ニーチェの「道徳の系譜」(岩波文庫)を読み始めて、その冒頭の部分で、いきなり「『あなたの宝のある所には、心もある』(マタイ6:21)」という言葉が飛び出し驚いた。 . . . 本文を読む
とうとう、こういうことが起こってしまった。これまでのペシャワール会の活動については、世界中が尊敬の念をもって注目してきた。ほとんど無防備で、ただアフガニスタンの人々との人間的な信頼関係だけを頼りにして、活動が進められてきた。むしろ、これまでこの種の事件が起こらなかったことこそが現代の奇跡であると思っていた。いや、ここで「奇跡」などという言葉は、人類に対する冒涜であろう。それこそが、普通の、当たり前の関係であると信じたい。ペシャワール会の活動こそが、日本が誇りにする真の国際貢献である。 . . . 本文を読む
毎朝、NHKのテレビ小説「瞳」を楽しみにして見ている。ヒロインの瞳の人生に対する前向きの姿勢が、わたしの毎日のエネルギーになっている、といっても過言ではない。どこかに出かけるときでも、この番組を見てから出発するというほどである。
東京の下町、月島の風情と下町特有の人間関係がとても楽しい。隣の家に「ちょっと、鍋を貸してくれ」と声をかけるなんていう風景は、なつかしい。こういう人間関係は、もうとうの昔に日本社会から失われてしまったようである。 . . . 本文を読む
チンパンジーの行動について興味深い報告を読んだ。開かれた面が向こう側にあるコの字型の枠の中に、置かれた餌を棒で引き寄せて手に入れるためには棒で押して一度自分から遠ざけて枠のへりを迂回させなければならない。ところがこれはチンパンジーにとっては非常に難しいらしい。しかし、そのチンパンジーも窓から投げ出された餌を手に入れるのに自分の方が迂回して取りに行くということは、割合簡単にできる。 . . . 本文を読む
キリスト教にとって、最も危険な哲学者はニーチェである、と思い込んでこの歳まで来た。だいたいニーチェは「神は死んだ」と告知し、「アンチキリスト」の宣教師である。読んで、害こそあれ、得るものは何もない、と思ってきた。自慢ではないが、ニーチェの著書はもちろんのことニーチェに関する本も読んだことはない。
ところが、親爺のことについて考え、高山樗牛のことについて調べていると、晩年の樗牛はニーチェの思想にはまったと言うではないか。どこが、何が、ニーチェの魅力なのか。そんなことを考えていた。 . . . 本文を読む
先日、友人から次ぎのようなメールをいただきました。
<私は、この10月に「後期高齢者」となりますが、今日「紅葉マーク」のマグネットタイプを購入し、車に取り付けました。何だか一度に歳をとった気持ちで、気分的に大いにマイナスです。「紅葉マーク」よりも、年齢制限によって免許証の返還制度を設けては如何かと思います。一律にそうは出来ないなどの意見もあるでしょうが、そこは割り切りと決断が必要だと思います。> . . . 本文を読む
昨日は娘の家族と一緒にハウステンボスに出かけました。お天気に恵まれ、というか強い日差しのもと、子どもや孫たちが元気にあちらこちらに出かけている間、わたしたち夫婦は噴水前の木陰やホテルのロビーや喫茶室でほとんどの時間を過ごしました。そこで気付いたことは、施設内にチャンとした喫茶店がなくなっていることです。例えば、評判の「アニーおばさんのチーズケーキ」の店も、売場はかなり充実していますが、ゆっくり紅茶とケーキを楽しむ空間はなくなってしまいました。それで、だいぶ探しましたが、椅子やテーブルが屋外に置かれ、そこでコーヒーやビールを飲むところはありますが、冷房の効いた静かな空間はほとんどなくなっており、仕方がなくホテルの喫茶室で休むしかありませんでした。 . . . 本文を読む