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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

雑文集

2012-05-30 20:00:28 | 村上春樹
村上春樹 2011年 新潮社
最近読んだ、村上春樹の、タイトルのとおり、雑文集。
雑文ってなんだってことになるんだけど、文学賞とか受賞したときに挨拶とか、音楽や翻訳に関するエッセイとか、ほかのひとの本のために書いた序文とか解説とか。
私は、レイモンド・カーヴァーとかフィッツジェラルドとか(カポーティは読んだことない…)、村上さんが誉めたたえるほど、おもしろいと思って読んだことないんで、文学的ツボは必ずしも一致してないだろうし、ジャズなんて興味ないんで聴こうとも思わないけど、やっぱり、ここに書かれたいくつかのものについては、もしかしたら、このあと読んでくことになるかもしれないなって、いまは思ってる。
(そういうこと思わせてくれる本は、私にとっていい本だ。世界が広がるしね。)
ひとつだけ、長いけど、引用しちゃおうかな。
中国人読者のために書かれた文章で、どこに掲載されたのかもわからないらしいけど、村上さんの自作に関する解説があって、あたりまえだけど、すごく適切。
僕の小説が語ろうとしていることは、ある程度簡単に要約できると思います。それは「あらゆる人間はこの生涯において何かひとつ、大事なものを探し求めているが、それを見つけることのできる人は多くない。そしてもし運良くそれが見つかったとしても、実際に見つけられたものは、多くの場合致命的に損なわれてしまっている。にもかかわらず、我々はそれを探し求め続けなくてはならない。そうしなければ生きている意味そのものがなくなってしまうから」ということです。
このテーマが、多くのひとを惹きつけてやまないんだよねえ。
コメント
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