川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

モノの製造現場から離れるほど所得が高くなる

2006-04-28 08:48:31 | Weblog


「モノの製造現場から離れるほど所得が高くなる」という印象を持っています。私は、前線で働く、現場で働く、ということに重きを置きます。ですから、不合理だという印象を持っています。

大企業同士の中でも、一般的に言って、製造業よりも金融・証券関係や商社系統の方が給与水準が高い。

企業の中では、職務の中で労働管理=人間管理の要素が高い人の方が、実際に事務・販売・製造等の仕事に携わる人より、給与水準が高い。

研究職に典型的なように、知的作業に特化している人の方が、そうでない人より給与水準が高い。ただ、研究職や調査職などは、前線・現場の仕事だと私は思っています、

同じ商人でも、衣料品や食料品や製造器材など、モノを扱う商人と、保険や株の売買、クレジット・サラ金など金融商品を扱う商人をくらべると、後者の方が給与水準が高い。

給与格差は、能力の問題ということになっています。でも、それは、給与水準の良い人たちが言っていることです。給与水準の良くない人たちから見れば、また別の話がたっぷりとあるでしょう。

富の源泉は地球上に元々あったものです。それを採取し、育て、加工し、あっちこっちやりとりしたりして、経済が成り立っています。地球上に元々あったものがすべての源泉ということであれば、すべての人々に平等に富が行き渡ってもいい。

それが平等に行き渡らない。富の偏在です。これを否定すれば、人間社会が成り立ちません。富の偏在はありのままに受け入れましょう。

しかし、富の偏在があるという事実も、すなおに認めましょう。富の偏在とは、さまざまな理屈によって、ある人がほかの人よりたくさん取り込むということです。

所得の良い人は多少は罪悪感をもって、謙虚に自制心をもって、その分、他人のために、社会のために尽くしましょう。「ほかよりたくさん税金を払うて貢献してるやないか、税金をちょっとしか払うてない奴がえらそうなこと言うな」などと、傲慢なことは決して言わないでくださいね。

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育て常識人

2006-04-23 08:17:11 | Weblog


育て常識人。これ、今朝の朝日新聞記事のリードです。基本的なマナーを知らない若者が多いという声が多い(昔から、いつの時代でも、こういう声が多いのです)ことから、常識度を測る基準を作ってみてはどうかということになった。それで関係者で日本常識検定協会を作り、2001年から試験を始めたそうです。

常識度を測る3級試験の出題例が記載されています。甚だ頼りなく恥ずかしいことですが、私は確答できませんでした。

例1.「小春日和」を使う時期として適切な月は。
例2.門松などお正月のお飾りは、遅くてもいつまでに飾るのが適切とされるか。

冠婚葬祭マナーの実用書は、私の子どものころからずっと、常に本屋にあります。私に限らず。生活常識について、うろ覚えで心もとなかったり、まったく知らなかったりという大人が多いということでしょう。だから、大人にとっても良い試験ですね。日常生活を円滑に送るための生活常識は、できるだけ身につけましょう。

というわけで、試験内容を授業や課外学習で取り上げる高校や、受験を進める企業があるそうです。
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天下り人!

2006-04-21 04:07:41 | Weblog


どんな業界でも、〇〇協会、〇〇連合会、〇〇組合などの業界団体があります。新しく発生し勃興したビジネスについても、社会的な影響力を認知されるほどになると、業界団体ができます。たとえば、今をときめくIT業界のように。

どのような経緯を踏み、いかようにして業界団体が作られるのか。それは知りませんが、行政の誘導によるもののようです。官公需に頼る業界は行政側の意向に逆らうことはできません。電力・ガス・通信・交通・運輸などの公益関係、保険・銀行・証券などの金融関係、医療・薬品関係、医師・弁護士から行政書士に至るまで各種士業の業界。行政の統制は、網の目のごとくに及んでいます。

行政の統制監督を、私は原則必要であると思っています。名だたる大企業でさえ、汚職や不正行為が毎年のごとく、しかも数多く報道されています。力のない中小・零細企業なら、監督がなければ違法すれすれまたは違法な不正行為続出だろうと思います。しかしながら……。

私が仕事で関係した地方末端の業界団体を見ますと、その団体を所管する行政部署には三つのメリットがあったと想像します。

一つは、最新の規制情報や技術情報を伝達するなど、業界指導をスピーディーに、省力的に実施できること。これは、行政側と業界の双方にメリットがあり、良いことでしょう。ただし、団体に所属しない事業者に対する、団体所属事業者の特権的立場を保証する形にもなっています。情報の独占です。行政側は、業界団体に所属しない事業者に、情報を伝える努力をしません。

