川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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自民党 参院選で一時、「公平性を欠いている」として取材拒否 (2013年7月)

2014-11-30 22:07:00 | Weblog


自民党とテレビ報道を巡っては、2013年7月にこんなニュースもありました。前回記事『自民党がテレビ局報道姿勢に注文(原文掲載) テレ朝が評論家の出演取り消し』、元日本テレビ・ディレクター水島宏明さんのYahooニュース解説『自民”牽制”による効果? テレビ朝日はひるんだのか!?』も併せてご覧ください。

   ◇   ◇   ◇

自民党 TBSへの取材拒否、6月末に始まる
毎日新聞 2013年7月27日(土)00:24


 自民党がTBSの報道番組の内容を「公平性を欠いている」として、参院選公示日(7月4日)に安倍晋三首相ら党役員への同局からの取材拒否を表明(同5日に解除)した問題で、取材拒否が6月末から約1週間続いていたことが同党への取材で分かった。

 通常国会最終日の6月26日放送の「ニュース23」は、電気事業法改正案など重要法案が廃案になったことを伝えたが、自民党は27日に「番組構成は著しく公平を欠いたもの」と抗議。TBSは28日に「さまざまな立場からの多様な主張・発言を伝えようとしたもの」などと回答したが、納得できなかったため取材拒否を決めたという。

 自民党の萩生田光一副幹事長は「訂正を求めたが拒否したため、安倍首相や石破茂幹事長がTBSの取材には応じないことにした」と説明。TBS広報部は「聞いていない」としている。



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自民党がテレビ局報道姿勢に注文(原文掲載) テレ朝が評論家の出演取り消し

2014-11-29 18:08:05 | Weblog


産経ニュースが、評論家のテレビ出演について次のように伝えました。同様のニュースは毎日、朝日、ほかの地方紙も一斉に伝えています。

これは、自民党から11月20日付でテレビ各局に送付された「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」の結果によるものと見られています。安倍自民党による「報道圧力」行為に注目です。

この自民党要請文の効果について、元日本テレビ・ディレクターの水島宏明さんがYahooニュース『自民”牽制”による効果? テレビ朝日はひるんだのか!?』で、くわしく解説しています。

ブログ末尾に自民党要請文の原文を資料記載しておきますので、水島宏明氏のくわしい解説と併せてお読みください。


     ◇   ◇   ◇

「朝まで生テレビ!」で荻上チキと小島慶子の出演中止 テレ朝「公平性を担保できなくなる」
産経ニュース 2014.11.29 07:38

 衆院選をテーマにしたテレビ朝日系の討論番組「朝まで生テレビ!」(29日未明放送)で、パネリストとして出演予定だった評論家の荻上チキさんが「質問が一つの党に偏り公平性を担保できなくなる恐れがある」としてテレ朝側から出演を取り消されていたことが28日、荻上さんへの取材で分かった。タレントの小島慶子さんの出演も取りやめになり、パネリストは政治家のみとなった。荻上さんは「議員だけでないと中立性を保てないというのでは討論番組の幅を狭めてしまう」と疑問を呈している。

 衆院選のテレビ報道をめぐっては自民党が出演者の選定や街頭インタビューなど具体的な項目を挙げ、選挙期間中の報道の公平性を確保するよう求める文書を解散前日の20日付で在京各局に渡していた。テレビ朝日広報部は「放送に至る過程については、従来お話ししていません」としている。

     ◇   ◇   ◇

自民党によるテレビ局への報道圧力、メディア各社が後追い報道
2014年11月28日(金)【ノーボーダー編集部】
http://no-border.co.jp/archives/29153/

 26日の「ニューズ・オプエド」内で速報として報じた自民党幹部による在京テレビキー局への報道圧力について、共同通信など大手メディアが27日夜から一斉にスクープとして同じ内容を伝えている。

 朝日新聞と毎日新聞、東京新聞は28日朝刊の社会面で報じ、自民党やこれを報じなかったテレビ局も批判する内容となっている。一方、日経新聞と産経新聞は小さいベタ記事のみで、読売新聞は一切報じていない。

 ノーボーダーでは26日の「ニューズ・オプエド」放送後にスクープ内容を記事にしたが、当該記事は5000件以上ツイートされるなど急速に広がっていた。

 ネットでは、「自民党のメディア支配はここまで酷いのか」という声が大勢を占めるなか、「これの何が圧力と言えるのかわからない」「公正な報道をしろというのは当たり前のことだ」などという声もあった。しかし毎日や朝日、東京の各新聞の報道は、ことの重大性を認識したものとなっている。

 なお、問題の文書が送付されたのは20日であり、大手メディアはその存在を知っていたものと思われるが、ノーボーダーが26日に報じるまでは一切報じていなかった。

     ◇   ◇   ◇

自民党の「報道圧力」文書の裏に安倍首相あり!?
境界なき記者団 NOBORDER 2014年11月28日(金)【イッシン 山口】
http://no-border.co.jp/archives/29172/

 自民党が在京テレビキー局各社に対して、報道圧力ともとられかねない文書を送っていたことが26日、ノーボーダーの報道によって明らかになった。

 大手メディアは当初、沈黙していたが、28日になってようやく新聞各紙も後追いした。

 だが、肝心なことが書かれていない。この文書が出された背景についてだ。一応、部下の萩生田光一・筆頭副幹事長と福井照・報道局長の連名になっているが、安倍首相本人の強い意向が影響していることは明らかだ。というのも、申し入れ事項の中にわざわざ〈街頭インタビューなどの映像で偏った意見にならないよう公正を期すこと〉という文言が入っていたからだ。

