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黄帝内経素問 湯液醪醴論篇 第十四 訳

2011-09-26 18:53:18 | 日記

こんばんわ昌栄薬品の宮原 規美雄です 

 

黄帝内経素問 湯液醪醴論篇 第十四

 

第四節

帝曰。其有不從毫毛而生五藏陽()以竭也。津液充郭、其魄獨居、孤精於内、氣耗於外。形不可與衣相保。此四極急而動中。是氣拒於内而形施於外。治之奈何。

岐伯曰。平治於權衡、去宛陳莝。微動四極、温衣繆刺其處、以復其形。開鬼門、潔淨府、精以時服、五陽已布、硫滌五藏。故精自生形自盛、骨肉相保、巨氣乃平。

帝曰。善。

 

 

黄帝が申されました

 病が毫毛より生じるのではなく、五臓の陽を傷つけ、陽が尽きてしまうという。

津液が体表に充ち、其の魄(呼吸する原動力の宿るところ=鍼灸医学大系六節蔵象論篇第九第八節・魄は肺の神である。

肺は気を主り、皮膚は肺の合である。今肺の活力()が減少し、皮膚には水気()充満して肺を攻むるの状を呈する(肺金←腎水)

従って肺の神たる魄は独り居るような状態となる。

湯液醪醴論)は独り居り浮腫をおこすという、体内に於ては孤精、陰だけあって陽気のない精があり、陽気は外に於て消耗してしまう。身体は衣服を着るが体に合っていない。

これでは四肢がひきつり体は動悸(臍の左は芍薬、臍の上は茯苓・朮(じゅつ)・沢瀉(たくしゃ)の水滞証等)がする。

これは水気が内にこもり、体は見るからに弛んでしまうようである。この治療法は如何にするのか。

 

岐伯が申しました

 水気(水滞・体内の水分の流れが停滞すること、水毒ともいう)のつりあいを調整し、宛を去り莝を陳ず(鍼灸医学大系)宛せし陳莝(ちんざ・陳(ふる)い草)を去る(東洋学術出版社素問)、鬱積した硬結(しこり)を去る。

 

宛を去り莝を陳ず

局部的には、皮下のしこりや、硬結をとり去り、皮膚面のギザギザ、ザラザラしている部分を平らによく伸べ、鍼灸医学大系

 

宛せし陳莝(ちんざ・陳(ふる)い草)を去る

水気の調整をはかり、病状の軽重に準拠して体内に貯留している水を駆逐する必要があります。

「宛」は鬱積すること、「宛せし陳莝(ちんざ)を去る」とは堆積してしまっている陳い草を取り除くこと。

人体にあてはめて考えれば、長い間に鬱積してきた水液の廃物を駆逐除去することをいう。東洋学術出版社素問

 

これを例えると、前立腺肥大は水毒による水腫から始まり、長く続けば瘀血(おけつ)となり、男(前立腺は男だけ)の又は軽い瘀血であれば八味地黄丸でとれることもあるが、陳久瘀血(ちんきゅうおけつ・古いおけつ)となると、駆瘀血剤が必要となります。

 

四肢を少し動かしリハビリし、暖かくして冷えないようにし、その処を鍼治療し、そして体を元の健康な体にするのです。

鬼門・毛孔を開いて発汗を促し、淨府・膀胱の働きを正常化させて利尿をはかります。

そうすることにより、五臓の精気も漸次調節され、五臓の陽気はめぐることができるようになり、五臓のつまってふさがっていたものを通すことができるのでございます。

それゆえ、精気は自ら(飲食物から)生じて、体も栄養が取れるので体力も充実し、全身的に陰陽のバランスがよく調ってくるので、正気も正常に回復することでしょう。

 

黄帝が申されました

立派な答えである。

 

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