J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

日本からアジアへ4

2019-11-29 00:01:15 | ファジアーノ岡山

 リスペクトコラムです。
 今朝の山陽新聞朝刊にファジ絡みでいいニュースが載っていました。ハディ選手の入団や、フロント社員のN女史の存在から、そのうちにこういう動きが出ると思っていました。ただ、こういうスケールの大きな事業は決して簡単ではなく、上手く立ち回っていかないといけない個人的には思っています。  
   
【ファジ 初の海外事業 来月マレーシアでサッカー教室】
「ファジアーノ岡山は、Jリーグ人気が高まる東南アジアのファン獲得を目指し、初の海外事業に乗り出す。マレーシアで12月に現地の子どもを対象にしたサッカークリニックを開催。チームの知名度を向上させ、ブランド力強化を図ることで、現地企業などとの友好交流につなげたい考えだ。」
「クリニックは、ハディ(ファジに今季入団したマレーシアU-22代表のエースをはじめファジアーノの育成部門のコーチ4人が指導に当たる。12月25日に首都クアランプールや地方のジョホール州、ペナン州、ケランタン州で実施し、4都市合わせて12歳以下の800人が参加予定で、大きな反響が予想される。」
〔アジア市場〕
「こうしたアジア市場の開拓はJリーグが旗振り役となり、2012年から推し進めてきた。従来の入場料収入や国内スポンサー収入に続く、大きな収入源となり得る有望なマーケットだからだ。」
〔波及効果〕
「(J2でも海外への動きが出てきている) ハディ加入も大きな波及効果がありそうだ。ファジアーノ入りが発表されたのが昨年12月。すると、クラブの公式インスタグラム(写真共有アプリ)のフォロワーは数日間で約2千人も増えた。そのほとんどがマレーシア人だったという。8万人近いフォロワーがいるハディの入団会見には、マレーシアメディア4社が取材のため岡山に駆け付けた。」
〔試金石〕
「ファジアーノにとっては事業拡大へ向けた試金石となる取り組み。将来的には岡山とマレーシアとの橋渡し役を担いたい思いがある。今回の1クリニックは、ハディの抜群の人気を知った岡山ゆかりの企業の現地法人などが協賛し実現した。10月には鈴木徳彦代表・ゼネラルマネージャーら5人がマレーシアを訪れ、各州のスポーツ大臣やサッカー協会関係者らと今後の協力態勢について意見を交わした。」
引用:山陽新聞

 アジア戦略でまず思い出すのが札幌さん。一番の成功事例ですね。チャナティップ選手が試合に出場し、活躍した事で一気にタイとの交流が進みました。当ブログでも札幌さんのそういう動きを追っていました。この記事では「アジアの選手を獲ることで、札幌の試合のタイで放送や報道が、クラブとしての大きなメリットはないにしても、北海道のシティプロモーションには貢献。札幌というクラブはそういう価値もあるんだと、通常は関係してない業種にもアピールできるかもしれない。そうやっていろんなところに価値を広げていければ、自然と拡大する」とあり、最初からクラブの利益を追求したのではなく、シティプロモーションの色が強いという事です。振り返って岡山を見ると、シティプロモーションという要素はどこまであるのかと個人的に思います。クラブとスポンサー企業だけの利益を追求していないか。札幌さんの事例を見れば、シティプロモーションができれば成功し、できなければ失敗するかもしれないという事か。

 この記事を読むと、札幌さんが初めてアジアに手を伸ばしたのはベトナムで2013年の事。そこから今日に至るまで実に6年かかっているのです。もう一つ読み取れるのは、その獲得選手が活躍すれば順調に事が運びますが、試合に出れなかったら徐々にこちらも相手国も関心が薄れ、チーム編成もアジア戦略のためだけにできないので、次第に相手国との距離感が広がっていくリスクがあります。札幌さんも最初はベトナムから始まり、2017年からタイ路線に転換した事になります。なので、そんなに簡単な事業ではないという事です。

 また、Jリーグとしてもアジア戦略を進めています。試合放映権の販売の他に、今年初めの開幕前には「Jリーグ アジアチャレンジ」をタイで開催し、J1数チームが遠征しています。確か、キャンプを張ったチームもありましたね。ここで言えるのは、売込みには本来の有力コンテンツである「選手」が行かないと効果は上がらないのではないかという事。地元岡山は、地元でも出前スクールで「コーチが行ってはだめですか?」という事例をよく見かけます。今回もコーチです。なので、今回のサッカークリニックもコーチで通そうとしたら、微妙だなと個人的に思っています。夢を与えるのはあくまで選手。子どもが喜ぶのも選手。サインが欲しいのも選手なので。

 そして、アジア進出で岡山にはもう一つ大きな事例があります。それは岡山シーガルズ。やはりタイと仲良くされています。タイ代表を受入れ、タイへ海外遠征を行っています。3月には吉田、竹田2選手がタイを訪問しています。つまり「選手」レベルでの交流を図っています。かつて、宮下遥選手がタイで行われた国際大会に参加したことからタイには多くのシーガルズファンがいるそうで、何とタイでの宮下選手ファンクラブのフォロワーが7万人もいるとか。すごい数字です。これも「選手」です。タイ人選手が所属している訳でもないのに、これくらい人気があるのです。こういうのが理想的な形ですね。
 ファジにも確かにハディという選手がいますが、もし将来いなくなったらどうなっていくのか、ただ上の事例にもあったように、コーチではなく選手を前面に出すべきとも個人的に考えます。難しいところですね。一発で終わり、やってみただけで終わる「単発事業」ではなく、札幌さんのように長年に渡って、シティプロモーションにまで発展できる「継続事業」に成長して欲しいものです。今後の動きを注視したいと思います。
J2岡山マレーシア関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190505

コメント
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