 文書は20日付で送られている。実はその2日前の18日、解散表明の会見を終えた安倍首相はテレビ各局に出演し、そのうちのひとつTBS「NEWS23」の番組中にこんなことがあった。

「アベノミクスで景気回復を感じているか」という街頭インタビューのVTRが流れ、最後に紹介された主婦と思しき2人の女性が代わるがわるに、

「全然、アベノミクスは感じてない」
「大企業しかない分からへんのちゃう」

としゃべったところでスタジオに戻った。すると安倍首相が突如顔色を変え、キャスターの岸井成格さんの発言を制してこんなことを言い始めた。

「これはですね。街の声ですから、みなさん選んでるんだと思いますよ……」

 要は、アベノミクスに批判的な声を選んでVTRを編集したと言いたいのだ。あげくの果てに、

「だってね、いろんな方がいらっしゃいますが、中小企業のですね、小規模事業者の方がテレビで、名前を出して、『儲かってます』というのは相当の勇気がいるんですよ……」

とまで言い出すしまつだ。

 街頭インタビューというのはまさしく街の声、世の中の人がどう思っているかを生の声で伝えるものだ。「偏っている」かどうかは、世論を反映しているかどうかにかかっている。

 例えば、TBSがキー局のJNNが11月1日、2日の両日に行った世論調査では、アベノミクスによる景気回復について89%の人が「実感がない」と答えている。産経新聞社とFNNの合同世論調査でも81.0%が、やはり「景気回復を実感していない」と答えている。つまり、ほとんどの人が景気回復など実感していないということだ。

 一方、安倍首相がムキになって反論したVTRには6人が登場し、うち3人が「誰が儲かってるんですかね。僕は全然、感じない」と完全否定で、1人が「株価も上がってるし、効果あったんじゃないですか」とアベノミクスを肯定した。残り2人のうち1人は、給料が上がった実感はないが「仕事は増えてきた」と言い、もう1人は、いまのままでは景気も良くないので「解散・総選挙で問い直すのはいいんじゃないですか」と解散を評価していた。

 あえていえば、「◯」が1人(16.6%)で「×」が3人(49.9%)、「△」が2人(33.3%)ということになる。世論調査の数字と比較すると、むしろ「安倍寄り」ではないか。もし、「景気回復で儲かってますよ」という意見ばかり紹介したら、それこそ偏向になってしまう。

 ところが狭量な安倍首相は最後の女性2人が許せなかったようだ。

 よっぽど気に障ったのか、その後も延々と反論を続け、「事実、6割の企業が賃上げしているんですよ」「全然、(VTRに)反映されてないじゃないですか」「おかしいじゃないですか」などとまくし立てた。


      ----------------------------------------

                          平成26年11月20日

在京テレビキー局各社
 編成局長 殿
 報道局長 殿

                      自由民主党
                      筆頭副幹事長 萩生田 光一
                      報 道 局 長  福 井 照


      選挙時期における報道の公平中立ならびに
     公正の確保についてのお願い



  日頃より大変おせ括になっております。

 さて、ご承知の通り、衆議院は明21日に解散され、総選挙が12月2日公示、14日投開票の予定で挙行される見通しとなゥております。

 つきましては、公平中立、公正を旨とする報道各社の皆様にこちらからあらためてお願い申し上げるのも不遜とは存じますが、これから選挙が行われるまでの期間こおきましては、さらに一層の公平中立、公正を旨とする報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます。
                                                        
 特に、衆議院選挙は短期間であり、報道の内容が選挙帰趨に大きく影響しかねないことは皆様もご理解いただけるところと存じます。また、過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い,それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあったところです。

 したがいまして、私どもとしては、

  ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
  ・ゲスト出演者等の選定についても公平中立、公正を期していただきたい
   こと
  ・テーマについて特定の立場から特定出演者への意見の集中などがないよ
   う、公平中立、公正を期していただきたいこと
  ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の
   政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していた
   だきたいこと

――等について特段のご配慮をいただきたく、お願い申しあげる次第です。
 以上、ご無礼の段、ご容赦賜り、何とぞよろしくお願い申し上げます。

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平成24年12月25日付 自公連立政権合意文書――衆院選の判断資料として

2014-11-28 22:59:48 | Weblog



現在の第2次安倍晋三内閣自公連立政権発足時、平成24年12月25日「連立政権合意文書」を衆院選資料として、下に掲載します。平成24年は西暦2012年です。

『一、(1) 福島の再生』は、どこまで進んでいるのでしょうか? 原発の高濃度汚染水処理は思うように進んでいません。

『二、景気・経済対策』については、12月衆院選のテーマとして自民党が設定しています。安倍政権2年間の成果についてマスコミ報道がくわしく伝えています。医療・介護・税ともに「円安」値上げで、私たちの負担が高まるばかりです。

『三、社会保障と税の一体改革』については、生活弱者へのしわ寄せばかりが目につきます。

『四、原発・エネルギー政策』では、可能な限り原発依存度を減らす、としています。しかし実際には、原発回帰の動きがつづいています。

 鹿児島県知事は11月7日、川内原発の再稼働に同意を表明しました。関西電力は11月26日、運転開始から40年を迎える老朽原発の高浜原発1、2号機(福井県)について、12月上旬から運転延長に向けた特別点検を実施すると発表しました。政府は東日本大震災を受け、原発の運転期限を原則40年とし、例外的に20年の運転延長を認めることにしています。そして経済産業省は11月27日、原子力政策について、今後の電力自由化に伴う競争激化を想定し、電力会社が原発事業を継続できるようにするため、国が支援する必要性を指摘しました。

