文部科学省においてもですね、この、国家戦略特区で議論している対象は、今治市で設置しようとしている加計学園の獣医学部だと、そういう共通認識のもとで仕事をしていたという風に認識しております。

 --国会では8文書以外にですね、共産党の小池晃参院議員が提出した、11月9日の諮問会議の原案、そしてそれに対する文科省の反論、で、きょう明らかになった松野文科大臣のメモ、そしてあのう内閣府の求めに応じて文科省が作ったスケジュールが出ています。これはあのう、ご承知になっておられますでしょうか?

 前川氏 ま、今、ちょっと今、拝見した限りでは、確たることは申し上げられませんけれども、わたくしが担当課から受け取ったものと同一のものでないかと思われます。

 --証人喚問を小池氏が求めました。証人喚問に出ることはありますか?

 前川氏 証人喚問があれば参ります。

 前川喜平・前文部科学事務次官はさらに、報道陣の質問に辞職の経緯について「誰に恨みをもつようなものではない」などと説明した。

 --TBS報道の○○と申します。ええと、TBS報道のインタビューを受けていただきまして、今朝から大々的な報道が始まっていますけれども、ええ、それを受けてですね、政府、官房長官、それから文科省、文科大臣はですね、「今までのところ、文科省の調査で文書の存在が確認できなかった」。再調査するつもりも今のところ言明されていない。ええ、もう一つはですね、文科大臣は「お辞めになった人のことについてコメントしない」と。前川さんは、いわば捨て身の告発をされたわけですが、それに対してきょうの段階で、このようなコメントが出されたっていうことについて、何かご感想はありますでしょうか? もひとつだけ、きょうの官房長官の会見で、前川さんが文科省をお辞めになる経緯について、「文科事務次官という地位に恋々としがみついていた」という、ある種、人格攻撃的な発言をされてるんですが、これについては名誉毀損等のですね、ある種法的な措置を取るというお考えはありますでしょうか?

 前川氏 はい、まず、文部科学省の調査に関してですね、ええ、まああの、問題になっている文書が確認できなかったという調査結果でありましたけれども、まあ、わたくしが思うに、もう少しちゃんと調査をすれば確認できるのではないかと思いますし、また、あの松野大臣がですね、わたくしの言動にコメントしないとおっしゃるのは、それはそれで結構だとは思うんですが、わたくしの偽らざる気持ちを申し上げればですね、大臣も含め文部科学省の皆さん、わたくしの後輩たちも含め、本当に、あのう、気の毒だと思っているんですね。あるものをないと言わざる得ないとかですね。できないことをできると言わざるを得ないとかですね。そういう状況に追い込まれていると、そうわたくしは受け止めておりましてですね。

 --(前川氏の発言を遮って)その大臣の直接のですね、懸念の言葉を、前川さんは直接お聞きになったんですか?

 前川氏 いや、いま伺った限りの印象ですけどね。ええ、松野大臣には在職中大変お世話になりまして、わたくしは本当に尊敬もし、敬愛もする政治家なんです。ですから、あのう、わたくしの偽らざる気持ちとしては、本当にお気の毒であると。わたくしはまた、十分にサポートできなかったことは申し訳ないと、そういう気持ちが先に立ちます。

 それからわたくしの辞職の経緯はですね、誰に恨みをもつようなものでもなく、あのう、わたくしは文部科学省のいわゆる天下り問題、再就職規制違反の問題について責任ある立場におりましたから、これはあのう、再就職監視委員会からも違法行為を指摘されましたし、わたくし自身も自分自身が行った違法行為、それから違法行為を行った職員に対する監督責任、そういったものが問われたわけでありまして、わたくしが引責辞任したのは、わたくしの自らの意思であります。経緯を申し上げれば、わたくしが、1月5日だったと覚えておりますが、1月5日の日に、わたくしの方から松野文部科学大臣にこの監視委員会の調査の状況、文部科学省としての対応などをご報告した際に「かなり多くの処分が不可避です。こういった事態に到ったことについては、わたくしが責任を取らざるを得ないと思います」と。従って「責任を取るという形でわたくしが辞任するということにさせてもらいたい」と申し出た記憶がございます。わたくしの方から大臣にですね。あのう、事務次官の辞職というのは勝手にできないわけで、辞職を承認するという辞令をいただかなければなりませんので、承認していただきたいと、私の方から大臣に申し上げたんです。大臣は慰留してくださいました。しかし、わたくしはまあ、これは辞めるしかないと考えているということで、このことについて、官邸にもご相談したいということで、大臣のお許しを得てご相談に参りました。

