KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

THRASH OUT6周年

2010年08月14日 | イベントルポ


お盆休み真っ只中。都内は帰郷や近場の行楽を楽しむ人々で
にぎわう中、午後のまったりした空気の漂う高円寺には
ソフビファンがいつものように参集。ガーガメルさんの
アンテナショップである、THRASH OUTが6周年イベントを実施。
SDCCから高円寺に帰郷したばかりのガーガメルさんは
メーカーとして今年8周年の節目を迎えた。

お店ではオリジナルトイのカスタムペイント販売をはじめ
ペインティングアーティスト・katope氏やCHANMEN氏の作品展示・販売で会場は
バイナルフリークたちの坩堝に引き込むのだった。
会場をちょっとのぞいて見ましょう。例によってちょっとじゃ済まないんだこれが。

ガーガメル。妖精スマーフたちを生み出した
魔術師ガーガメルになぞらえたかのような名前が脳裏に浮かぶ。
禁断の社の入り口があたかも怪物の口のように
ぽっかりと空き、脳をつんざく咆哮と共に甘美な快楽にお客を飲み込む。
ヤバさと面白さは紙一重だ!

会場外で限定品の購入順抽選を行い、ゆるゆると怪物の口から
木目の壁に囲まれた店内へとのみこまれていくお客たち。
今回の販売物は一体全体どんなものが。。。とワクワクする瞬間です。





Katope画伯独自の緻密な密教的想像力で魅せるアートが待ち受ける。
新趣向の社?のような飾りには3面怪獣ダダがペイントされて祭られている!
すでに早くも此処ではソフビを神として拝んでいるのか、
われわれは超未来の予想し得ない黄昏の日本を
今此処に幻視しているのかもしれない!




待ち受けるカスタムペインティング群。お客たちがショーケースに鎮座する
彼らの思いもかけない装いに思わず驚きの声を上げつつ
自分はどのアイテムのオーナーになろうかと思い悩む瞬間だ!

今回はミボラもたっぷり増量されているぞ。
全体にお値段もお手ごろ感でセーブされているので
ちょっと一品もののコレクションにトライしてみたいというヒトにもやさしかったかも。
ザゴランとミボラはプレーン&シンプルな色傾向が中心。ベーシックで親しみやすい感じ。







いろんな国内外のアーチストたちとの創作的コンセンサスやSUPER7との
コラボレーションから生まれたニューキャラクターのカスタム品も多かった。
タコも初めて現物を見たアイテムも多かったな。



ワンフェスで初リリースされたシラハマ氏のオリジナルモンスターソフビ
クモン(苦悶)のカスタムアイテムは原型を担当した池田社長,
Katope氏がペイント。





今回は久々のスタンダードアイテムであるデスラ(スタンダード版)の
デビューアクトでもありました。通常品のブラックアイテムに合わせて
カスタム品も10点前後が展示販売され、登場間もないながら好調な滑り出しと
なっていました。



Katope氏の塗装したデスラ。南方の異民族のようなTATOO入りです。



虎縞模様のお茶目なカラーのデスラは池田社長の作品。
その隣はブルマァクのキングマイマイ風カラーパターンですね。



さきにTHRASH OUTで紙工作展を行い
異能者ぶりを見せつけたぶたのはな大橋氏ペイントのデスラ。
その隣の目玉が体に増殖しているデスラがCHANMEN氏の作品。



今回の目玉はこちらも。
昭和の何が入ってるかわからない匿名の業者による
ガチャポンに喜怒哀楽した(もてあそばれた?)世代恐怖の
なぞのガチャポン。中にはあやしげな可動フィギュアや
ゾッキ怪獣のミニソフビがカプセルに入って封入されてました。
何が出るのかわからないガチャポン!いまどき売ってない~。
この猛烈にあ や し いバックシートも
わざわざCHANMEN氏がなるほど4時じゃねーのとかつぶやきながら
夜なべ(推定)して描いたんだな~。

またまたそんな懐かしい手で好き者のお客たちをかつごうと!と思いつつ
何人かのお客が酔狂にもまわしてみたら、けっこう当たり!の塗装版ソフビがすぐ出たりしてて
周りのお客もあっと声を上げる。サスガ皆様の夢を育てるガーガメル、と
HPで銘打ってるだけに(?)なかなかあなどれない混入率ジャン?と評判になってました。
それはいいんだけど、出るとなると
とたんにみんな鬼回しはじめちゃうんだよな、これが。てなわけで
昭和のガチャポン特有の乾いたガラガラ音が終日店内に響くことに。

そうそう、こないだ本ブログでタコが酔狂に書いた
「棄郷」や「夢の島より愛をこめて」という記事で
ソフビはゴミの中からでてきたもんじゃ~とかのたもうたら
場内にたむろしてるお客で記事を読んでくれたヒトもおられたようで、
「ゴミ捨て場で拾った!砂場から出土した!そういう覚えあるヨ!」とか
「自分も拾ってきれいに洗って今ももってるコレクションあります!」なんて話まで出てきて、
ああ、皆ソフビフリークはけっこうソフビを身近な生活空間の中で拾ってたのね~とか、
何か昭和と平成のソフビがつながるような対話も得られたりもしたわけです。

そんな会話の傍らでは池田社長がカウンターの向こう側で何かを見ている。
SDCCでガーガメル一門が
出払ってる間に日本で開催されたワンフェスでの販売物、
M1号さんの尾可動ゴメスを開封して、じっくり手に取り眺めて
「この尻尾なしの状態もまた味があるんですよ!」とお客に語りかけたりなど。
SDCC、THRASH OUTの6周年とイベントが続いて
ようやくスタッフの人たちもホームグラウンドのTHRASH OUTのいつもの場所に
おさまって、くつろいでいる感じ。
結局ゴメスは尻尾、とりつけるのかな~。
やはりソフビのお社はそれを愛好する人々の言霊を
引き寄せ、結びつける場所なのでしょう。

会場ではカスタムの購入リピーターも多く、最後はじゃんけん大会で
残っているお目当てのアイテム狙いで張り切ってるヒトたちが歓声を上げてたり、
新製品の登場もあって昨今のソフビ市場の盛り上がりはどないなもんよ、と
お店からいただいたビールに口をつけつつ語り合う
じっくり考究派のお客さんたちは居るわ、Katope氏はその中に座し
寡黙にスケブにペンを走らせライブペインティングしているわ、
その間に他メーカーさんの訪問はあるわと
人々が行き交い、すっかり暑さが夕餉の涼しさへと切り替わる時間まで
店内では思い思いのソフビにまつわる自分のサムシングを披瀝しつつ
終日賑わっておりました。

毎年行われるいくつかの楽しみが季節とココロの区切りを刻む。
炎暑もやっと折り返しを迎えて次第にこの暑ささえも懐かしく思える
涼風へと切り替わっていくことに。めぐりくる秋ももうじきですね。