ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

桜肉って何?

2022年04月28日 | 俳句

 昨日は天気予報通り朝から大雨です。このところ晴れと雨が一日おきの天気…これはもしかしたら〝走り梅雨〟?でもまだ春の終わりですものね。梅雨には早すぎるでしょう。

 さて、昨日の午前中はフォーユーで令和4年度定期文化講座の講師連絡会がありました。ここ2,3年はいつものことですが、検温、マスク、手の消毒と…おまけに会場は一つの机に一人ずつ、更にビニールのパーティションもあります。もう慣れましたが、講師の自己紹介があっても顔はよく見えないし、声はマスクで聞き取りにくいし…何ともイヤなものですね。早く以前のようにすっきりしたいものです。

 午後からは今月の最後の俳句教室。ここの教室も思わぬ病人が出たりして段々会員が少なくなりました。やはりみんな1年1年歳を取っていくのは当たり前のことですからね。何にしても仕方のないことですが…。

 ところで、今日は先日泊まった広島のホテルの会食での話。メニユーに〝桜肉の…〟とあって、出て来たのが???〝これ貝柱じゃない?〟〝そうよね。でも薄いピンクで桜色してるから…そういうのかしら?〟と。そこで仲居さんに聞いてみると、桜肉の入荷が出来なくて急遽貝柱になったんですって。

 〝なんだ、やっぱり!じゃあ桜肉って何の肉だったっけ?〟と聞くと、〝馬肉ですよ〟と甥っ子が…。それで今度はあれこれとみんなで肉談義になりました。〝猪の肉は牡丹よね〟〝紅葉は鹿の肉だから、じゃあ牛肉は?〟〝豚肉もあるけど何というの?〟〝あ、鶏肉もあるよ…柏(かしわ)と言うじゃん!〟と。話がどんどん発展して、そのうちには〝では、なぜ牛肉や豚肉には花とかの言い方がないのかしら?〟という疑問が湧いてきました。

 すると、やっぱり現代っ子ですね。若い人はすぐにスマホで検索して〝日本では昔、牛や豚は食べなかったからなんだって…〟と。そういえばそうですね。今では日本食の代表にもなって、普通に食べられている〝すき焼き〟は、明治の文明開化期に〝牛鍋〟として流行したんだという話、その頃のドラマなどには必ず出て来ますもの。

 余り気にもせずに食べていましたが、言われて見れば?何となく知ってる気になっていましたが、その根拠をきちんと説明してと言われたら…さて、自信がありません。こりゃあいけんと…早速家に帰って調べてみましたよ。皆さんはなぜなのかご存じですか。もしご存じなければ調べてみるのも面白いかも。

 ところで、先ほどの〝牛鍋〟、実を言うと冬の季語なんですよ。

  牛鍋や妻子の後のわれ独り   

 これは石田波郷の句ですが、一体いつ頃の作でしょうか。波郷は妻や子どもたちが食べた後に独りで牛鍋…即ちすき焼きを食べているんですね。何と寂しい景でしょう。これは牛鍋に限ったことではないと思うのですが、昔も今も同じで、〝〇〇鍋〟などと名の付くものは大抵ひとりで食べる物ではありませんよね。家族や友だちや同僚などとみんなでワイワイ言いながらつついて食べる。それが愉しくて、また美味しいんですから。これはもしかしたら波郷が自分の病気を気にして、特に子どもたちとは距離を置こうとして食事などは後から独りで食べていたんではないんでしょうか。それとも、この時は病状が悪化して食卓にも着くことができず、病床で妻の介助を受けながら後から食べるしかなかったとか。どっちにしても食卓を家族一緒に囲むことが出来なかった波郷…その哀しさ、淋しさは下五の〈われ独り〉に凝縮していますね。だってその頃はすき焼きは滅多に食べられないご馳走だったのでしょうから。いや、いや、我家では今でも何かあった時などに食べるご馳走なんですけど!(笑)

 写真は、先日吟行した今富ダムの〝しだれ桜〟です。ちなみに、馬肉の〝桜肉〟というのは、獣肉を食べることが禁止されていた時代に「隠語」として使われていたもので、その理由にはいろいろな説があるのですが、〝馬肉を切った時に切り口の赤身部分が僅かに桜色となるから〟というのが有力なようですよ。

 

コメント (4)
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