 ご相談の相手は杉田官房副長官でした。
副長官に、これから起こるであろう文部科学省職員への処分がどのようなものになるかということを説明しながら、わたくし自身の引責辞職についてもお許しをいただきたいと申し上げ、「それがいいだろう」との了承を得て、それを持ち帰って大臣に官邸の方からもご了解いただきました。ということで、事実上、私の辞職がそこで決まったということであります。また、わたくしの自身の処分に関しては、わたくし自身のお手盛りでやっているわけではありません。わたくしはもう、省内で処分を受ける側に回るということがはっきりしていましたので、どのような処分するかということについては、文科省の中に独立チームを設けて、わたくしはそこに入らずにですね、そのチームで監視委員会との調整を行い、大臣との調整も行い、決めていった。わたくしはそのう、結果として減給2カ月という処分を受けたのですね。ですから、そのう、何かその地位に恋々としたとか、じたばたしたということは、わたくしはなかったと思っております。
 ➡参照クリック 文字起こし「官房長官記者会見5月25日午前」

 --週刊○○編集部の野田と申します。一連の文書にある「総理のご意向」、それから「官邸の最高レベル」、という言葉についてお聞きしたいと思います。これはあのう、あくまでも内閣府の藤原審議官の言葉ということですが、もしこれが勝手に審議官が使っていたとしたら大変なことだと思うんですね。これまでの長い官僚生活、経験とかで、審議官が総理の意向とうそつくとか、つかれたとか、そういう経験はおありになりますでしょうか?

 前川氏 わたくし自身は、経験ないです。


 --こういう役所の文書っていうのは、ある程度やっぱりあのう、信頼して、文言があったとしたら、実際にそれは真実相当性があるという前提で読まれるという、そういう理解でよろしいでしょうか?

 前川氏 あの、このう、わたくしが目にした文書というのは、文科省の専門教育課がつくった文書でありまして、専門教育課の職員が内閣府の藤原審議官のもとを訪れて、藤原さんがおっしゃったことを書き留めたと。そういう性格の文書であります。わたくしは、わたくしの部下だった職員がやはり書いてあるようなことを聞いてきたのだと。これは100%信じられると思っておりますので、藤原さんがそういうことをご発言になったということは、わたくしは確かなことであろうと思っております。

 --藤原さんがそういうことを、うそをつく可能性というのは?

 三竿弁護士 ……ちょっと待って、それは藤原さんしかわからないんで。

 --テレビ朝日の報道ステーションの平石と申します。獣医学部新設をめぐる基準についてですけれども、当初なかった「広域的に獣医学部がない地域に限る」、「広域的に」「限る」というこの基準を具体的に指示したのは誰なんでしょうか?

 前川氏 このプロセスはですね、文部科学省が実質的に責任を負えないプロセスなんですね。内閣府が主務官庁である国家戦略特区の枠組みの中でそういった判断が行われていますので、文部科学省がそうしてくれとお願いをしたことはないと言えます。ですから、どうしてこういった形の文言になったのかということについては、文部科学省としては説明できない。これは、内閣府から説明していただかないと、わたくしどもとしては説明できない問題です。

 --この一連の文書については、前川さんがその報告を受けるときに作られたということでしたけれども、そこに「総理のご意向」という言葉があって。前川さんは直接、安倍総理とやりとりされてないんでしょうか? 経緯の中で。

 前川氏 あのう、この問題について、わたくしが安倍総理とお会いしたことはございません。

 --その必要性はないと、お感じになったのですか?

