英作問題『ウクライナ戦争』 War in Ukraine
10.ウクライナは、NATOへの加盟を申請していたが、国防上の理由により、脅威に感じるロシアの強硬な反対により、実現せず現在に至る。
⇒ 加盟を申請する、ということを考える。
考えるということは、ある意味物事を単純化することである。複雑な世の中ではあるが、できるだけシンプルに考えることが、英作のコツである。
加盟を申請する、ということは、要するにどういうことか。
ウクライナは、どうしたいのか。
当然、NATO(北大西洋条約機構)に入りたいのである。入りたいということは、新規メンバーになりたいのである。want を使い、
・Ukraine wants to be a member of NATO.
こう考えると、中学英語程度で、十分言える。『加盟』『申請』という日本語をベースに考えると、知っているか知らないかという話となり、その結果、言えないという事態に陥る。忘れるということは、普通は困りものであるが、日本語を忘れることは、英語の熟達には必須の条件である。私が英作をお教えしている目的は、日本語を忘れてもらうことと言っても過言ではない。
課題に戻る。
apply という語を知っていれば、for を伴い
・Ukraine applied for a membership of NATO.
membership (会員であること、メンバーとしての地位)という語を使う。apply for で申し込むという意味である。
a member を使うのならば、
・Ukraine applied to be a member of NATO. とも言う。
上記2つの言い方がよく報道で使われている。
『国防上の理由により、脅威に感じるロシアの強硬な反対により、実現せず現在に至る』
国防上の理由により、というのは、簡単に言うと、「ロシアが自分の国を守りたいから」という意味なので
・because Russia wants to protect themselves.
国防上の理由とは、要するに、敵が攻めてくるのではと恐れることなので
・Russia is afraid that other countries may attack them.
・Russia is worried that Russia may/will be under attack.
もっと簡単に言うと、
・Russia is afraid of NATO. と考えてもよい。
少し難しく言うと
・for security reasons
・for homeland security 等もある。
英作練習の観点からは、自分の知っている簡単な英語で、言えるのが望ましい。安易に決まった表現に頼ると、発想が固定化し、表現力が乏しくなる。
『脅威に感じるロシアの強硬な反対により』
脅威に感じるロシア⇒ ロシアが脅威に感じる⇒ ロシアが、そのことを、怖いと感じる、ということなので
・Russia feels afraid of it.
・Russia feels scared if Ukraine does that. (=to be a member of NATO)
脅威というと、a threat という語がある。
・Russia feels threatened. という言い方もよく聞く。Russia feels threatened by NATO expansion. (expansion=拡大、拡張)
a threat ⇒ pose a threat で NATO's expansion poses a threat to Russia. などと使われる。
『強硬な反対により』
ロシアの強硬な反対=ロシアが強硬に反対する、ということ。反対するで、最も簡単な単語は、against である。
・Russia is agaist that.
against の反対は for である。 基本動詞 support もお忘れなく。 I support you. I support your idea. 等使う。
反対するは、他にも、disagree, oppose , be opposed toある。まずは against を使いこなすのが先決だろう。
『実現せずに今に至る』
実現するということは、それが起きるということなので happen を使えば(現在完了形にして)
・It hasn't happned yet. / It's never happned.
簡単に
・It didn't happen. でもよい。
実現せずに今に至る、ということは、具体的に言うと、
・Ukraine is still not a member of NATO.
実現せずに今に至る、ということは、言い換えれば、『ウクライナにとって、NATO加盟国になるのは、難しそうである』ということなので
・It seems difficult for Ukrain to be(come) a member of NATO. と言ってもよいだろう。
『ウクライナは、NATOへの加盟を申請していたが、国防上の理由により、脅威に感じるロシアの強硬な反対により、実現せず現在に至る。』
上記考察したものを、適宜組み合わせると、下のようになる。
・Ukraine wants to be a member of NATO, but Russia is strongly against that because Russia is afraid of NATO. If Ukrain becomes a member of NATO, Russia will have to try much harder to protect themselves. So it never happned and Ukraine is not a member of NATO now.
順番を少し変えている。先にRussia is strongly against that because というのを先に持ってくることで、より文意が明確になり論理性が増す。英語は特に、先にYes, No を先に言って、理由を述べる、という形式を好む。
こういう論理というものも、英語の学習には大切であり、外国語を学ぶということは、単語や表現を学ぶということも大事だが、それ以上に発想を学ぶということが、最も大切だと思う。
いずれにしても、難しいと感じても、自分の知っている基本的な英語を使うことを、大切にしてほしい。自分の知っている英語は、自分が使おうとしない限り、永遠に使われることはない。
語学の秘訣は、あえて使うことである。あえて使う。やけに使う。意図的に使うことである。学んだことは、意識的に使わない限り、身につくことは決してない。受動的になってはならない。攻めの姿勢こそが、語学上達の秘訣である。
The best defensive is an offensive. (攻撃は最大の防御なり)