茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年9月10日「不妊治療+冷え・肩こり・頸凝り・頭痛。」

2016-09-09 06:46:07 | 日記

不妊治療の患者さんが来院、冷え・肩こり・頸凝り・頭痛が酷いそうです。「気象病」も入っているのではないかと考えます。

当院の不妊治療は「積聚治療」という腹診で「証」を立てる治療法ですが、同じ患者さんでも日により「証」が異なります。

そして全体治療なので不妊症だけでなく冷え・肩こり・頸凝り・頭痛にも効果があります。

今回は腹診により「腎積腎虚証」で治療を進めることとしました。

東洋医学的には「腎虚証」も頭痛の原因となります。ですから「腎虚証」由来の頭痛は「腎虚証」を治療する事で改善します。

脈診をすると肺と腎の脈が沈で弱く、腹部接触鍼をすると、腹部が全体的に膨満し皮がなめし皮の様に硬く、指標は太衝、三陰交、魚際、雲門に圧痛が強く、腹積としては、腎の領域の曲骨上の圧痛が一番強いため「腎積腎虚証」として証を立てました。

一般的に言うならば「肝腎陰虚証」となります。頭痛も「肝腎陰虚型」の頭痛と考えられます。

通常の「積聚治療」の手順通りで治療を開始し最後に督脈身柱上に棒灸で雀啄灸を行い、命門上も同様としました。

頸部天柱・新設と肩部の阿是穴に鍼と灸をした後に、更に太衝と陽陵泉の対穴に鍼をして、眩暈頭痛の標治法として四神聡、百会、頭維に鍼をして鍼とお灸の後に温灸器を使い経絡に沿って丁寧に気血の流れを調えます。

治療を終えた患者様はお腹も柔らかくなり「体が温まり、辛かった頭痛が消えて、あ~楽になった。」と喜んでいました。

今回の場合を 東洋医学的に考えれば、根底にあるのは「腎の虚」です。夏の疲れも関係すると思います。

「腎の虚」により「腎の陰液」が少なくなり、さらに「肝腎同源」と言われている「肝の陰」がともに 虚して肝陽が亢進することにより、肝腎陰虚のために生じた虚火が上擾して、頸凝り・頭痛・眩暈などが生じたと考えられます。




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