 前川氏 わたくしのレベルで、この問題で安倍総理にお会いするということは考えられないですね。

 --この一連の問題について安倍総理はコメントしていないんですが、そのことについてはいかがお考えでしょうか?

 前川氏 そのことについてわたくしはコメントする立場にはございません。

 --○○の○○です。身の危険を感じたこと、あるいは権力側から嫌がらせを受けたことはありますか?

 前川氏 あのう、まあ嫌なことが起きることはございますが、それが権力側の嫌がらせかどうか分かりません。

 --聖教新聞の○○です。9月28日付文書で、最高レベルが言っているのを目にしたということなんですが、どのようにお感じになったか? それと、この文書を見た前日に松野大臣と2人で安倍首相にお会いになってると思うんですけれども、その時にはこの文書についてのお話ではなかったんでしょうか。

 三竿弁護士 どの書面を見たときって言いました?

 前川氏 「30年開学を前提に」という文書ですね?

 --はい。首相動静をみると、この前日に松野大臣とともに首相に会っていると思うんですけれども、その際、当然この時期ですから、その話題が出たのではないのかなと。

 前川氏 まず2番目の質問について。総理のところに私が大臣に同行することはございましたが、それは記憶する限りすべて、教育再生実行会議の進め方についてなんです。わたくしが大臣とともに、総理のもとを訪れるという日程があったとすれば、それは直近の、すぐ後に行われる教育再生実行会議について、その議事内容とか、段取りとか、そういったことの説明に伺ったはずです。この段階で、この国家戦略特区のことについてご相談があると考えにくいですし、私の記憶としてはそんなことはしておりません。(前の質問の)受け止め方ですか? 「官邸の最高レベル」と言っていることをどう受け止めたかということですか? わたくし、あのう、「官邸の最高レベル」というのは誰のことだかよく分かりませんし、一番上と言えば総理だし、その次と言えば官房長官でしょうから、そのお二方のどちらかのことなのかな、と言う風に思ったということですし、もし本当にそうであるとすれば、それはやはり気になるところではありましたですね。

 --(質問者所属氏名聴取できず) 文書を見て、官邸の意向だと伝えられて、文科省としてどういう風に対応されたんでしょうか?

 前川氏 文部科学省のスタンスというのは一貫しておりましてですね、規制改革を行い、設置認可が申請できるようにするためには、まず一つは、人材需要があることが明確に示されなきゃいけない。で、それを示すのは、これは農林水産省、あるいは厚生労働省、やはり獣医師ですから、メーンはやはり農林水産省なんですよ。農林水産省が責任を持って、将来の人材需給について見通しを立ててくれなきゃいけないんで、そこで「現在よりも多くの獣医師が必要です」ということを明確に言ってくれなければですね、獣医学部の新設に門戸を開くということはできないと。これはもう一貫した立場だったんですね。

 それから、もう一つ、国家戦略特区で獣医学部を認めるかどうかの検討にあたっては、四つの条件があるというのは閣議決定されてましたから、この2015年6月の閣議決定の条件に合っているかどうかと。これは内閣府において、つまり、国家戦略特区を担当している内閣府において、責任を持って判断してもらわないと困る。その上でですね、獣医学部の新設申請を解禁するということになってくれないと困る、というのが文科省の一貫した立場でした。
   ➡参照クリック 「日本再興戦略 改訂 2015」(2015.6.)121ページ
    (地方主導による大胆な規制改革の実現)
    ⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
    現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなど
    の獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の
    大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国
    的見地から本年度内に検討を行う。


 その責任ある関係省庁の責任ある対応をずうっと求めていたわけですね。どんなに急いだとしても、それがなければできませんと。ということで、4条件はちゃんとクリアしているんですねと。それはちゃんと実質的な根拠を持って内閣府で判断してほしい。将来の獣医師の需要について、農水省、あるいは、場合によっては、厚労省がですね、こういった人材が必要ですと明確に示して欲しい。その上でなければ、獣医学部の設置を解禁することはできないと。…ということをずっと訴えていた。ですから、どんなに急ぐと言われても、その条件を満たさなければいけないということはですね、ずうっと言い続けていたというのが、文部科学省の一貫した立場でした。

 --でも「官邸の最高レベル」というのが出てきたわけですね。結果的には急いだわけじゃないですか。やっぱりこの言葉が急がせたと?

