川本ちょっとメモ

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橋本府知事への警鐘――傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡 (3・完)

2011-03-23 02:39:45 | Weblog


―(2)からつづく―

前回(2)では、朝日新聞の「傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡」 http://www.asahi.com/national/update/0318/TKY201103180170.htmlを転載しました。今回も河北新報と読売新聞の新聞記事を下に転載します。

読売新聞記事では、「地域政党『大阪維新の会』を率いる橋下知事は、咲洲への本庁舎全面移転を府議選の争点に掲げる構えだが」とあります。しかし東日本大震災の惨状を見て、「本庁舎全面移転の争点隠し」が行われるのではないでしょうか。それでもこのたびの「東京湾岸の液状化」という現実から目をそらすことはできません。

こんどの東日本大震災を見て、プレート型の南海大地震がいよいよ近くなったという不安から逃れることはできません。コトが起きたとき、救援司令塔となる府庁が咲洲にあれば、地盤沈下・液状化・津波などの困難が幾重にも重なるものと心配でなりません。関西広域連合・大阪都構想よりも先に、橋本府知事と「維新の会」が『南港移転撤回』を約束してくれるよう、元大阪府民がやたらに多い隣接の奈良県から願っています。


●河北新報 KAHOKU ONLINE NETWORK 2011年03月21日月曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110321t13003.htm

大潮の時期を迎え、沿岸各地は潮位の変化に警戒を強めている。震災の地殻変動で地盤が沈下した宮城県気仙沼市の港周辺では数日前から、満潮の時刻が近づくと道路の裂け目や下水溝から海水が湧きだし、周辺の道路で冠水を繰り返している。

 気仙沼市南町では20日午後、油膜を帯びた海水が道路を覆った。水深は深い所で約50センチ。がれきの撤去をしていた人たちも作業を打ち切った。自宅を片付けていた主婦管野さき子さん(56)は「いつまでも冠水が続くと思をうと心配」と気をもんだ。

 市の調査では、気仙沼港周辺の地盤は地震で約70センチ沈下した。普段の大潮でも道路上に海水が最大で20センチ程度あふれたというが、地震後は50~70センチに達している。冠水エリアは港周辺の約90万平方メートルに及ぶ。

 仙台管区気象台は岩手、宮城、福島3県の太平洋沿岸に高潮注意報を発令。大潮の期間に当たる26日まで潮位の変化に注意するよう呼び掛けている。地盤が沈下した沿岸部では海岸や河口付近で冠水の恐れがある。

 気象台は「風が強まると潮位も上がるため、注意報を警報に切り替えることもある。被災地で復旧作業に当たっている関係者や、自宅に戻っている被災者は警戒してほしい」と話している。


●読売新聞 YOMIURI ONLINE 2011年3月13日14時00分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110313-OYT1T00061.htm

東日本巨大地震で、大阪・南港の府咲洲(さきしま)庁舎(旧WTC、55階建て)は、丸1日以上にわたって一部エレベーターが停止するなどの被害を受けた。

地域政党「大阪維新の会」を率いる橋下知事は、咲洲への本庁舎全面移転を府議選の争点に掲げる構えだが、防災拠点としての機能性に疑問符が付いた形で、論議を呼びそうだ。

府内の揺れは最大で震度3だったが、西日本一の高さ(256メートル)を誇る咲洲庁舎では、「ゆっくりした長い揺れが10分近く続いた」(府職員)という。超高層ビルに深刻な被害をもたらすとされる「長周期地震動」の影響とみられ、発生時に展望台にいたという男子大学生(22)は「長い横揺れに立っていられなかった。手すりにずっとつかまっていた」と話す。

設備面のトラブルも相次ぎ、エレベーター全26基が緊急停止。うち4基に男性5人が閉じこめられ、全員救助まで5時間近くもかかった。エレベーターを支えるワイヤロープが絡まる被害も出るなど、発生から丸1日が過ぎた12日夜の時点でも8基が復旧していないという。

また、咲洲庁舎に近い天保山では60センチの津波が到達しており、近い将来の発生が予想される東南海・南海地震では、周辺がさらに高い津波に見舞われる可能性がある。埋め立て地にみられる液状化現象によって道路の通行ができなくなる恐れもあり、河田恵昭・関西大教授(防災・減災論)は「防災上、長所より欠点がはるかに多く、庁舎移転はやめるべきだ」などと指摘していた。

今回の地震について、橋下知事は11日夜、報道陣に「咲洲庁舎自体に問題はなかったが、揺れへの対応をしっかりしないといけない」と述べ、同庁舎の耐震性を強化する考えを示した。ただ、府議会からは「緊急事態に対応する拠点の役割を担えないのではないか」(民主党府議)との声が出ている


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橋本府知事への警鐘――傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡 (2)

