叙事詩 人間賛歌

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人間賛歌 信仰に生きる 三十二

2009年08月05日 | 信仰に生きる
 法華経にたどりつく *

日名子さん、
「先生、奥さんに反対してやめさせた法華経の信仰を、先生がされたことは
ちょつと意外です。
よろしかったら詳しいいきさつを教えていただけないでしょうか。」

ジッチャン、
「前回私が学会に入ったワケを言いましたが、実はその時私は宗教を求め
ていたのです。
そのころ「平常心」という本がでましてね。
たしか高橋某という、松下電器の社員教育の責任者が書いた本でした。

それを読んでその内容にひどくひかれたのです。
平常心というのは、何があってもビクともしない強い心のことで、仏教では
不動心というそうです。
これを身につけておくと、人生の途上でどんなことに出会っても、うろたえず
落ち着いて対応でき、平常心を得るには宗教を持つことが一番近道である
と、書いてあったのです。

私は当時大きな借金を抱えており、借金取りにあうのが恐くていつもびくび
くしていました。
 そんな弱い自分を変えて、借金取りにあっても平然としておられる強い心
になりたいと思っていたのです。」

日名子さん、
「それですんなり法華経の信仰に入ったというワケですか? 」

ジッチャン、
「いや、そうではないのです。
平常心を持つには宗教が必要だと書いていましたが、どの宗教がいいか
という点については書いていなかったのです。

 そこで自分でキリスト教や禅の勉強をしました。
キリスト教は内村鑑三の著書を読んでずいぶん勉強しましたが、聖書のな
かに、「富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧する」という
文がありましたので、貧乏している私には向かないなと思いました。

 また禅も、禅の本を読み、家内にかくれて自分の部屋で座禅を組んでい
ました。

禅の教えは、この世の一切は空で、有でもなければ無でもない。だから世
間の雑事を離れて、ひたすら座禅を組み、大自然と自分が一体であると
悟るのが修行であると教えていましたので、そのとおりにしていました。

注 内村鑑三 明治時代の大思想家、キリスト者で無教会主義を唱えた。

つづく   

   


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