『八、政治・行政・公務員制度改革』については、進展がありません。

この2年間で目立つことは、景気政策で輸出大企業と金融投資資本が好況になったこと、国家安全保障会議創設、特定秘密保護法、安全保障(*集団的自衛権)に関する7・1閣議決定などの安保政策の2点です。

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      第2次安倍晋三内閣
    <自由民主党・公明党連立政権合意>

 自由民主党・公明党の両党は、今回の衆議院議員総選挙の結果、再び政権を担当する重責を担うこととなった。しかし、決して驕ることなく、真摯な政治を貫くことによって結果を積み重ね、国民の本当の信頼を取り戻さなくてはならない。

 われわれはその信頼の上に、国民の英知を結集して国難に立ち向かい、わが国が本来持っている力と夢を取り戻し、日本再建を果たす決意である。

 われわれは、この新たな連立政権のスタートに際し、以下に掲げる重点課題に全力で取り組むことを確認する。


一、東日本大震災からの復興と万全な防災・減災対策

(1) 東日本大震災からの復興を最優先にして政府を挙げて取り組む。特に、一日も早い福島の再生のための具体策を提示し実施する。

(2) 巨大地震などの自然災害に備え、防災機能を総点検し、国民の命を守る防災・減災のための公共投資を計画的に実施する。


二、景気・経済対策

(1) 本格的な大型補正予算を平成二十五年度予算と連動して編成・成立させ、景気対策に万全を期す。特に、地域経済や中小企業に十分配慮する。

(2) 経済財政諮問会議と日本経済再生本部を設置する。この強力な司令塔のもと、物価目標2%を設定し、大胆な金融緩和を断行することによりデフレからの脱却を図る。

(3) エネルギー・環境、健康・医療などの成長分野における大胆な規制緩和、新たな需要喚起・創出などにより、名目3%以上の経済成長を実現する。


三、社会保障と税の一体改革

(1) 医療・介護・少子化対策など社会保障制度改革国民会議における議論を促進する。また、生活保護については不正受給対策を徹底するとともに、自立・就労などの支援施策と併せて、その適正化に向けた見直しを行う。

(2) 消費税率引上げ前の景気回復を着実に実現する。また、複数税率導入の検討など低所得者対策を確実に実施する。


四、原発・エネルギー政策

 原発の再稼働については、国際基準に沿って安全第一主義を徹底した原子力規制委員会の専門的知見の判断による。同時に、省エネルギー・再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らす。


五、教育再生

(1) いじめ対策、不登校対策、通学路安全対策等を充実させる。

(2) 教育委員会制度のあり方を抜本的に見直す。

(3) 幼児教育の無償化への取り組みを財源を確保しながら進める。


六、外交安保

(1) 日米同盟の強化を図り、両国の関係を再構築し、中国・韓国・ロシア等近隣諸国との信頼の増進を図る。

(2) 領土・領海・領空の保全を図るため、必要な防衛・海保予算を確保する。

(3) 拉致・核・ミサイル問題に毅然と対処し、主権を守る外交を展開する。

(4) FTA・EPAをはじめ自由貿易をこれまで以上に推進するとともに、TPPについては、国益にかなう最善の道を求める。


七、憲法

 憲法審査会の審議を促進し、憲法改正に向けた国民的な議論を深める。


八、政治・行政・公務員制度改革

(1) 衆議院の選挙制度改革・定数削減については、三党合意を基本にその実現を図る。あわせて、国会議員にかかる経費を縮減する。また、国・地方にわたる公務員の総人件費を縮減する。

(2) 道州制の導入を推進する。
                          以上

     平成二十四年十二月二十五日

              自由民主党 総裁  安倍晋三
              公 明 党 代表  山口那津男

          ----------------------------------------

<私のアピール>

2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則の緩和、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。第2次大戦後の日本において安倍政権は最も危険な政権です。

安倍内閣打倒の機運を盛り上げていきましょう。与党であれ野党であれ、安倍首相と同じ考えの人、同じ路線の人をを選挙で落としましょう。



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安倍首相の衆院解散理由は消費税にあらず 消費税率上げの景気条項を見てみよう

2014-11-19 14:55:49 | Weblog



昨日2014年11月18日夜、安倍首相が記者会見をして、衆院解散を表明しました。解散の名分は、消費税率10%引き上げを延期することに国民の信を問うものです。来年2015年10月の10%引き上げ実施予定を取りやめて、2017年4月へ先送りする。その後の再延期はしない。安倍首相はこう話しました。

しかしながら、消費税率据え置きは多くの国民が望むところです。また、消費税を8%に上げるに際して、2015年10月の10%への引き上げはその時点での景気判断に依拠すると、法律に規定しました。これが「景気条項」で、安倍首相の税率据え置き決断はこの法律に倣っています。ですから、このたびの衆院解散は、国民に信を問うという性質のものではありません。安倍首相の本来の意図は別のところにあると言えます。政治の世界のことですから、当然、政略解散と言えましょう。

消費税率引き上げについて、「景気条項」と言われる法律の条文を下に掲載します。

  ◇  ◇  ◇

<社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律>

附 則

(消費税率の引上げに当たっての措置)
第18条  消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済 の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。
2 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指 標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

  ◇  ◇  ◇

上記法律の附則第18条において、消費税率引き上げの目安を平成23年度~平成32年度までの平均経済成長率に置き、名目3%、実質2%としています。経済成長率を中心としてその他の諸条件を勘案したうえで消費税率10%引き上げの施行停止もあり得ます。