2011-03-22 08:38:28 | Weblog


―(1)からつづく―

南港への府庁舎移転に賛成の側では、「南港は埋立地ではあるが地質が粘土質なので液状化への心配は取り越し苦労」という主旨のことを言っているらしい。

奈良県にはため池がたくさんあります。農業用水の必要がなくなって長年にわたって放置されている小さなため池をいくつか知っています。それらは池底が抜けて、から池になっています。粘土でびっしり固めて手入れをしていなければ、粘土にひびが入ったり穴があいたりして、水が溜まりません。田も同じです。床土を粘土で固めてあるので、用水を張って水田になります。床土としての粘土に穴があいたりひびが入っていては、水が溜まりません。

この逆の理屈で地下から水が噴出するとなれば、たとえ粘土であっても穴やひび割れの所から噴出することでしょう。南港全体の地下に、粘土を張りつめてあるわけではないでしょう。粘土質の部分にあっても、穴やひび割れがあるでしょう。粘土以外の土質の部分も入り混じっていることでしょう。田やため池を作るときのように、粘土を一面にびっしりと突き固めているわけがないでしょう。

広い南港全域に粘土を敷き詰めることなどできるはずもありません。たとえそうであるとしても、大地震では地割れが起こるのですから、その粘土敷き詰めも亀裂してズタズタになるかもしれません。「粘土質だからマシ」など、話になりません。

朝日新聞 asahi.com 2011年3月18日12時5分では、「傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡」という記事と写真で、液状化の記録をまとめています。記事とともに、ぜひとも写真を見ておいてください。写真をひと目見れば、それだけで南港と大阪府咲洲庁舎の危なさがわかります。

以下に朝日新聞記事を転載します。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 地中から飛び出したマンホールや排水管、泥が噴き出した道路や遊歩道の地割れ。東日本大震災は、住宅やマンションの立ち並ぶ首都圏の埋め立て地域や水辺のまちに液状化現象も引き起こした。

 ●千葉

 千葉県は浦安市や千葉市美浜区の幕張地区で液状化が起きた。東京ディズニーリゾートのある浦安市は、JR京葉線周辺から海側の埋め立て地一帯で断水。18日現在でも3万7千世帯で復旧が遅れており、下水道も約4割の地域で使えない。

 マンションが立ち並ぶ地域の道路は、地中のマンホールが大人の背丈ほどの高さに飛び出た。道路はあちこちでひび割れ波打ち、噴き出した泥が黒く固まっている。


 地震発生時は地盤がゆるみ傾く家が続出。12、13日の週末は、道路を覆った砂をスコップで掘る人がめだった。浦安市の弁天地区で、40~50センチの深さの泥で埋まった車2台を掘り出した榊原正さん(52)は「家も傾き沈んだ。どこまで直せるのか」と疲れた表情で語った。

 林立するマンションも、基礎杭を打ち込んだ建物は無事に見えるが、周囲の地面が沈み、地中の排水管がむき出しになっている。

 浦安市日の出5丁目の大型マンションは排水管が壊れて600戸が水道、トイレを使えなくなった。「これだけ街中が壊れると行政だけに頼れない」と自治会役員の神田茂樹さん(49)。管理組合と自治会で仮設トイレを設置し、汚水槽から仮の管をつないで下水管までつないだ。

 千葉市美浜区の幕張地区でも液状化で地震直後から断水や減水となり、最大で一時8100世帯が不自由を強いられたが、17日夕に復旧した。

 ●茨城

 茨城県潮来市日の出地区。湖と川に囲まれた新興住宅地は、電柱が傾き、電線が垂れ下がっている。家は沈み、道路は大きく波打っている。約120世帯、約200人が避難生活を送っている。

 避難所の中学校に水をもらいに来た主婦(51)は「個人の力ではどうにもならない」とため息をついた。自宅は40~50センチも沈み、10度ほど傾いた。調査に来た修理業者は家に入るなり「気分が悪くなった」と言った。市全域で上下水道が被害を受け、トイレも使えない。

 別の女性(34)は家から布団を運び出していた。「これからもさらに家が沈む」と言われたという。門が傾いた家から出てきた女性(81)は「何もかも傾いていて、いつも揺れているみたいでおっかない」と不安をもらした。

 ●東京

 東京都内でも海岸に近い江東区や江戸川区で液状化が起きた。江東区は区内13カ所で液状化を確認。新木場駅南側で土砂が噴き出て道をおおい、ひびが入ったり波打ったりしている。江戸川区も東京湾に面した埋め立て地で、公園、緑地、民家の敷地などで砂が噴き出し、10~30センチ陥没したところもある。

―(3)につづく―





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橋本府知事への警鐘――傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡 (1)

