常楽院

福島県南会津町 真言宗

おびんずるさま(お賓頭慮さま)

2017-10-25 | Weblog
 お寺の参拝に行っておびんずる様に出会うと、ついついお賽銭を御上げしてボケませんようにと頭を撫でたり、いつまでも丈夫で自分の足で歩けますように、腰が痛いので治りますようになんてもう全身をくまなく撫でてお願いをしてしまいます。こんなに欲張ってお願いされたのではおびんずるさまはどこを直してあげたら良いのか困ってしまうだろう、しかもこれだけのお賽銭では足りないと思っているだろう。いや、衆生を救って下さる仏様だからそんなけちなことは考えないだろう、なんて思って笑ってしまいます。
 とは言え、やっぱりおびんずるさまを見つけると全身を撫でて自分の所を撫でてしまいます。(笑)
 撫でるところは皆さん同じようで、頭、眼、膝、胸(心臓)腰などがつやつやと光っています。結局全身。考えることは皆さん同じなんですね。欲張りは私ばかりではないようです。

 おびんずるさまはコーサンビーの大臣の子でばらもん出身。十六羅漢のお一人で神通力に優れていたが、それ以上に説法に優れていたので獅子吼(仏陀の説法。仏陀が大衆に向かって堂々と教えを説き、邪説を拝して異教の徒を恐れさせるのを、獅子が咆哮して他の獣を恐れさせるさまに例えた語。転じて、雄弁をふるうことをいう。 )第一と呼ばれた。彼には種々の伝説があり、その伝説をもとに中国や日本では食堂(じきどう)に彼の像が安置された。寺の本堂の外側に彼の像が安置してあるのを見かけるが、病人が患っている箇所と同じ部分を撫でると治るという信仰がある。ここから撫仏の信仰が生れた。(岩波仏教辞典)ということです。

 おびんずるさまの情報を見ていて面白いものを見つけました。

 おびんづるさまが舌を出しているのをご存じですか。

 舌の事で師匠から聞いた話があります。
 
 おびんずるさまは 毎日 熱心に修行に励んでいましたが、困ったことにお酒が大好きでした。修行のあいまにお釈迦さまに隠れては、こっそりお酒を飲んでおりました。
 しかし、ある日、お釈迦さまにお酒を飲んでいることがばれてしまいおこられたそうです。
 それで、「しまった」と思ったのかどうかは分かりませんが、舌を出したそうです。
 赤いお顔をしているのは、お酒を飲んで赤いのか、お釈迦さまに怒られてせきめんしているのか分からないそうです。 
 (www.zen-temple.com/zatugaku/binzuru/binzurutop.html)

 なんともはや人間っぽい方で、ますます親しみを感じてしまいました。
 自坊の住職も禿げていて(ごめん)お酒が大好き。神通力があるかどうかは?ですが、そんなところはおびんずるさまと同じです。こんな近くにおびんずるさまがおいでになったのですね。(従業員)