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湘南ベルマーレの事例65

2018-04-09 00:01:35 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 当ブログで長らく市民クラブの二卿として紹介させていただいていた湘南さんですが、先日大きなニュースが流れました。市民クラブじゃなくなるのです。当ブログでは開設当時からずっとその生き様を追ってきました。親会社のフジタの撤退から、市民クラブになって、総合型地域SCとして別にNPO法人を作り、「平塚」から「湘南」に地域名を変え、ホームタウンを湘南地域に広域化し、これまで多くの先進的な事業を行ってこられました。今回、長崎さんのように親企業が登場する訳です。まずはその関連の報道です。
   
J1湘南の経営権取得へ ライザップ、選手育成
「RIZAP(ライザップ)グループは6日、サッカーJリーグ1部(J1)の湘南ベルマーレ(神奈川県平塚市)の経営権を取得すると発表した。湘南の筆頭株主の三栄建築設計と設立する会社を通じ、4月中に株式の過半を取得する。3年間で10億円以上を投じ、選手の獲得や育成などチームの強化に充てる。
 9日に設立する新会社の出資比率は三栄建築が50・05%、ライザップが49・95%。議決権はライザップ側が100%握り、経営を主導する立場となる。
 ライザップは「結果にコミットする」とのキャッチフレーズを用い、短期間で減量を実現できることを約束し、会員数を伸ばした。湘南の経営でも、フィットネスクラブ運営で培った体質改善などのノウハウを生かし、プロ選手向けのトレーニング手法を開発する。」
引用:産経デジタル

【どど~んと3年10億円超!RIZAP、J1湘南のタイトル奪取にコミット】
「2018-20年の3年間で10億円以上を強化育成分野に投資し、20年までに主要タイトル獲得(J1、天皇杯、ルヴァン杯のいずれか)とスタジアム収容率1位を目指す。また、フィットネスジムで培ったノウハウを生かし、プロ選手向けのトレーニング方法の開発を進める。」
引用:産経スポーツ

 これを見ると、筆頭株主は0.1%違いで三栄建築になっていますが、ほとんどライザップも同規模の株主ですね。ライザップは3年間で10億円以上、育成や強化に充てるそうですが、どちらの株主企業もそれほど商業主義の色を感じません。なので、いい感じで経営が進んでいくのではないでしょうか。2年で3大タイトルのいずれかを取ると目標設定していますが、それくらいでないと、J1には残れないでしょう。
 三栄建築さんといえば、確かマリノスさんの背中スポンサーもやっていると思いますが、そのあたりは今後どうなるのでしょうか。疑問がいくつも出てきますね。

【湘南会長、移籍した選手の涙でライザップ子会社決断】
「湘南ベルマーレの真壁潔会長(56)は6日、フィットネスクラブを運営するRIZAP(ライザップ)グループとの合同会見の中で、同社の連結子会社となることを決断した背景には、16年に浦和レッズに移籍した日本代表MF遠藤航(25)ら下部組織からトップに昇格した選手が、条件のいい他クラブから引き抜かれる中、涙ながらに移籍していったことが大きかったと吐露した。」
「同会長は「我々のクラブから、多くの選手が巣立っていきました。非常に残念なようなうれしいような結果」と、他クラブから選手の引き抜きに遭っている現実を、あらためて口にした。その上で「特にうちで小、中、高と育っていった選手を当然、引き留めようとするわけですけど、驚くほどJ1の平均年俸とは差がある。出さざるを得ない。クラブのトップですから、最後は会って話をするわけですけど、ほとんどの子が泣きだしてしゃべれない…次のステップに行くのに、泣いてしゃべれないんですよ」と声を震わせて吐露。移籍していった大多数の生え抜き選手たちが、湘南への愛と選手としての今後の板挟みに苦しみ、苦悩の末、移籍していった現実を明かした。」
「真壁会長は『うちのクラブが地域の子たちを育てた結果、羽ばたかせるのに、過去の中田英寿のように世界に行って大成功した選手がいるのに、今、このままでは同じことを繰り返す。子どもながら一生懸命、考えて長くお世話になったクラブを出て行く時に、泣いて話せない現状があって、果たして本当のプロクラブでしょうか?』と涙で声を詰まらせながら訴えた。そして「市民クラブとして応援いただいているが、世界で市民クラブと知られているクラブが、草創期から市民だけで成功させたかというと、全くそうではない。日本のプロ野球には広島カープという、素晴らしい球団がある。でも(親会社の)マツダさんがいなくて、ここまで来たでしょうか? 現実を見なくてはいけない」と強調した。」
引用:日刊スポーツ

 小さい頃から育ててきた選手が、自分達より大きなクラブから声をかけられ、引き留める条件を出せない出ていかれてしまうというのは、J1の下半分からJ2、J3と同じ状況が見られるのではないでしょうか。同じように企業規模を大きくしようとしているのが札幌さんであり、野々村社長ではないでしょうか。今のところ札幌さんは親企業を設ける事はないでしょうが、先の事はわかりません。
 当ブログでは、よく「親企業のある市民クラブ」「親企業のない企業チーム」という言い方をします。前者は川崎さんだったり、カープであり、今後は湘南さんが加わるという事ですか。後者は当ブログをよくお読みになっている方なら、どこかわかりますね?
 なので、親企業ができる事自体は悪いとは思えません。親企業があろうがなかろうが、Jクラブとして、地域の公共財としてどう立ち回っているかだと認識しています。当ブログで勝手に設定している各市民クラブを観てみましょう。

〔二卿(1つは湘南さん)〕
・川崎(J1):親企業(富士通)あり。株主名簿(36社)
〔御三家〕
・仙台(J1):親企業なし。筆頭株主:不明。169企業・団体
・新潟(J2):親企業なし。筆頭株主:不明。
・甲府(J2):親企業なし。筆頭株主:不明。
〔二天王〕
・松本(J2):親企業なし。筆頭株主:不明。
・山口(J2):親企業なし。筆頭株主:不明。

 こうして見ると、これで二卿とも親企業ができてしまいました。J1柏もそう。御三家も二天王も仙台さんを除いてはJ2所属で、上にある湘南さんのような出来事が十分起こり得ます。思うに、先の長崎さんの出来事も大きく影響したのかもしれません。クラブ経営権を主要スポンサーに売却したが、Jリーグから特には咎めだてが無かった。そうか、そういうものなのだと湘南さんが認識したのかもしれません。今回の湘南さんの動きを受けて、今後も親企業に向けて経営権を売却するクラブが出てくるかもしれませんね。今後の動きに注目していきましょう。
J1湘南公式HP該当記事:http://www.bellmare.co.jp/189666
J1湘南関連:6766656463626160595857565554535251504948474645444342414039383736353433323130292827262524232221

 話は変わり今日、ウルトラスで開催されたファジのアウェー新潟戦のPVに参加してきました。その模様は明日。

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