 前川氏 ま、あのう、最終的にはもう、内閣府に押し切られたと、わたくしは思っていますが、国家戦略特区で規制改革をするかどうかということについては、主務官庁は内閣府ですから。内閣府がもう最終的にそのように判断したのであればですね、わたくしどもは、それはもう、わたくしどもの手の及ばないところであると。致し方ないと。それを受け止めるしかないと。そういう事態に立ち至ったということですね。

 --「官邸の最高レベルが」ということはですね、松野大臣とはそういう話をされたことはない?

 前川氏 私は松野大臣への説明の場には居合わせておりませんが、担当である高等教育局からは、松野大臣にそのことはご説明しただろうと。

 --官邸から来てるよ、という意味でですか?

 前川氏 内閣府の審議官の言葉として上げたんではないか、と思います。

 --(所属・氏名聞き取りできず) 読売新聞に出た、出会い系バーの記事について、どういう思いでしょうか? 今回の記者会見を決断した背景には、そういう記事による何か権力の脅しがあるのでしょうか?

 前川氏 はい、ええ、そういう出会い系バーと言われるものがありましてですね、読売新聞で報じられたわけですけれども、そういったバーにわたくしが行ったことは事実でございます。えー、経緯を申し上げれば、わたくし、テレビで報道番組と言いますか、ドキュメント番組があってですね、いつどの局のどの番組だったかというのは覚えていないんですが、女性の貧困を扱った番組ということは覚えているんですけどね。そういった番組の中で、えー、そういったバーの中でですね、あのう、デートの相手を見つけたり、場合によっては援助交際の相手を見つけたりしてですね、お金をもらうという、そういう女性たちがいるんだという、ま、そういう女性の姿を紹介する番組だったんですね。

 で、これ、普通の役人であれば、実際に見に行こうなんてことは思わないかもしれませんが、わたくしはですね、ちょっと実際にその人たちに会って話を聞いてみたいと言う風に思って、ま、そういう関心からですね、ええ、そういったお店を探しあてて行ってみたわけですね。そこで、その場でお話もをし、場合によっては食事をしたり、食事に伴って一定のお小遣いをあげたりという、こういうことをしながらですね、お話を聞いたということがございます。まあ、その話を聞きながらですね、子供の貧困と女性の貧困とは本当はつながっているなということもわかりましたしですね。

 そこで出会った女性の中には、例えば小学生の子供2人を抱えていて、水商売で暮らしている。生活保護はもらっていないが生活は苦しいし、就学援助で何とか子供は学校に行っているとかですね。ええ、あるいは、高校を中退して以来、そのう、ちゃんとした仕事につけていないとかですね。あるいは通信制高校に行っているが、その通信制高校の実態が非常に、そのう、非常にいいかげんなものだということもわかったりですね。いろんなことが実際、実地の話の中から、そのう、学べたんですよね。

 その中から、多くの人たちが親の離婚というものをを経験しているなっていうこととか、それから中学高校の段階で不登校とか中退を経験している人が非常に多いということがですね、ま、そういった共通点を見出したわけで、ある意味、実地の視察、調査という意味合いもあったわけですけども。

