many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

水いらず

2010-01-14 21:32:42 | 読んだ本
サルトル 伊吹武彦・白井浩司・窪田啓作・中村真一郎訳 昭和46年 新潮文庫版
きのうのつづき、カミュを出したら、つぎサルトルくらいでどう?ってことで。第二次大戦後のフランス文学の双璧っていうか。カミュは並び称されると、自分は実存主義者ぢゃないって言ったらしいし、サルトルは「異邦人」の見事な解説をしたらしいけど、あるとき厳しい批評もしてカミュとの友情は無くなったらしいが。まあ、文学史にはあまり詳しくありません。
私の持ってんのは昭和58年の22刷。
やっぱり高校のころ読んだんだと思うんだけど。
カミュとかと同じダンボール箱に押し込めといた文庫本を発見はしたんだけど。
記憶ないんだよね、読んだ。
まあ、読んだ証拠に、栞の紐を一番最初のページに挟んでは、ある。それは私の習慣で、読み終わると最初のページに栞を戻す。二度目からは栞はあまり使わない。
ちなみに新潮文庫は栞の紐があるのがいいですね、名札状の紙を挟むよりも、“本”って感じがする。製本の都合かなんか知らないけど、文庫の上側の紙の高さが不揃いなのも、スパッと切ってあるより、かえってシャレた感じがする。
閑話休題。
いま思うに、高校生くらいんときのほうが、読書の密度が濃かったような気がする。っていうのは、通勤とか出張とかの移動の合間に読むのと違って、おそらく読書そのものだけを目的とした時間を過ごしてたからだ。ひまつぶしぢゃなくて、本を読むために、読む。
それでおぼえてないんだから、困ったね、どうも
いま、あわてて表題作の「水いらず」だけ読み返してみたら、意外と面白かった。
“ああ、人間とはあれなんだ。(略)どんな小説でもあれのことを書いている。”とか、
“人間はけっしてけっして、望むとおりのことはできやしない。人間はただ流されるのだ。”とか、
“波が人を運んでいく。それが人生だ。”とか、
って、そんなフレーズが所々にあるのがいいですね。

収録作は、「水いらず」「壁」「部屋」「エロストラート」「一指導者の幼年時代」


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 異邦人 | トップ | シーシュポスの神話 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読んだ本」カテゴリの最新記事