私はテレビの報道番組をよく見ます。時事問題には子どものころから興味を持っています。時事問題について新聞を読み、友だちに話した初めての話題は、スエズ運河をめぐるエジプトと英仏連合軍の戦争でした。1956年(昭和31年)、私は小学生でした。
今朝8時からフジテレビ系列の関西テレビ『新報道2001』では憲法96条の問題を扱っておりました。
与党から自民党・石破幹事長と公明党・斉藤幹事長代行、野党から民主党・桜井政調会長と日本維新の会・松野国会議員団幹事長が出ていました。
96条改正に賛成が自民党と維新の会、反対が民主党(党統一見解が出ていないので桜井個人の意見)。
公明党の党見解は賛成・反対のどちらか一言で表現はできず、次のニュース記事で紹介します。
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斎藤公明幹事長代行「憲法9条に自衛隊意義の項目を」
日本経済新聞 2013/4/28 10:52
公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は28日午前のフジテレビ番組で、憲法9条について「専守防衛の自衛隊は合憲で国際貢献に活躍するとの項目を加えてもいい。(戦争の放棄や戦力の不保持をうたう)1項、2項は保持し、3項にしっかりと自衛隊の意義を書く」と述べた。9条で自衛隊を明確に位置づけるための改憲を求めたものだが、党内には慎重論も多い。
一方、集団的自衛権の行使を巡っては「国民の議論は成熟していない」と指摘。米国を狙った北朝鮮の弾道ミサイルを自衛隊が迎撃できるかについて「集団的自衛権をわざわざ憲法に書かなくても、個別的自衛権の範囲で対応が可能だ」との見解を示した。これに関連し、自民党の石破茂幹事長は同番組で、集団的自衛権の行使容認を夏の参院選の争点として掲げる考えを示した。
また、斉藤氏は改憲の発議要件を緩和する96条改正について「何を変えるのかという中身の議論と共にすべきだ」と述べ、安倍晋三首相が意欲的な先行改正に否定的な考えを強調。「基本的人権の尊重、国民主権、平和主義という三原則は変えてはならないが(条項によっては)多少ハードルを下げてもいい。その意味では改正もあり得る」と語った。
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上記記事の中で、96条改正について「何を変えるのかという中身の議論と共にすべきだ」という見解はもっともなことで、私も同意見です。
憲法96条改変の動きは、憲法9条改変を主目的としています。だから公明党は96条改変に慎重であり、民主党政調会長は個人見解と断ったうえで反対しました。
さて、朝の報道番組と同じ関西テレビ(フジテレビ系列)の正午前のニュースで、この番組の内容が伝えられました。
これが問題です。
96条改憲問題について、自民党幹事長と維新の会国会議員団幹事長の賛成意見が伝えられました。民主党幹事長の反対主旨、上記日本経済新聞で伝えられる公明党の見解には一言も触れることがありませんでした。
ニュース編集と、世論誘導の典型的なものと言えるでしょう。
フジテレビ=関西テレビ系列は産経新聞の系列ですが、新聞社やテレビ局によって主張がいろいろと異なることがあっていいでしょう。
しかし、1時間半の朝の自局報道番組であった話のうち、野党・民主党と共に、政権与党の公明党見解をまったく伝えずに自民党と共に野党・日本維新の会の賛成意見を紹介するという「ニュース編集」は、世論誘導の意図が顕著であると思います。