 そこから、わたくし自身が私が文部科学行政、特に教育行政をやる上で、そこから課題だなと思うものを見いだせたんですね。そういう意味では、ああいうところに出入りしたことは、役に立ったという風に思ってますし、意義があったと思っているんですけどね。あと、そのう、読売新聞がこの問題をどうして報じたのか、わたくしの極めて個人的な行動ですから、それをどうして読売新聞、あの時点で報じたのか、わたくしにはまったく分かりません。
  (1)5/22読売新聞出会い系バー報道について、読売記者が官房長官記者会見で、5/25午
     後、5/26午前、5/26午後と3回続けて質問をしました。これは5/25午後の前川前文
     部科学省事務次官の記者会見に符節を合わせて官房長官の前川バッシングに向けた
     八百長質問と見られます。
   (2)前川氏の出会い系バー買春を暗示する読売と官邸の、悪質なキャンペーンを否定す
     る前川氏の真実を知るために、下をクリックしてお確かめください。
     ➡参照クリック 「あったものをなかったものにできない。」からもらった勇気
     ➡参照クリック リテラ記事「官邸の謀略失敗?」


 --あのう、それは権力の脅しだというところもあったのでは?

 前川氏 まあ、わたくしは、そのう、そんな国だとは思いたくないですね。

 三竿弁護士 ま、その点はあきらかな証拠がないので、何とも答えようがない、ということです。…それでは時間が押してきましたので、同じところにかぶるとまずいので、まず、どこかっていうのをおっしゃっていただけますか?

 --日本テレビの森と申します。よろしくお願いします。あのう、文書を示されて説明を受けたということでしたけれども、特に1枚目の内閣府からの伝達事項、ま、「官邸の最高レベル」という言葉が出てくるんですが、説明を受けた際にですね、口頭で、これに関して、さらに追加で、こういうことを言われたとか、聞いたとか、そういうことを覚えている限りで結構ですので、教えて下さい。

 前川氏 まあ、あのう、このペーパーに則して内閣府の意向を聞いたわけなのでですね、このペーパーに書いてある以上のことは聞いていないと思いますけども、その際に併せて、文部科学省としてのこれまでのスタンスですね、なぜこれまで構造改革特区で15回にわたって、この規制緩和をお断わりしてきたのかと。その経緯については、担当課から説明はうけた記憶がございます。わたくしも昨年の6月下旬に次官になったばかりで、それ以前の経緯は十分了知しておりませんでしたから、その辺の経緯についての説明も受けた記憶はございます。

 --前川さんの方から、その辺の経緯一般について、これはどういう意味なんだ?と聞いたということはありませんでしょうか?

 前川氏 いや、あのう、そこは詳しいことは覚えておりません。

 --○○、あのう…

 三竿弁護士 え? え? あのう、どこのでレビ局ですか?

 --デモクラシー・タイムズです。ええ、あのですね、先ほど問題の文書は幹部で共有したと言われてましたけども、具体的にお持ちになっているのは、どなたとどなたとどなたでしょうか?

 前川氏 ものによって違うと思います。共有といってもですね、担当課が個別に説明に行って、その場で渡していると。そういう意味で共有しているということなので、どの資料をどの人のとこへ持って行って渡しているかというのは、わたくしもわかりません。担当課でなければわかりません。あのう、一連の資料はいわゆるレク資料といわれるもので、部下が上司に説明するときに使う。あのう、ま、複雑な課題を要領よく要点で並べてですね、わかりやすく整理したペーパーで、通常こういうものには日付もつけませんし、担当課の名前もつけませんし、保存用ではありませんので、その場でレク、つまり説明するために使うもので、どの資料をどの人の説明に使ったかというのは、これは、担当課でないとわからないですしね。

 --しかし松野大臣が、そのうちのいくつかは、お読みになっているとか、説明を受けているとか、あるいは、お読みになっているとか、考えられますか?

 前川氏 松野大臣への説明にも使った可能性はあります。ただその場合、大臣は自分では保管されませんから。あのう秘書官なり、別の人なり、担当課が持っているものであれば、必ずしも大臣が、いつも保管する必要はないんですね。

 --しかし、大臣が知らないっていうのは、おかしくはありませんか?

