今日の天気予報は午前中は午後から、夕方から夜にかけて…、その通りになりました。今日は俳句教室、明日は句会で、来週の月曜日はまた句会。今年最後のトメが26日火曜日の俳句教室です。
今日の兼題は「凩」、「木枯し」とも書き、初冬の季語。字の通り「木を枯らす」冬の初めに吹く強い北風のこと。これが吹くようになれば落葉樹はみな葉を落し、裸木となって春が来るまで休眠します。他の生き物たちも冬眠したり死に絶えたりと…万物息を潜める暗い黒の季節なんです。ちなみに、古代中国の陰陽五行説から春は「青」、夏は「朱(赤)」、秋は「白」、冬は「玄(黒)」で表します。ですから、四季を「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」と言うんですが、次の句はその「玄冬」で詠んだもの。
玄冬の鷹鉄片のごときかな 斎藤 玄
この作者を紹介すると、北海道函館生れ、本名俊彦。1914年~1980年、66歳癌で死去。学生時代「京大俳句」の西東三鬼に師事し、その後石田波郷の「鶴」に俳号玄で投句し、同人となる。故郷で1940年「壺」を創刊、途中中断するも1973年復刊。1979年第5句集『雁道』で、第14回蛇笏賞受賞。癌との闘病中、自身の死を見つめる透徹した句を詠んだ人。
ところで、兼題句の互選をしていたとき、一句だけ「古枯し」という句がありました。誰も気がつかずに選をしていましたので、選評の時、「どこかおかしくない?」と聞いてもみんな首を傾げるだけ…。ほかの句と比べてごらんなさいよと言って、やっと「あっ!字が違う」と。ほかの句の時、「老い」だの「独り」だのというマイナスイメージの暗い句があり、「こんな年寄りくさい句はだめよぉ~」と言った人の句でした。だから、まだ古くさいのがいいのね~などと私が言うと、皆が笑っているのに、ご本人だけまだ何のことやらポカ~ンと。理由を説明してあげるとやっと誤字に気がつき…「エエッ!今写した他の人の句も全~部〝古枯し〟と書いています!」と。もう爆笑です!だって今月は誤字が多かったですよ~気を付けましょうと言った鼻先ですからね。こんな調子で今年最後の句会も楽しく終りました。誰でも思い込んだらもう他のことが見えないんですね。皆さん誤字には気を付けましょうね。(自分のことは棚に上げてね)
これは私の好きな我家の山茶花です。ほんのりと薄紅が差して…いいでしょう!