2011-03-21 03:16:38 | Weblog


橋本大阪府知事が大阪南港のコスモタワーに府庁舎を移して「咲洲庁舎」とした。液状化など防災上の反対が多くあるにもかかわらず、庁舎の移転を実行しました。次の地方選で知事政党・維新の会が府議会多数派を得れば、本庁全面移転はまちがいないものと思われます。災害時の救援センター、救援の司令塔になるべき大阪府庁が、救助対象になる危険性が大きいのです。

神戸・淡路大震災のとき、神戸の埋立地・ポートアイランドが孤立しました。関西人にはその記憶が生々しい。そろそろ東南海地震が起きる周期に入っていると言われつづけてきました。このたびの太平洋プレートの巨大地震と余震の幅広さ、回数、大きい震度などを思い合わせると、隣に接するフィリピン海プレートも影響を受けるだろうと思うのが人情でしょう。いよいよ.次は大阪の番かと不安に駆られます。私の住む奈良県でも震度5くらいの覚悟は必要かと自分に言い聞かせています。

南港は埋立地ですから、これまでに発生した地震の実例に鑑みて「液状化」の危険性が大きい。災害時に、府庁はフル回転してもらわなければいけません。液状化で府庁が動けないとか、南港地域とともに孤立してもらっては困ります。

南港は埋立地で、大阪市の陸地とつなぐのは「咲洲トンネル」。これは電車トンネルで地下鉄中央線です。あと「港大橋」と「南港大橋」の橋二つ。 ①港大橋。これを渡って、天保山運河を越えて弁天町に至る。しかしその先にまだ木津川があります。 ②南港大橋。つづいて平林大橋を渡り、敷津運河を越えて、北加賀屋に至ります。 ③南港大橋。つづいて海つづきの大きな第1貯木場・第2貯木場を越えて住之江公園に至ります。

千葉県浦安市に知人がいます。ディズニーランドのある浦安市です。3月14日に電話をしました。地震発生は3月11日で、千葉の震度は「5強」。東京都は大方の地域が「5強」か「6弱」でした。

知人が住んでいる浦安市の住宅地は電気・水道が止まったまま、道路は液状化ででこぼこになっていると言います。浦安市に液状化が起きたと知って、ユーチューブを見ました。思った通りユーチューブには、このたびの巨大地震による浦安市ほかの液状化の動画記録が、いくつも寄せられています。

―(2)につづく―



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漢検理事長解任劇 堀場氏―京都党 高坂氏―まえはら誠司後援会

2011-03-17 04:13:49 | Weblog


2011-03-14にアップした「漢検理事長任期途中解任は堀場雅夫氏による権力闘争ではないか?」の記事中に一部まちがいがありましたので削除することにしました。その部分を修正し表題を改めて再掲いたします。

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3月5日、漢検(日本漢字能力検定協会)の池坊保子理事長(68)が任期途中で解任されました。任期途中の解任というのは、普通にはないことです。代わって新理事長に選任されたのは、高坂節三・東京都教育委員(74)です。漢検の不祥事が明らかになった後、理事長に元日本弁護士連合会会長・鬼追明夫氏が就任し、昨年2010年4月に池坊氏が理事長に就任しました。

解任の理由は、「池坊氏が国会議員で多忙であり、東京在住のため理事会出席が難しい」というものでした。新理事長の高坂氏は東京から京都に移住して漢検業務に専念すると言っています。

池坊氏は毎日新聞の取材に「これまで理事会には出席してきた」と、多忙などとする解任理由を否定しました。「協会に退任を要求する怪文書が届いたり、街宣車がやって来て『退任しろ』と迫られたりしていたと言います。他の理事からも『経営力がない』と退任を勧められた。私を嫌う人の差し金としか思えない」と反発し、「弁護士と相談して法的措置を検討する」と話しています。

解任に賛成した漢検理事の有名人には、堀場雅夫・堀場製作所最高顧問や有馬頼底・臨済宗相国寺派管長(委任状)がいます。有馬氏は2月17日の朝日新聞で、「2億円の申告漏れ」を報道されています。京都仏教会の重鎮の一人です。堀場氏は京都財界の雄であり、地域政党「京都党」の後見人で実質的なオーナーと言ってもよい。

新理事長となる高坂節三氏は京都育ちの東京人です。経歴は京大卒、元伊藤忠商事常務、元栗田工業会長というものです。こんどの解任劇について注目するべきは、2009年時点で「まえはら誠司東京後援会代表者」であることです。今も代表者であるかどうかは知りません。

池坊保子氏は公明党衆議院議員。池坊家元・専永氏夫人。長女は池坊次期家元に予定されています。

堀場雅夫氏と高坂節三氏のつながりは財界人脈でしょうか。堀場雅夫氏は京都党の後見人で、高坂節三氏は「まえはら誠司東京後援会代表者」の地位にありました。

これらのことから、今回の漢検理事長任期途中の解任劇は堀場氏の「仕掛け」ではないかと私は見ています。京都党の実質オーナーである堀場氏による権力闘争でしょう。名分のない強引な仕業です。



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