リスペクトコラムです。
昨日、政府が緊急事態宣言発出の方針を決めましたが、その同じ日にJリーグは国立競技場に26,000人余りの観客を集める大規模イベントを開催いたしました。その3日前に同じく国立競技場で開催された天皇杯決勝では、主催者である日本協会はチケット払い戻しを受け付け、その半分の13,318人の動員でした。この違いは何なのか、ずっと当ブログでは考えていました。その中で、FRYDAYデジタルに興味深いコラムを見つけました。何となく、なるほどそういう事だったのかと自分的に納得しました。
【コロナ猛威のなか「2万6000人試合」をJリーグが開催する背景】
〔東京五輪開催を実現するための”アシスト”になるか〕
「Jリーグを通してコメントを出した村井満チェアマンはルヴァン杯決勝を予定通り2万6000人の観客を迎えて行うことを決めた。ルヴァン杯決勝のチケットは毎年5万枚近く確実に売れる。コロナ禍とはいえ、あえて払い戻しもせずに試合前日の23時59分まで公式ルートでのチケットの出品や購入も可能にした。その理由をJリーグ関係者はこう耳打ちする。
『試合当日、国立競技場の感染対策における、様々なデータを取るためです』
7月から9月にかけて行われる予定だった東京オリンピック・パラリンピックは新型コロナの影響で1年延期。その後、国立競技場では行われたイベントは全て無観客だった。2万6000人規模の観客動員は4日のJリーグ・ルヴァン杯が初めてとなる。そこで国立競技場における本格的なコロナ対策の調査を行うというのだ。
まず、各入場ゲートの混雑状況をグラウンド録画活用して競技場の大型ビジョンやJリーグ公式チャンネルで流す。空気の淀みや流れをデータに残すことは、新型コロナウイルスの感染症対策には極めて重要なアイテムになる事はわかっている。スタンド、コンコース、売店など約30台の機器を使い二酸化炭素(CO2)の濃度を測定する。空調設備を備えたビルには「建築物衛生管理基準」が定められており、CO2濃度が1000ppmを超えると換気が必要とされている。この濃度が上がるほど感染のリスクが高くなる。その生データをとるのだ。
観客席に向けてもカメラ4台、レーザーレーダー3台を駆使して1、観客同士の距離2、拍手や万歳などの10種類程度の行動を調査、個人情報の観点から「顔や本人確認ができる情報は十分に配慮して行う」(Jリーグ関係者)。また観客のマスク着用の有無もあえてスタッフを観客席へ動員して目視で行うことも決めた。」
〔プロ野球、Jリーグの観戦者の感染はわずか2人〕
「プロ野球は7月10日から上限5000人で観客動員を開始。セパ両リーグで計720試合、観客動員数は482万3578人だった。感染者の報告は2人。「482万人分の2」は、驚異的な数字として専門家の中でも称賛された。
新型コロナウイルス連絡会議に出席する東邦大教授・舘田一博氏は「仮に感染者の数字がこの10倍(20人)いたとしても非常に低く抑えられている」(舘田一博・東邦大教授)と評価。Jリーグもコロナ禍で延期こそあったが、全1074試合(J1~J3)を消化して観客動員数は339万4186人。Jリーグは感染者数こそ公表はしてないが、観戦に行って感染した人は、現時点で判明しているのは2人だ。」
「7月4日に再開したJ1では国立競技場では1試合も行っておらず、検証内容を立証するテータが何もないことが、東京五輪開始に向けた懸案事項になっていた。1月4日、国立競技場で行われる試合は、コロナ禍で26000人を集めたスタジアムでコロナ感染を防げるかのいわば「実証実験」の場となる。試合結果もさることながら、関係者はきっとその後にはじき出されるであろうデータをかたずをのんで待つことになる。」
「開催に奔走したJリーグだが、身内からの「逆風」も突きつけられた。上部団体の日本サッカー協会はルヴァン杯決勝が開催される3日前の2021年元旦、同じ国立競技場で天皇杯決勝を行ったが、12月26日に行うはずだった一般販売を中止。先行販売のチケットも31日まで払い戻しを受け付けることを決めた。