わざわざ再引き上げ前に景気の動向・条件を検討しなさいと法律で条件づけています。だから10%引き上げを予定期日通りに実施しなくても、これは何の問題もありません。8%引き上げに際して国民に約束し、法律で定めたことに従って実行しようとするのになぜ衆議院を解散するのでしょうか。

安倍首相は行き過ぎた円安を生み出し、行き過ぎた財政支出など、かなり危ない経済政策をとってきました。11月18日の「衆議院解散」記者会見では、自らのアベノミクス経済政策の継続に熱意を見せています。しかし11月17日発表の7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期連続のマイナス成長となり、欧米にも「予想以上の悪化」として速報されました。

  ◇  ◇  ◇

「衆議院解散」記者会見で安倍首相は、上の「景気条項」を外して、2017年4月には必ず10%に引き上げると言明しました。これは注目すべき点です。景気政策のために放漫な金融緩和、過大な財政支出をしてきましたから、次は何が何でも消費税率を引き上げなければいけない、というのが安倍政権の事情です。

しかし、私は消費税据え置き、あるいは5%へ復帰、あるいは消費税撤廃をして、税制全域の見直しによって国庫収入の増収を計るべきだという意見です。

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<私のアピール>

2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則の緩和、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。第2次大戦後の日本において安倍政権は最も危険な政権です。

安倍内閣打倒の機運を盛り上げていきましょう。与党であれ野党であれ、安倍首相と同じ考えの人、同じ路線の人を選挙で落としましょう。


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<資料掲載> 旧「日米防衛協力のための指針(1978年)」

2014-11-03 00:23:37 | Weblog


旧「日米防衛協力のための指針(1978年)」を資料として掲載します。



  旧 「日米防衛協力のための指針」(1978年)

 この指針は、日米安保条約及びその関連取極に基づいて日米両国が有してい
る権利及び義務に何ら影響を与えるものと解されてはならない。

 この指針が記述する米国に対する日本の便宜供与及び支援の実施は、日本の
関係法令に従うことが了解される。


Ⅰ 侵略を未然に防止するための態勢

1 日本は、その防衛政策として自衛のため必要な範囲内において適切な規模
 の防衛力を保有するとともに、その最も 効率的な運用を確保するための態
 勢を整備・維持し、また、地位協定に従い、米軍による在日施設・区域の安
 定的かつ効果的な使用を確保する。また、米国は、核仰止力を保持するとと
 もに、即応部隊を前方展開し、及ぴ来援し得る その他の兵力を保持する。

2 日米両国は、日本に対する武力攻撃がなされた場合に共同対処行動を円滑
 に実施し得るよう、作戦、情報、後方支 援等の分野における自衛隊と米軍
 との間の協力態勢の整備に努める。 このため、

(1) 自衛隊及び米軍は、日本防衛のための整合のとれた作戦を円滑かつ効果
   的に共同して実施するため、共同作戦計画についての研究を行う。また、
   必要な共同演習及び共同訓練を適時実施する。

    更に、自術隊及び米軍は、作戦を円滑に共同して実施するため作戦上必
   要と認める共通の実施要領をあらかじめ研究し、準備しておく。この実施
   要領には、作戦、情報及び後方支援に関する事項か含まれる。また、通信
   電子活動は指揮及び連絡の実施に不可欠であるので、自衛隊及び米軍は、
   通信電子活動に関しても相互に必要な事項をあらかじめ定めておく。

(2) 自衛隊及び米軍は、日本防衛に必要な情報を作成し、交換する。自衛隊
   及び米軍は、情報の交換を円滑に実施するため、交換する情報の種類並び
   に交換の任務に当たる自衛隊及び米軍の部隊を調整して定めておく。また
   、自衛隊及び米軍は相互問の通信連絡体系の整備等所要の措置を講ずる
   ことにより緊密な情報協力態勢の充実を図る。

(3) 自衛隊及び米軍は、日米両国がそれぞれ自国の自衛隊又は軍の後方支援
   について責任を有するとの基本原則を踏まえつつ、適時、適切に相互支援
   を実施し得るよう、補給、輸送、整備、施設等の各機能について、あらか
   じめ緊密に相互に調整し又は研究を行う。この相互支援に必要な細目は、
   共同の研究及び計画作業を通して明らかにされる。特に、自衛隊及び米軍
   は、予想される不足補給品目、数量、補完の優先順位、緊急取得要領等に
   ついてあらかじめ調整しておくとともに、自衛隊の基地及び米軍の施設・
   区域の経済的かつ効率的な利用のあり方について研究する。


Ⅱ 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等

1 日本に対する武力攻撃がなされるおそれのある場合

  日米両国は、連絡を一層密にして、それぞれ所要の措置をとるとともに、
 情勢の変化に応じて必要と認めるときは、自衛隊と米軍との問の調整機関の
 開設を含め、整合のとれた共同対処行動を確保するために必要な準備を行う
 。
  自衛隊及び米軍は、それぞれが実施する作戦準備に関し、日米両国が整合
 のとれた共通の準備段階を選択し自衛隊及び米軍がそれそれ効果的な作戦準
 備を協力して行うことを確保することができるよう、共通の基準をあらかじ
 め定めておく。

  この共通の基準は、情報活動、部隊の行動準備、移動、後方支援その他の
 作戦準備に係る事項に関し、部隊の警戒監視のための態勢の強化から部隊の
 戦闘準備の態勢の最大限の強化にいたるまでの準備段階を区分して示す。

