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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ドラマ「はつ恋」ディレクターズカット版、放送中

2012年08月26日 | テレビ・ラジオ・メディア

先週の土曜日(午後11時15分~)から、NHK・BSプレミアムで、
ドラマ「はつ恋」ディレクターズカット版を放送中だ。

通常のオンエア、再放送、そして今回と、もう3回見ている(笑)。

やはり中園ミホさんの脚本がいい。

ヒロインである緑(木村佳乃)の気持ちの揺れが、とても丁寧に
書かれているからだ。

55分と長尺のディレクターズカット版では、それをより感じる。

またしばらく楽しめそうです。



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今週の「読んで(書評を)書いた本」 2012.08.26

2012年08月26日 | 書評した本たち

池井戸潤さんの『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)を読了。

バブル世代の銀行マン、半沢直樹が活躍した『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』。そのシリーズ最新作だ。

舞台は半沢が飛ばされた先の系列証券会社。IT企業の買収をめぐって親会社の銀行と対立する半沢は、ロスジェネ世代との共闘を選ぶ。

“ITベンチャーの星”と呼ばれる電脳雑技集団が、ライバルである東京スパイラルの買収を企む。相談を持ちかけたのは銀行ではなく、半沢のいる証券会社だ。

ところが途中で親会社の一派が、この案件を横取りしようと仕掛けてくる。買収のアドバイザーは巨大な利益をもたらし、同時に半沢を潰すこともできるからだ。

半沢の部下、森山雅弘は典型的なロスジェネ世代。楽をして禄をはむバブル世代を目の敵にしてきた。半沢は森山の能力を評価し、一緒に反撃に出ようとする。「やられたら、倍返しだ」。

物語の中で明かされる企業買収の仕組み、特に銀行や証券会社の動きが興味深い。

また優れた企業小説の例にもれず、本書も企業の中にいる人間の生態が巧みに描かれている。「組織対組織」、「組織対個人」の暗闘がスリリングだ。

「正しいことを正しいと言えること、世の中の常識と組織の常識を一致させること」を、愚直に目指す男の姿が清々しい。



さてさて、今週の「読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。
 
篠田博之 
『生涯編集者~月刊「創」奮戦記』 創出版

小野幸恵 
『幸四郎と観る歌舞伎』 アルテスパブリッシング

小谷野 敦 
『文学賞の光と影』 青土社

鈴木智之・西田善行:編著 
『失われざる十年の記憶~一九九〇年代の社会学』 青弓社

* 上記の本の書評は、
  発売中の『週刊新潮』(8月30日秋風月増大号)
  に掲載されています。