碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「しつこい口説き」が実る名作!?

2015年09月17日 | メディアでのコメント・論評



週刊プレイボーイに、山本耕史さんと堀北真希さんの結婚をめぐる特集記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


山本×堀北で再発見!
しつこい口説きが実ったドラマの名作

堀北真希との“交際0日結婚”に成功した山本耕史。

彼が明かした「40通のラブレター」や「同じ新幹線に乗り込む」などの“しつこいアプローチ”も反響を呼んだが、わざとらしい違和感を感じた人も少なくない?

しかし、ドラマや映画の世界ではこのような“しつこく口説いた末、恋が実る”名作、ヒット作がかなり多い! 

上智大学の碓井広義教授はこう語る。

「97年にドラマ『ストーカー 逃げきれぬ愛』が放送されて以降、ストーカーという言葉が広く認知され、“しつこい愛=怖い”というイメージを植えつけられてしまいました。

そのためドラマの題材としては扱われることが少なくなったのですが、それ以前に放送されたドラマ『101回目のプロポーズ』は今でも語り継がれる名作となっています。現代の女性もDVDや再放送などで広く視聴していることを考えると、“何度もアタックされる”ことに憧れを感じる傾向は不変なのではないでしょうか」


では、実際に「しつこい口説き」が実る名作について、その成功理由を恋愛コラムニストの菊池美佳子氏に分析してもらった。


【「しつこい口説き」が実る名作はコレだ!】

■ドラマ『101回目のプロポーズ』

《あらすじ》
星野達郎(武田鉄矢)が100回目のお見合いで出会ったのは死んだ婚約者を忘れられない矢吹薫(浅野温子)。ボーナスを全額競馬につぎ込んだり、トラックに飛び込んだりのアタックを続けて成功

《成功理由分析》
「注目したいのはヒロインが交際を断る口実で放った暴言をうのみにし、ボーナス全額を競馬に突っ込んだシーン。女性のむちゃぶりに誠実に向き合い、愛情を言葉でない物質的な形で見せたのが勝因でしょう」(菊池氏)

■ドラマ『北の国から』

《あらすじ》
医者と駆け落ちしたはずの蛍(中嶋朋子)が地元に戻ってくる。幼少時代から蛍を好きだった正吉(中澤佳仁)は、ここぞと結婚を申し込むが断られる。しかしその後100万本の花を送り続け、見事成功

《成功理由分析》
「100万本の花を送るなど、彼女の顔色をうかがわず自分のスタイルでアプローチを貫いたことで、思いの強さを伝えた例。幼少期から知っている間柄だけに、結婚アプローチを短期間に数の多さで勝負したのもよし」(菊池氏)

■マンガ『めぞん一刻』

《あらすじ》
おんぼろアパート「一刻館」の住人・五代裕作が初見で管理人・音無響子にひと目ぼれ&告白。その後、浪人時代、大学時代、社会人時代と長きにわたりアタックを続けゴールイン。2007年に主演・伊東美咲でドラマ化もされた

《成功理由分析》
「主人公は就職浪人をしたり、保育士を目指したり、キャバレー従業員をしたりと常に新しいことをしている人物。相手が常に変化しているので、飽きなかったことや危なっかしさが母性をくすぐったのでは」(菊池氏)

■映画『フォレスト・ガンプ』

《あらすじ》
ガンプ(トム・ハンクス)は小学校でいじめられていたが、ジェニー(ロビン・ライト)のおかげで俊足が開花。その後、大人になって再会したジェニーは変わり果てた姿に。それでもアタックし、最後に実を結ぶ

《成功理由分析》
「いじめられっ子だったガンプは大人になって名声を手に入れましたが、ジェニーへの態度を変えませんでした。立場が逆転しても偉ぶることなく接するガンプの姿が、閉じていた彼女の心を開いたのでしょう」(菊池氏)
この他にもそれぞれ思い返し、一途なドラマ・漫画等を酒の肴(さかな)に居酒屋談義もよいのでは? 山本クンみたいなイケメン俳優ばかりが物語のような恋愛を成就させるのではないと信じつつ…。

(週刊プレイボーイ 2015.09.21号)


紀伊国屋書店「上智大学店」オープン!

2015年09月17日 | 大学
夏休みの間に、「丸善」から「紀伊国屋書店」へと変身!


村上春樹さんの新刊が並ぶ。初版9割確保の紀伊国屋ですから。