滋賀県湖北地方の木之本町、高月町(今は合併して長浜市になっています)には、古い仏像がたくさん守り継がれています。
そのほとんどが、寺院ではなくて、村の観音堂などで村人たちの手によってに大切に守られてきたものです。
近江国の北東に己高山(こだかみやま)という山があります。この山は奈良時代以前から山岳信仰の場として栄え、役行者、行基、泰澄などが修行したと伝えられています。奈良、平安、鎌倉時代には大伽藍の寺院が数多くあったといいます。
それらの大寺院は時代の推移とともに次々と無住あるいは廃寺となってしまいました。しかし、それらの寺院に残された仏像は、宗派の枠を越えて、村々で守られてきました。戦国時代、姉川の戦い、賤ヶ岳の戦いなどで、この地方はしばしば戦場となりましたが、村人たちは、仏像を地中に埋めるなどして守ったといいます。現在、己高山山頂付近には、奈良時代に行基が開き、平安時代に最澄が天台密教の聖地として再興したと伝えられる鶏足寺(けいそくじ)の跡が残っています。
さて、先日、高月観音巡りに行ってきました。まず訪ねたのは、己高山ふもとにある「己高閣・世代閣」です。己高山の寺院に残された貴重な仏像や寺宝が安置されており、鶏足寺の十一面観音立像や法華寺の薬師如来立像など、国指定の重要文化財や県の重要文化財が多数収蔵されています。(仏像は禁撮影なので写真がありません。以下同じです。)
続いて、鶏足寺、石道寺と拝観し、高月駅近くの高月観音を拝観しました。
電話をすると、お堂の管理をしている方が、自転車でやってきて、お堂の鍵を開けてくださいました。
ここだけは、写真撮影OKでした。
立派な十一面千手観音様です。
こんなにすぐ近くで拝観できます。京都や奈良ではありえないことです。他のお堂でもすぐ近く、触れることができるくらい間近に拝むことができます。
続いて、渡岸寺観音堂、高月観音の里資料館、西野薬師観音堂、正妙寺と拝観し帰路につきました。