ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

ローズンゲンについて(1)

2010-03-01 14:42:09 | ローズンゲン
「ローズンゲン(日々の聖句)」はドイツのヘルンフート兄弟団が1728年から発行している聖書日課です。旧約聖書の中から、短い聖句を選び出し、断片化し、混ぜ合わせ、そこから籤(くじ)で、一日一句の聖句を選び出します。その聖句は「人間の思いを超える神意として、わたしたちに与えられるものです。その上で、その聖句に見合う新約聖書の言葉を、今度は聖書の専門家たちが協議して選び出して付け加えます。従ってあくまでも籤によって選び出された旧約聖書の言葉が中心です。なぜ旧約聖書なのか何の説明もありませんが、わたしは旧約聖書だからとても良いと思っています。新約聖書の言葉はそれを補うものですが、決して解説や説明を加えていません。なぜ、そんな言葉が選ばれたのかということも黙想のヒントになります。考え、理解し、納得するのはあくまでも日毎にそれを読む者の課題です。この方法は1728年以来、280年以上変わっていません。現在ドイツ語圏では毎年100万部以上が発行され、ドイツ語以外では43の言語に翻訳されていると言われています。おそらく全世界では200万人の愛読者がいると推測されています。
ドイツ語の「ローズンゲン」という言葉は「合言葉」という意味です。これを日毎に読むことによって一つの共同体に属していることを確認するという意味もあるのかもしれません。
これを発行しているヘルンフート兄弟団は、ドイツ敬虔主義の伝統を受け継ぐプロテスタントの共同体で、1727年にニコラオス・L・ツィンツェンドルフ伯(Zinzendorf 1700-1760)によって設立されました。伯爵が設立したというよりも、宗教改革と反宗教改革のうねりの中で、祖国を追われたモラヴィア(ドイツ語ではメーレン、現チェコの中部)から国境を越えてドイツのザクセン地方へと逃れてきたプロテスタントの人々に、伯爵が領土の中で保護し、住む場所と働き場所を提供したのが始まりです。「ヘルンフート"Herrnhut"」という言葉は「主の守り」を意味いたします。もちろん、この場合のヘルン(主人)とは伯爵ではなく「主イエス・キリスト」です。日本語では「同胞教会」と訳され場合もあります。この団体はメソジスト教会の創立者ウェスレーにも大きな影響を与えました。
日本語のローズンゲン2010年版の「あとがき」によりますと、ドイツ語版では新約聖書の後に、祈りや瞑想のために役立つ賛美歌の一節やいろいろな人の祈りなどが第3のテキストとして続いているとのことですが、日本語版ではそれは省略されている。わたしは省略されて正解だと思っています。

わたしがツイッターを始めて思ったことは、ローズンゲンというデヴォーションはツイッターというメディアと相性がいいということで、わたし自身のモーニングセットの中にローズンゲンを組み込むことにいたしました。ローズンゲンを読み、ただ1人思ったことを呟くだけではなく、その呟きを他の人たちとも分かち合い、また他の人たちの呟きも聞きたいと思います。ローズンゲンはどんな読み方をしてもOKです。読まない日があってもかまいません。もともと籤で選ばれた言葉です。一日の分は一日で終わりです。ある意味では聖書の断片的な読み方です。基本的には文脈とか背景からも独立しています。続いているのは、読む人の生活だけです。
できるだけ毎日掲載しますが、時には欠けるときもありますがお許しください。また、聖句の長さによっては、新約聖書の言葉はただその箇所だけにする場合もあります。

最新の画像もっと見る