  自衛隊及び米軍は、それそれ、日米両国政府の合意によって選択された準
 備段階に従い必要と認める作戦準備を実施する。

2 日本に対する武力攻撃がなされた場合

(1) 日本は、原則として、限定的かつ小規模な略を独力て排除する。侵略の
   規模、態様等により独力で排除することが困難な場合には、米国の協力を
   まって、これを排除する。

(2) 自衛隊及び米軍が日本防衛のための作戦を共同して実施する場合には、
   双方は、相互に緊密な調整を図り、それぞれの防衛力を適時かつ効果的に
   運用する。

 (i)作戦構想

  (a)陸上作戦  陸上自衛隊及び米陸上部隊は、日本防衛のための陸上
          作戦を共同して実施する。
           陸上自術隊は、阻止、持久及び反撃のための作戦を実施
          する。
           米陸上部隊は、必要に応じ来援し、反撃のための作戦を
          中心に陸上自衛隊と共同して作戦を実施する。

  (b)海上作戦  海上自衛隊及び米海軍は、周辺海域の防衛のための海
          上策戦及び海上交通の保護のための海上作戦を共同して
          実施する。
            海上自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備のた
          めの作戦並びに周辺海域における対潜作戦、船舶の保護
          のための作戦その他の作戦を主体となって実施する。
            米海軍部隊隊は、海上自術隊の行う作戦を支援し、及
          び機動打撃力を有する任務部隊の使用を伴うような作戦
          を含め、侵攻兵力を撃退するための作戦を実施する。

   (c)航空作戦  航空自衛隊及び米空軍は、日本防衛のための航空作戦
          を共同して実施する。
            航空自衛隊は、防空、着上陸侵攻阻止、対地支援、航
          空偵察、航空輸送等の航空作戦を実施する。
            米空軍部隊は、航空自衛隊の行う作戦を支援し、及び
          航空打撃力を有する航空部隊の使用を伴うような作戦を
          含め、侵攻兵力を撃退するための作戦を実施する。

  (d)陸上作戦、海上作戦及び航空作戦を実施するに当たり、自衛隊及び
     米軍は、情報、後方支援等の作戦に係る諸活動について必要な支援を
     相互に与える。

 (ii)指揮及び調整  自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下に、それぞれの指
           揮系統に従って行動する。自衛隊及び米軍は、整合のと
           れた作戦を共同して効果的に実施することができるよう
           、あらかじめ調整された作戦運用上の手続に従って行
           動する。

 (iii)調整機関  自衛隊及び米軍は、効果的な作戦を共同して実施するた
         め、調整機関を通し、作戦、情報及び後方支援について相
         互に緊密な調整を図る。
 
 (iv)情報活動  自衛隊及び米軍は、それそれの情報組織を運営しつつ、
          効果的な作戦を共同して遂行することに資するため緊密に
          協力して情報活動を実施する。このため、自衛隊及び米軍
          は、情報の要求、収集、処理及び配布の各段階につき情報
          活動を緊密に調整する。自術隊及び米軍は、保全に関しそ
          れぞれ責任を負う。

 (v)後方支援活動  自衛隊及び米軍は、日米両国問の関係取極に従い、
           効率的かつ適切な後方支援活動を緊密に協力して実施
           する。このため、日本及び米国は、後方支援の各機能
           の効率性を向上し及びそれぞれの能力不足を軽減する
           よう、相互支援活動を次のとおり実施する。

  (a)補給  米国は、米国製の装備品等の補給品の取得を支援し、日本
        は、日本国内における補給品の取得を支援する。

  (b)輸送  日本及び米国は、米国から日本への補給品の航空輸送及び
        海上輸送を含む輸送活動を緊密に協力して実施する。

  (c)整備  米国は、米国製の品目の整備であって日本の整備能力が及ば
        ないものを支援し、日本は、日本国内において米軍の装備品
        の整備を支援する。整備支援には、必要な整備要員の技術指
        導を含める。関連活動として、日本は、日本国内におけるサ
        ルベージ及び回収に関する米軍の需要についても支援を与え
        る。

  (d)施設  米軍は、必要なときは、日米安保条約及びその関連取極に
        従って新たな施設・区域を提供される。また、効果的かつ経
        済的な使用を向上するため自衛隊の基地及び米軍の施設・区
        域の共同使用を考慮することが必要な場合には、自衛隊及び
        米軍は、同条約及び取極に従って、共同使用を実施する。


Ⅲ 日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える
  場合の日米間の協力


  日米両政府は、情勢の変化に応じ随時協議する。
  日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合に日
 本が米軍に対して行う便宜供与のあり方は、日米安保条約、その関連取極、
 その他の日米間の関係取極及び日本の関係法令によって規律される。日米両
 政府は、日本が上記の法的枠組みの範囲内において米軍に対し行う便宜供与
 のあり方について、あらかじめ相互に研究を行う。このような研究には、米
 軍による自衛隊の基地の共同使用その他の便宜供与のあり方に関する研究が
 含まれる。



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<資料掲載> 現行 「日米防衛協力のための指針 (1997年)」

2014-11-01 22:08:07 | Weblog


現行「日米防衛協力のための指針(1997年)」を資料として掲載します。


  現行 「日米防衛協力のための指針」(1997年)

