ゲームホリック

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退屈な日常

2009年04月06日 | ゲーム
『ヱヴァ:序』が発表されたので復習のつもりで『造られしセカイ』をプレイしてみると、3年前くらいのセーブデータでクリアすらしていない。これはまずいと思い直して一通りプレイして「使徒、襲来」をプレイすると、シバムラスティックバランスというか芝村ワールドシミュレーターの駄目さが目に付き結構きついものがあり今一度驚きました。『2』よりマシにはなっているはずのなのに。

ミサトさん


やはりこのゲームの駄目さは日常パートの駄目さであって、やはりそのメリハリの無さに尽きます。いつ終わるかも分かりにくい無駄に長く退屈な日常パートで出来る行動といえば9割がたがAIとの会話です。普通のこの種のゲームであれば、他キャラクターはフラグでそのキャラクターとの会話フラグで正しい選択肢を選ぶことによって直接的な利益(アイテムやストーリーの伏線・フラグ、高感度など等)を得られます。

けれど『ガンパレ』はともかくとして、それ以降の作品ではAIはAIでしかなくキャラクターとの会話の中にフラグを含むことはありませんでした。AIに設定された感情の数値が一定を超えると戦闘が有利になるという程度。結果が基本的に無い、もしくは可視的でないというのが一番の問題です。

RPGで弱いキャラを延々と倒したりするようなルーティンを出来たりするのは、その詰まらないルーティンにもレベルアップという明確なリターンがあるからです。仮にレベルが上がらなければ、弱いスライムなどと戦っている人は皆無に近いと思います。それはそのルーティンに対して、見返りが得られないからです。


一方でRPGを名乗りながらもシステム的にはワールドシミュレーター然としていた『ペルソナ4』はとてもうまい具合に日常の退屈さを回避することに成功していました。特定の場所で特定の行動(勉強や部活等)を行えたり、行動の自由度の高さなどは酷似していながらも、キャラクターは従来のRPGのとおりのフラグ型であり、会話を重ねていくとフラグが立ち親密度が上がりより深い会話に進展していきます。そして関係性も深くなります。

見える部分では同様のように見えながらも、プレイヤーの行動へのリターンの分かりやすさは段違いに違います。AI型ではAIフィードバックを返します。それは自由度が高いようでいて、その実高すぎる自由度のためにAIは変数的でありその反応が分かりにくかったりコロコロと変わったりしてしまいます。AIとの会話の中、AIが裏どういう風に考えているかを読み解くことが出来るリテラシーが無ければ、楽しむことは困難です。

フラグ型であれば、一面的であることは否めませんが、確実にプレイヤーの行動に対してリターンを期待できます。AIでもリターンを提供することはもちろん可能で例えば両者の関係性が気付かれた後に「キス」や「抱きしめる」というコマンドが選択できるようになることがリターンとして提供されますが、結局はコマンド以下でも以上でもないところにこのゲームの行き詰まりが見れます。芝村さんの作品はこのあたりが非常に下手で、意識的であるのは分かりますが、やはり辛いものがあります。

ミサトさん

そういった芝村AIゲーム特有の成果の無さ、もしくはその実感の薄さをどう改善されたかが『序』の注目点です。で今更『造られしセカイ』の「使徒、襲来」をクリアすると、何と人類保管計画が実行されないという衝撃エンド。シンジと綾波が手と手を取り合って生きてゆく、みたいなエンド。ミサトさんは戦略自衛隊に撃たれてるのに。それ以上にあれほど原作の改変に抗っていたのにと感慨すら覚えます。


『ぷちえう”ぁ』が惨憺たる結果であったので、些かの不安はありますが全体的なタイトルラインナップではアクションモノが得意なメーカーですし、AI特化への暴走の歯止めも数多く版権ゲームを開発しているベックなら押さえてくれるやも知れません。現在公開されているスクリーンショットのモデリングと見比べると、3年という歳月の技術の進捗と成熟に感嘆すら覚える『序』のモデリングに惚れ惚れします。PSPでこれなのですから、PS2版は如何ばかりか、期待せずにはいられません。

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