二つ目は、業界団体の専務理事や事務局長という、団体運営の中心になる役職を元公務員で占めることです。天下りです! 私の仕事で関係した小さな業界団体では3年交代を目安にしていたようです。天下り人は、その団体の動向や団体所属事業者の個別情報を元職の行政担当部課に伝えます。これは、個別事業者と行政側との新たな縁結びにもつながります。すなわち新たな天下り先の開拓です。

三つ目は、官公需受注事業者のセレクションです。指名競争入札においては、指名に入るかどうかが、第一段階の勝負です。口実がどうであれ、天下り人のいる事業者が有利なことはまちがいありません。また、業界団体所属事業者同士は顔見知りですし、なじみもあります。指名業者の間から、発注者になじみのある事業者が受注する可能性が高くなります。

官公需の発注者にとって、気心の知れた天下り人のいる事業者の方が、一般的に仕事がやり安い(事業者の資質が良くない場合など例外はあります)。また、天下り人のいない事業者でも、なじみがありサービスの良い事業者の方が、発注者にとってありがたいのは当然です。

私は高校育友会の役職を務めたことがあります。これにも市や県の連合団体があります。県の場合、事務局長は教育委員会の天下り人でした。連合団体の実態は、おおむね県の上意下達機関でした。会議で意見は活発に出ます。しかし教育委員会の意向に反する意見は、さまざまな理由を付されて、連合団体の意思としてまとめられることはなかったのです。そういう方向に誘導しなければ、天下り人自身が元職の機関からお叱りを受けるのでしょう。

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行政機関に割り振りさせる赤十字集金システム

2006-04-12 04:14:29 | Weblog


私の居住地では、赤十字の寄付金を毎年一定額、自治会費からまとめて払っています。自治会員の各家庭が自主的に寄付した形になっています。そして自治会を通じて、赤い羽根が各家庭に配布されます。自治会費の中から払われますから、各家庭では寄付したという意識がありません。

その寄付金額はどういう根拠で決まるのか、と問うたことがあります。市町村に一定額が割り振られ、それを家庭に割り振るのです。要するに行政機関を通じて集金しているわけです。誰が市町村に割り振り、金額を決めるのかは聞き漏らしました。

日本赤十字会の中央には名門の紳士淑女が名誉職的に勤務していて、また官僚の天下り先でもあるようです。その彼らが陣頭に立って寄付金を募るなら、快く募金にも応じましょう。でも、行政機関を通じた集金システムで吸い上げる今の状況では、日本赤十字会の職員を養う気になれません。
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治療代未払い急増 低所得者・負担増響く

2006-04-09 08:07:21 | Weblog


県立高校育友会の役員をした経験があります。あるとき、事務長さんと話していたら、「授業料を納めない人がいる」と苦々しげに言いました。年間8万円くらいを払わない、あるいは払えないことは、定収入が保障された公務員の彼にとって、考えられないことでした。

また別の折には、修学旅行の折に、約400人の生徒の中で、ほぼ毎年、数人は参加できない生徒がいると聞きました。不登校や病気がその理由ですが、なかには経済的な理由の生徒もいます。

授業料が払えない生徒も、お金がなくて修学旅行に行けない生徒も、1学年につきたったの1人か、またはせいぜい2,3人のことでした。

それでも、私は、母子家庭や無職家庭を想像して、胸が痛みました。

今、生活に苦しむ家庭が増えています。

今朝、4月9日朝日朝刊の一面トップのリードを見てください。

治療代未払い急増
低所得者・負担増響く

これに対する日本福祉大学の近藤克則教授のコメントです。

患者のモラル低下や病院経営の甘さだけでは説明できない増加だ。生活保護などのセーフティーネットからもこぼれ落ちている人が多いためだ。

医療費の自己負担額を増やせば未収金は増え、結局、払えない層を救うため社会的な費用負担も増える。

背景には貧困層の拡大があるから、厳しく取り立てても未収金はなくならないだろう。制度を根本から問い直すべきだ。

この近藤教授のコメントは、私の持論に全く同じです。

翻って、厚生労働省医政局指導課のコメントです。

(医療)制度が保険料や税金で支えられていることを自覚し、患者の方には一定の負担は支払っていただきたい。医療機関も徴収に向けて努力してほしい。原則3割の負担が払えない人のために高額医療費などの諸制度を設けており、負担増が原因という見方は違うのではないか。

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