川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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GDP年率換算5.5%増 好景気? 実感は貧しいままです!

2006-02-18 12:01:17 | Weblog


景気拡張最長なるか! これは今朝(2/18)の新聞の見出しです。つづいて、GDP年率5.5%増、とあります。私は「えっ?」とばかりに驚きました。

記事を読むと、今回の景気拡張は2002年1月のから始まって、この2月で49カ月目になる。5月までつづくと、バブル景気を抜くそうです。2005年10~12月期の年率換算GDPは5.5%と高い伸び率を示したそうです。

私の近所で、知り合いの大企業社員としてはシャープ社員がおります。ここは景気がいい。いつも夜遅くまで勤務していて、そのかわりに収入はピカイチです。ここだけは景気がいい。

でも、私が従事する建設・不動産関係者は皆、ダウンしています。それも悲劇的な状況です。公共事業関係の業者は廃業・倒産・失職が今も拡大しています。水道工事業者で、一人だけ景気のいいのがいますが、仮設の小さな事務所から脱出できていませんから一時的なものでしょう。自営業なんてのは、ちょっと大きな仕事が入れば、そのとき限り、ちょっと生活が向上するのです。

私の娘は21歳で学生ですが、学生でない同世代、20歳台の女性でアルバイト職や派遣労働などの低賃金労働者がこんなに多いのかと思うと話しています。

バブル景気のころは、多くの人々がその恩恵に浴していました。しかし今は、バブル景気に匹敵するほどの景気指標があっても、経済の質が変わって、広く国民一般には恩恵が及ばないということになります。

知り合いの自動車修理業者も、「平成になってからもうあかんわ」と嘆くばかりです。
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5年前と比べたわが家の財政―朝日新聞投書欄から―

2006-02-12 15:00:38 | Weblog


2006/2/12付け朝日新聞投書欄「声」から、兵庫県宝塚市の水間さん(男性73歳)の投書をそのまま以下に転載します。

確定申告の季節がやってきた。そこで、ふと思いつき、過去5年間の申告書の控えを取り出して計算し、私の収入や経費などについて、今年と昨年、さらに5年前とを比べてみた。

まず、年収は5年前を100とすると、昨年が37.3%減、今年は41.1%減となった。これは個人年金の給付期間満了が原因である。一方、所得税の増え方は、同じく100に対して、昨年が21.3%増、今年は64.9%増になった。老年者控除の廃止がその主な理由である。

介護保険料の負担に至っては5年前と比べ、何と昨年からは約7倍になっている。しかも、市県民税の引き上げは必至。来年から定率減税も廃止になる。やがて消費税率のアップも現実のものとなろう。

政府は2008年度からの実施をめざし、76歳以上の人が全員加入する独立した保険制度の高齢者医療制度を新設する方針だという。新たな負担になるだろう。

小泉改革はとどまるところを知らない。高齢者を目の敵にするかのような施策はますます増えていくだろう。

簡単だが、これがここ数年来、わが家にもたらされた政府の高齢者対策の結果だ。お粗末ながら披露させていただく。


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10年前に警告されていた所得格差拡大の社会問題

2006-02-07 11:07:49 | Weblog


私の手元に10年前に発刊され、当時、共感をもって読んだ2冊の本があります。

〇「中流」が消えるアメリカ 稲葉陽二著 日本経済新聞社刊
              1996年11月5日1版1刷
〇ダウンサイジング オブ アメリカ(大量失業に引き裂かれる社会)
              ニューヨークタイムズ編 日本経済新聞社刊
              1996年11月15日1版1刷

◇「中流」が消えるアメリカ
この本では、1980年代から1990年代にかけてのアメリカ中産階級の縮小貧困化と社会階層間の所得格差拡大の問題を論じています。

この本は、①所得格差拡大は民主主義の根幹を揺るがす恐れがある、②このアメリカでの所得格差拡大が日本でも近い将来起こり得る、という危機意識のもとに書かれています。

◇ダウンサイジング オブ アメリカ
この本では、大企業を中心に進んだ大規模レイオフ(首切り)の問題を取り上げています。米国労働省統計は1979年~1993年に、3600万以上の雇用が消滅したことを示しているとしています。

これによって失業者が増えた。新たに増えた雇用も多いが、その主力はパート職で、低賃金と福利厚生がほとんど保障されていない。こうしたことを問題提起しています。

◇「人員整理」は経営者のタブーでなくなった
昭和年代の日本の中・大企業では、不況下でも従業員を解雇しないで切りぬけることが経営者の誇りでありました。国鉄の民営化という例外は在りましたが、社旗一般に、それが一流の経営者という社会的な評価がありました。

平成年代に入ってその倫理道徳が突然、変わりました。竹中大臣のように「グローバル化」が流行になった時期に、変わりました(グローバル化というのは単純にアメリカ政府好みに衣替えしようということです)。

企業業績を回復した、決算の利益や利益率が前年より向上したと、誇らしげに経営者が語ります。どうして向上したか? 合理化です。合理化には、業務の再編効率化、生産設備の更新などいろいろありますが、何より人員整理が一番でした。経営者は、従業員を何百人減らします、何千人減らしますと誇らしげに語るようになりました。

◇派遣労働とアウトソーシングで低賃金化
「職業選択の自由を拡大保障する」という名目のもとに、「派遣労働」が認められるようになって、アウトソーシング(業務下請け)市場が飛躍的に拡大しました。これによって、低賃金化が全国に広がり、もはや回復のめどはありません。

◇10年前の日経の警鐘キャンペーン
10年前に、日本経済新聞が警鐘キャンペーンを張っており、多くの識者がそれを知っていたにもかかわらず、今、所得格差社会が日本に定着しました。年収500万円以下の世帯は、あたりまえのように私の身のまわりに数多くいます。

小企業や零細企業に勤めていれば職があるだけで幸せとしなければならない時代です。それに小企業主や零細企業主には、従業員にゆとりある給料を出す力がありません。年収500万円以下の世帯では生活にゆとりがありません。税金、年金、健康保険、介護保険などの料金増額に加えて、診療費の負担率増大などは、低所得者には心底応えます。

◇10年前に見えていても名門政治家には…
今、所得格差拡大の社会問題化について、政府与党内では公明党が言及しています。しかし、小泉首相は取り合う様子がありません。小泉首相は保守政治家3世です。祖父も、父も、本人も政治家です。権力の最中で子どものときから育っているので、民情を理解できないのでしょう。

安倍官房長官も政治家3世、名門の出です。谷口大臣は政治家2世です。麻生大臣は吉田首相の孫で、これは日本のエスタブリッシュメント、貴族のような階層に属します。下々のことに痛みを感じてくれるとは、とても思えません。

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