今日は8月11日、国民の祝日「山の日」です。
この「山の日」とは、7月の第三日曜日の「海の日」と同じく、自然に親しむという祝日を設けるのが目的の、つまり「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ということで、2016年より祝日になりました。
もう引退してしまうと、毎日が日曜日のようなものですので、エエッ、いつの間に…という感じでしたが、サラリーマンの人たちには盆休みの近くで歓迎されているんでしょうね。子供たちにとっては夏休み中なのである意味どうでもよいような祝日なのでは…。
ところで、今日は第二土曜日なので午後と夜の部の句会があったのですが、祝日ということで夜の部の会場が使えなくなり、他所ですることになりました。それなら、この暑い最中なので美味しいものでも食べながら…という話になり、これはもう全員すぐOKです。(笑)
午後の部の兼題は「雲の峰」、夏の季語で、俗に入道雲といわれる積乱雲のこと。そのせりあがる様を山に譬えて言ったものですが、以前にも兼題になりましたので、その時は芭蕉の句、〈雲の峰幾つ崩れて月の山〉を取り上げました。読まれた方もいらっしゃることでしょう。
今回はこの句が…というより作者の方が目に留りました。以前新聞で簡単に自殺の報が出たのを見て、なぜ?という疑問がズーッと引っかかっていましたから。一見華やかに…俳句を始めてしばらくの私にはそう思えたんですが…俳壇で実力を認められ活躍なさっていたものを、〝何が彼女をそこまで追い込んだのだろうか〟と、その原因が気になっていたのです。年齢にしたって80歳の手前、79歳はまだまだ若いですよね。一体何が起こったのでしょう。時たま見かけていた彼女の斬新な俳句には目を見張り、こんな俳句もあるのかと思ったことが何度かありましたから。
死の如し峰雲の峰かがやくは 飯島晴子
この句は、遺句集となった『平日』(2001年刊)に所収されています。以下に、Wikipediaの人物紹介を載せますね。
飯島 晴子(いいじま はるこ、1921年(大正10年)1月9日 - 2000年(平成12年)6月6日)は、俳人。京都府出身、京都府立京都第一高等女学校(現・京都府立鴨沂高等学校)、田中千代服装学院卒。卒業後は服飾関係の仕事に従事。1959年、夫の代理で「馬酔木」の俳句会に出席したことをきっかけに38歳から句作をはじめる。能村登四郎の指導を受け、1960年より「馬酔木」に投句。1964年、「鷹」創刊より同人、代表同人の藤田湘子(のち主宰)を補佐した。1966年、第1回鷹俳句賞を受賞、以後同結社の代表作家として活躍。1970年より現代俳句協会会員。1997年、第六句集『儚々』(ぼうぼう)により第31回蛇笏賞を受賞。
代表的な句に「泉の底に一本の匙夏了る」「天網は冬の菫の匂かな」「螢の夜老い放題に老いんとす」「寒晴やあはれ舞妓の背の高き」などがある。吟行による写生を基本としつつ、言葉によって構築される緊張度の高い作品世界を展開、句集ごとに新たな境地を見せた。また従来、女性俳人の評論が情緒的とされていた中にあって、明晰・論理的な俳句評論を発表、後続の女性俳人に大きな影響を与えた。2000年6月6日自殺。79歳。
これを見ると、ナント馬醉木とは無関係ではなかったんです。彼女の師事した能村登四郞も藤田湘子も馬醉木の水原秋櫻子に育てられた人たちですから。かつて阿部完市氏が晴子俳句を評して「何気ない言葉が奇妙にとたんに生動し、何気なさというぼかしが逆にひどく焦点化するのを実感する」と言ったそうですが、本当に平明に詠みながら心にグサッと突き刺さってくるような異色の句が目につきましたし、そんな句に憧れました。
また、第1句集『蕨手』(1972年刊)から〝死〟を詠んだ句がたくさんあったとか。38歳で俳句を始めたばかりのまだ若い彼女の傍にはもう常に死があったのでしょうか…。生と死は表裏一体のものですから、人間を含めてもの全ての行き先にある〝死〟の世界を見越して今を詠む、すなわち〝生〟を五七五という短い言葉で切り取り、〝これでどうだ!〟と突きつけてくる。そんな天性の詩人だったのでしょうか。誰かの言葉がありました。「彼女が俳句を選んだのではなく、俳句が彼女を選んだのだ」と。そう、それが才能、いや天才といわれる人なのかも知れませんね。
夜の句会は会場近くの日本料理店で、先に句会を簡単に済まして、その後心おきなく美味しい料理をいただきました。その時部屋に懸かっていた軸の字が読めなくて、みんなであれやこれやと意見を出しましたが、「秋」と「柳」以外は結局分からずじまい…。誰か読める人がいれば教えてくださ~い!お願いします。エエッ、写真写りが悪いから読めないですって…ゴメンナサイ!
お料理は最初の刺身がとてもキレイに盛り付けてありましたので撮りましたが、あとはもう食べるのが忙しくって…。これもゴメンナサイ!
これは夕べ書きかけてダウン…、続きを朝起きてから書きました。今日は9時過ぎには私の大分の実家に出掛けて泊ってきますので、ブログお休みです。13日に戻ったらまた書きますのでよろしく。
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