  Ⅰ 指針の目的
  Ⅱ 基本的な前提及び考え方 1~4
  Ⅲ 平素から行う協力
     1 情報交換及び政策協議
     2 安全保障面での種々の協力
     3 日米共同の取組み
  Ⅳ 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等
     1 日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合
     2 日本に対する武力攻撃がなされた場合
        (1) 整合のとれた共同対処行動のための基本的な考え方
          (イ)~(ハ)
        (2) 作戦構想
          (イ)日本に対する航空侵攻に対処するための作戦
          (ロ)日本周辺海域の防衛及び海上交通の保護のための
             作戦
          (ハ)日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦
          (ニ)その他の脅威への対応 i~ii
        (3) 作戦に係る諸活動及びそれに必要な事項
          (イ)~(ニ)
          (ホ) (i) ~ (iv)
  Ⅴ 日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に重要な影響を与える
    場合(周辺事態)の協力
     1 周辺事態が予想される場合
     2 周辺事態への対応
        (1) 日米両国政府が各々主体的に行う活動における協力
          (イ)救援活動及び避難民への対応のための措置
          (ロ)捜索・救難
          (ハ)非戦闘員を退避させるための活動
          (ニ)国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の
             実効性を確保するための活動
        (2) 米軍の活動に対する日本の支援
          (イ)施設の使用
          (ロ)後方地域支援
        (3) 運用面における日米協力
  Ⅵ 指針の下で行われる効果的な防衛協力のための日米共同の取組み
     1 指針についての検討並びに共通の基準及び実施要領等の確立の
       ための共同作業
        (1) 共同作戦計画についての検討及び相互協力計画について
          の検討
        (2) 準備のための共通の基準の確立
        (3) 共通の実施要領等の確立
     2 日米間の調整メカニズム
  Ⅶ 指針の適時かつ適切な見直し
  別表) 周辺事態における協力の対象となる機能及び分野並びに協力項目例


Ⅰ 指針の目的 ※省略


Ⅱ 基本的な前提及び考え方
  指針及びその下で行われる取組みは、以下の基本的な前提及び考え方に従う
  。

1 日米安全保障条約及びその関連取極に基づく権利及び義務並びに日米同盟
 関係の基本的な枠組みは、変更されない。

2 日本のすべての行為は、日本の憲法上の制約の範囲内において、専守防衛
 、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。

3 日米両国のすべての行為は、紛争の平和的解決及び主権平等を含む国際法
 の基本原則並びに国際連合憲章を始めとする関連する国際約束に合致するも
 のである。

4 指針及びその下で行われる取組みは、いずれの政府にも、立法上、予算上
 又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない。しかしながら、日
 米協力のための効果的な態勢の構築が指針及びその下で行われる取組みの目
 標であることから、日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の
 結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。
 日本のすべての行為は、その時々において適用のある国内法令に従う。


Ⅲ 平素から行う協力 ※省略

Ⅳ 日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等

 日本に対する武力攻撃に際しての共同対処行動等は、引き続き日米防衛協力
 の中核的要素である。

 日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合には、日米両国政府は、事態の
 拡大を抑制するための措置をとるとともに、日本の防衛のために必要な準備
 を行う。日本に対する武力攻撃がなされた場合には、日米両国政府は、適切
 に共同して対処し、極力早期にこれを排除する。

1 日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合

  日米両国政府は、情報交換及び政策協議を強化するとともに、日米間の調
 整メカニズムの運用を早期に開始する。日米両国政府は、適切に協力しつつ
 、合意によって選択された準備段階に従い、整合のとれた対応を確保 する
 ために必要な準備を行う。日本は、米軍の来援基盤を構築し、維持する。ま
 た、日米両国政府は、情勢の 変化に応じ、情報収集及び警戒監視を強化す
 るとともに、日本に対する武力攻撃に発展し得る行為に対応するための準備
 を行う。

  日米両国政府は、事態の拡大を抑制するため、外交上のものを含むあらゆ
 る努力を払う。

  なお、日米両国政府は、周辺事態の推移によっては日本に対する武力攻撃
 が差し迫ったものとなるような場合もあり得ることを念頭に置きつつ、日本
 の防衛のための準備と周辺事態への対応又はそのための準備との間の密接な
 相互関係に留意する。

2 日本に対する武力攻撃がなされた場合

(1) 整合のとれた共同対処行動のための基本的な考え方

 (イ) 日本は、日本に対する武力攻撃に即応して主体的に行動し、極力早期に
   これを排除する。その際、米国は、日本に対して適切に協力する。この
   ような日米協力の在り方は、武力攻撃の規模、態様、事態の推移その他
   の要素により異なるが、これには、整合のとれた共同の作戦の実施及び
   そのための準備、事態の拡大を抑制するための措置、警戒監視並びに情
   報交換についての協力が含まれ得る。

 (ロ) 自衛隊及び米軍が作戦を共同して実施する場合には、双方は、整合性を
   確保しつつ、適時かつ適切な形で、各々の防衛力を運用する。その際、
   双方は、各々の陸・海・空部隊の効果的な統合運用を行う。自衛隊は、
   主として日本の領域及びその周辺海空域において防勢作戦を行い、米軍
   は、自衛隊の行う作戦を支援する。米軍は、また、自衛隊の能力を補完
   するための作戦を実施する。

 (ハ) 米国は、兵力を適時に来援させ、日本は、これを促進するための基盤を
   構築し、維持する。

(2) 作戦構想

 (イ) 日本に対する航空侵攻に対処するための作戦
    自衛隊及び米軍は、日本に対する航空侵攻に対処するための作戦を共
   同して実施する。
    自衛隊は、防空のための作戦を主体的に実施する。
    米軍は、自衛隊の行う作戦を支援するとともに、打撃力の使用を伴う
   ような作戦を含め、自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する。

