考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

英作『都政7(築地市場の移転・賛否両論)』答えと考え方

2016-12-18 16:30:18 | 英作 解答

 【Tokyo Metropolitan Government】


7. 築地市場の移転に関しては賛否両論だ。

⇒ 普通こういった日本語を見ると、『移転』と『賛否両論』を辞書で引くだろう。もしくは全文ネット翻訳にかけるか。辞書を引くのは良いが、いつも和英辞典、機械翻訳に頼っていては、いつになってもそれらへの依存心を断ち切ることはできない。道具というのは便利であるが、常にそこには依存心という危険性が内包される。

剣豪 宮本武蔵は『仏神は貴し、仏神は頼まず』といった言葉を残している。

神仏は崇高な存在であり尊重するが、己の技術に関しては神頼みするという依頼心は、それによって自己鍛錬を怠り、勝負においては油断を生む。そういったことを意味しての武蔵の自戒の言葉であろう。現代にも通ずる教えである。

依頼心、依存心とは何か。

剣という道具に頼るものは剣によりその身を亡ぼす。

英語も同じである。辞書という道具に頼るとはどういうことか。

『辞書は貴し、辞書は頼まず』


語学において『依存心』というテーマは、恐らく外国語学習上達を妨げる核心に近い問題であると私は考えている。

物にあふれ、ますます便利になっていく社会。しかし、何かを得れば何かを失う。

便利さと引き換えに、我々は何を失っているのか。

物に頼る、人に頼ることで、我々は自分の力を試す機会を捨てている。

他に頼ることにより、自分に頼ることを忘れてしまう。

便利な機械に頼ることで、楽をするつもりが、それによって自分で考えて、自分の能力を使って問題を解決するという機会をみすみす捨てていることに気づかない私たち。便利さと引き換えに、我々は自分への信頼を失い自信を喪失する。たかが英語というなかれ。頼るということの代償は想像以上に大きい。




英作に移る。

課題文を便宜上二つに分ける。

『築地市場の移転』という部分。

移転だからといって、relocation しかないのでは決してない。

移転とは、そもそも何をすることなのか。

移転するということは、市場の場合で考えると、まず問題としては老朽化である。そういう問題点があるからこその『移転である』。原因と結果から考えると『移転』は結果であり、老朽化等の問題が原因である。問題があるということは移転する前に『閉鎖』する必要がある。『閉鎖』とは『閉じる』ことであり、簡単にclose である。よって『移転』の要素の一つは

・They close the Tsukiji market.


『閉じる』ということは逆は『開ける』である。open を使い、

・They open a market.

・They open a new market.

どこに? 他の場所に。よって

・They will open a new market in a different place.

市場の移転とは、要素分解して考えると、今の市場を『閉鎖して』新しい場所で『開ける』ことである。以上を合わせて

・They close the Tsukiji Market and open the new one in a different place. これで『移転』ということになる。


have でも言える。

・They close the Tsukiji Market. They will have the new one in a different place.


いっそ全部have でも言える。

・They won't have the Tsukiji Market any more. They will have the new one somewhere else.(どこか他に)


『移転』するということは老朽化が原因である。老朽化は平たく言うと『古い』ということなのでold である。ただの古いではなく『古すぎる』と言うために、過剰さを表す too を加え、

・The Tsukiji Market is too old. They will have a new market somewhere.



次に『賛否両論』を考える。

『賛否両論』ということは、全員がそう思っているのではなく、そう思っている人がいるということ。何人かがそう思っているということなので、この場合some が活用できる。

・Some people don't think it's a good idea.

・Some people say no.

・Some think~ 等。

『移転』と『賛否両論』の要素を組み合わせてみると

・They will close the Tsukiji Market, because it's too old. They will have a new one in a different place. But some people think it's not a good idea.

『賛否両論』というと、どうしても自然にyes と no という風なイメージがあるが、上記のように考えると『賛否両論』といえども単純に『そう思わない』人がいるという意味でしかない。


他にも『賛否』の部分をクローズアップすると、

・Some people say yes. Some people say no.


like も使える。

・Tsukiji market is too old. They'll have a new one in Toyosu. Some people don't like that idea.

like は好き嫌いしか言えないと思って侮ってはならない。立派に意見を表明することができる。


『移転』や『賛否両論』という日本語を見た時の自分の思考のうごめき、方向をよく見つめることが大事である。それらの日本語を見た時の頭の働く方向性により、出てくる英語の質が大幅に変わる。考えることで言いたいことの本質を見ることである。本質を見るとはある種の単純化である。単純化するためには赤ちゃん言葉で考えることである。考えることで物事を複雑化しては元も子もない。

『移転』や『賛否両論』という日本語は、そしてそれらをそのままのニュアンスで英語に置き換えようとする意識の働きは、いわば見栄である。本当に英語でコミュニケートしようとする者はもっと本気にならなくてはならない。不要なプライドなどは、かなぐり捨てて必死で英語にすること。要は自分で考えることである。自分で考えなければいつまでたっても英語は何一つ話せない。考えることは面倒だ。だから羊頭狗肉の楽して学ぶ系のメソッドが流行り、一向に英会話産業の商業主義は収まらない。

新しい一歩。全ては自分で考えることから始まる。

以上。




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