J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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勝利と平和の高みへ V.ファーレン長崎9

2017-11-19 00:16:55 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 先週の話ですが長崎さん、J1自動昇格おめでとうございます。当ブログでも敬意を表して長崎さんの記事タイトルを、すべてこれに入れ替えました。平和の言葉もネーミングに入っているチーム名っていいですね。久々のJ1未経験クラブによるJ1昇格になりますが、うれしいです。地元岡山にとっては、山雅さんに続き、またしても後輩クラブに抜かれた格好になります。まあ、今J1に行くべきかどうかは、当ブログで語ってきたとおりなので、長崎さんは長崎さん、地元岡山は岡山と思っています。この試合はDAZNの生中継で全部観ていました。とにかく高田社長が露出された日でした。「ゼイワン」というセリフがそれから少々ブレイクしております(笑)。なぜ、年間予算が地元岡山よりも全然少ない長崎さんが、2位でフィニッシュできたのか。いろいろとメディア報道を読みました。引用して紹介。
   
【長崎、消滅の危機乗り越えJ1自動昇格。高木監督と高田社長が目指した一体感の構築】
〔チームとフロントがそれぞれの立場の中で打ち出した打開策〕
「2月に発覚したクラブの経営危機やコンプライアンス・ガバナンス問題については、別の機会に詳細を委ねるとして、これに端を発した問題で最も根深く大きなものは、クラブとその周辺に「分断」を作ってしまったことだった。」
「そんな状態ではJ1昇格どころか、リーグ戦を満足に戦うことすらできなかったと思う。そんな中でチームとフロントはそれぞれの立場の中で、同じ打開策を打ち出した。それは「一体感の構築」だった。」

 一体感大事ですね。先に自動昇格した湘南さんは「共走」が構築されました。シーズン当初は長崎さんはどうなるのかとずっと思っていましたが、ホワイトナイトが現れました。確か、ジャパネットさんに決まる前に、先に申し入れがあったNOVAホールディングスの支援の受け入れる方針だったが、一転して県内の企業で解決するのが最善と判断して、ジャパネットさんの支援を受ける事が決まりました。もし、NOVAだったらどうなっていただろかと思います。東京本社の企業で、経営体制がよく変わるイメージで、今のように長崎さんが栄光を掴んでいるかどうかはわかりません。地元だったから、一体感が構築できたのではないでしょうか。
         
〔経営問題に揺れる状況。最悪の場合はJ2残留が最低ノルマに〕
「今季、チームの目標はJ1自動昇格だった。過去のJ1自動昇格チームを参考に、必要な勝点を当初は86としながら、夏にリーグの状況を見て80と再設定していることからも、それが希望としての目標ではなく、実現性を重視した明確な目標であったことは理解できるだろう。
 また、経営問題に揺れる状況から、最悪の場合としてJ2残留を最低ノルマと想定していたことからも、冷静な計算の上でリーグを戦っていたことはうかがえるはずだ。幸いにも上位を狙う戦力は整っていた。現在はベガルタ仙台で強化育成本部長を務める丹治祥庸前強化部長が、仙台へ戻る日を延ばしてまで強化に協力し続けてくれたことで、苦しい強化予算の中でもポテンシャルを持った選手たちが揃っていたのである。」

 夏に上方修正した目標勝ち点は80。1節を残した現在の長崎さんの勝ち点は77。J1昇格だけでなく、目標勝ち点も達成しそうな勢いです。よく、クラブもチームもはっきり目標を口にしないところも見受けられますが、当ブログは目標を設定して情報開示すべきと考えています。そういうところは実は、裏で会社としての経営目標を定めていたりしますが、経営や運営の「見える化」という面ではどうでしょうか。上からではなく、ファン・サポーターと同じ目線になれて初めて、長崎さんのような一体感や共走になるのではないでしょうか。とにかく、当ブログでは情報開示度が低いところは信用してないので。
 長崎さんは丹治強化部長の手腕も大きかったようですね。少ない予算で自動昇格まで行ったという事は、戦力である選手の質も高かったのではないかと推測します。いくら資金を持っていても、ネットワークも選手の中での人気も無ければ、いい人材がやってきませんから。丹治氏の功績も大きかったのかな。ちなみに、主将が頭上に掲げた青いシャーレは自分達で作ったお手製のJ1昇格シャーレの様子。やりますねー 背番号15番の元岡山の島田選手も躍動していました。
     
〔クラブ運営を引き継いだジャパネットグループの懸命な戦い〕
「長崎が一つになるという理念のもと、究極であり原点としてフロント陣が重視したのがスタジアムへの集客だ。だが、この時点での1試合平均観客者数は5,000人にも届かず、7月には前体制による入場者の水増しが発覚するなどクラブの状況は芳しいものではない。」

 そうでした。現体制になった後の7月に、前体制による入場者水増しを発表していました。今思えば高田社長にとって、これは前体制の清算のような儀式だったのかもしれないと個人的に思っています。一見したら、ネガティブな結果ですが、一回しゃがんでジャンプアップするような事に思えました。そうだとしたら、親会社として極めて有能であると。高田社長は選手など現場とのスキンシップを図り、「この社長だったら」と思わせ、優勝したらハワイ旅行とプロ野球のような光景です。何となく、孫さん(ソフトバンクのJリーグ進出という話もありますね)とイメージが似てる気も。

