奇跡の華

今年も残すとこ、あと2週間ですね。

競馬の話になりますが、来週は有馬記念、阪神カップ等々、3日間開催で、今年の競馬は終わりになります。

今年も、いろいろと楽しませていただきました。


この季節は、別れの季節でもあります。

競馬を楽しませてくれるジョッキーも例外ではなく、6名のジョッキーが引退します。

そして、昨日が、そのジョッキーたちにとって最後のレースでした。

その中の一人、

野元 昭嘉というジョッキーの話。

騎手生活18年のベテランジョッキーです。

しかし、ここ10年近くは、大した成績も残せず、

人気ジョッキーが、年間100勝以上する中で、年間6勝～7勝と、あまり成績を残すことが出来ず・・・

今年に至っては、まだ1勝のみ。

そして、昨日の中京第３レース。

3歳以上500万下（俗にいう下級条件）、牝馬限定・ダート1200mが彼にとっての引退レースの舞台。

18年におよぶ騎手生活の間、騒がれるような馬にめぐり合うこともなく、失礼な言い方かも知れませんが、日の目を浴びることも無く、ずっと地味な騎手生活を過ごしてきた彼にふさわしい舞台でした。

競馬場に訪れていたファン、あるいは、グリーンチャンネル等で競馬中継を見ていたファンからも、ほとんど気に留めてもらうこともなく、ジョッキー生活に幕がおりることになるとはずでした。

引退レースで騎乗する馬は、今年は８戦して０勝、掲示板も５着が２回あるだけ。

今回も１６頭立ての６番人気。

人気も今年のレースはずっと二桁人気、今年初めての１桁での人気。

しかし、短距離競走では不利と言われる大外枠。


野元昭嘉ジョッキーの引退レースのパートナー、その馬の名は

キセキノハナ

レースは、スタートを５分に切り、ダッシュして２番手に着けて、追走しながらコーナーを回り最後の直線までキープ。

最後の直線に入り、先頭を行く馬と追い比べになる。

脚色が鈍り始め、先に鞭をいれられるキセキノハナ。

直線半ばで、ここまでかと思われるも、何とか粘り通して、激しい追い比べ。

そして、並んだ状態でゴール前。

外から、追い込み馬が２頭、脚色の違う勢いで突っ込んでくる。


ゴール直前、キセキノハナがクビ差グイッと出て、そして外から突っ込んでくる馬に交わされる直前、

ゴール板を通過。


見事、今シーズン２勝目を、引退レースで飾る事が出来ました。

まさに、有終の美！

キセキノハナがもたらした奇跡！でした。


野元　昭嘉騎手　引退　最終騎乗レース後のコメント
野元　昭嘉騎手（栗東：松田　博資厩舎所属）は、中京３レース（１５番キセキノハナ号・１着）が最後の騎乗となりました。なお、騎手引退後は、松田　博資厩舎（栗東）で調教助手となる予定です。
コメント ： 最後のレースでまさか勝てるとは思いませんでした。松田　大作騎手と古川　吉洋騎手からの花束贈呈のときに２人が涙ぐんでいるのを見て、もらい泣きしてしまいました。騎手になることは小学２年生からの夢で、人生の半分の１８年間も騎手ができたことは幸せです。これからは松田先生の下で勉強して、今後の夢である調教師に向けて努力したいと思います。


第２の人生、是非頑張って下さい！