 (ロ) 日本周辺海域の防衛及び海上交通の保護のための作戦
    自衛隊及び米軍は、日本周辺海域の防衛のための作戦及び海上交通の
   保護のための作戦を共同して実施する。
    自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備、日本周辺海域における
   船舶の保護並びにその他の作戦を主体的に実施する。
    米軍は、自衛隊の行う作戦を支援するとともに、機動打撃力の使用を
   伴うような作戦を含め、自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する
   。

 (ハ) 日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦
    自衛隊及び米軍は、日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦を
   共同して実施する。
    自衛隊は、日本に対する着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦を主
   体的に実施する。
    米軍は、主として自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する。そ
   の際、米国は、侵攻の規模、態様その他の要素に応じ、極力早期に兵力
   を来援させ、自衛隊の行う作戦を支援する。

 (ニ) その他の脅威への対応

  (i) 自衛隊は、ゲリラ・コマンドウ攻撃等日本領域に軍事力を潜入させて
    行う不正規型の攻撃を極力早期に阻止し排除するための作戦を主体的
    に実施する。その際、関係機関と密接に協力し調整するとともに、事
    態に応じて米軍の適切な支援を得る。

  (ii) 自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し
    調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要
    に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。

(3) 作戦に係る諸活動及びそれに必要な事項

 (イ) 指揮及び調整
    自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下、各々の指揮系統に従って行動す
   る。
    自衛隊及び米軍は、効果的な作戦を共同して実施するため、役割分担
   の決定、作戦行動の整合性の確保等についての手続をあらかじめ定めて
   おく。

 (ロ) 日本周辺海域の防衛及び海上交通の保護のための作戦
    自衛隊及び米軍は、日本周辺海域の防衛のための作戦及び海上交通の
   保護のための作戦を共同して実施する。
    自衛隊は、日本の重要な港湾及び海峡の防備、日本周辺海域における
   船舶の保護並びにその他の作戦を主体的に実施する。
    米軍は、自衛隊の行う作戦を支援するとともに、機動打撃力の使用を
   伴うような作戦を含め、自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する
   。

 (ハ) 日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦
    自衛隊及び米軍は、日本に対する着上陸侵攻に対処するための作戦を
   共同して実施する。
    自衛隊は、日本に対する着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦を主
   体的に実施する。
    米軍は、主として自衛隊の能力を補完するための作戦を実施する。そ
   の際、米国は、侵攻の規模、態様その他の要素に応じ、極力早期に兵力
   を来援させ、自衛隊の行う作戦を支援する。

 (ニ) その他の脅威への対応

  (i) 自衛隊は、ゲリラ・コマンドウ攻撃等日本領域に軍事力を潜入させて
    行う不正規型の攻撃を極力早期に阻止し排除するための作戦を主体的
    に実施する。その際、関係機関と密接に協力し調整するとともに、事
    態に応じて米軍の適切な支援を得る。

  (ii) 自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対応するために密接に協力し
    調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要
    に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する。

(3) 作戦に係る諸活動及びそれに必要な事項

 (イ) 指揮及び調整
    自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下、各々の指揮系統に従って行動す
   る。自衛隊及び米軍は、効果的な作戦を共同して実施するため、役割分
   担の決定、作戦行動の整合性の確保等についての手続をあらかじめ定め
   ておく。

 (ロ) 日米間の調整メカニズム
    日米両国の関係機関の間における必要な調整は、日米間の調整メカニ
   ズムを通じて行われる。自衛隊及び米軍は、効果的な作戦を共同して実
   施するため、作戦、情報活動及び後方支援について、日米共同調整所の
   活用を含め、この調整メカニズムを通じて相互に緊密に調整する。

 (ハ) 通信電子活動
    日米両国政府は、通信電子能力の効果的な活用を確保するため、相互
   に支援する。

 (ニ) 情報活動
    日米両国政府は、効果的な作戦を共同して実施するため、情報活動に
   ついて協力する。これには、情報の要求、収集、処理及び配布について
   の調整が含まれる。その際、日米両国政府は、共有した情報の保全に関
   し各々責任を負う。

 (ホ) 後方支援活動
    自衛隊及び米軍は、日米間の適切な取決めに従い、効率的かつ適切に
   後方支援活動を実施する。
    日米両国政府は、後方支援の効率性を向上させ、かつ、各々の能力不
   足を軽減するよう、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並
   びに民間が有する能力を適切に活用しつつ、相互支援活動を実施する。
   その際、特に次の事項に配慮する。

  (i) 補給
     米国は、米国製の装備品等の補給品の取得を支援し、日本は、日本
    国内における補給品の取得を支援する。

  (ii) 輸送
     日米両国政府は、米国から日本への補給品の航空輸送及び海上輸送
    を含む輸送活動について、緊密に協力する。

  (iii) 整備
     日本は、日本国内において米軍の装備品の整備を支援し、米国は、
    米国製の品目の整備であって日本の整備能力が及ばないものについて
    支援を行う。整備の支援には、必要に応じ、整備要員の技術指導を含
    む。また、日本は、サルベージ及び回収に関する米軍の需要について
    も支援を行う。

  (iv) 施設
     日本は、必要に応じ、日米安全保障条約及びその関連取極に従って
    新たな施設・区域を提供する。また、作戦を効果的かつ効率的に実施
    するために必要な場合には、自衛隊及び米軍は、同条約及びその関連
    取極に従って、自衛隊の施設及び米軍の施設・区域の共同使用を実施
    する。

