考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

英作『コロナ禍14(ワクチン後進国)』

2022-05-24 16:20:00 | 英作 解答

Coronavirus Crisis /コロナ禍

14. 日本は、ワクチン後進国である。

⇒ 後進国というと、通常は経済的に、もしくは産業的に立ち遅れた国に関してのことであり、英語としては、開発を意味するdevelop を用いて、a developing country と呼ばれる。現在開発途上(中)なのでingであり、a developed countryとed(完了の意)が付くと、先進国の意味となる。

今回の『ワクチン後進国』は、本来の意味での経済的な意味における後進国の意味、用法を超えている。要するに比喩的に後進国という語を充てていると考えられる。英語で、たまたまdeveloping country やdeveloped counry 言い、その訳語に先進国、後進国と訳語があるからといえども、こういう~後進国という文脈で同じようにdevelopが使えるとは、必ずしも限らない。こういう場合は、(ワクチン)後進国と日本語で言っても、英語では、もしかして違うのではないかと、少し疑うことが大事である。ネット翻訳、和英辞典は、材料を提供するが、最終的に判断するのは、我々人間である。

直訳を避けて、意味本位で英語にするためには、考えることが必須である。考えて、自分の知っている英語で表現して、言いたいことに限りなく近づける努力である。それが、ひいては英会話力の本質的な力を鍛える近道である。

さて考える。

ワクチン後進国とは何か。

ワクチン開発、接種に関して、あまり重要視していないと考えられる。重要視していない、ということは、簡単に誰でも知っている important を使ってみると、

・Vaccines are not important.

・Making vaccines is not important.

・Japan does not think making vaccines is very important

・Japanese government does not think it is important to make vaccines. 

等が、まずは考えられる。

 

開発もさることながら、従来、あまり積極的にワクチン接種をすすめて来ていない、という文脈であれば、どうなるか。

ワクチン接種を勧めるということは、簡単に言うと、ワクチンを打つように、お願いすることである。ask を使うと

・The  Japanese government did not do enough to ask people to get vaccines. 

  not do enough で十分にしていない→積極的にしていない、と表せられる。

 

ワクチン(に関して)後進国ということは、接種が最優先事項ではないということ。priority という語を使うと

・Giving vaccines to people was not the first priority for the government. 

priority を使わなくても、important でも十分用をなす。

・Giving vaccines to people was not so important to the government of Japan.

・Giving vaccines to people hasn't been so important to the government of Japan. 現在完了にした方が、これまでどうだったという感じがでてよいだろう。

 

ワクチン後進国ということは、ワクチンを重要視していない。重要視していないということは、その事柄を重く見ないこと。

take ~ seriously というよく使う表現がある。

・The government did not take vaccination seriously. 

 

後進国なので、遅い、という発想から考えて、slow を使うと

・Japan is slow in giving vaccines to people. (接種をすすめる)

・Japan is slow in making vaccines for people.  (ワクチンの開発)

 

後進国ということは、要するに、必要な設備投資をしていないこと。要するに費用をかけていない。即ち、お金をかけていないとすると、

・Japan does not spend enough money to make vaccines.

 

・Japan does not put a lot of money into making vaccines. 

 

他にも put ~first で ~を最優先するという言い方がある。I put my family first.  (家族優先、第一)、I put my work ahead of everything. (仕事が何よりも優先)等ある。これを応用すると

・Japan does not put vaccination first (to proctect its people/to keep people healthy/ keep people from getting sick. )

put emphasis on というのもある。emphasis というのは、強調という意味。強調する→重要視するということとなる。

・Japan doesn not put emphasis on vaccinating people.  /Japan has not put emphasis on giving vaccines to people. 

 

先ほど、優先という意味のpriority というのがあったが、その動詞でprioritize というのもある。

・Japan does not prioritize vaccinating people. 

 

ワクチン後進国だ、ということは、裏を返せば、日本はもっと積極的にワクチンを開発して、接種をすすめるべきだ、という主張ととれるだろう。ということは、後進国だというのは、日本はもっと~すべしという主張であり、簡単に言うとshould を使うとよい。

 

・Japan should do more to give vaccines to people. 

・Japan should do more to make vaccines. 

 

さらに考えると、国民への情報伝達が不足している、ということも考えられる。広報活動、啓蒙活動、といったことは、どう表現したらよいか。広報にせよ啓蒙活動にせよ、要するに、ある事柄が大事であるということを、人々にわかってもらうことである。わかるということは、理解であるから、簡単にunderstand が使えることになる。よって

・Japan should make people understand how important it is to get vaccines. 