 前川氏 そこはちょっとわたくしにはコメントできません。

 三竿弁護士 ちょっとあのう、評価を聞く質問は無しにしてください。事実についてお願いします。

 --はい。それから、朝日新聞に、そのう、出会い系に行ったという話は、昨年の秋に官邸の幹部から指摘を受けたという風にお答えになったと思いますけれども、それは昨年のいつごろですか? それで、相手はどなたでしょうか? 幹部の。

 前川氏 あのう、日付は覚えていません。ご指摘をいただいたのは杉田官房副長官です。

 --ちょうどそれは加計学園の問題で、押したり引いたりする時期と重なるように思うんですが、時期的にはどうなんですか? 9月ですか?

 前川氏 あのう、ある意味、時期的には重なっているかもしれませんが、わたくし、あの、言葉として何か関連あるとは、まったく思っておりません。

 --その時には、先ほど言ったように社会的な探訪的なである、というご説明はされたんですか?

 前川氏 いや、そこはもう、全く言い訳しておりません。

 --共同通信の○○です。まず、文書のあるなしについては、ええ若干、水掛け論というか、調査はしないという政府に対して、みんなが知っているなどで、手元にもあるとおっしゃっていましたが、真実と証明するもの、別のメールなり、手帳とか。そういう証拠のようなものはほかにないんでしょうか?

 三竿弁護士 今、当時ではなくて現在ですね、彼の手元に書面がある。で、それについて、現物を示すとか、その保管に至った経緯については、現段階では説明を控えさせてえいただきたい。

 --その理由についてもですか?

 三竿弁護士 ええ、その理由についてもですね。

 --それは(証人)喚問に備えて、ですか?

 三竿弁護士 それもあるかもしれません。次の質問をお願いします。

 --4条件に合っているとは思えないという発言があったと思いますが、具体的に、(4条件の)どこが一番合致していないと思いますか?

 前川氏 まあ、4条件すべてなんですけれども。特に新しい分野における具体的な需要が明らかになっているかと。例えば、新薬の開発や水際対策、事柄としては出てきてはおりますけれども、本当にそれは具体的な内実を伴うものなのかと。そこが極めて薄弱だと思っております。新しい分野の具体的な需要ということですね。人材需要ですね。それがまずまず確定していないのが問題なんですけれども、それがあったとして、それが既存の大学・学部では対応できないという条件もあるわけで、そこもその、検証されていない、と思います。あのう、既に16大学あるわけですけれども、その16大学ではできない、だから新しい大学を作ると。そういう理屈になっておりますが、そこも検証されていません。

 --加計学園の関係者と直接お会いになったことたりとか、陳情を受けたりとか、そういうことはないでしょうか?

 前川氏 あのう、ま、加計学園には文部科学省出身者がおりましてですね、わたくしも親しくしてきた方もいらっしゃるものでですね、そういう方とお会いする機会はございました。

 --それは具体的にいつ? この問題が、あの新設が決まる前後とか。

 前川氏 まあ、あのう、(昨年)9月、10月ではなかったですけども、その前にお会いしたケースはございます。

 --その時にはもう、内閣府から30年4月で行くぞとか、新学部ができるとか、そういう趣旨の……。

 前川氏 (質問の終わりを待たずに)ただ、わたくし、具体的なことを担当課から聞く前だったのではないかと思います。

 --そのとき会ったときに、何か加計学園について要望というか、そういうものは無いというか。

 前川氏 あのう、加計学園に再就職した人が来たわけなんで、ええ、獣医学部のことにも話題になった記憶はございます。

 --話題というのは具体的には、どういう?

 前川氏 獣医学部を新設したいので、まあ、よろしくみたいなね。あまり詳しいことの話じゃなかったんじゃなかったかと思いますけども。そういった話題が出たのではないか、と思います。

 --それに対しては、前川さんはどういう具合に受け止められたんですか?

 前川氏 それはただ受け止めただけで、聞いただけでですね、そえを聞いたうえで、それに対して何かアクションは起こすということはしませんでした。

 --あと最後に、そのう代理人弁護士をつけた理由についてお話しいただけますか?

