静岡市清水区の海長寺に行ってきました。日蓮宗の本山の一つです。
海長寺は、もとは平安時代初期の仁寿2年(852年)に創建された峨岳寺という天台宗のお寺でした。鎌倉時代の文永9年(1272年)に日位上人がこの地を訪れたとき、当時の山主が日蓮聖人の法門に感銘して弟子となり、寺号も海上寺と改めたのだそうです。海長寺となったのは、江戸時代のことです。
海長寺では、徳川の葵の御紋を使うことを許されています。家康が武田家家臣に追われ、海長寺に逃げ込み、椿の茂みに身を隠したそうです。武田の臣が家康を差し出せと強く迫っても当時の住職は屈することなく、おかげで家康はあやうく難を逃れることができたのだそうです。
この寺にあるお釈迦様の像は、峨岳寺と称していた頃に海中より出現したものと言われています。お体には今も牡蠣殻が附着しているそうです。貫首の入山式以外には御開帳されることはありませんが、昨年秋、貫主様が交替した折にはご開帳されました。
本堂脇には天満大自在天神のお堂があります。天神様菅原道真公の木像が祀られていますが、これも海中出現と伝えられています。
海中出現とは、思うに、駿河湾に面したこの近辺では、津波の被害が何度もあり、寺院の堂宇ことごとく波にさらわれ、仏像が浜に打ち上げられることが何度もあったのだと想像されます。そのようにして浜に打ち上げられた仏さまを地元の方が拾い上げ、お寺に持ってきて供養しているのではないかと思います。
この海長寺に長男が10月20日から山務員としてお世話になっています。