  (v) 衛生
     日米両国政府は、衛生の分野において、傷病者の治療及び後送等の
    相互支援を行う。


Ⅴ 日本周辺地域における事態で日本の平和と安全に
  重要な影響を与える場合(周辺事態)の協力


  周辺事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態である。周辺事
 態の概念は、地理的なものではなく、事態の性質に着目したものである。日
 米両国政府は、周辺事態が発生することのないよう、外交上のものを含むあ
 らゆる努力を払う。日米両国政府は、個々の事態の状況について共通の認識
 に到達した場合に、各々の行う活動を効果的に調整する。なお、周辺事態に
 対応する際にとられる措置は、情勢に応じて異なり得るものである。

1 周辺事態が予想される場合

  周辺事態が予想される場合には、日米両国政府は、その事態について共通
 の認識に到達するための努力を含め、情報交換及び政策協議を強化する。

  同時に、日米両国政府は、事態の拡大を抑制するため、外交上のものを含
 むあらゆる努力を払うとともに、日米共同調整所の活用を含め、日米間の調
 整メカニズムの運用を早期に開始する。また、日米両国政府は、適切に協力
 しつつ、合意によって選択された準備段階に従い、整合のとれた対応を確保
 するために必要な準備を行う。更に、日米両国政府は、情勢の変化に応じ、
 情報収集及び警戒監視を強化するとともに、情勢に対応するための即応態勢
 を強化する。

2 周辺事態への対応

  周辺事態への対応に際しては、日米両国政府は、事態の拡大の抑制のため
 のものを含む適切な措置をとる。これらの措置は、上記Ⅱに掲げられた基本
 的な前提及び考え方に従い、かつ、各々の判断に基づいてとられる。日米両
 国政府は、適切な取決めに従って、必要に応じて相互支援を行う。

  協力の対象となる機能及び分野並びに協力項目例は、以下に整理し、別表
 に示すとおりである。

 (1) 日米両国政府が各々主体的に行う活動における協力
    日米両国政府は、以下の活動を各々の判断の下に実施することができ
   るが、日米間の協力は、その実効性を高めることとなる。

  (イ) 救援活動及び避難民への対応のための措置
     日米両国政府は、被災地の現地当局の同意と協力を得つつ、救援活
    動を行う。日米両国政府は、各々の能力を勘案しつつ、必要に応じて
    協力する。
     日米両国政府は、避難民の取扱いについて、必要に応じて協力する
    。避難民が日本の領域に流入してくる場合については、日本がその対
    応の在り方を決定するとともに、主として日本が責任を持ってこれに
    対応し、米国は適切な支援を行う。

  (ロ) 捜索・救難
     日米両国政府は、捜索・救難活動について協力する。日本は、日本
    領域及び戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本の周囲
    の海域において捜索・救難活動を実施する。米国は、米軍が活動して
    いる際には、活動区域内及びその付近での捜索・救難活動を実施する
    。

  (ハ) 非戦闘員を退避させるための活動
     日本国民又は米国国民である非戦闘員を第三国から安全な地域に退
    避させる必要が生じる場合には、日米両国政府は、自国の国民の退避
    及び現地当局との関係について各々責任を有する。日米両国政府は、
    各々が適切であると判断する場合には、各々の有する能力を相互補完
    的に使用しつつ、輸送手段の確保、輸送及び施設の使用に係るものを
    含め、これらの非戦闘員の退避に関して、計画に際して調整し、また
    、実施に際して協力する。日本国民又は米国国民以外の非戦闘員につ
    いて同様の必要が生じる場合には、日米両国が、各々の基準に従って
    、第三国の国民に対して退避に係る援助を行うことを検討することも
    ある。

  (ニ) 国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の実効性を確保する
     ための活動
     日米両国政府は、国際の平和と安定の維持を目的とする経済制裁の
    実効性を確保するための活動に対し、各々の基準に従って寄与する。
     また、日米両国政府は、各々の能力を勘案しつつ、適切に協力する
    。そのような協力には、情報交換、及び国際連合安全保障理事会決議
    に基づく船舶の検査に際しての協力が含まれる。

 (2) 米軍の活動に対する日本の支援

  (イ) 施設の使用
     日米安全保障条約及びその関連取極に基づき、日本は、必要に応じ
    、新たな施設・区域の提供を適時かつ適切に行うとともに、米軍によ
    る自衛隊施設及び民間空港・港湾の一時的使用を確保する。

  (ロ) 後方地域支援
     日本は、日米安全保障条約の目的の達成のため活動する米軍に対し
    て、後方地域支援を行う。この後方地域支援は、米軍が施設の使用及
    び種々の活動を効果的に行うことを可能とすることを主眼とするもの
    である。そのような性質から、後方地域支援は、主として日本の領域
    において行われるが、戦闘行動が行われている地域とは一線を画され
    る日本の周囲の公海及びその上空において行われることもあると考え
    られる。
     後方地域支援を行うに当たって、日本は、中央政府及び地方公共団
    体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。
     自衛隊は、日本の防衛及び公共の秩序維持のための任務の遂行と整
    合を図りつつ、適切にこのような支援を行う。

 (3) 運用面における日米協力
    周辺事態は、日本の平和と安全に重要な影響を与えることから、自衛
   隊は、生命・財産の保護及び航行の安全確保を目的として、情報収集、
   警戒監視、機雷の除去等の活動を行う。米軍は、周辺事態により影響を
   受けた平和と安全の回復のための活動を行う。
    自衛隊及び米軍の双方の活動の実効性は、関係機関の関与を得た協力
   及び調整により、大きく高められる。


 ※省略
  ※省略
別表 ※省略

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