常楽院

福島県南会津町 真言宗

南相馬市に行ってきました

2011-05-23 | Weblog

久しぶりのブログの書き込みとなりました。毎日毎日どうしてこんなに忙しいんだろう、どうしてこんなに仕事が間に合わないんだろう・・・・・「こんなに間に合わない年はない」なんて毎年言っている気はするけど、今年は本当に間に合っていません。困ったことです。そんな中、南相馬の方に言ってきました。常楽院住職の両親(お父さんとお母さん)は南相馬の出身なので、親戚の方やお寺の知り合いがおいでになり、その方たちが気になって出かけました。


原町の私達の結婚式の時に導師をしてくださったお寺さんを訪ねました。息子さんや孫さんは避難しており住職が一人で寺を守っておりました。寺そのものが津波で崩壊してしまったり、避難区域になり寺を離れざるを得なくなり地域の中に僧侶が居なくなってしまったとのこと、亡くなられた人の火葬の時も僧侶がいなくてお参りができない状況だったとか。そこで彼は宗派や檀家か否かを問わず、毎日火葬場に通いお経をあげ続けたのだそうです。その時は何のために・・・と言う顔で見ている人々もおられたそうですが、「いつかお参りしてもらってよかったと思う日が来ると思う。」と言っておられました。このようなときに宗教がきちんと人々の心を支えなくてはいけないのですよね。


墓地は墓標が倒れたり、傾いていたり、きちんと立っているようでもづれて違うほうを向いていたりひどい状況でした。庭の灯篭等も崩れてひどい状況です。本堂に入ると沢山のお骨を預かっておりました。震災の起こった3月11日になくなられた方がほとんどでした。小さなお骨もありました。住職さんに聞くとまだ1歳だったとのこと、手をあわせないではいられませんでした。


庭には一人の女の方が草をむしっておられました。「いつも寺の役員の方たちがきて庭の整備をしていたのに、みな避難してしまいそれもできなくなってしまった。せめてもと思い都合の付く時に草むしりをさせていただいている。」とのこと、してあげているんではなく、させていただいているとの言葉に感激してしまいました。彼女の家も地震で崩壊してしまい非難しているのだそうです。


寺を後にして親戚のうちを数件まわりました。皆さん元気で過ごしておりホッといたしました。


田んぼの中に船が打ち上げられていました。瓦礫や流木がいたるところにあります。瓦屋根が崩れてブルーシートが架けてある家が沢山見られました。カメラを向けている方も見られましたが、写真を撮る気分になれませんでした。山は緑、牡丹や芍薬藤の花が咲いています。自然はいつものように流れています。その差になんとも言えない寂しさを感じてきました。


でも きっと元気に立ち上がってくれると信じています。