〔これ以上ない展開で達成したJ1自動昇格〕
「過去最多22,407人の観客が詰めかけたスタジアムで、選手たちは落ち着いたプレーを披露し、乾大知の先制ゴール後、一度は追いつかれながらもチーム最古参の前田悠佑が勝ち越しゴールを決めて、大卒ルーキーの翁長聖がダメ押し弾を叩き込むという、これ以上ない展開でJ1自動昇格を達成したのである。」
引用:フットボールチャンネル

 22,000人超えでした。Cスタで興業する地元岡山では物理的に絶対に手の届かない数字だったので、インパクト強かったです。でも、長崎さんの通常の観客動員数はJ2で低い方に入っています。当ブログで口にする、観客動員における外部環境で見てみれば・・・ スタジアムまでの交通アクセスは徒歩で25分。人口は42.95万人(長崎県:143.1万人)と倉敷市並みの長崎市と、岡山県の7割強の長崎県。競合する男子プロスポーツチームはゼロという環境。人口以外は恵まれた外部環境で、平均観客動員数が直近で5,941人とはちょっと淋しいですね。2万人以上入るのだから、これからですか。J1で箔を付けて欲しいです。高田社長なら大丈夫でしょう。地元の西日本スポーツではその辺りシビアに報道されていました。

【V・ファーレン長崎 クラブ体力強化へ集客増急務 記者の目】
「限られた予算でJ1初昇格を果たした長崎の奮闘は、大きな称賛を浴びていい。その一方で、経営危機を乗り越えた感動のストーリーは危うさもはらむ。2013年の大分、16年の福岡も同様だったが、ともにJ1最下位。1年で降格した。Jリーグ関係者によると、選手は経営難を経験したクラブへの加入に難色を示す傾向があるという。過去の反省から、クラブも身の丈にあった経営を求められ、大胆な戦力補強ができずにJ1で低迷することも多い。
  「身の丈」を伸ばすには収入増が必要だが、長崎は観客動員の面で不安を残す。今季の平均入場者数はJ2でも中位の5941人。ここ10年のJ1昇格クラブの昇格年の動員数ではワースト2だ。1万人を超えたのは今節と第38節の名古屋戦の2試合のみだった。長崎の2016年度決算のチーム人件費は約3億2200万円。同年度のJ1平均の15億7500万円とは大きな差がある。1年でこの差を埋めることは困難で、現有戦力の底上げが来季の鍵となるだろう。」
引用:西日本スポーツ

 J2で2位の自動昇格したクラブをザッと調べてみました。
2016=清水 → J1・1年目=14位 / 2015=磐田 →J1・1年目=13位、その後J2降格無し / 2014=松本 → 1年でJ2降格 / 
2013=神戸 → J1・1年目=11位、その後J2降格無し/ 2012=湘南 → 1年でJ2降格 / 2011=鳥栖 → J1・1年目=5位、その後J2降格無し / 
2010=甲府 → 1年でJ2降格 / 2009=C大阪 → J1・1年目=3位、5季でJ2降格

 といった内容でした。プレーオフ組は去年のセレッソさんは別物として揃って1年でJ2降格ですが、2位昇格組はいろいろですね。どちらかといえばメガクラブはいいですが、やはり市民クラブは苦戦かな。当ブログでは長崎さんは、メガクラブではなく、親企業のある市民クラブと見ています。そうなると、1年目は苦労するし、1年でJ2降格になる可能性も低くはありません。ただ、鳥栖さんのような事例もあるので、ひょっとしたら鳥栖化するかもしれません。来季はJ1で頑張って欲しいですね。
 あと、実は長崎さんはJ2の5年のうち、3回プレーオフ以上の順位でフィニッシュしています。1年目からプレーオフ出場ですから。なぜなんでしょうか。という事は、J1に上がろうとするところは、少なくとも2回に1回は6位以上でフィニッシュできないといけないという事になりますね。ちょっと1回6位以内に顔を出せても、まだまだJ1には程遠いのかもしれませんね。

 J1昇格を決めた前節の讃岐戦後のセレモニーで、高田社長が「平和を語れるクラブ」と口にされていて、心に残りました。クラブ名の中の「V」はオランダ語で平和という意味も込められているとか。そうですか、そういうクラブなんですね。年間予算も地元岡山よりも低いのに、片や2位、高い方は14位と大きく格差ができてしまいました。年間予算で順位が比例すると言われていた方がおられましたが、ここでも違ってしまいましたね。では、なぜ長崎さんは強かったのか。報道では「ハードワーク」という言葉が躍っていましたが、中位で終わったところも同じキーワードをずっと口にされていましたね。
 当ブログでは、3つの要素だと認識しています。①監督、②選手層、③チーム内バランス。長崎さんは①高木監督と③で、特に高木監督の力量が大きかったのかもしれません。今後は長崎出身の選手の動向も気になってきます。吉田選手(日本代表:サウサンプトン)、渡邉選手(J1神戸)、梅崎選手(J1浦和)、都倉選手(J1札幌)、大久保選手(J1・F東京)など結構いますね。
 最後に小ネタみたいになりましたが、キープしていたネタ記事です。選手会主催の招待シートです。ちょうど前節の讃岐戦でしたね。こういう風に立派な活動している選手会っていいですね。活動しているのかどうかわからないところよりも全然いいです。という事で、長崎さんJ1で暴れてきて下さい。
J2長崎公式HP該当記事:https://www.v-varen.com/news/47662.html
J2長崎関連⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170710
   〃    ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170606
   〃    ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170413
   〃    ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130426
   〃    ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121117
   〃    ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061128
   〃    ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060807

   〃    ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060215
   〃    ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060125

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