 前川氏 ま、特に、あのう、一人では心細かった、ということですね。

 --前事務次官というポストから考えれば、堂々とお一人ですぐに出てこられてももおかしくないのかなと思うのですが。このタイミングで代理人弁護士といっしょに出られたという理由を、もうちょっとお聞きしたいんですが?

 前川氏 いや、そんなにその、確たる理由はございません。

三竿弁護士 はい、どうぞ。

 --読売新聞です。

三竿弁護士 あ、読売新聞。もう聞きましたよね。じゃあ、次の

 --ITメディアの○○です。ええと、内閣府からの「官邸の意向」という文書を見たときにですね、プレッシャーを感じたという風におっしゃっています。さきほどの会見でもですね、国家戦略特区の中で加計学園ありきの○○を感じたとおっしゃっていましたけれども、あのう、前川さんが直接ほかに、何かその、官邸なり、政権のプレッシャーを感じたようなことはありましたでしょうか?

 前川氏 ま、あのう、その点についてはですね、ちょっとあのう、現時点ではお答えを差し控えたいと思います。

 --あ、理由は何ですか?

 前川氏 ちょっと理由も含めてですね。

 --もう一点、もう一点いいですか? ええと、先ほどそのう、行政がゆがめられた、わたくし自身も責任を感じるとおっしゃっておられましたけれども、あのう、どうしてこの、事務次官在任中にですね、どうして前川さんの自身の力で行政のゆがみをただすことができなかったんでしょうか? 原因は何でしょうか?

 前川氏 まあ、わたくしの力不足が第一の、原因ということではないかと思いますが、やはりもうひとつは、極めて政治的な意味合いのある意思決定が必要だったんじゃないか、ということもあると思います。

 --それは、どこから感じられましたか?

 前川氏 まあ全体からですね、行政的に積み上げることがなかなか難しい事情が感じられた、ということですね。

 --NHKの○○です。文科省は十分な調査をやらないまま、文書を確認できないと言っています。やらないまま、そんな回答を出さざるを得ない状況は、どういうパワーバランスにあるのでしょうか? もう一つ、あのう、今、省内がですね、相当混乱している状況なんですけれども、前事務次官としてですね、省内の方々にどういう言葉を掛けたいかですね?

 前川氏 まあ、あの先ほども申し上げましたけれども、文部科学省の、特に国家戦略特区に関わっている職員の人たちはですね、本当に気の毒だという風に思っているんですね。もともと十分な根拠なく、規制緩和が行われてですね、本来、赤信号のところを、とにかく赤い信号を青い信号だと考えろといわれ、赤を青にさせられてですね、。さらにその経緯について示すような文書についてですね、これがあのう、なかったことにすると。知らないことにすると。実際にある、あった文書をなかったことにするということで、いわば黒を白にすると言われているようなもんですから。あのう、まあ本意ではない、意に反することをさせられている。言わされている。そういう状況がずっと続いているわけですね。ま、そのことについては、本当にそのう、気の毒だと思ってましてですね、これはまあ、わたくし先ほど申し上げましたけれども、大臣も含めて本当に気の毒だと思っております。

 ええ、わたくしはもう辞めた立場なので、自由に発言できますしですね、ええ、あのう、政権全体のことを考える必要もないという立場なので、こういった形で出てきて自由に話すことができるわけですけども、現在の文部科学省についてはですね、やはりなかなか、あのう官邸、内閣官房、内閣府といった政権中枢からの意向、要請といったものにですね、逆らえない。ま、そういった状況にあると思います。そういった中で本来は、その司司(つかさつかさ)で、それぞれの責任ある判断をすべきところがですね、できなくなっている。そういう状況があるんじゃないかなと思います。これは、あのう、農林水産省や厚労省が実質的な人材需要の判断をせずにいわば逃げているのですけども、ま、逃げざるを得ない。彼らが本当に人材需要について検討すればですね、人材需要がないとの結論になるかもしれないわけで。そういう結論を出すわけにはいかないから逃げているという風に見ることもできるわけですね。ですから、そういった関係が政権の中枢と各省との間に出来てしまっているということは、非常に問題があるんじゃないかなという風に思っています。

 --もう一点、すみません。規制緩和についてですね、そういう官邸に言葉がいいにくいことがあって省内が混乱しているんですけども、文部科学省の職員に対してどんな言葉を掛けたいか?