・Japan should (do more to) let people know the importance of getting vaccines. 

広報するということは、人が人に伝えることである。伝えるということは、基本単語のtell が使える。

・Japan should tell people how important vaccines are (to protect themselves from getting sick). 

広報する、ということは、情報与えることである。give を使い

・Japan should give more information about vaccines to its people. 

 

後進国、といっても、元の意味から離れた、今回のような、何~後進国というものは、ほぼ造語というか、言葉遊びに近く、日本語のネイティブだからこそ、そういう芸当ができると考えるべきである。

本来であれば、産業的に発展途上国という意味で、後進国という語があり、それを踏まえて、インパクトを求めて、ワクチン後進国と、たまたま誰かが言ったわけだろう。私も、たまたまどこかで、ちらっとそれに関して読んだことがあるだけで、大して知らないが、それでもその一言だけで、そういう現状、事態がおおよそ理解できる、興味深いキーワードだと思う。

日本語は、その性質上、一言で深い内容を、言い表すのが得意な言語だと思う。

対するに、欧米の言語、文化は、一言で表すよりも、他言を費やし、言葉の限りを尽くして、理解、表現に努める。

性質が異なる言語の間において、安易に、単語レベルでの置き換えを行うことは、慎まなければならない。彼我の発想の相違を理解しつつ、相手(外国人)の身になって、なんと言ったら、理解してくれるかなと、寄り添う姿勢が、真にコミュニケートできる英語の一歩となる。結局は、思いやりである。相手のことを考え、相手にわかるようにするには、どうすればよいか、考えたならば、自ずからその英語は、論理的かつ明晰なものとなるだろう。

英語力とは、つまり説明する力である。

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英作『コロナ禍13(国産ワクチンの早急な開発が望まれる)』

2022-05-07 19:54:00 | 英作 解答

Coronavirus Crisis /コロナ禍

13. ワクチンに関して、輸入に依存しているのが現状であり、国産ワクチンの早急な開発が望まれる。

⇒ 前の課題(コロナ禍11)で、輸入に依存している、は考察済みであるが、それ以外にも、さらに簡単にhave だけで言うと、

・We just have vaccines from other countries.

 

国産ワクチンの早急な開発が望まれる、という箇所を考える。

国産、早急、開発、望まれる。 単語レベルで考えてしまうと、それぞれnational, rapid, development, be hoped? 等が浮かぶかもしれないが、バラバラの単語を単に、くっつけても、人工的な不自然な英語にしかならない。

少し考えると、国産ワクチンというのは、どこの話かというと、日本のことである。

早急な開発が望まれる、ということだが、望まれると言っても、誰が望むのか考えると、我々である。誰がということをはっきりと言うことが、簡単に正確な英語を言うために必須の条件である。

早急な開発が望まれるということは、身近な言い方にすると、『早く日本でワクチンを作ってほしい』ということである。よって『国産ワクチンの早急な開発が望まれる』は、

・We want Japanese vaccines. 

となる。

 

他にも、主語を日本にすると、

・Japan needs to make our own vaccines. 

make my /our own ~ で、自分(たち)で~を作るという意味。

I make my own clothes. (自分で服を作る)、I make my own mask. (自分でマスクを作る)等。この言い方を応用すると、ワクチンを自前で作るのだから、上記のような表現が可能となる。

国産というと、made in Japan が浮かぶ方を多いだろう。このままでは使いづらいが、よく見ると、made in Japan のmade は、make の過去分詞形であり、要するに作られたという受動態である。補うと (something is) made in Japanということで、能動態(普通の順番)に直すと、(they) make (something ) in Japan. のことである。要するにmake である。

あえてmade in Japan を使うと、

・We want vaccines (that are) made in Japan. となる。

望まれる、ということだが、言わんとするところは、むしろ(国内で)開発するべきだ、ということならば、

・We should make vaccines in Japan.

 

have でもよい。

・We need to have our own vaccines. 

課題文を全部have だけでも言える。

・We just have vaccines from other countries. We need to have our own vaccines now. 

 

英語で表現するということは、日本語を英語に、単語レベルでただ置き換える、ということではない。

どれくらい難しそうに見えることでも、自分の頭で考えることで、いかに自分の知っている英語に近づけるかという努力である。

自分の持つ道具を、いかに活かしきるかを考えたい。

 

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