リスペクトコラムです。
チェアマンネタが続きます。Jリーグ公式YouTubeチャンネルの中の「ののチャンネル」もよく観ます。様々な旬なテーマで野々村チェアマンの見解を聴く事ができます。チェアマン本人の言葉なので、ストレートで正確です。最近聴いた中で一番インパクトがあったのが「フットボール委員会」ネタです。何となくイメージは持っていましたが、より具体的に立ち位置を知る事ができました。選手、クラブ社長出身のチェアマンならではの見解でした。要約してリスペクトしてみました。
【疑問・質問】
がっきー氏(MC):視聴者より質問。「フットボール委員会」の設置についてというリリースを読ませてもらいました。この委員会がやることを具体的に教えてください。またこの委員会の人選はどのように決めたんでしょうか? チェアマンが「フットボール委員会」に期待することはなんでしょう?」
野村チェアマン(野):自分がチェアマンになる時に、最初からこれは作りたいと思っていた。すごく大きな背景、理由としては、実行委員会でクラブで、今まではクラブの人としてJリーグといろいろ話をしている。話をしている中で、やっぱりフットボール的にこうした方が良いって大切なものと、ビジネス的な観点とぶつかり合う事ってかなりある。その話をする時に、どっちが原則優先されるべきかみたいな事、原則だが自分はフットボールだと思っていて、わかりやすくフットボール的にこういう事がフットボールのためには良いよねって、フットボール専門の人達から提言してもらう事がまず必要かなと思っていた。実行委員会や理事会ってフットボールとは関係無い所での優秀な人達が集まってきたりする。その人達にまずフットボール的にはこうなんですという事をしっかり伝えたいと、ゴチャゴチャになってしまう。委員会を作ると、ビジネス的には置いておいて、フットボール的には絶対にこうした方が良いとかって事が、フットボールの立場から出てくる。それを受けてそのフットボールの立場からくる気持ちはわかるが、ビジネス的にはどこかで妥協しなければいけないねというような議論になるのが、わかりやすくてスムーズ。そうなるといいなと思っていて、フットボール的にそれが絶対ならビジネスはちょっと目を瞑ってサッカーのためにはこちらを選ぼうって事もあれば、ビジネス的に考えたら今はフットボールの方には目を瞑ってもらうしかないという事になってもそれでも良いかな。そのために作ろうと思っている。
人選はJリーグもフットボール本部の人達を中心に選んでくれたと思っている。コアなメンバーとして10名くらいをピックアップさせてもらったが、アジェンダ(テーマ)によって専門の人(審判、代理人等)に入ってもらい1つの提言(方向性)をしてもらいたいと思っている。
MC:フットボールとビジネスの難しさは具体的に?
野:例えば昔、2ステージ制があった。フットボール的な観点からすると、1シーズンの方が良いと絶対になると思う。しかしビジネスの事を考えると、こうせざるを得ないという事が当時あったと思われる。自分は当時その議論には入っていなかった。他で言うとJ1昇格プレーオフ。シーズン通しての勝ち点の重要性という、フットボールの側面から見れば3位と6位は違うよねとなる。J2リーグや日本全体のサッカーの盛り上げ方を考え、ビジネス的な側面からするとプレーオフをやるべきという話になる。その時にサッカー的にはどうなのかというのが無くなると、ちょっとよくわからなくなる。
MC:人選はチェアマンが行ったのか?
野:自分だけではない。
(専門委員会規程:第2条(組織・運営)第2項
(2)各専門委員会の委員長および委員はサッカーに関する知識を有し、または学識経験者の中からチェアマンが任命する)
もちろん聞かれて、みんなで話し合って決めた感じ。先日1回目をやって聞いていたが、面白かった。どんな姿を目指したいか、言語化するべきだ、どこをどう目指すからこういう事をやっていく、そこを言語化できるまでに一体何年かかるのかと思ったりした。正解は本当にわからない。
みんなで勉強し議論する場になると、たぶん日本サッカー、Jリーグの現場の目指したい方向性が見えてくるのでいいかなと思う。だから面白い。第1回では、本当に細かい事から大きな事まで話をした。
言語化は難しいと思うが、サッカー的にはこうだよなっていうのを、そこでまとめてくれれば、ビジネス的な部分とバランスを取れる事を我々がやっていけばいいのかな。
MC:委員会に期待する事は?
野:とにかくフットボールの立場から、提言してもらう事かな。もちろんビジネス的な側面も自然と入ってくるところはある。ビジネス目線よりもフットボール目線で提言して欲しい。
個人的にはサッカー(フットボール)の原点に立ち戻る諮問委員会というイメージを持ちました。村井チェアマン時代の理事は、この方サッカーをどこまで知っているのかなという方が多い印象があり、確かにビジネス的な側面が強かったと思います。トップビジネスマンから、選手出身の人材に移り、もう一度サッカーというものに立ち戻って考えたいという意味合いが強いんだと思いました。そして、「2ステージ制」というキーワードが、ビジネス面ありきの象徴として取り上げられた事に強く共感を持ちました。また、上手くぼかしておられましたが、J1昇格プレーオフにも反対なんだなと思いました。そのうちに無くなるかもしれませんね。
個人的にはうれしいし、野々村チェアマンの今回の価値観に強く同感します。これからもよろしくお願いします。
あと、フットボールといえば、最近耳にするのが「フットボール本部」。Jクラブも含めてあちこちで見かけるようになってきました。よくわかっていないので調べてみました。サッカー批評によると、一昨年の4月に日本協会の事務局で大きな組織改編があり、「強化育成部」「指導普及部」「審判部」「競技運営部」「チームコミュニケーション部」がまとまり、「フットボール本部」になったそうです。Jリーグでも数年前から「フットボール本部」があり、競技運営や強化・育成の仕事をまとめているとか。単なる組織の簡略化だけなのか、やはりよくわかりません。でもフットボール委員会はよくわかりました。
野々村チェアマン関連⑬:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220712
〃 ⑫:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220425
〃 ⑪:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220424
〃 ⑩:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20220203
〃 ⑨:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20211208
〃 ⑧:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20200407
〃 ⑦:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180919
〃 ⑥:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180118
〃 ⑤:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170816
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