「今の感染状況の中で(政府の示した)5000人という数字に寄り添い、近づけていきたい」(日本協会・須原清貴専務理事)。感染症対策のデータを取ることも「予定していない」(同)。Jリーグとは違う対応だ。
さらに国際サッカー連盟(FIFA)が来年5月U-20代表(インドネシア)、同10月U-17代表(チリ)の2つの世代別W杯の中止を12月下旬、突然決めた。IOC以上に世界のスポーツ界に影響を持つFIFAが、来年になってもコロナ禍の世界の状況が「十分なレベルに正常化されない」という判断をしたことになる。」
引用:FRIDAYデジタル
あの会場で感染対策調査が行われていた訳ですね。東京五輪のメイン会場である国立競技場で行われたイベントはすべて無観客。なぜコロナ禍が本格的になってから今まで無観客だったのか、そこが重要かもしれません。そして、1月4日に「実証実験」が行われた訳ですね。思い出したのが去年の11月1日の横浜スタジアム。そこでNPBで観客収容100%に限りなく近づける「実証実験」が行われていました。この日の観客数は収容人数の約86%の27,850人。何とルヴァン杯の予定26,000人とクリソツ。「JリーグでもNPBに続いて、(100%入れる)実証実験をそのうち行う話を以前に聞いた事があります」と書いていますが、確か第三波の到来でとん挫したんじゃなかったでしたっけ。見方を変えたら、一度とん挫した実証実験を1月4日に、東京五輪の準備として実施したようにも思えます。あくまで個人的主観にさせていただきますが。本当にこの時期にそういう事をやって良かったのでしょうか。
【ルヴァン決勝は24219人が来場…“全員検温”で37.5度以上ゼロ人「皆様のおかげで無事に終えられた」】
「この日は新国立競技場で24219人のサポーターが観戦。緊急事態宣言の発令が視野に入る厳しい社会情勢での開催となったが、体調不良者に観戦自粛を呼びかけていたこともあり、大きなトラブルはなく観客の収容ができたという。
「全員に検温をお願いしてお迎えしたが、(入場可能基準の)37.5度以上で退席した方は一人もいなかった。救護室で看護をされた方も一人もいなかった」と明かした村井チェアマンは「感染ガイドラインを守ってくださった皆様のおかげで無事に終えられました」と感謝を語った。」
引用:ゲキサカ
検温で感染対策完璧と読めますが、当ブログの見方は違います。これほど無症状の感染者が蔓延する社会になってしまったため、検温は感染対策というよりは、有症状感染者対策であり、無症状感染者対策にはなっていないと思っています。つまり、スタジアムの中には有症状感染者はいなくても、無症状感染者は全然いるのではないかと。この記事に具体的な事例を挙げています。
今日もCスタで開催される予定だった成人式の開催が見送るニュースが流れました。J2岡山の試合と同じ会場です。他にも全国的に同じようなニュースが流れました。高校サッカーも関係者のみ観戦から完全無観客試合に変更されました。世の中はそういう流れなのに、昨日の「開催ありき」の大規模イベント実施。思わず頭を抱えてしまいます。
JリーグもBリーグも「政府の指導に従って」という事を口にされますが、日本協会の事例のように自分達で自主的に行動ができるようです。ブレーキを踏むのか、アクセルを踏むのか。今のJリーグはどうなのか。そうこう言っているうちに、すぐにゼロックス杯が来て、次節が開幕します。今回の非常事態宣言が解除されていて欲しい時期に当たりますが、そう上手くいくでしょうか。不気味なのが「変異ウィルス」。感染力がかなり強いです。同じ時期にワクチンの接種も始まる予定。そんな怒涛の激しい時期にJリーグのシーズンが開幕します。今の「開催ありき」の姿勢から、ファン・サポーターの命ありきの姿勢に戻る事を祈念します。
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers