考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

英作『山登り7(女人禁制)』答と考え方

2015-10-04 15:45:18 | 英作 解答
【山登り】



7. いまだ女人禁制の山も数多く存在する。


→ いつでも言葉尻にとらわれず、それが『どういうことか』考える。

言葉は日本語と英語で違えども、人間である。そんなに考えや想いは変わるはずもない。

ただ表現形式が違うだけだ。

考えて、言いたいことを整理する。

『女人禁制』

日本語は、特に漢字の特性であるが、一文字で多くの意味を伝えることができる。

一言で言おうとする日本語を、解体する作業が必要である。

それによって、はじめて英語に直すことができる。

いわばその言葉、事象を定義し直すことである。

辞書作りに似ている。

英語にすることは、自分がその事柄を定義し直すことである。

自分の言葉で、自分の手でその事柄を説明する。自分の頭で、独力で、持てる知識だけで。


今から辞書を編纂する者として『女人禁制』を定義しよう。

何と書くか?自分なりの定義である。個人的な定義で一向に構わない。英語の勉強である。

単純に、女性は来られない。Women や Ladies が can't come to the mountains.

なぜ?  禁制? そういうルールなのだろう。

There is a rule. Women can't come to the ( some) mountains.

これではなぜ?かの理由になっていない。

『女人禁制』と日本語で思った時、日本人の頭の中では、昔の日本では、伝統、風習により、女性は神聖不可侵な神域である、ある山には立ち入れなかった、等の固有の歴史を思いながら、まあそんな時代だったのかなという感じで、あまり深く考えずに理解する。

しかし、これを英語にすると、Women can't come to the mountain. Women are prohibited from coming to the mountain. 等になる。

英語にした途端、なんで女性がダメなの?と疑問がわく。

日本語のままでは、疑問にも思わないことでも、英語にしてみると、おかしいなと思うことが多い。

男女同権の現代。女人禁制とは、なんと時代錯誤なのか。常識が異なる歴史を現代からの視点だけでみるほど危険なことはない。しかし、英語にしてみることで、異なるフィルターを通してそういった事象を改めて見る機会が与えられる。

正直、『女人禁制』をそのままの雰囲気で一言で言う自信は私にはない。

英語に直してみて思う。英語以上に大事で面白いのは、なぜ当時の人が、神官?権力者が『女人禁制』という制度にしたのだろう。わからない。日本の歴史、文化、宗教、人間心理等、様々なことを考えてしまう。


英語に直すことで、『なぜ?』という思考回路が発動する。

外国語をやるメリットはこれかもしれない。

いつも当たり前に思える風景が、違って見える。

問題意識が活性化して、世の常識を改めて考える。


外国語を知らざる者、自国語をも知らず。ドイツの文豪 ゲーテの言葉である。


空気や水のごとき日本語の中で見る日常風景は、外国語(外国人の視点)から見ると新鮮な風景となる。

ペラペラ話す、ということが至上目的の感がある昨今の語学の様相であるが、本来の外国語学習の目的は、新たなる視点の獲得なのであろう。

答を求めて辞書を引き、ネットで検索する。答えがすぐ見つかると誰だって思う。

違う。

答えなどない。答がないことを知り、初めて人は自分で考えだす。そこから本当の、英語学習が始まる。







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