kasaruの今日も有り難う

僧侶歴46年。講演依頼受付中
サルコイドーシス・バセドウ病の旦那
岡山へ就職長男23歳
アペール症候群次男19歳

日々 勉強

2005-12-25 | Weblog

【 敬天愛人 】
 
道は天地自然の物にして、

人は之を行ふものなれば、

天を敬するを目的とす。

天は人も我も同一に愛し給ふゆゑ、

我を愛する心を以て人を愛する也



ー訳ー
 何事も道は天地自然によるものであり

人はこの道に沿って物事を行うべきものであるから、

何よりも天を敬うことを目的とすべきである。

 天は他人も自分も平等に愛したもうから、

自分を愛する心をもって人を愛することが肝要である



御存知の方も多いと思いますが

南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)というものの中の一文です。

これは、西郷に心服していた旧庄内藩士達が 西郷から直接

聞いた教訓等を一冊の本にしてまとめ、刊行したものです。

「天を敬い 人を愛する」

まさに 時代の波を奔走した西郷隆盛の訓です。

この訓示は 京セラの稲森会長も人生の柱とし、

経営理念にかかげています。

天とは 大いなる自然・万物であり

愛とは まさに 慈悲・慈愛の心です。

「他人くたばれ 我繁盛」などとよこしまな考えは

自分をも苦しめることになり、

何一つ生み出すものはありません。

生きているうちで 自身の器に入れられる量は決まっています。

【 足るを知る 】ことこそ、人間本来の生きる道だと思うのです。

昨今「もったいない」という フレーズがはやり、数多くの本が

店頭に並んでいます。

そして その横には「株で儲ける」「成功する起業」

「セレブな生き方」なんていう本もあり、自由の国の

盲点が人間関係を希薄なものにしているような気が

してなりません。

〈敬天愛人〉温故知新 人生の先輩の良いと思う教訓は

自分の肥やしとして 深みのある人間になりたいものです。