 前川氏 文部科学省はですね、わたくしがやりきれなかったことをやってくれというわけですから、無理な注文をしているという部分があると思いますけれども、文部科学省においては、公正、公平さ、客観性、それから根拠のある行政。これを心掛けて、国民から批判されることがないよう、まっとうな仕事をしてほしいということなんですね。

三竿弁護士 そろそろ時間ですけれども、よろしいですか? 

 --すみません、すみません。

三竿弁護士 どこですか、どこですか? 東京新聞?

 --東京新聞です。もう少しお聞きしたいんですけども、これだけ人材需給についてさまざまな意思決定を無視してでも、なんとしても加計学園を通そうとの力学は、今回の安倍政権下になってからなのか? それ以前にもこういうことを経験したことがあるのか? もう一点なんですけど、去年の12月22日に3大臣合意の中で、1校だけに限定するとの合意が成されているという風に報道ニュース等に出ていますが、これ1校だけについて事務次官当時に何か事前に根回しはあったのか、どういうことでこの1校に決めるのか、その辺の話を何か聞かれていたのかどうか、聞かせていただきたいんですが?

 前川氏 あのう、政治主導とか官邸主導とかいうことは、小泉政権の頃から強まってきていると思いますので、あのう、これは徐々にそういう力関係が形成されてきているという風には思います。ええ、政と官の関係、あるいは政府と党の関係、あるいは官邸と各省との関係。これはかなり、ここ20年くらいの間に変化してきていると思うんで、ま、その変化の結果として、現在の関係があるんだろうなと思います。ですから、今、政権中枢の力が非常に強まっているというのは事実だな、という風に思っております。それから12月22日のことについてはですね、わたくしは、実はその状況をフォローしておりません。残念ながら、その時点では、わたくしは、あのう、天下り問題の方に忙殺されておりましてですね、他の案件の報告を受けている時間がなかなかなかったもんですから。このう、12月22日の合意というものがあるという風に、今わたくしは報道で聞きましたけれども、その時点では報告を受けたかどうかも、記憶も定かでございません。

 --TBSですが、よろしいですか? 文書があるのではないかとおっしゃいましたけれども、具体的にどのような確認手段があるかということと、再調査に関して文科省がどのようにすると思われますか?

 前川氏 わたくしが、確実にある、あったと言っております資料というのは、わたくしは現に見て受け取ったからなんですけれども、どういう調査をするかというのは、わたくしも、どこの何を見ればいいのかは具体的には申し上げられませんが、これはあのう、見つけるつもりあれば、すぐ見つかるものだと思います。何かこう、複雑な調査方法を用いる必要はない。…と思いますね。

 --今回、個人のパソコンを調べてないんですけれども、そのあたりを調べたりすることも検討した方がいいと思いますか?

 前川氏 それはあのう、再調査するとなれば、文部科学省で考えられると思いますよ。

 --日経新聞です。お持ちの資料を調査のために、提出であるとか、開示したり、国会の証人喚問時に提出するとか、そういういことはお考えですか?

 三竿弁護士 ま、それは今、検討中です。

 --すみません。読売新聞です。こういった在職中に知り得たものを使うのは、守秘義務違反に当たらないのか、と思うんですけれども。

 三竿弁護士 その点は、ノーコメントです。よろしいでしょうか。では、終わります。

 --あのう、警察庁出身の杉田官房副長官に呼びつけられたことと、弁護士をつけたのはご関係ありますか?

 三竿弁護士 そういう…、質問がよく分からないので、お答えしません。終わります。ありがとうございました。



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