叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 「新・仏教教室」 九

2008年06月10日 | 新・仏教教室

山本さん、

「先生、また無差別殺人が起きましたね。
自分が死にたいから、たくさんの人を殺して死刑になりたいという動機から
ですが、
これはいままでに起きた事件と共通しています。

 自らいのちを断つ人が、年に三万人以上もいたり、死刑になりたいために
なんの関係もない人を殺す。

まるで殺すことしか問題の解決法がないかのように、親がジャマになる子供
を殺し、子は親を殺す、些細なことで妻が夫を殺す・・
 いったいこの国はどうなってしまうのだろう。と心配になります。

みんな黙っていますが、大部分の人がそう感じているのではないでしょうか。」

ジッチャン、

「山本さんの言うとおり、希望を見失って、どうしてよいか分からない人たち
が、ちまたに充満しているのが、現状だと思いますね。

 ヨーロッパの著名な作家は、

「主要な先進国のなかで、宗教心をもたない民族が経済的に成功したとき、
どんな結果が起きるか歴史的実験をしている国がある。」

と言っています。
もちろん日本を名指してはいないが、日本を批判していることは明らか
ですね。
その作家の懸念
どおりのことが起きて、ますますエスカレートしているのが、
わが国の実情ではないでしょうか。

 このあいだY新聞の面接調査で、
日本人で宗教に関心をもったり、宗教が必要だと思っている人は、
全体の三割で、あとの七割は宗教に関心がなく、必要もないという人であ
った。という調査結果が新聞に出ていたね。

 ちなみにこれを他の国と比べてみると、イギリスでは七割の人が宗教の
必要性をみとめ、アメリカでは実に九割の人が、宗教は必要であると思っ
ているそうだ。

 「宗教がないのは、家に柱がなく、人に魂がないようなものだ。」
と先哲は指摘するが、生命の大事さを教える宗教がないということは、自他
ともの生命を粗末にし、人を殺したり、自殺するのが当たり前のような社会
をつくっているのだ。

一部のテレビのドラマは殺人事件ばかりで、目立つ小説は殺人と観光旅行
をあわせた殺人観光旅行小説がハンランしている。

 あれほど多くの推理小説を書いたアガサ・クリステーは、
殺人の起きた作品はただの一つも書いていないし、オオドロボーの
アルセーヌ・ルパンは絶対に人を殺さなかったことで、子供たちに人気が
あったのだ。

つづく