ゲームホリック

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ゲーム音楽版権問題

2010年09月10日 | ゲーム
昨日のTBSラジオ「Dig」にて、「ゲーム音楽の歴史と今。」という特集が放送されていました。

9月9日(木)「ゲーム音楽の歴史と今。」(TBSラジオ)
※ポッドキャストあり。ただし…

特集の意図としてはゲーム音楽の歴史を振り返りながら、伊藤賢治さんと桜井政博さんを招いてゲーム音楽を聴くといった具合の企画でしたが、図らずもそこで明らかになったのはゲーム音楽が、ゲーム音楽がポピュラーになったというMC荻上チキの考えの一方で、いまだに版権の問題を抱えているということでした。

○音楽は誰のものか
過去のゲーム音楽の問題に関しては、音楽に限らずゲーム自体も過去作品、特にスーパーファミコン以前のゲームに関しては、契約書が交わされていなかったりと誰が作ったかが不明瞭になっていることがしばしば指摘されています。またゲーム会社自体が解散し、そもそもの権利がどうなっているのかさえ分からない場合も。すると過去の名作であっても、権利が確認できずにデジタル配信が出来ないということもあるようです。

ゲームに内包される音楽も同様に誰が作ったのか分からなかったりと言ったことがもちろんあるようで、今回もかけられなかった曲があったそう。また曲の使用許諾が取れたところで、必ずしもCDなどに音源化されているわけでもないので、今回の特集でも音源をネットから引っ張ってきたということもあったようです。

さすがに最近のゲームはしっかりと版権管理されているでしょうが、スーパーファミコン以降もプレイステーションくらいまではゲーム自体の版権が行方不明になっている場合もあるので、その頃までの版権も結構怪しそうです。ゲーム音楽を文化と定義するためにはやはり適切な版権管理が欠かせなくなってくると思います。

○版権以前の問題
誰がゲーム音楽を作ったか分かっている、若しくはゲーム音楽の版権を買い取った。それではこういった特集などでバンバンゲーム音楽をかける事が出来るぞ!ということになるかと言えば、必ずしもそうではないようで…

「Dig」のポッドキャストから文字起し。47分過ぎから。
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イトケン:やぁ、しかしよく音源を事前に集めてますねぇ。すごいですねぇ。
荻上:今回、音楽特集をやるということで、ディレクターの瀬尾さんという方が居るんですけど、200箇所以上電話したらしいですよ。

イトケン:本当にお疲れ様でしたね。
桜井:すごい、すごすぎですね。
(※イトケンさんと桜井さんの声が聞き分け辛かったので、お二人の言葉は逆かも知れません。)

荻上:まだまだたっぷり曲は紹介するんですけど、紹介できない曲って言うのがその中にやっぱり何曲かあって、それは別に版権が云々って言う話よりはそもそも誰が権利を持っているのかわかんないとか、流すって言うことを想定していないのでどうやったら社内手続きが完了するのか分からないとか、色々なゲーム音楽がゲーム音楽としてここまで受容されて、ラジオで流されるって言うのを想定して無かったゆえの体制的な”整わなさ”みたいなのがあったりしたみたいですけどね。


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要はゲーム業界の無意識、というか意識かもしれないけど、なんだと。ゲーム音楽の版権は整いつつあるけれども、一方のゲームメーカーのゲーム音楽に対する意識は必ずしも足並みが揃っているとは言えないのが現状のようです。例えば、このポッドキャストに関してもこんな※但し書きが添えられています。

9月9日(木)「ゲーム音楽の歴史と今。」(TBSラジオ)
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※本放送では著作権者の了解を得てゲーム音楽を
 おかけしましたが、ポッドキャスティングに関しては、
 著作権に対する見解が各ゲームメーカーによって異なるため、
 ゲーム音楽はすべてカットしております。ご了承ください。
(上記リンクより一部引用。強調は引用者による)
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本来的には許可を取って、お金の話などをつめておけばポッドキャストでもゲーム音楽入りの本放送を変わらないものを流せたのかもしれません。でもポッドキャストの音楽入りは無理どころか、本放送時にもゲーム音楽を口ずさむことすら憚られています。(まぁ、音楽のハミングについてはゲーム音楽も普通の音楽も変わらず、著作権料は発生するとは思いますが。)

○ゲーム音楽を阻むのはゲームメーカーとゲーム業界
問題は権利やお金の問題もさることながら、「著作権に対する見解が各ゲームメーカーによって異なるため」に集約されているメーカーの態度がゲーム音楽の正当な評価を未だ阻んでいる要因になっているのではないかということです。ゲーム内でゲーム音楽が完結していたのはいまや昔で、誰でもゲーム音楽を抽出してそれを共有できる社会になっちゃっているのにです。

それを法的にセーフな形で、文化として育てていくためには、版権の整備はもちろんのこと、ゲームメーカーの取り組みが欠かせません。音楽をラジオで流すだけなのに、社内手続きが整っていないというのは全く持ってどうなんだろうと、色々と悲しくなってしまいます。結局はメーカーにとって、ゲーム音楽というのはその程度のものなのかも知れません。

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