まだまだ真夏日が続いています。でもお盆が過ぎ朝夕は涼しくなり、気持ちよく眠れるようになりました。夜は虫の音が聞こえるようにもなりました。ちょとづつ秋が近づいているようです。
お盆の行事と、娘と孫が帰ってきて常楽院は大賑わいでしたが、お盆が過ぎ孫たちも帰りちょとさびしくなりました。
お盆は正式にはウラバーナといい、お釈迦様の弟子の目連噂者(モクレンソンジャ)がなくなった母親がどうしているかと、神通力を使かってみてみると、母親は餓鬼道に落ち(生前、己の欲求のみに生きたせいだと言うことです。)ものを食べれず痩せこけて苦しんでいるではありませんか。目連噂者はお釈迦様にどうしたら母親を餓鬼道から救うことが出来るでしょうと相談すると、お釈迦様は「修業から出てくるお坊さんの供養をすることで母親は救われる。」と言われました。そこで、目連噂者は沢山のお坊さんの供養をし母親を餓鬼道から救った。これがお盆の始まりで、日本では盂蘭盆(ウラボン)と言う言葉になったそうです。
お盆とは別に、もしかすると知らず知らずの内に悪い行いをして餓鬼道に落ちているかもしれない先祖のために、餓鬼道で苦しんでいる餓鬼に水や食べ物を供え、読経回向し、極楽の世界に導いてもらうための施餓鬼供養と言うものがあります。常楽院では14日の朝6時から檀家さんが集まりお参りをします。その時には昔から「紙塔婆」というもので先祖の供養をしており、檀家さんは紙塔婆を持ち帰り、お盆の間自宅の盆だなに供え、16日に御先祖様をおくってくる時に持ってきて、葦に結びお墓にさしてお参りをする風習があります。
今年も多くの檀家さんが集まり、御先祖様や最近なくなった家族の供養をいたしました。涼しい朝の空気の中に住職と副住職の読経の声が響きました。気持ちが落ち着きます。
住職がお盆前に心をこめて1枚1枚書いた紙塔婆が、墓石の後でひらひらと風に舞います。
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