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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

テレビ界の”受賞作”が連続放映される

2009年06月11日 | テレビ・ラジオ・メディア

ギャラクシー賞テレビ部門で大賞に輝いた「“認罪”~中国撫順戦犯管理所の6年」(NHK)が放送される。

NHKが、様々なテレビの“賞“を受けた作品を、BSで連続放送するのだ。

こうした受賞作も、普通なかなか再放送されず、見ることが出来ないのが現状である。

エライぞ!NHK。

枠はBS2「ザ・ベストテレビ」で、放送予定は以下の通りだ。

6月14日(日)BS2 午後1時~6時
・ 日本民間放送連盟賞
・ 「地方の時代」映像祭
・ ATP賞テレビグランプリ

6月21日(日)BS2 午前10時半~11時54分 
・ 日本放送文化大賞

6月21日(日)BS2 午後1時~6時
・ 文化庁芸術祭賞
・ 放送文化基金賞
・ ギャラクシー賞テレビ部門大賞
 「“認罪”~中国撫順戦犯管理所の6年」


中でも、BSハイビジョン特集「“認罪”~中国撫順戦犯管理所の6年」は、1950年代の中国で行われた、元日本兵の戦犯への対応を描いていて、秀逸だ。

当時、中国側は、一方的に刑罰を与えるのではなく、一人一人に罪を自覚・告白させ、謝罪させていった。

これが「認罪」だ。

日本人戦犯たちは、自らの行為を想い起こして尋問に耐え、精神的にも苦しみながら、その罪と向き合った。

また、戦犯管理所の職員たちも、日本軍の行為を知っているだけに、いわば敵への奉仕ともなる認罪に悩んだ。

実に重いテーマだが、ぜひ多くの人に見てもらいたいと思う。


このBS2での放送について、今日発売の『週刊新潮』が記事を掲載している。

タイトルは、<地上波では見られないギャラクシー賞「認罪」>。

番組内容や「ザ・ベストテレビ」で放送されることを紹介している。

記事の最後に私のコメントがあって・・・

「地上波より制約のないBSだから作ることができたドキュメンタリーかもしれません」

そこがBSの良さだ。

「賞も取ったことだし、深夜の枠でもいいから、地上波で放送してほしいですね」

たくさんの人に見て欲しい1本なので、そんな話をさせていただいた。

元戦犯容疑者たちを探し歩き、貴重な証言を集めていった番組制作会社テムジンの中村豊ディレクターに、あらためて「おつかれさまでした」。

そして「おめでとうございます」。