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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

短歌はプロに訊け!

2012-05-26 20:23:11 | 穂村弘
穂村弘×東直子÷沢田康彦 2000年 本の雑誌社
前回のつづき。本棚からさがしてみたら、やっぱあった、文庫『ひとりの夜を短歌であそぼう』の底本。
雑誌編集者の沢田康彦というひとが作った、短歌結社『猫又』に集まった短歌たちを、穂村・東両名が批評する本。
ちなみに、文庫を買っちゃったからといって完全に被ったわけではなく、文庫にはこの本に未収録の二章がある。
で、そもそも沢田氏が知り合い(「有名無名年齢性別既婚未婚国籍前科刺青等一切不問」だそうで)たちから、お題に沿った短歌を募集するようになったのは、名著『短歌パラダイス』(小林恭二著・岩波新書)にインスパイアされてのことらしい。
やっぱ、そういうこと実際にやりたくなるひとっているのね、と私は思った。だって、あの本(短歌パラダイス)、楽しいもん。
(私にはそういう実行力とかエネルギーみたいなものがない。)
タイトルが「プロに訊け」になってるのは、本書の「はじめに」に、
>短歌を詠んだ人詠まされた人はこの二年間でのべ二百人・一千首を超えました。そんなシロートたちの歌を、ばっさり斬る!
とあるような企画だからで、要はみんな短歌のプロぢゃないひとたちの作品が集まっているからで。
でも、必ずしもヘタなわけぢゃなくて、この歌はいい、このひとはすごい・うまい、みたいな誉められる作品がいっぱいある。
でもでも、やっぱ、この歌はこう言っちゃってるからつまらない、ここをこうすれば良くなるのに、みたいな穂村弘の指摘が、いちばん面白いっつーか、なるほどと思わされる。そこんとこが心地よくて読んでたりする。
なにかを書いたとき、共感を呼ぼうとするだけぢゃなく、何かひっかかるものがあって驚きがなきゃいけない、みたいなことは、短歌・詩形だけぢゃなく、散文にもあてはまることだと思います。
どーでもいーけど、初めて読んだときから、いまでも、この本に出てくるなかで一番好きな歌は、これ。
「ヤクルトの古田のメガネすごくヘン もっといいのを買えばいいのに」すず
大ウケ!
コメント
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